敵に攻められて初めて危機がわかる? 安倍政権の言う「存立危機事態」の曖昧さを自衛隊OBらが指摘 〜「自衛隊を活かす会」シンポジウム 2015.6.20
※7月2日テキストを追加しました!
「われわれ(自衛隊)は、中国が脅威だと一度も言ったことはない」──。このように明言した陸上自衛隊OBの渡邊隆氏は、武力行使の新三要件について、「(国の)存立危機事態とは、どういうことか不明だ。政府は『それは、時の政権が認定する』と言うが、その答えは(防衛に)失敗した時にしかわからない」と指摘。敵に攻められて初めて危機がわかる法案の不備を批判した。
現行憲法の下での自衛隊の可能性を探り、提言をしている自衛隊を活かす会が、2015年6月20日、大阪市の福島区民センターで、シンポジウム「新『安保』法制で日本は危なくなる!?」を開催した。東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏の主催挨拶に続いて、桜美林大学教授の加藤朗氏、陸上自衛隊元陸将の渡邊隆氏、大阪弁護士会前会長の石田法子氏が発表を行い、審議中の安保関連法案について議論した。後半は、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏がファシリテーターを務め、加藤氏、渡邊氏、石田氏と質疑応答を行なった。