日本の刑事手続きは「世界から孤立している」 ~取調べの可視化を求める院内集会で弁護士らが指摘 2013.10.8

記事公開日:2013.10.8取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・松井信篤)

 秋の臨時国会で提出される「特定秘密保護法」に代表されるように、日本では国民の「権利」や「自由」を制限しようとする動きが強まっている。一向に進展を見せない刑事司法における「取り調べ可視化」についても、同様のことが言えるのではないか。

 10月8日、「取調べの可視化を求める市民団体連絡会」と「日本弁護士連合会」の共同で、取調べの可視化を求める院内学習会が行われた。現職の国会議員からは、階猛衆議院議員、仁比聡平参議院議員、福島みずほ参議院議員が参加した。

■ハイライト

  • 基調報告 小池振一郎氏(弁護士/日弁連えん罪原因究明第三者機関WG副座長)
    ~国際社会から見た日本の刑事司法の問題~ ・パネルディスカッション「日本の刑事司法はなぜガラパゴス化するのか?」
    青木理氏(ジャーナリスト)、客野美喜子氏(なくせ冤罪!市民評議会代表)
    青木和子氏(弁護士/法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会委員)
    寺中誠氏(アムネスティ・インターナショナル日本/東京経済大学)
  • 【主催】取調べの可視化を求める市民団体連絡会

世界から孤立していく日本

 学習会では、弁護士の小池振一郎氏が「国際社会から見た日本の刑事司法の問題」について報告を行った。小池氏は、自身が参加した5月21、22日に行われた「国連拷問禁止委員会」での日本政府報告書審査の模様を紹介。この日本政府の報告書は、「弁護士の立会いは取調べの妨げになる」との弁明を繰り返す内容だった。

 同委員会では、アフリカ・モーリシャスのドマ委員が「弁護人の立会いが取調べの干渉になるというのは説得力がない。自白に頼りすぎている。これは中世のものだ。日本の刑事手続きを国際水準に合わせる必要がある」と、日本の刑事司法システムの後進性を批判した。

 日本政府の代表である上田秀明人権人道大使は、「日本は、もっとも先進的な国の1つだ」と反論。会場からは失笑が漏れ、これに対し上田大使は「なぜ、笑う。笑うな。シャラップ!」と語気を荒らげ、議論の場にそぐわない発言をしたことが波紋を呼んだ。

 小池弁護士は「その場にいた日本人は『けしからんというより恥ずかしいな』という気持ちを共有したのではないか。その後、日本の取調べに対して勧告が出されたが、日本政府の『勧告に従うことを義務付けられているわけではない』というのは恥の上塗り、世界から孤立していく日本を象徴するような出来事」と述べた。

■民主主義の危機

 学習会では、新党大地代表・鈴木宗男氏もマイクを握り、「もっと国会議員が民主主義の危機だという意識を持ってもらいたいです。明日は我が身という気持ちで取り組んでもらいたい」と熱弁をふるった。

■法制審議会の中身は?

 法制審議会に参加している青木和子弁護士は、「一番の問題は取調べ可視化の例外をどう定めるか?」という問題を提起。また今後の問題として、新たな捜査手法の導入が検討されており、麻薬犯罪などに限っていた通信傍受(盗聴)の対象犯罪が拡大される可能性があることを紹介した。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です