【注目記事! ついに統一教会に解散命令!】韓鶴子派、三男派、七男派と分裂した統一教会は「3派とも同じ穴の狢」!~岩上安身によるインタビュー 第1093回 ゲスト 北海道大学大学院文学研究科・文学部 櫻井義秀教授 2022.9.5

記事公開日:2022.9.7取材地: テキスト動画独自

(取材、文・IWJ編集部)

 9月5日夜6時半から、「安倍元総理殺害をきっかけに統一教会問題が再燃! 韓国最大の反日カルトと自民党とがズブズブの関係の不可解!! 統一教会の正体に迫り、これをどうするのかの議論が必要!」 と題して、岩上安身による北海道大学大学院文学研究科・文学部 櫻井義秀教授への連続インタビューの第3回目を、お送りした。

 櫻井教授と中西尋子氏の2010に出版された御著書、『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会)の第4刷が出版されたばかりである。4刷重版分(2022年8月下旬出来)には、「まえがき」に、櫻井教授が「安倍元首相銃撃事件と統一教会への対応をめぐる一考察」を加筆されている。ぜひご一読ください。

 インタビュー冒頭、岩上安身が、安倍元総理銃撃事件の後、統一教会問題が再燃し、現在は安倍もの総理の国葬や自民党をはじめとする政治家との関わりがテレビをはじめとするマスメディアを賑わせているが、祝電を送ったかどうかといった表層的な問題よりも、統一教会がどういう教義、政策を持つ集団で、日本をどのように改造しようとしているのか、どうしたら統一教会を日本から切り離せるのか、といった話をしなければならないのではないか、と問いかけた。

 櫻井教授は、統一教会問題を考える場合、「カルト宗教」という押さえ方では小さすぎる、統一教会が持つ政治的意図をしっかり捉えることが必要だ、と応じた。

 消費者庁による「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」が発足した件について、櫻井教授は、問題の押さえ方が小さすぎるのではないか、と問題提起した。

櫻井教授「(消費者庁は)統一教会の押さえ方として、『カルト宗教』という押さえ方なんですよね。要するに伝統宗教とは違って、社会的に容認できないような仕方で人を誘い込む。正体を隠した伝道であるとか、あるいは多額の献金を要請するであるといった側面だけを見て、『消費者法』という枠の中で、いろんなことができないかっていうのが現状なんです。

 しかし、この押さえ方は、私は小さすぎると思ってます。統一教会は、明確な政治宗教です。政治的な意図を持った宗教団体なので、その政治的な意図をしっかり、見抜く。見抜いた上で、それを一般の方々に分かるように説明して、警戒心をもってもらうと。

 『このままにしておいては、日本の国益にもならないし、国民として安全に生活できない』そういう意識を醸成していかないと、この問題は解決していかないですよね」

 岩上は、自民党と統一教会の長きにわたるズブズブの関係、霊感商法や献金だけではなく、福祉団体を装った詐欺行為もある、こうした問題は消費者庁だけではなく、警察庁の問題ではないか、と指摘した。

 櫻井教授は、福祉団体だけではなく、難民のためを装った募金活動もやっており、詐欺に当たるだろうと述べた。そうであれば、警察は刑事事件として立件すべきである。

 さらに岩上は、韓国と日本だけではなく、米国に根も張り、そして「反共」「勝共」を掲げ、北朝鮮首脳とも金日成から三代にわたる関係を築いてきた文鮮明と統一教会の活動の広がりを考えると、消費者庁では役不足である、安全保障の問題として防衛省も関わってくるべきだと指摘した。

 『共同通信』が9月3日に、旧統一教会の幹部だった桜井正上(まさうえ)氏が、「(旧統一教会の)献金問題は本部でも多くの人が課題だと認識していた。明らかに社会的モラルに反する」と述べた、と報じた。

