「山本さんの場合は覚悟ではなくて、単なる無知だった」――。
山本太郎議員が天皇陛下に手紙を渡した件について、下村博文文部科学大臣は11月5日の記者会見でIWJの質問に対し、山本太郎議員の行動を改めて批判した。下村大臣が山本議員の行動を田中正造に例えた発言に関しては、「比較するのは田中正造に申し訳なかった」と、誤解を招く発言をしたことについて反省のコメントを述べた。
山本議員の行動についてどういう点で問題があったのかというIWJの質問には、「常識以前の問題。憲法で言う日本国の象徴たる存在に対して、そういうことをすること自体が非常識である」と、山本議員を厳しく批判。山本議員の処分に関しては、「本人が辞職しないということであれば、参議院で何らかの措置は、けじめとしてすべきだ」とコメントした。
- 日時 2013年11月5日(火)
- 場所 文科省(東京都千代田区)
国家戦略特区の法案が閣議決定
会見では冒頭、下村大臣が「国家戦略特別区域法案が閣議決定された」と報告。文科省では、地域の特性に応じた多様な教育を実施するにあたり、公立学校の教育水準の維持向上、公共性の確保を図りながら公立学校の管理を民間に委託することを可能にするために、関係地方公共団体の状況を踏まえつつ、法律の施行後、1年以内を目標として具体的な方策について検討し、結果に基づいた必要な措置を講じる規定が盛り込まれた。
具体的な制度のあり方については、省内に設置した検討チームにおいて、実現を目指した検討を進めていくという。
以下、山本太郎議員が天皇陛下に手紙を渡した件に関する発言要旨
IWJ「大臣は1日の会見で『田中正造に匹敵する』という主旨の発言をされていますが、『田中正造が議員を辞めて、直訴して、大問題になった』という大臣の発言からすると、山本議員の行動とともに、歴史上の田中正造の行動にも問題があったともとれるように感じますが、改めて大臣の見解をお聞かせください」
下村大臣「率直に言って例えが誤解されやすかったと反省しています。田中正造は議員辞職をして直訴をしたという覚悟があった。山本さんの場合は覚悟ではなくて、後のコメントを聞くと単なる無知だったのかなと。比較するのは田中正造に申し訳なかったという思い」
IWJ「そうしますと、今回の山本議員の行動に関して、どういったことが問題になるとお考えでしょうか?」
下村大臣「常識以前の問題ではないか。国会議員が園遊会という公的な場で天皇陛下に手紙を出すということ自体が非常識そのもの。個別具体的に(天皇陛下に)手紙を渡すことが慣習上、許されているのか、認められているのかと考えると、誰もしない。それが当たり前。憲法で言う日本国の象徴たる存在に対して、そういうことをすること自体があまりにも、国会議員としても非常識であると思いました」
IWJ「そうすると、山本議員の処分について、大臣はやはり議員辞職が妥当とお考えですか?」
下村大臣「議員辞職は本人が判断すること。本人が辞職しないということであれば、参議院で何らかの措置は、けじめとしてすべきだと思います」
時代背景が違い戦前は天皇は現人神であった。戦後人間宣言した天皇陛下に対する考えは、現代人が田中正三と違うのは当たり前で、それを同じ認識を持っていることを前提にしているような文部科学大臣の発言こそが、無知から起こした間違い発言だと言える。
間違った前提を元に、仮にも文部科学大臣ともあろうお方が67万票の信任を得た議員に対して、辞職することが当たり前のような発言をするのは、日本の将来を担う若者を育てる文部科学大臣としての適性を欠くといわざるを得ない。《議員辞職は本人が判断すること。本人が辞職しないということであれば》云々という下村氏の発言は、そのままのしを付けてお返ししたいというのが既に分別のある中年になった私の意見です。