何度目の正直なのか。11月26日、衆議院本会議で「特定秘密保護法案」が自民党・公明党・みんなの党の賛成多数による可決された。法案の個別具体的な問題点はほとんど審議されないまま、かつてないスムーズな運びでの強行採決となった。同様の法案は、かつて何度も国会に上程されている。今回の可決は、一体誰にとっての悲願なのか。
衆議院可決の2日前、11月24日、18時半より東京都文京区の文京シビックセンターで、ジャーナリストや弁護士が参加する「特定秘密保護法案に反対する表現者と市民のシンポジウム」が行われた。その中で、ジャーナリストの青木理氏は「この法案を欲しがっているのは、安倍政権ではなく、警察官僚だ」と指摘した。
- 登壇者 田原総一朗氏(キャスター)、佐高信氏(評論家)、香山リカ氏(精神科医)、田島泰彦氏(上智大教授)、青木理氏(ジャーナリスト)、野中章弘氏(アジアプレス代表)、清水勉氏(弁護士)ほか
- 日時 2013年11月24日(日)
- 場所 文京シビックセンター(東京都文京区)
「テロ対策」を名目にあらゆる警察情報が秘密に
青木氏によると、この法案は民主党政権下でも、同等の法案が持ち上がってきていた。当時も裏で糸を引いていたのは内閣情報調査室は、「警察官僚の出島」と呼ばれている機関である。
内閣情報調査室は、警備・公安警察のトップ・準トップクラスがトップに就くと言われている。秘密保護法の策定過程において「テロ対策」という項目が盛り込まれたが、この名目が付けば、「警察に関する情報すべてが秘密になってもおかしくない」と青木氏は指摘した。警察が必死に隠し、全容が不明瞭な自動車ナンバー自動読取装置(通称:Nシステム)などは確実に秘密に指定されるという。
「世論に敏感」なはずの公明党の動向は?