「住民帰還のための基本的考え方を了承」第32回原子力規制委員会 2013.11.20

記事公開日:2013.11.20取材地: テキスト動画
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 原子力規制委員会は11月20日、検討チームがまとめた「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」を了承した。個人線量計を用いて個人の被曝線量を測定することと基本とし、国としてロードマップの策定、相談員の配置とその支援を提言した。

■全編動画

  • 日時 2013年11月20日(水)
  • 場所 原子力規制庁(東京都千代田区)

住民帰還のための基本的考え方を了承

 規制委員会は、11月11日に開催された第4回帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームで、基本的な考え方とりまとめていた。その後の一部修正されたものが、本日の委員会で概ね了承された。今後、規制委員会として原子力災害対策本部に報告する予定。

基本的考え方の概要

 年間積算線量が20mSv以下になることは必須の条件に過ぎないとしている。ICRPなどの国際的な知見から、国が責任をもって、長期的な目標として年間1mSv以下を目指すことを示している。目標達成のために、個人線量計を用いて個人個人の被曝線量を測定することと基本とした。

 その上で、住民の自発的な活動を支援するために、国が取組むこととして二点を示したている。一つは、地域ごとに、どの時期に、どのような対策をどのような仕組みで行うかというロードマップを用意することである。もう一つは、住民の疑問点や不安を解消するため相談員を配置すること、更に相談員を支援する仕組みを用意することである。

機械的に適用するだけでいいのか

 基本的考え方について、大島委員は「これだけの対策を機械的に実施するだけで、住民の健康に役たつのだろうか」を疑問を呈しながらも、住民に立場にたって実施することを要望した。

 更田委員が「あまりにも不安、不安と言いすぎている」と苦言、「不安解消して安心ではなく、安全だから安心ではないか」と指摘。田中委員長は「低線量被曝は科学的にどうのと言えない。だから不安なのはしょうがない」と応えた。

報告書を出したら終わりではない

 検討チームの座長でもあった中村委員は、本報告書を出したから終わりではないと発言、「住民から放射能に関する質問がくるだろう。キチンと丁寧に説明することが大事だ」今後も住民の声に答えていくという考えを示した。

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