9月11日、経済産業省前に設置されている「脱原発テントひろば」が、開設からちょうど3周年を迎え、それを記念する記者会見および原発再稼働阻止への抗議行動が行われた。 テントひろばについては、経産省により、テントひろば所有者である正清太一・渕上太郎両氏を相手取った「土地明渡請求訴訟」が起こされている。
(IWJ・薊一郎)
9月11日、経済産業省前に設置されている「脱原発テントひろば」が、開設からちょうど3周年を迎え、それを記念する記者会見および原発再稼働阻止への抗議行動が行われた。 テントひろばについては、経産省により、テントひろば所有者である正清太一・渕上太郎両氏を相手取った「土地明渡請求訴訟」が起こされている。
■ハイライト
記者会見に先立つ抗議行動で、渕上氏は、テントひろばについて「多くの人が集まる公共の場所、国民の場所」であり、「まったく不当な点はない」と主張し、裁判で闘いぬく決意を示した。
双葉町から東京都港区に避難しているという亀屋由紀子さんは、「テントひろばは第二の故郷」と呼び、連帯の意を表明した。
亀屋さんは、国が福島県双葉町に建設する方針を示している中間貯蔵施設について、国は「福島県知事としか話をせず、自分たち地権者と話をしない」と抗議し、「絶対に土地は売らない」と怒りの声を上げた。
17時からはテントひろば前にて記者会見が開かれ、河合弘之弁護士、作家の鎌田慧氏、福島原発告訴団の武藤類子氏、たんぽぽ舎の山崎久隆氏、「原発いらない福島の女たち」黒田節子氏、作家の落合恵子氏、「土地明渡請求訴訟」担当の大口昭彦弁護士、前述の正清太一氏、再稼働阻止全国ネットワークの岩下雅裕氏が出席した。
会見の冒頭、河合弁護士は、脱原発運動にとってテントひろばは「国にとっての国旗のような象徴的存在」と呼び、重要性を強調。「テントひろばを止めるときは日本から原発が全部なくなるとき」として、脱原発を最後まで実現するまでテントひろばと共に闘う決意を示した。
大口弁護士は裁判の現状を説明した。既に7回の口頭弁論を経た裁判は、これから中盤に入る。裁判の本質は「当事者の多数化と問題の巨大化」であると説明し、被告が2人となっている現状に対して、これからは、テントひろばは「国民全体に関わることであり、当事者は多数であることを打ち出していく」と、裁判の抱負を語った。
裁判の被告ともなっているテントひろばの正清さんは、これまでの3年間を思い出を語った。最初は原発問題を議論するために、経産省前のテントひろばが設置されている場所を開放しろと要求したことから始まったと、てんとひろばの成り立ちを紹介した。
テントひろばには、3年間、「右から左まで参加している。外国メディアの取材も多数受けた」と語り、「原発は日本だけの問題ではなく、世界の問題」であると訴えた。
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