【沖縄名護市長選】「知事は就任以来、ずっと県民を欺いて来た」~辺野古移設承認取消を求め、仲井眞知事を提訴 2014.1.15

記事公開日:2014.1.15取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲)

「仲井眞知事は、とうとう沖縄県民を日米支配層に売り渡した。われわれは一丸となって、彼らの骨を断つ戦いをしていこう」──。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の、名護市辺野古移設に反対する県民194人が、仲井眞弘多知事に対し、承認の取り消し及び承認の効力を止める執行停止を、那覇地裁に申し立てた。地裁前に集まった原告・弁護団は、「公有水面埋め立て法に定める、環境保全の要件を満たしていない」として、断固闘う姿勢を見せ、同時に名護市長選挙(19日投開票)の重要性を訴えた。

■全編動画

  • 日時 2014年1月15日(水)
  • 場所 沖縄県名護市

79%の名護市民が反対している

 「埋め立て承認を許さないぞ!」「公約破りを許さないぞ!」というシュプレヒコールが、那覇地裁前で響きわたった。原告団長の安次富浩氏は「名護市長選は、必ず勝たねばならない。それも、圧倒的数で。仲井眞知事や安倍政権、あるいは石破幹事長に、倍返しで、この怒りを突きつけよう」と力強く語った。

 弁護団長の池宮城紀夫弁護士は「昨年12月17日の世論調査によると、基地移設には、79%の名護市民が反対。圧倒的な数で『許せない』と意思表示している。にもかかわらず、日米両政府は植民地化しようと目論んでいる」と批判。「金のために、沖縄の平和、自然を売り渡すのか。基地ではなく、環境、文化を残すのが大人の義務」と訴えると、会場からは大きな拍手が湧いた。

知事も「環境保全できない」と認めていた

 弁護団の事務局次長の金高望弁護士は「この裁判の概要は、大きく2つ。まず、県知事の承認を取り消すこと。そして、結論が出るまでの間、埋め立てが進まないよう、承認の効力の執行停止を申し立てること」と説明。さらに、「公有水面埋め立て法の第4条1号から3号の要件を満たしておらず、知事は承認の直前の県議会でも『環境保全できない』と述べている。行政手続きを逸脱した政治判断だ」と厳しく批判した。40名に及ぶ弁護団は、可能な限り、一人ひとりマイクを持って、自らの決意を語った。

 沖縄県選出の参議院議員、糸数慶子氏は「5人の自民党県連の裏切りと、知事の裏切り。一連の行動に関して、このような構図を作って分断する政府。これに『NO』という立場が、本来、知事のはず。名護市の稲嶺進市長が再選するかどうか、日米両政府は固唾を飲んで見守っている。世論調査では、稲嶺氏が優勢だが、相手はどのような手を使ってくるか、わからない。辺野古の海を守るのは、私たち一人ひとり」と訴えて、士気を高めた。

闘う相手は日米支配層

 沖縄統一連の大久保氏は「仲井眞知事は、就任以来ずっと県民を欺いて、承認の機会をうかがって来た。そして、とうとう県民を日米支配層に売り渡し、その手先の本性を明確に現した。われわれは一丸となって、日米支配層の骨を断つ、こういう戦いをしていこう」と呼びかけながらも、「日米支配層は、金をバラまき、企業による圧力をかけてきている」と、名護市長選に対して警戒感をにじませた。

 最後に、「辺野古 新基地建設阻止! 仲井眞知事は埋立承認を撤回せよ!」という横断幕を掲げながら、もう一度シュプレヒコールを上げて、原告団代表は訴状提出のため、那覇地裁内に向かった。

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