「国務大臣や、内閣官房副長官などの中にも、外国とつながっている人がいて、情報を漏らす人がいるかもしれない。スパイ天国とは国会の中のことをいうのではないか」――。
多くの問題が山積みとなったまま25日にも閣議決定し、国会上程されるといわれている特定秘密保護法(秘密保全法)。その問題の一つが、国民のプライバシー侵害が懸念される「適正評価制度」だが、特定秘密を指定する側――つまり国務大臣や行政の長は、秘密取扱者となる公務員とは違い、適正評価制度が適用されない。これについて山本太郎議員は、10月24日に開かれた第二回「秘密保護法を考える超党派の議員と市民による省庁交渉 」で、「国務大臣こそ適正評価を受けるべきだ」と指摘した。
- 日時 10月24日(木)
- 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)
立法過程も秘密では、国会で議論することもできない
この日の集会では、前回21日に行われた第一回交渉において明確な回答がなかった問題を中心として、質問事項があらかじめ用意された。国会上程が迫っているにもかかわらず、法案策定に関係した省庁からの回答は不明確な点が多く、未だに検討中といった項目もみられた。
事前に用意された「内閣府内で議論を共有するため、秘密保護法の法案説明をする資料などは存在するか。あれば公開せよ」といった質問に対し、内閣情報調査室参事官の橋場健氏は、
「この文書は開示できる部分とできない部分を精査する必要があり、現在は公開する予定はない」と回答した。
社民党・福島みずほ議員が、「それでは明日、閣議決定などできない。立法過程や論点を明らかにしなければ、立法はできない。それが国会、国民に立法をお願いする立場か」と反論するも、内閣官房は「公開する予定はない」と、一貫して資料の公開を拒否した。
尖閣沖漁船衝突事件のビデオ流出は「特定秘密」か否か
秘密保護法(秘密保全法)を制定する理由の一つに、内閣府は「尖閣沖漁船衝突事件のビデオ流出」を挙げているが、「尖閣沖漁船衝突事件のビデオ」は秘密にすべき情報だったのだろうか。この質問に応えた内閣府の同参事官・早川智之氏の回答は不可解なものだった。
「ネットに流出すると限りなく伝播していく。(尖閣ビデオ流出は)そういう意味での教訓だった。あまり、内容がどうこうということではない。情報の中身ではなく、重要なのは、ネットは大きな影響をもたらし流出したら取り返しがつかない、ということ。保護すべきは保護する必要がある」。
山本太郎議員指摘 「秘密保護法の適正評価を受けるべきは国務大臣、内閣官房副長官などの中にも、外国とつながっている人がいて、情報を漏らす人がいるかもしれない。スパイ天国とは国会の中のことをいうのではないか」