東日本大震災と福島原発事故では、「災害関連死」を含む死者と行方不明者があわせて2万2222人、避難者は2024年2月1日時点でさえ、2万6277人に上る。
大震災から13年目の2024年3月11日、経産省本館前で毎日座り込みを続けてきた「経産省前テントひろば」が、「3・11脱原発・経産省前大集会」を開催した。
- 東日本大震災と福島第一原発事故から13年 追悼の一日(NHK、2024年3月12日)
- 「データで見る震災・原発事故」 避難者数(NHK、2024年3月12日)
集会には、作家の落合恵子氏、河合弘之弁護士、福島瑞穂社民党党首、菅直人元総理をはじめ、福島や能登半島など各地で原発反対の運動を続ける人々、学者や弁護士、経産省前テントひろばの座り込み参加者など多数が、登壇あるいはメッセージを寄せて、思いを語った。
落合恵子氏は、原発事故発生時以来の様々な見聞を振り返り、被災者の思いを紹介した。落合氏は、「次々に避難をする生活の中で、疲れ切った女性が『もう逃げるの、疲れました。私はお墓に避難します』と書いて、自ら命を絶ったことを、原発を推進した人たちは、どう思うのですか?」と、経産省に向かって問いかけた。
その上で、「体験は体験だから意義があるのではなく、体験から何を引き出し、体験から自分が何を引き受けたかこそ大切だ。私も引き受けた。そのことを大事にしませんか」と訴えた。
河合弘之弁護士は、「ウクライナへのロシアの侵攻で、一番注目すべきは、ザポリージャ原発の攻撃と占拠だ。原発を攻撃されたら抵抗できない」と述べ、「国防上の最大の弱点は原発ということだが、日本の原子力村や経産省が導き出した結論は、ロシア制裁でエネルギーが値上がりしたので、電力料金を下げるために、原発再稼働が必要だという、馬鹿げた火事場泥棒的な理屈だ」と批判した。
さらに、「イスラエルのパレスチナ攻撃から学ぶべきは、イスラエルは核兵器を持っているが、原発は持っていない。なぜなら、仮想敵国のアラブ諸国に至近距離で囲まれ、原発がロケット弾やテロで破壊されたら国が亡びるとわかっているから」だと述べ、「日本の軍事上の安全から考えたら、原発は持てないことを学ぶべきだ」と指摘した。
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