「拍子抜けする内容だった」─PC遠隔操作事件 証明予定事実記載書提出をうけ、佐藤博史弁護士~証拠開示後の記者会見 2013.7.10

記事公開日:2013.7.10取材地: テキスト動画
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(IWJ・須原拓磨)

 PC遠隔操作事件は、何者かがインターネットの掲示板を介し、他人のパソコンを遠隔操作して、2ちゃんねるなどに殺害、襲撃予告を行なった事件である。

 今年2月10日、捜査当局はPC遠隔操作事件の容疑者として片山祐輔氏を逮捕。その後、アイドルグループへの襲撃予告や、日本航空へ「爆発物を仕掛けた」旨のメールを送ったとして、威力業務妨害容疑やハイジャック防止法違反容疑などで起訴された。一連の容疑について、片山被告は犯行を否認している。

■ハイライト

 7月10日、PC遠隔操作事件の公判前整理手続きのために、検察側から証明予定事実記載書面の交付と証拠開示がなされた。

 刑事訴訟法316条の13には、「検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない」と定められている。検察側が送付した内容は、片山被告の犯人性に関する証拠などである。

 今年1月3日、何者かによって遠隔操作ウイルスのソースコードが埋め込まれた首輪が、江ノ島の猫につけられた。2月11日には、片山被告が首輪を付けた映像が、防犯カメラに映っていた旨が報道されている。

 しかし、片山被告の弁護人である佐藤弁護士は、この日の会見において、「防犯カメラの映像で、片山被告が猫に首輪をつけている映像は、検察側から証拠として提出されなかった」ことを明らかにした。弁護側は、防犯カメラの映像に片山被告らしき人物が映っていることを認めているが、片山被告が猫に首輪をつけている映像はこれまで検察側から示されていないという。

 1月5日、犯人は報道機関へ「江ノ島の猫にマルウェアであるiesys.exe(アイシスエグゼ)の情報をつけた」というメールを送り、警察が同日中に、記録媒体を回収した。この日の検察からの証明予定事実記載書面の交付で、検察は、今年1月2日に片山被告が携帯電話を使用して、「猫 首輪」などという言葉を検索していたことを明らかにした。猫に首輪がつけられたのは、1月3日の14時54分~15時16分の間であるので、首輪がつけられる前の日に「猫 首輪」という言葉を検索していたことになる。

 検察はこの事件に対し、ウイルス作成罪を適用させることを断念し、ウイルス供用罪を適用させる方針を明らかにした。

 ウイルス作成罪とは、「正当な目的がないのに、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウイルスやコンピュータ・ウイルスのプログラム(ソースコード)を作成、提供する行為」であり、ウイルス供用罪は、「正当な目的がないのに、コンピュータ・ウイルスを、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行される状態にした場合や、その状態にしようとした行為」のことを指す。

 弁護人は、「片山被告がウイルスを作成したという罪が、どこかへいってしまっている。検察はウイルス作成罪での立件を断念したのだろうか」と述べ、「そこにマスコミのみなさんは関心を持って欲しい」と記者らへ注意を促した。

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