2013年8月9日(金)19時30分から、東京都渋谷区のカフェラウンジ UNICEで、「第24回ロックの会」が行われた。この日は、ジャーナリストの堀潤氏がオーガナイザーを務め、福島第一原発での不正な労働実態を告発した元作業員らをゲストに迎えた。また、82歳の小児科医、真弓定夫氏が、「原子力ムラ」と同じ構造を抱える「医学ムラ」の問題点などを語った。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年8月9日(金)19時30分から、東京都渋谷区のカフェラウンジ UNICEで、「第24回ロックの会」が行われた。この日は、ジャーナリストの堀潤氏がオーガナイザーを務め、福島第一原発での不正な労働実態を告発した元作業員らをゲストに迎えた。また、82歳の小児科医、真弓定夫氏が、「原子力ムラ」と同じ構造を抱える「医学ムラ」の問題点などを語った。
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サポート会員 新規会員登録単品購入 550円 (会員以外)単品購入 55円 (一般会員) (一般会員の方は、ページ内「単品購入 55円」をもう一度クリック)前半は、事故後の福島第一原発で収束作業に従事し、原発労働の実態を伝える林哲也氏、10代の若者の連帯を模索する富樫泰良氏、堀氏の自主制作ドキュメンタリー映画に楽曲を提供した音楽家の青木健氏をゲストに迎え、現在の福島第一原発の状況などを話し合った。
林氏は「実際に福島第一原発に行ってわかったのは、収束作業なんか行われていないということ。約3000人いる作業員の大半は、汚染水を溜めるタンクを作ったり、放射能汚染のサーベイ、作業環境の整備などの仕事をしている。テレビに映る映像などを見ると、4号機の上に大勢の人間がいたりして、収束作業は日々、行われているように見えるが、あれは取材が入った時だけ。マスコミ向けのものだ」と話した。さらに、募集時の条件とは違って、危険手当や食事・宿泊に対する手当も支払われないまま働いている、下請け作業員の実態を語った。
東京出身で、現在は宮城県の被災地に住み、中華料理屋で働く16歳の富樫氏は、「被災地で起きている現実と、東京との温度差を感じて、やるせない気持ちになる」と述べ、10代の目線から「大人に対して感謝もあれば、怒りもある」として、社会への不安や自身の想いを語った。
堀氏は「肌感覚として被災現場の状況がわからない環境にいると、自分自身の日常を取り戻す中で、その記憶はどうしても回収されてしまう」としながらも、「しかし、絶対に忘れてはならないのは、課題が解決されない現在の状況だ。そして、解決のためのシステムを組み込むことができたのなら、われわれは、それをずっと見ていかないといけない」と語った。
松田氏は若い世代に対して、「社会の違和感を理解し、政治に興味を持ってもらいたい」と訴えかけた。青木氏は「一部の人々の都合で積み重なったものが、崩壊した象徴として、3.11があると思う。これからは表現を通じて、皆と意見を交換し合える場を作りたい」と話した。
後半は、松田氏と真弓氏による対談が行われた。「医療費の問題は、原発利権の問題とまったく構造が同じで、より規模が大きい」と語る真弓氏は、戦後、アメリカから日本人に合わない食生活が流入し、日本の伝統的な食文化が崩壊していった歴史を解説し、「丈夫だった日本人の身体は、ガタガタにされた。病気が増え、薬が増え、医療費が増えた」と主張した。
その上で、「原子力ムラ」と同じような構造が、「医学ムラ」にも存在することを指摘。「ワクチンや牛乳を採らせるのは、日本人にとって良くない。米、野菜、海藻、果物が、日本人には本来の『薬』である。政治家と医者を、絶対に信じてはいけない」と力を込めた。
最後に、松田氏は「知らず知らず、良かれと思ってやっていたことが、仇(あだ)になっている、ということを知った。真弓氏のような、長く生きてきた人たちが、いろいろな事実を教えてくれる場が減ってきているのは、大きな問題だと思う。高齢の方たちの知恵に耳を傾けて、その知恵を引き継げるような社会の空気を生み出していきたい」と述べた。
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