2023年4月5日、午後2時より、東京都・衆議院第一議員会館にて、「広島G7サミットに集まる各国首脳へ向けて『今こそ停戦を』」の記者会見が開催された。
日本は今年G7の議長国である。5月に広島で開催されるG7サミットに集まるG7首脳と日本政府に、「ウクライナ紛争の即時停戦」を求める宣言の発表である。
元アフガン武装解除⽇本政府特別代表で東京外国語大学名誉教授の伊勢崎賢治氏、青山学院大学名誉教授の羽場久美子氏、そして、東京大学名誉教授の和田春樹氏ほか7名の登壇者が、勃発からはや1年が経過しようとしているウクライナ戦争の即時停戦を訴えた。
会見冒頭、和田氏が、2023年5月の広島G7指導者におくる日本市民の宣言「『Ceasefire Now!今こそ停戦を』『No War in Our Region! 私たちの地域の平和を』」(※1)を読み上げた。
- 「Ceasefire Now!今こそ停戦を」「No War in Our Region!私たちの地域の平和を」2023年5月 広島に集まるG7指導者におくる日本市民の宣言(環境広告サステナ ウェブサイト)
環境広告サステナによるこのウェブサイトでは、この「今こそ停戦を」の宣言の新聞広告を出し、G7広島サミット首脳に呼びかけ、実現するためのクラウド・ファンディングに参加することができる。新聞広告のためには、264万円が必要となるが、4月10日、14時50分現在、45万500円が集まっている。期限は5月7日である。
「今こそ停戦を」の宣言に賛同される方は、以下のchange.orgのサイトで署名いただけます。
- #今こそ停戦を 賛同署名をお願いします(change.org)
伊勢崎氏は、次のように訴えた。
伊勢崎氏『ロシアは侵略を止めよ。アメリカは代理戦争を止めよ』。この2つを同時に、同じ強さをもって訴えるのが『憲法9条の心』だと僕は思います。さもないと、前者だけ、つまり『ロシアは侵略を止めよ』だけでは、『ロシアもしくは中国は怖いからもっと自衛隊の軍備増強を、そして日米同盟の強化を』という、こういう勢力に元気を与えてしまいます」。
羽場氏は、停戦へのプロセスについて、次のように説明した。
羽場氏「今、バイデンは、民主主義対権威主義ということで、権威主義的な体制を持っているロシア、あるいは中国、あるいはアジア、アフリカの国々すべてに対して敵対するような、分断するような態度をとっています。(中略)
ミンスク合意は、2014年と2015年に、当時のドイツのメルケルと、それからフランスの社会党のオランドによって締結された非常にレベルの高い合意であったと思います。これを破ったのは、ウクライナの側です。
戦争が継続し、ミンスク合意が実現できなかったのは、OSCEという欧州安全保障機構が機能しなかったからです。中立軍を入れていれば、その後のウクライナ・ロシア戦争につながるような戦争が継続しなかったと思っています。
今回、中国が停戦交渉を開始しました。中立軍として停戦交渉を提唱している中国、そして平和の維持を検討しているインド、及びASEANなど、アジア諸国が共同の中立軍を作って、国連中立軍として二者の間に緩衝地帯を設け、そこに入っていくということで戦争は停止することができます(後略)」。
また、羽場氏は、メディアの現状について、「まさに今、日本の報道が戦争前状況になっていることを大変憂います。報道の公正化、多様なファクトの多様な報道が戦争の時こそ必要であり、それによってこそ私たちがその戦争をどう判断するかということの最終的な判断が皆さんの報道にかかっているからです」と訴えた。
会見の詳細はぜひ全編動画をご視聴ください。