2013年12月4日10時30分より、平成25年度第34回規制委員会が開催された。福島第一原発4号機燃料取り出し作業における作業者の被曝線量は70μSv/hだったが、田中委員長は「長期作業としたら非常に高い値だ」と懸念を示した。
2013年12月4日10時30分より、平成25年度第34回規制委員会が開催された。福島第一原発4号機燃料取り出し作業における作業者の被曝線量は70μSv/hだったが、田中委員長は「長期作業としたら非常に高い値だ」と懸念を示した。
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東京電力福島第一原子力発電所4号機の燃料取り出し作業について、11月18日から11月25日にかけて新燃料22体を取り出し、共用プールへ移送した。さらに、11月26日から11月30日に使用済燃料22体を取り出し、共用プールへ移送した。新燃料と使用済燃料の両方について、各々一回目の一連の作業が終了した。規制庁はここで保安検査を行い、その状況を報告した。
規制庁によると、取り出し作業中の監視体制は、現地の保安検査官に加え、本庁より統括保安検査官を派遣するほか、本庁のERC(緊急時対応センター)のテレビ会議システムで状況を確認するということだ。
新燃料取り出し作業の後、東電は自らレビューを行い、水中に舞い上がった砂塵の吸い取りなど、改善事項をピックアップ、改善を行った。これは東京電力の定例記者会見でも発表されている。また、規制庁は燃料移送手順書に基づき作業していることや、事前に模擬燃料で確認を行っていること、作業者は5名を1チームとし、2時間程度で交代し、作業を行っていることなどを確認したと報告した。
東電は今後の燃料取り出し作業に使用するキャスクを2基に増やし、交互に移送を行う予定。
燃料を収用し、オペフロアから地上へ移動するため、キャスクを釣り上げている時、万が一落下した場合に備えて衝撃緩衝材を設置している。島崎委員から緩衝材の大きさが、キャスクの大きさに比べてさほど大きいものではないため、真下に落下せずに緩衝材の角に当たった場合、キャスクが転倒するのではないか、と指摘があった。
担当した規制庁検査官は、6号機の作業で使用した実績のあるものだが、キャスクの吊上げ機構に対策しており「落下しない前提」だと回答した。田中委員長は心配するコメントがあったことを、一応事業者に伝えておくよう要望した。
中村委員は、作業者の被曝線量を確認することを要望した。長期に渡る作業の人員確保のためにも「被曝線量の把握が重要」だとコメントした。
東電は作業現場環境は毎時70マイクロシーベルト程度の線量だと保安官に報告している。この数値に対し田中委員長は「長期作業としたら非常に高い値だ」と懸念を示し、作業環境が悪すぎるから改善を廣瀬直己東京電力社長にお願いしているが、直っていないとして、「まだ根っこの問題がある、対策が必要だ」と述べた。さらに「保安検査時に検査官も被曝するため、(規制庁の)体制の見直しも必要だ」との考えを示した。
大島委員から問題提起の形で議案が出され、議論が進められた。
IAEAはIRRSの他、核物質防護に関するIPPASなど複数のレビューサービスがある。IRRSは旧保安院、旧原子力委員会の時の2007年6月に一度サービスを受け入れ、2008年3月に報告書が公表されている。その結果、保安検査官が発電所に自由にアクセスできるなど、レビュー結果の指摘の一部は改善を行っているということだ。
しかし、概ね2年後に受けることになっているフォローアップを受けていないこと、その後の3.11震災への対応や、規制委員会規制庁の設置など「新しい原子力規制に対してIRRSを受け入れる事に大きな意義がある」として、改善の努力の一つとして受け入れるべきとの考えを大島委員は示した。
受け入れるにためには多量の準備文書が必要など、拙速にはできないが、かといって先伸ばしでもよくないため、2015年末ごろから2016年前半ごろが良いと大島委員は提案、書簡で受入表明を年内にしたいと述べた。
本日の委員会に出席している委員はIRRSの受け入れに基本的に賛成の意思を表明しているが、更田委員がウィーン出張で欠席のため、本日は結論は出さず、議論のみにとどめられた。
11月28日に中国杭州で、第六回日中韓上級規制社会合(TRM)が開催され、参加した大島委員が結果概要を報告した。三国間の情報交換枠組みについての合意、TRM会合に付随するTRMプラスの設置という二つの点について進展があったことが報告された。
情報交換枠組みについては、対象となる事象・事故が発生した場合、自国語でもよいので即時に第一報を電子メール、緊急電話で通報する事としたもの。英語に翻訳すると時間がかかるため、自国語で通報し、翻訳は受取り国側で行うこととした。
TRMプラスは、日中韓だけでなく、米露などの専門家、関係者も参加してもらう会合を実施することとしたもの。TRMは持ち回りで開催され、来年第7回は日本で開催される。その時に「第1回TRMプラス」を開催する予定だという。
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