「まさに(政府による辺野古公有水面埋め立て申請は)不意打ちだった」。
沖縄防衛局が3月22日に県北部土木事務所に提出した、普天間飛行場の辺野古移設のための公有水面埋め立て申請について、名護市議会議員の東恩納琢磨氏は講演冒頭そう語り、「(申請に対し)我々に事前の協議もない。政府はよく『沖縄県民の理解を得てから進めていく』と言うが、この申請の手続きのやり方を見ても、とても理解を求めてやっていくというやり方ではない。そういう気持ちはみじんもみられない」と厳しく批判した。
3月26日には名護市議会から、今回の申請に対しての意見書を、内閣総理大臣、防衛大臣、沖縄防衛局長ら宛に送ったという。東恩納氏は「提出者として名護市議会議長をはじめ市議会議員合計16名の連名があるが、ここに(辺野古への)誘致派とされる自民党議員は入っていない。議会の全会一致で挙げられると、もっと本土にアピールできるのだが。そういう結果になり非常に残念だ」と語った。
自民党議員が含まれていないことについて、東恩納氏は「すべては来年1月に行われる名護市長選挙のため。中央からの援助がないとやっていけない。我々名護市民は、住民投票で培った民意を貫くという意味で、金にまつわる太いパイプを断ち切り、ひとりひとりが運動を重ねた結果、今の名護市長を誕生させたという自負もある。もし埋め立て申請の是非を名護市長が問うことになれば、「NO」と言う市長を市民は支持だろう。しかしそれは政府にとっては好ましくない。この問題を来年1月(の市長選挙)までうやむやにするだろう。そうすることによって争点をぼかす狙いがある」と指摘した。
講演後に行われたデモでは、「自然を破壊し戦争のための基地を作る。そのために巨額な私たちの税金が使われようとしている。基地を作るため、ではなく、平和を作るために私たちの税金は使われなければならない。これ以上沖縄に新しい基地を作らせないために、ぜひ沖縄の人達の声をきいてください」と、集まったおよそ100人の支持者が、多くの若者が集まる原宿や表参道、渋谷を行進しシュプレヒコールを挙げた。