国会の審議も大詰めをむかえている「特定秘密保護法案」。テレビや新聞の報道は、その法案の危険性にくらべ、あまりに少ない。法案が話題になる前から精力的に報じているのは、一部のフリージャーナリストや市民メディアのみだ。
11月9日(土)20時から行われた「第27回ロックの会」では、秘密保護法をはじめ重要な問題を、大手メディアが「広告」に縛られて黙殺せざるを得ない現状や、その補完機能としての市民メディアが経営的に苦しい状況など、多岐にわたる議論が行われた。
ロックの会は、女優の松田美由紀氏、映画監督の岩井俊二氏、音楽プロデューサーの小林武史氏、環境広告サステナ代表であるマエキタミヤコ氏、そして岩上安身の5人が発起人となり、月に1回開催されている。
27回目となるこの日は、デモクラTVお茶の水スタジオで、マエキタミヤコ氏がオーガナイザーを務め、「秘密保護法」をテーマにゲストと対談形式で進められた。
秘密保護法はメディアのチェック機能を破壊する
一人目のゲストとして 「名もなき受刑者たちへ」、「原発広告」著者である本間龍氏が、自らの収監された経験から、出所後の生活における問題点を話した。
続いて岩上安身とOurPlanet-TVの白石草氏が、市民メディアの観点から秘密保護法について話した。
岩上は秘密保護法について、「本質は軍事です。NSCと一緒になって戦争遂行の為のいち準備である。アメリカの戦争に付き合わされる」と解説した。白石氏は「国会議員ですら罪に問われてしまうので、国会のチェック機能が失われてしまう。行政の下に国会が置かれてしまう。一部の人が暴走しても全くチェックできない」と警鐘を鳴らした。
続けて岩上安身は「特定秘密にアクセスできる人間は限られている。政府内でもその情報は共有していない。誰も分からなくなってしまい国家の中枢に暗部ができてしまう。アメリカだけがその情報を握ってしまう」と懸念を示した。