2025年9月30日、午前10時30分頃より、東京都千代田区の農林水産省にて、小泉進次郎 農林水産大臣の記者会見が開催された。
冒頭、小泉大臣からの(1)随意契約による備蓄米の売渡し、(2)食品ロス削減月間、(3)フィリピン出張(10月1日(水)~2日(木)まで、ASEAN+3農林大臣会合への出席のため)について、報告があった。
続いて、大臣と記者との質疑応答となり、他社記者から、「作況指数に替わる新指標の受け止め」、「随契備蓄米の引渡状況と今後の見通し」、「コメの店頭価格の高止まり」などについて、質問があった。
IWJ記者は、現在行われている自民党総裁選の争点である「改憲」、その中でも特に問題視されている「緊急事態条項」について2つの質問をした。
IWJ記者「このたびの総裁選候補者の方々は、いずれも改憲の実現を目指しており、野党との連立拡大により、緊急事態条項が憲法に加えられる可能性があります。また、米中の対立が激化しており、日本もウクライナと同様、米中戦争の駒とされる恐れもあります。
緊急事態が宣言されれば、国会の承認なしで法律と同等の効力を持つ政令を制定でき、有無を言わさず、国民を戦争に動員することが可能となります。
小泉大臣は、ご自身に戦時の指揮官としての、覚悟・能力があるとお考えでしょうか。また、大臣は昨年の総裁選で、記者から『知的レベルの低さ』について問われた際、『足りないところを補ってくれる最高のチームを作る』とおっしゃいました。そのチームには、ジャパン・ハンドラーと言われる方々が含まれるのでしょうか」。
この質問に対し、小泉大臣は、「覚悟・能力」や「ジャパン・ハンドラー」の部分をスルーしつつ、次のように答弁した。
小泉大臣「これは昨年の総裁選も今年も訴えているとおり、憲法改正の実現に向けて、全力を尽くしていく覚悟に変わりはありません。
自民党はそもそもが、自分たちの国の憲法は自分たちで書くんだと。この自主憲法の制定、ここが我々自民党のルーツの一つでもあります。
一方で、昨年と比べたときに、だいぶ政治状況は変わりまして、衆参両院で我々は多数を持っていません。憲法改正については、両院で3分の2の賛成が不可欠だと、こういった状況を考えると、その環境をいかに改憲を同じ思いをともにする方々と一緒にできるか、ここが極めて重要なことになりますので、先ほども連立なども含めたご質問もありましたけれども、仮にそのような連立とか、野党とのご協力をいただくということについて、必要な確認作業の一つには、やはり、憲法、そして皇統、また、外交安全保障の基本的な考え方、経済政策の基本的な考え方、こういった骨太なところにおいて、認識の一致をみるということは、大事なことではないかと考えております。
そして2つ目につきましては、大変ありがたいことに、昨年以上に力強く、幅広い仲間たちによって支えてもらっています。加藤選対本部長も含め、そういったチームと、最高のチームを作り上げて、この国における様々な国民の皆さんの不安に向き合って、一つ一つ課題を解決できればと思っております」。
IWJ記者は、続けて、次のように問うた。
IWJ記者「総裁選は高市早苗氏と小泉大臣の一騎打ちであるのは確実であるように思われます。高市氏は演説やインタビューの中で、ウクライナ戦争を念頭に、中国との具体的な戦争のイメージを何度も語っています。
また高市氏には、『私には失うものがない』、『日本のために命も惜しくない』といった特攻隊のような発言もあり、戦時の指導者となる可能性のある方の、このような発言を聞くと、国民にも同様のことを要求しているような気もします。
大臣は高市氏のこの発言を聞いてどう思われるでしょうか。また戦時の指揮能力や戦争回避のための外交能力などにおいて、高市氏と比べ、ご自身のどこが優れていると思われるのか。国民の生命と安全に関わる問題ですので、真摯なご回答よろしくお願いします」。
小泉大臣は、次のとおり、自身の考えを述べた。
小泉大臣「自民党の総裁選に挑むものは、一人一人が日本の国家を、背負う責任感と覚悟のもとに臨んでいると、これはみんな共通することだと思います。そこで優劣という問題ではないと思います。
一方で、今ご指摘のあったような米中のことを含めて、国際情勢が極めて複雑で、戦後最も難しく、厳しい安全保障の状況にある中で、大事なことは、新たな戦争は起こさせない。このことだと思います。自前の防衛力をしっかり整備をする。これがまず、第一であります。自分の国を自分で守る覚悟のない国に、誰も助けには来てくれません。
一方で、トランプ大統領の訪日も、今調整中だという報道もあります。仮にトランプ大統領が来日をされるということであれば、まず、最初に認識の共有をしなければいけないことは、我々日本や地域がいかに厳しい安全保障環境に置かれているか。
先日の中国における、ロシア、北朝鮮の3首脳がそろい踏みをする姿を見て、不安を感じなかった人は誰もいないと思います。
こういった状況だからこそ、改めて、その安全保障環境の厳しさに対する共通認識を確認をし、そして、かつ、日米同盟が引き続き揺るぎなく、かつ、さらに強固な連携を引き上げていく。こういったことをもって抑止力を高めていって新たな戦争は起こさせない、そういったことが私は一番大事なことだと思います」。
会見の詳細については、全編動画を御覧ください。






























