「TPPが自由貿易というのは真っ赤なウソ。TPPはアメリカの、アメリカによる、アメリカのための利益追求システム」――。
米国の通商代表部(USTR)の代表であるマイク・フロマン氏は18日、今週の22日から行われるブルネイでのTPP交渉会合に向け、日本と会談を行うために来日した。それに合わせて19日午前、日本のTPP交渉参加に反対する人々は炎天下の中、官邸前で約2時間の抗議行動を行った。
(IWJ・芹沢 あんず)
特集 TPP問題
「TPPが自由貿易というのは真っ赤なウソ。TPPはアメリカの、アメリカによる、アメリカのための利益追求システム」――。
米国の通商代表部(USTR)の代表であるマイク・フロマン氏は18日、今週の22日から行われるブルネイでのTPP交渉会合に向け、日本と会談を行うために来日した。それに合わせて19日午前、日本のTPP交渉参加に反対する人々は炎天下の中、官邸前で約2時間の抗議行動を行った。
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「TPPを考える会」の副代表であり、第51代農林水産大臣を務め、弁護士である山田正彦氏は、集会を開いた理由として、フロマン氏の来日情報を知り「いよいよフルマン代表が出てきて日本の首根っこを抑えて、ブルネイ交渉会議に参加するのではないかと大変心配している。そのため、急遽この集会を企てた」と説明した。
また、自身も「TPPを慎重に考える会」の代表を務める篠原孝衆議院議員、他にも首藤信彦前衆議院議員、山本太郎参議院議員とともにブルネイ交渉会合の参加を予定していると報告。ブルネイ交渉会合へ行き「どこまで誰に会って、どこまで何を伝えることができるかは分からないが、各国の首席、交渉官に対して日本の反対派の声を伝える。最後の最後まで頑張る」と述べた。
山田氏は、「民主主義は人々のためです」という主張を掲げている米国の「パブリック・シチズン」のローリー・ワラック氏から「ブルネイ交渉が日本の交渉参加が最初で最後ではないか」という内容の手紙が送られてきたことを伝え、自身もこれを危惧し「非常に緊迫した思い」であると述べ、人々に警鐘を鳴らした。
TPPの交渉会合は、22日から行われるブルネイ交渉会合が予定されており、10月に行われるAPECを目処に大筋合意を目指し、2013年内の締結が目指している。
山田氏は、今回来日しているフルマン代表について「私に言わせれば、アメリカの多国籍企業の投資家の代理人みたいな人」と自身の見解を述べ、日本がアメリカ多国籍企業に日本の経済が破壊される危険性を訴えた。
また、フロマン氏に面会を申し入れたが、断られたことを報告し、フロマン代表は「政府与党と話し合って、野党、野党の立場のいろんな団体とは一切会わない」と、フロマン氏の対応を受けて自身が感じた印象を伝えた。
同じく集会に参加し、ブルネイ交渉会議に参加することを報告した首藤信彦前衆議院議員は、TPP以外にも並行協議についてふれ、「アメリカは並行協議とという罠を張っている」と述べ、TPPで交渉が決定しない場合でも、並行協議で決定されるということを説明し、危険性を訴えた。
抗議行動に参加した人々は「TPP断固反対」「T(とめようぜ)P(ピープルズ)P(パワーで!)」「T(とんでもない)P(ぺてんに満ちた)P(パートナーシップ)」と書かれたプラカードや、「日本を破壊するTPPは断固反対」と書かれた横断幕などを持ち、TPPに対する抗議の意志を示した。参加者の中には、抗議行動の間中、車道を通る車に向けてプラカードや横断幕を持ち続ける人もいた。
毎月第一火曜日に官邸前で「STOPTPPアクション」をしている、プロジェクト99%の安部芳裕氏は「私が一番懸念しているのは、アメリカの為替操作の提案」と訴え、「これは、大問題です」と、金融緩和による金融政策への影響について警鐘を鳴らした。
さらに、参加者の女性の一人はTPP加入により医療や雇用制度が危うくなることを懸念しているとし、「(私は)子どもの母です。子どもたちが夢をみることが出来る世の中に」と訴え、TPP参加による影響と、日本社会の将来を案じる声もあった。また、IWJのインタビューに応じた女性は、メディアはTPPに参加するほうが良いという風潮の報道をしているが、中身の危険性を説明していないように感じると話した。