 『共同通信』の記事は、旧統一教会の中にも、「まともな人がいる」といったニュアンスだが、櫻井教授は、桜井正上氏の発言の背景を暴露した。

櫻井教授「この桜井正上さんという人は、お父さんが桜井節雄(せつお)さんという元日本統一教会の会長です。お母さんが桜井節子さんという古参信者なんですよ。

 多分、1969年に『43双祝福』という国際合同結婚式で、その時は国際合同ではないとは思うんですけど、結婚された。そこで生まれたお子さん(正上氏)なんですが」

 統一教会系のサイトに、桜井節雄氏は、第5代会長であると明記されている。1958年生まれ、66年に統一教会に入会、69年に「43双祝福」を受け、小河原節子と結婚、東京、群馬、千葉などの教区長を務めた後、1995年から1996年にかけて、日本統一教会第5代会長を務めた、とされている。

岩上「祝福2世、ということですね」

櫻井教授「祝福2世と言えるんですが。(正上氏は)いわば、高級エリート、幹部の息子ですよ。この人は、いわゆる『三男派』なんですよ。(文鮮明・韓鶴子夫妻の)三男の文顕進(ムン・ヒョンジン)さん、『世界大学原理研究会(W-CARP)』会長のグループに入っていると言われています。

<会員向け動画 特別公開中>

■ハイライト

■全編動画

  • 日時 2022年9月5日(月)18:30~
  • 場所 Zoom + IWJ事務所(東京都港区)

<ここから特別公開中>

 2、3週間前に韓国で、郭錠煥(カク・ジョンファン)さんでしたか、韓国のナンバー2か、3かと言われている古参幹部が、安倍元首相の事件に対して、非常に沈痛な面持ちで、いろんなことを含めて、その謝罪をしたいということを言いましたね。韓国の記者会見で」

 旧統一教会のナンバー2だったとされる郭錠煥(カク・ジョンファン)氏は、7月19日に会見を開き、「『安倍元総理の死に責任がないとは思っていない』と謝罪」、「日本の旧統一教会について、『献金を作り出す組織』から正常な組織に変える動きがあったものの、暗礁に乗り上げた」と話した、と『MBSニュース』などで伝えられた。

櫻井教授「それ(韓国での郭錠煥発言)とこれ(正上氏の発言)は、全く同じなんですよ。要するに、統一教会の霊感商法被害であるとか、献金の被害であるとかいうのは、いわば、現在の主流派である韓鶴子(ハンハクジャ)の路線で、そのグループがやってることであって、自分たちはそれをやってないし、それは阻止しようとしたんだ、という弁明なんですよ。

 だから私は、『同じ穴のムジナ』だな、と」

岩上「なるほど! 先生、非常に明快な解説をしていただいたんですけれども、この弁明をした韓国内の幹部、それからこの桜井(正上氏)、日本の幹部ですよね。彼らは通じ合ってこれを言ったんですか? 同じセクトというか、派閥で」

櫻井教授「通じあってやっているとまでは、ちょっといえないんですけれども。この桜井正上さんのお母さんの桜井節子さんは、その韓鶴子の主流派のグループを脱会したということになっています。これは統一教会を脱会したのではなくて、三男派に行っちゃったということなんですね」

岩上「統一教会は脱会していない。(教会派内部に)三男派というのがあるということなんですね」

櫻井教授「(お母さんの桜井節子さんは)三男派グループに所属している。だから、この息子さんも一緒に行ったんじゃないかと思うんですね、もともと行っているのかもしれませんが。

 結局、これ何の話かっていうと、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏によると、アダムとイブの話から始まって、まずアダムですよね。イエス・キリストを第2のアダムと言っています。ムン・ソンミョン氏は、『再臨のキリスト』で、第3のアダム、その後継者が第4のアダムである。

