2024年5月10日午後2時より、東京都千代田区の衆議院第1議員会館にて、全国基地爆音訴訟原告団連絡会議(嘉手納・普天間・岩国・厚木・横田など基地訴訟原告団9団体)などの呼びかけにより、オスプレイの配備撤回・運用再開に反対する「オスプレイ飛ばすな! 院内集会と政府申し入れと記者会見」が開催された。
全国基地爆音訴訟原告団連絡会議の金子豊貴男代表は、この集会の目的を、次のように語った。
「昨年(2023年)11月29日に、横田基地を離陸して岩国基地経由で嘉手納に向かった、米空軍のオスプレイ3機のうち1機が、屋久島沖で墜落した。
乗員は、全員死亡ということですが、12月6日に、全世界でオスプレイの飛行が停止されました。
それ以降、原因がほとんど明らかにならないまま、今年(2024)の3月14日に、オスプレイの飛行再開を米軍が決め、日本の防衛省も、それに何の異議も唱えずに、スタートしたという経過があります。
あのとき止まったオスプレイ、横田から嘉手納に向かったオスプレイは、12月6日、7日だったか、岩国基地まで来ていたのですが、岩国にまだ2機いる状態です。
それ以外にも、全国でオスプレイは止まっているのですが、米軍が強行に再開して、そして今、普天間で飛行再開以後、非常に、大変うるさい状況にあります。
それを心配して、今日は、普天間と嘉手納の皆さんが、とにかく国に申し入れをしたいということがあったので、この場を設定させていただきました」。
プログラム第1部の院内集会では、東京の横田基地・立川飛行場、沖縄の普天間基地、千葉の自衛隊木更津駐屯地、神奈川の厚木基地、山口の岩国基地、そして、佐賀の佐賀空港におけるオスプレイ問題の現状について、現地の活動団体の代表者らが報告を行った。
「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」事務局長の久米慶典氏は、山口県の岩国基地でのオスプレイ運用の現状について、次のように述べた。
「(2017年12月13日付の岩国基地のホームページの記事に掲載された、オスプレイ乗組員のコメントでは)オスプレイの飛行制限について、『岩国は沖縄ほど厳格ではない』というふうに言っています。
ここで、低空飛行訓練を行ったということも示唆されています。どこでやったか、正直言ってわかりません。エリア567(中国山地一帯の、広島県や島根県などにまたがる自衛隊訓練空域)だろうとは思うんですけれども、ひょっとしたら九州で行ったかもしれません。(中略)
それから、ここが一番ですけれども、直近の5月5日、岩国基地では開放日がありました。航空ショーとかをやって、11万人の人が来たわけですけれども、そのときにMV-22(海兵隊のオスプレイ)が参加しました。
この問題に対して、私たちの団体として、『オスプレイの飛行に反対』、『(開放日の)展示飛行をするな』という申し出を行いました。
そうすると、(岩国市側が)言ったことは、『国が安全というのだから、多分、安全なのでしょう』ということでした。
最後に、『開放日』ですけれども、なんと、展示だけでなくて、展示飛行を行いました。『近接航空支援』という、実戦訓練をやったんです。
安全性が確認されていないにもかかわらず、オスプレイの飛行を再開し、大観衆にアピールしたということで、海兵隊はこの『フレンドシップデー』という言葉を最大限に利用した。そういうふうなことが言えます。
あまりにも危険だし、米軍の横暴・傲慢さが際立った行為だったと、私は一市民として、大変に憤りを感じた次第です」。
第2部では、15項目の要請からなる政府(外務省・防衛省)への申し入れ書「オスプレイの配備撤回を求め、飛行再開に反対する要請」が手交された。
その要請に対して、政府側担当者からの回答があり、また、それを受けて質疑応答が行われた。
参加者からの質問に対し、政府側からは、参加者を納得させるまともな回答はなかった。
また、プログラムの最後に、報道関係者に対する記者会見も行われた。
詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。