2025年5月27日午前10時30分より、東京都千代田区の農林水産省にて、小泉進次郎農林水産大臣の記者会見が行われた。
小泉大臣からの冒頭発言はなく、そのまま質疑応答となった。
幹事社の記者から、備蓄米の随意契約について、次のような質問があった。
幹事社記者「昨日、随意契約の詳細を発表されましたが、今の契約の状況、それから今後発表されるご予定について、またその、発表される意図・理由につきまして、お願いいたします」
小泉大臣「はい、まず昨夜、最新の状況は、出演をさせていただいた番組等でも、また、ぶら下がり等でも発表させていただきました。
ただ、この夜中にも更新がありまして、最速で9時時点、今朝ですね、5月27日の9時時点で、(契約の申し込みが)計19社、そして数量で言いますと9万824トンということで、今まで大体1回(の入札で備蓄米の放出)10万トンということをやってきましたけれども、このほぼ1日、昨日の(随意契約に関する希望事業者への)説明会が4時ですから、24時間たっていない中で、既に9万トンという形で申し込みをいただいています。
そして、早い事業者では、既に昨日のテレビ番組等でも私も見ましたが、6月の2日に2000円の備蓄米を店頭に並べるということが出てきました。
我々として、今、速やかな手続を進めて、早い事業者とは、今日、もしくは明日、随意契約は完了、そして、あさって29日にも備蓄米の引き渡し、そのことによって、6月の1週目に店頭に並ぶと、そういった目途が見えてきたということであります」
江藤拓前農林水産大臣が、「コメは買ったことがない」と発言し、その責任をとって辞表を提出し、受理されたのが5月21日の朝だった。
そして、同じ21日午後7時46分から、約1時間、農林水産省庁舎の講堂にて、不自然に思えるほどスムーズに、小泉新農林水産大臣就任記者会見が行われた。
小泉新農水大臣はその場で、「来週に予定していた(備蓄米の)入札をいったん中止し、随意契約のもとで、どのような条件で売り渡しができるかなど、具体的な対応策を早急に整理するよう、事務方に指示を出した」と発表した。
それからたった1週間で、小泉大臣は「6月2日に2000円の備蓄米を店頭に並べる」「29日にも備蓄米の引き渡し、そのことによって、6月の1週目に店頭に並ぶ目途が見えてきた」と、事態を好転させた。きわめて迅速な仕事ぶりだが、あまりにもでき過ぎてはいないだろうか?
立憲民主党の小沢一郎衆議院議員は、5月22日、自身のX(旧ツイッター)アカウントで、小泉新農相を念頭に置いたとみられる、以下のような見解を投稿している。
「石破自民党が狙うのは小泉劇場型政治の再現。かつての郵政民営化みたいな茶番劇を画策、主演俳優を決めたということ。
争点を一点に絞り、敵を作り、腐敗も失言も裏金も物価高も全部忘れさせる狙い。現在の郵政民営化の失敗を見るべき。
国民が再び劇場型政治に騙されれば、今度こそ日本はおしまい」。
- 小沢一郎衆議院議員のXへの投稿(2025年5月22日)
小沢氏のいう「小泉劇場型政治」の先にあるものは、何なのだろうか?
IWJ記者は、指されず、今回の会見では質問できなかったが、またの機会に質問したい。
会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。