福島第一原発3号機燃料プールから20トンの燃料交換機取り出し完了/30代作業員が業務後に体調不良を訴え死亡、作業との因果関係は不明 ~東京電力定例記者会見 2015.8.3

記事公開日:2015.8.3取材地: テキスト動画
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 2015年8月3日(月)17時30分から東京電力定例記者会見が開催された。8月2日に福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プールから20トンの燃料交換機取り出しが無事完了したことを発表した。

■全編動画

■資料映像

  • 日時 2015年8月3日(月)
  • 場所 東京電力本社(東京都千代田区)

3号機使用済燃料プールから燃料交換機の取り出し完了

 今年最大のリスクだと考えられている3号機使用済燃料プールから燃料交換機の取り出しが完了した。8月2日の朝から作業を開始し、11時55分に、3号機使用済燃料プール中から吊上げ作業を開始、13時18分に3号機原子炉建屋そばの地面に吊降ろし終えた。作業は東電社員4名、協力企業33名の体制で行われた。当日は朝から海霧が濃く、視界が悪かったが、無事に作業を終えた。

 取り出した燃料交換機は、3号機原子炉建屋南西側の地面に養生シートを敷き、その上に降ろしている。飛散防止剤を散布して仮置きしてある状態だ。今後表面線量を測定し、線量の高いところ、低いところなどを分けるように切断する。切断後、線量に応じたがれき保管場所に移動し、保管する予定だ。東京電力は、9月上旬ごろまでにこれら作業を終えたいとしているが、具体的なスケジュールはまだ決まっていない。

 燃料交換機のために観測、確認できなかった3号機使用済燃料プール中の箇所が確認できるようになった。その場所を中心にプール内を確認し、まだ燃料プール中に残っているがれきの撤去作業が今後も続けられる。

協力企業作業員、業務終了後の帰宅途中に体調不良を訴え救急搬送先病院で死亡、作業との因果関係は不明

 30代男性協力企業作業員の死亡事故が発生した。8月1日の午前6時から9時にかけて、全面マスク、クールベストを着用し陸側遮水壁の工事を行った後、帰宅のため、作業員用移動バスでJヴィレッジに移動し降車、その時に体調不良を訴え、いわき市立総合磐城協立病院へ救急搬送された。しかし12時59分に死亡が確認された。

 当日、業務開始前の朝礼時や業務中に体調の問題はなかったという。業務終了後に体調不良を訴えていることなどから、東京電力は発電所での業務との因果関係の有無がまだ判明していないと判断している。

 熱中症の疑いも考えられるが、当日8時の気温は28.5℃。熱中症予防対策の目安になるWBGT(暑さ指数)は、6時で22℃、7時で25℃、8時30分は27℃だった。東京電力は熱中症予防対策として、作業時間をWBGT25℃以上で連続2時間以内、WBGT30℃以上で作業禁止等の統一ルールを制定している。

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