2021年12月20、東京都千代田区の参議院議員会館で、全国各地の原発事故時の避難対象地域に居住する住民らが、原発避難計画の実行性について政府担当者と交渉を行った。
国が策定した原発事故時の避難計画をめぐり、コロナ渦で感染症対策を余儀なくされたことで、避難所のスペースが当初の倍以上必要だということになり、政府は計画の見直しを迫られている。
これについて国は関連自治体に避難所の拡充を指示したが、茨城県では県内に確保できないとして。県議会が「避難所の拡充を含めて県内市町村や他県との協議を開始した」と表明するなど混乱が生じている。
内閣府の羽田野誉・原子力防災担当参事官補佐は「余裕をもって数は用意している」「十分でなければ他県への応援も」と述べた。
これに対して「女川原発の避難計画を考える会」の日野正美氏は、宮城県美里町(遠田郡)の例をあげ「美里町は独自に山形県の最上町(上郡)と避難計画の提携を結んでるそうだが、それに対して宮城県は県内でやっているからそういうこと(提携)をやるな、と横やりを入れているそうだ」と指摘し、「そういうことがやられるとすれば他県での応援は不可能ではないか」と迫った。
日野氏は「事実関係は持ち帰って確認するが、他県への避難ということもきちんと地域で考えていくべきだと思う」と述べた。
また、「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏は「感染症対策を考えれば足りないと自治体は言っている」「計画を立て直さなくてはいけないというのが今の事態じゃないか」と指摘した。