このブログの連載投稿「その2」で、「維新」が企業献金の禁止を公言していながら、実質的には企業献金になっている企業の政治資金パーティー券購入の禁止を公言しない矛盾を指摘し、「その16」で、具体的に、「吉村洋文後援会」の2016年収益率50%超の政治資金ーパーティーと企業のパー券購入実態を紹介した。
もっとも、「吉村洋文後援会」の場合だけで「維新」全てを論じるのは、不十分だろうから、ここでは、「大阪維新の会」の場合を具体的に取り上げて紹介する。
すでに「その16」で解説したので、以下では、2014年から2017年までの毎年の
①政治資金パーティーの売り上げ総額(収入総額)
②法人その他の政治団体で20万円を超えるパーティー券購入企業とその購入額
③政治資金パーティーの経費支出総額
④政治資金パーティー収益(①から③を控除した金額)
⑤収益率
を紹介する。
(1)2014年
2014年「大阪維新の会」(代表・橋下徹、会計・東徹)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00201651/26rk0005.pdf)には、以下の収入および支出が記載されていた。
「大阪維新の会懇親会(政治資金パーティー開催事業)」
①売上総額は6715万円
②法人その他の団体
学校法人近畿医療学園 30万円 大阪市北区西天満
(株)三栄建設 40万円 大阪府八尾市西弓削
大丸石油(株) 40万円 大阪市大正区鶴町
計 110万円
③経費支出合計は1648万円
④収益は5067万円で、⑤収益率は75・5%
(2)2015年
2015年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228541/27rk0005.pdf)には、以下の収入および支出が記載されていた。
「大阪維新の会感謝祭(政治資金パーティー開催事業)」
①売上総額は7646万円
②法人その他の団体
近畿医療学園 30万円 大阪市北区西天満
パール工業株式会社 30万円 大阪市住之江区東加賀屋
(株)三栄建設 40万円 大阪府八尾市西弓削
計 100万円
③経費支出合計は1634・7万円
④収益は6011・3万円で、⑤収益率は78・6%
(3)2016年
2016年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260106/28rk0005.pdf)には、以下の収入および支出が記載されていた。
「大阪維新の会懇親会(政治資金パーティー開催事業)」
①売上総額は9430万円
②法人その他の団体
パール工業株式会社 50万円 大阪市住之江区東加賀屋
近畿医療学園 50万円 大阪市北区西天満
(株)三栄建設 40万円 大阪府八尾市西弓削
高島クリニック 78万円 大阪市中央区南船場
計 198万円
③経費支出合計は1858・3万円
④収益は7571・7万円で、⑤収益率は80・3%。
(4)2017年
2017年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306160/29rk0005.pdf)には、以下の収入および支出が記載されていた。
「大阪維新の会懇親会(政治資金パーティー開催事業)」
①売上総額は9066万円
②法人その他の団体
近畿医療学園 30万円 大阪市北区西天満
(株)サンヨー 60万円 大阪市中央区内平野町
(株)HIRAYAMA 30万円 大阪市北区天神橋
(株)三栄建設 40万円 大阪府八尾市西弓削
高島クリニック 66万円 大阪市中央区南船場
計 226万円
③経費支出合計は1681・7万円
④収益は7384・3万円で、⑤収益率は81・5%。
(5)まとめ
①収益と収益率
・2014年 収益5067・0万円、収益率75・5%
・2015年 収益6011・3万円、収益率78・6%
・2016年 収益7571・7万円、収益率80・3%
・2017年 収益7384・3万円、収益率81・5%。
ほぼ年々、収益額も増え、収益率も高くなっている。
②20万円を超える企業のパーティー券購入額
・2014年 110万円
・2015年 100万円
・2016年 198万円
・2017年 226万円
政治資金パーティーの公開基準「20万円超」が高すぎるので、企業の購入実態がわかりづらいが、それでも、その基準以上のものは4年で倍加しているのがわかる。
③やはり「維新」は、企業献金の禁止を公言しながら、企業の政治資金パーティー禁止を公言しないのは、利益誘導・政治腐敗の温床である企業献金を本気で禁止する気がないことがわかる。
やはり実質的な言行不一致で、羊頭狗肉の政党と評さざるを得ない。
(つづく)