ミャンマーでは、2021年2月1日にミャンマー国軍による軍事クーデターが勃発して以来、武力で政権転覆を狙う国軍に対する市民の抗議デモと、国軍による弾圧が激化している。
3月15日、ロイター通信が、ミャンマー国軍のクーデターに抗議する市民デモを鎮圧するとして、国軍・警察などの治安部隊がデモ隊に発砲するなどして、警官1名の他、少なくとも 38名が犠牲になったと伝えた。
最大都市ヤンゴンの郊外にある中国資本の工場が放火されたことを受け、治安部隊がデモ隊に発砲、少なくとも22人が死亡した。国軍が運営するテレビ局「ミャワディ」は、衣料品工場4つとの肥料工場1つが放火され、約2000人が消防車の通行を妨害したと伝えているという。
- 再送-ミャンマーで39人死亡、中国系工場放火受け治安部隊が発砲(ロイター、2021年3月15日更新)
1日あたりの犠牲者数としては2月1日のクーデター以来、最悪である。NPOの人権団体、政治支援協会(AAPP、ASSISTANCE ASSOCIATION FOR POLITICAL PRISONERS)によると、15日の時点での治安部隊との衝突で死亡した人は126名に上ったとしている。
「SAC(ミャンマー国軍の最高意思決定機関である『国家統治評議会』、State Administration Council)の非人道性は、日に日に悪化し、武装していない学生や若者を含む平和的な抗議者の銃撃をしている」(3月14日)
- Daily Briefing in Relation to the Military Coup(AAPPホームページ、2021年3月14日更新)
AAPPは、さらに、3月18日の時点で、2月1日の「軍事クーデター未遂」に関連して、224名が殺害されたとし、「実際の死傷者数ははるかに多い可能性があります。今後も随時追加していきます」と、ホームページ上で宣言している。
AAPPによれば、2258名が逮捕、起訴され、15名が有罪となった。そのうちの1938名がいまだに拘留されており、国軍の非人道的な弾圧が激化しているという。AAPPは、拘留者に対する拷問が行われ、それによって亡くなった市民もおり、報道の自由も完全に奪われていると訴えている。
「ビルマのメディアの自由は完全に否定されています。非合法的な軍事政権は、5つの地元の報道機関のメディア免許を取り消し、事務所を襲撃し、数名のジャーナリストらを逮捕および拘留しました」
- Daily Briefing in Relation to the Military Coup(AAPPホームページ、2021年3月18日更新)
ミャンマーで何が起こっているのか。3月14日(日)15時から17時半ごろにかけてオンラインで開催された「報道ではわからないミャンマーのリアルを聞く!」を取材した。ミャンマーの人々を応援する有志の会(JAPAN VOLUNTEERS FOR MYANMAR)が主宰し、現地と日本を繋いで、予約者限定でYoutube中継された。
※「報道ではわからないミャンマーのリアルを聞く!」(ミャンマーの人々を応援する有志の会、2021年3月14日開催、申込者限定配信とした主催者の意図を鑑み配信URLを省きます)