10月21日に参議院議員会館で行われた対政府交渉で、25日にも国会へ上程されるといわれる「特定秘密保護法案」の一部が明らかになった。
みんなの党・山田太郎議員が、秘密保護法によって「知る権利」が侵害されるのではないか、といった懸念を表明し、特定秘密の運用について追求。「規定では、有効期間が無制限に延長できる。米国は、秘密情報を最終的に公開するが、日本の場合『秘密は秘密だ』という状態になるのではないか。破棄したら、公開するのか。そういった担保がなければ知る権利はないに等しい」
内閣官房の橋場健氏は「この法案は、期間に制限はない。特定秘密が記録された文書が破棄された場合、その事実は公表はない」と公言し、さらに「満了ごとに、行政機関の長が情報の扱いを判断する。その上で、特定秘密の解除が各行政機関で適正に行われるよう、政府として統一基準を設ける予定だ」とするも、知る権利に対する配慮は事実上否定。会場に集まった参加者は驚嘆の声を上げ、山田議員は「知る権利の内容に関しては、これではっきりした」と危機感を滲ませた。
特定秘密をとり扱う者は、「適正評価制度」で適正を審査される規定が設けられている。関係者、恋人まで際限なく調査がおよぶ懸念がある、という指摘に、橋場氏は「適正評価を受ける範囲・対象は、秘密取扱者の配偶者、父母、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、子。同居人は氏名、生年月日、住所、国籍を調査する」と明かし、収集した個人情報の保管方法、期限などについては具体的な回答を避けた。
政府交渉を終えた社民党・福島みずほ議員は、IWJのインタビューに対し、「特定秘密保護法ができれば、秘密が『闇から闇』で、完結してしまうことを今日、政府は認めた」と述べ、「国民には知らせず、監視と分断を強める。まさに戦争への道だ」と締めくくった。