PC遠隔操作事件の初公判が、来年の2月12日に行われる見込みだ。20日、第7回を迎えた公判前整理手続を終えた後、司法記者クラブにて記者会見が行われ、佐藤博史主任弁護人は、検察側の立証に苦言を呈した。
(IWJ・須原拓磨)
特集 PC遠隔操作事件
PC遠隔操作事件の初公判が、来年の2月12日に行われる見込みだ。20日、第7回を迎えた公判前整理手続を終えた後、司法記者クラブにて記者会見が行われ、佐藤博史主任弁護人は、検察側の立証に苦言を呈した。
■ハイライト
佐藤弁護士によると、検察側は片山祐輔被告に関係する複数のPCから、本件に関係する検索履歴が見つかったことを立証の柱としているという。しかし佐藤弁護士は、「片山被告のPCが遠隔操作されていたとしたら、検索履歴は何の意味もないものになる」と指摘。「片山被告のPCが遠隔操作されていないことを証明する証拠はあるのか」という弁護団からの問いに対して検察側は、「正規の遠隔操作ソフトがインストールされていなかったから」と説明したという。
さらに検察は、片山被告が派遣先のPCを使用してウイルスを開発したと主張している。しかしこれに対し、佐藤弁護士は、本件ではウイルス作成罪ではなく、ウイルス供用罪が適用されていることを挙げ、「ウイルス作成罪を適用できなかったのは、片山被告のPCに、ウイルスを開発した痕跡がなかったからだろう」とし、検察側の主張に異を唱えた。
次回の公判前整理手続は、来年1月27日の10時からを予定している。本件のような「IT犯罪」に不可欠となる、デジタルデータの開示、解析については、公判開始後に並行して進めていくという。