日本一の歓楽街・新宿歌舞伎町の横を、東西に走る職安通り。その向こう側に広がる大久保のコリアンタウンでは、今、排外デモの過激化により不穏な空気が漂っている。この状況を問題視したIWJは、2013年4月6日(土)、緊急特番を編成。安田浩一氏、木野トシキ氏らをスタジオに招いて討議を行った。外部との情報共有をシャットアウトして、妄信的に行動する在特会らに対し、岩上安身は「在特会はオウムにも似ている」と形容し、安田氏は「一歩間違えれば『水晶の夜』になりかねない」と警鐘を鳴らした。また、木野氏らによるカウンター行動には、希望を見い出す声も聞かれた。
- 出演 木野トシキ氏(「プラカード隊」呼びかけ人)、安田浩一氏(ジャーナリスト)、岩上安身ほか
「これまで、IWJは、デモ隊が叫ぶ暴言だけを伝えるわけにはいかず、ダイレクトな中継を控えてきた」。ホスト役の岩上安身はこう述べて、新宿区大久保の在日コリアンタウンにおける、在日特権を許さない市民の会(在特会)とその一派による排外デモに対しての、IWJの報道スタンスを語った。その上で、岩上は、デモの中身が言論の自由の範囲を超えており、もはや看過できない点、また、排外デモに異を唱えるカウンター行動が、同じコリアンタウンでスタートしている点に触れ、「事態は、IWJとして大きく取り上げるべき段階に突入している」と説明した。
IWJの原祐介記者が「私が取材を始めたのは、今年の2月17日。新大久保の街に、初めてプラカード隊が登場した日のことだ。以来、取材を続けてきたが、デモ隊の面々は、口調こそ厳しいが、表情は嬉々として、なぜかいつも楽しそうだ。警察は、(カウンター行動をする)プラカード隊に対してはプラカードを降ろさせる場面もあったが、排外デモの隊列に対しては指導が甘い。これには毎回驚かされる。脱原発デモへの対応とは、明らかに違う」と報告した。
排外デモへのカウンター行動の呼びかけ人である木野トシキ氏が、「新大久保の排外デモが、ここまで過激化したのは、今年に入ってから。参加者は『韓国に行ったら日本人はレイプされるから行くな』『韓国人帰れ』『キムチにはノロウィルスが入っているから買うな』といった暴言を、平気で吐く。韓国系の小売店で働く人に、『竹島はどっちのものか、言ってみろ』と詰め寄ることもある」と現状を説明した。
安田氏がスタジオに到着すると、岩上は「朝までかけて、安田氏の著書『ネットと愛国』を読み終えた。これほどまでに感情を揺さぶられる本はない。このテーマを追い続けたのは、本当に大変だっただろうと感服した」と述べた。安田氏は「正直なところ、(取材中に)自分の感情をコントロールできなくなったこともあった。しかし、この問題を、どのメディアも取り上げないことへの不満が、自分を突き動かした」と応じた。
「緊急特番 新大久保で今、何が起きているのか」を見せていただきました。
いろいろな情報を知れば知るほど、日本という国にはがっかりするばかりですが、この番組では久々にうれしくて涙が出てしまいました。IWJの若いジャーナリストさんたち、それぞれに情熱と志をお持ちであることがわかります。でもまだ伝える力でいうと・・・これからなのだと思います。
百戦錬磨の岩上さんと比較されると誰だってかなわないかもしれませんが、ある事象を客観的に見て、それを第三者に伝えることというのは本当に大変なことですね。文章にまとめることができること+とっさの判断等、人間としてのすごい技術が必要なんだろうと思います。お仕事としては、とてもハイレベルな世界ですね。いろんな言葉の中から、最適なものを選び取って、繋いでいく。そして人の心を動かす。相当の鍛錬と、経験を積まないといけないのだと思います。でも素晴らしい職業を選んで、それだけでもみなさん尊敬に値します!
番組を見て、私が一番感動したのは、韓国の方が、「仲良くしようよ」の文字を読んで、口から出た「日本はまだ終わっていない」という言葉、そして明らかにこの文字を見て感情をゆすぶられた人たちの反応。彼らが最初言っていた、「気にしていない」というのは無理をしていたのですね。
木野さんたちの取り組み、本当に素晴らしいことです。日本人として誇りに思いました。
私が新大久保で起きていることを知り、感動して、うれしくなって涙が出たのは、若いジャーナリストさんたちの体当たりの取材があり、伝えてくれたからです。本当に感謝します。
経験はなくても、皆さんには真っすぐな気持ちがあります。
それが韓国の方にも伝わったのではないでしょうか。真っすぐな若者たちだから、あちらも本音を出すことができたのかもしれません。
岩上さんの経験、能力も素晴らしい。そして若さというはそれだけで素晴らしいな、皆さん頑張っている!自分も頑張ろうと思いました。
長くなり、また、えらそーなことを書きまして申し訳ありません。
今後ともIWJを応援します。頑張ってください。