 第4のアダムは、文鮮明氏の息子たちの中で、長男と次男は、事故にあったり、家族的な問題で、(後継者から)外れているんですよね。

 だから、三男が、いわば長男格なんですよ。

 三男が第4のアダムとして、私が継承すべきだと主張しているんですが、それに対して文鮮明さんは、七男に、世界統一教会の宗教団体部分を渡してるんですね。

 もう一人、クチン(文國進)という四男がいて、四男はその韓国のコングロマリット部分を持ってるんですよ」

 鈴木エイト氏が『FLASH』に語ったところによると、「文鮮明氏の死後、莫大な遺産をめぐって後継者争いが繰り広げられ、息子たちが次々に離反し、妻である韓鶴子総裁の独裁体制となった」という。

 長男・文孝進(ムン・ヒョジン)氏は心臓麻痺で死亡、次男も、交通事故で早逝した。岩上安身が8月に連続インタビューを行った、元統一教会信者で、『となりのカルト』の著者である榊あまね氏が、長男と次男の死について信者の目から詳しく語っている。

櫻井教授「この三兄弟が、一体、誰が後継者になるのかっていうことで争って、ラチがあかなかったので、文鮮明さんの奥さんである韓鶴子さんが出てきて、お前たちはもうだめだ、と。

 要するに、『私(韓鶴子氏)が統一教会を継承するんだ』と言って。『自分は神様のひとり子ならぬ、一人娘なんだっていう言い方をしてるんですよ。1人で生まれた娘、『独生娘』と書くんですが」

岩上「今まで、そんなこと言ってなかったのに、急に言い出したんですか」

櫻井教授「そうそう。それで、文鮮明さんの死後、いろんな争いになって、信者がそれぞれ、三男のグループであるとか、七男のグループであるとか、3グループにわかれちゃったんですよ。

 現在の日本の統一教会の対応は、韓鶴子さんのグループの対応で、これに三男派と七男派が茶々を入れるような形で、こういう文章を出してる訳ですよ。

 だからそういう風に読まなきゃいけないのに、『統一教会の中でも訳の分かってる人がいるんだね』と、納得しちゃいけないですね」

岩上「なるほど、(統一教会内部にも)こんないい人がいるんだよ、なんて話じゃないですよね」

櫻井教授「違います。いい人がいたら、こんなになってないです」

岩上「共同通信の記事には、解説がありませんでしたから、先生の今の解説は非常に重要な解説だったと思います。

 物のわかっている人が、統一教会のなかにいるわけじゃない。

 そして、韓鶴子さんという人は、(文鮮明自身が、自分の後継者は)次のアダムだと言っているのに、私は神の一人娘だと言い始めたわけですから、これ、イブですらないわけですよね」

 統一教会の創生の話には、アダムとイブがいて、イブが不倫をしたから原罪が生まれた、人類の血は全部汚れたんだとされている。

 岩上安身は「女性蔑視が入りながら、人類の原罪という非常に根幹的なストーリー」であるにもかかわらず、「第3のアダムの奥さんだった、ただそれだけのはずの人」が、神から使わされた一人娘というのは、いったいどういうふうに整合性を説明するのか、と首を捻った。

岩上「(こんな整合性のないメチャクチャな話を)そのまま信じられる人が、韓鶴子グループになって、もう信じがたいっていう人は、(三男派か七男派の)どっちかにいっちゃったんですね」

 櫻井教授は、韓鶴子グループは教会の資産部分を持っているため、役職手当をもらっている日本の古参幹部が韓鶴子グループを離れてまで、異なる主張をすることはない、と説明した。

 カルト教団を運営している幹部らは、それぞれの自己保身、もらえる金が最優先、ということのようだ。

 インタビューでは、後半、安倍元総理の「国葬」に関する問題、安倍元総理と統一教会の関係を調査せず、逆に封印して「神格化」するかのごとき自民党の動き、消費者庁の限界などについてお話をうかがった。

 ぜひIWJの会員となって、これまでのインタビューとあわせて全編を御覧ください。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です