日刊IWJガイド・非会員版「江戸時代の富士山宝永大噴火は、元禄関東地震、宝永南海トラフ地震と連動! 政府・自治体の地震と噴火時の対策は、原発事故を想定せず!」2024.8.26号~No.4311


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~1707年の富士山の宝永大噴火は、その4年前の元禄関東大地震、噴火の49日前の東海・東南海・南海トラフ3連動の宝永大地震と連動していた! 噴火による噴出物は、推定1.7立法キロ! 登山口の須走村は火山岩塊で焼失! 小田原の酒匂川では、火山灰が流入し、長年にわたって何度も氾濫! 噴出物は、火口から50km離れた神奈川県伊勢原市で30cm、120km離れた千葉県市原市でも8cm! 現代でも同様の大震災が起こる可能性があるが、政府・自治体は、原発事故との「複合災害」を想定せず!!

■8月1日から、IWJの第15期が始まりました! 新たなスタートですが、さっそくピンチです! 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ18%どまり! 月末までのあと6日間で月間目標の82%、約326万円が必要となります! かなり厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じていない情報」が、激増しています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■バングラデシュで「南アジアの春」!? 大規模デモによって政権崩壊! インドに脱出したハシナ元首相は「米国にベンガル湾を支配させていたなら、私は権力にとどまることができた」と米国の強引な要求に応じなかったことがクーデターを引き起こされた原因であると明言!! またしても「カラー革命」による体制転覆か!? ハシナ元首相を受け入れたインドは、米国と一定の距離を取り続ける!?

■<IWJ取材報告>岸田総理の指示で自民党が進める憲法への「緊急事態条項」創設について、枝野氏「『緊急事態条項』ではなくて『独裁条項』と言うべきだ。これはもう論外だ」と批判!~8.21 立憲民主党代表選 枝野幸男 衆院議員 立候補についての記者会見
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■はじめに~1707年の富士山の宝永大噴火は、その4年前の元禄関東大地震、噴火の49日前の東海・東南海・南海トラフ3連動の宝永大地震と連動していた! 噴火による噴出物は、推定1.7立法キロ! 登山口の須走村は火山岩塊で焼失! 小田原の酒匂川では、火山灰が流入し、長年にわたって何度も氾濫! 噴出物は、火口から50km離れた神奈川県伊勢原市で30cm、120km離れた千葉県市原市でも8cm! 現代でも同様の大震災が起こる可能性があるが、政府・自治体は、原発事故との「複合災害」を想定せず!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 本日8月26日は、「火山防災の日」です。明治44年8月26日に、浅間山(群馬県、長野県)に日本で最初の火山観測所が設置されたことから、昨年改正された活動火山対策特別措置法により、火山災害に備えるきっかけとする日として制定されました。

※8月26日は「火山防災の日」(内閣府)
https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240814.html

 今年8月8日に起きた、最大震度6弱、マグニチュード7.1の日向灘地震により、南海トラフ地震への警戒がにわかに高まりました。

 江戸時代の宝永4年10月4日(西暦1707年10月28日)に起きた、推定マグニチュード8.6~9クラスの日本最大級の東海・東南海・南海トラフ3連動の大地震である宝永大地震から49日目の宝永4年11月23日(西暦1707年12月16日)には、富士山の南東斜面で大噴火が起き、16日間断続的に噴火が続きました。これが、宝永大噴火と呼ばれる、歴史上記録されている最新で最大の富士山の噴火です。

 宝永大地震と宝永大噴火との間には、関連性があったことが推測されています。

※はじめに~南海トラフ地震が想定されているエリアの南西の端、日向灘でM7.1の大地震! 宮崎県で震度6弱!気象庁は「巨大地震注意」を発表! この1週間以内に、M8から9の本震が来る可能性もあると警告! M8はM7と比べるとエネルギーが約30倍!M9はM7の約千倍! さらに神奈川西部を震源とする震度5弱の地震も! 東海・東南海・南海トラフ地震のエリアの原発はどうなるのか!? 危ないのは、静岡の浜岡原発と、四国の伊方原発! しかし政府やNHKなどマスメディアは、原発事故の可能性についてはまったく言及せず、注意喚起もしていない!(前編)(日刊IWJガイド、2024年8月10日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240810#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53777#idx-1

※はじめに~南海トラフ地震によって最大の被害を出すと予想される静岡県! 静岡で懸念されているリスクは、巨大地震・津波だけではない! 富士山・箱根山噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! IWJは静岡県に昨日に続いて直撃取材! 静岡県は、富士山が噴火した場合、浜岡原発のことは何も考えていない!!(後編)(日刊IWJガイド、2024年8月11日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240823#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53816#idx-1

 内閣府が2006年に発表した専門調査会の報告書は、この1707年の宝永大噴火について、「新たに開いた宝永火口から噴出した火山礫や火山灰などの噴出物は、偏西風に乗って静岡県北東部から神奈川県北西部、東京都、さらに100km以上離れた房総半島にまで降り注いだ」と記されています。

 報告書によると、平安時代に起きた富士山の貞観(じょうがん)噴火が、「溶岩流を噴出する穏やかな噴火」だったのに対し、宝永大噴火は「粉砕された噴出物を噴煙とともに上空高く舞い上げる爆発的な噴火」だったとのこと。

 一方、宝永火口の周辺には集落がなかったことなど、「いくつかの要因」が幸いし、「噴火による死者の記録は残っていない」ことが指摘されています。

※災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年3月 1707 富士山宝永噴火(内閣府)
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1707_houei_fujisan_funka/index.html#:~:text=%EF%BC%9C%E6%A6%82%E8%A6%81%EF%BC%9E,%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E3%82%92%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%81%9F%E3%80%82

 内閣府が発表した、この専門調査会の報告書によると、宝永大噴火による噴出物は、「推定1.7立法キロ」に及び、「家屋の倒壊や農耕地の耕作不能化をはじめ、流出した火山灰による河川氾濫などの二次災害を引き起こし、長期間、広範囲にわたり」影響を及ぼしたとのことです。

 富士山の登山口でもある、富士山東麓の須走村(現・静岡県小山町)では、「降ってきた鞠ほどの火山岩塊は内に火気をふくみ、浅間(せんげん)社の神主小野家をはじめ、通りに面した町並みのうち37軒が焼失した。焼失を免れた残り39軒も、27日までに降った3mを越す火山灰の重みと度重なる震動により、すべて倒壊した。住民は着の身着のままで避難し、須走村は、まったくのゴーストタウンと化してしまった」とあります。

 噴火の翌年の宝永5年(1708年)には、神奈川県西部の山北町から小田原市を流れる酒匂川(さかわがわ)で、大きな二次災害が発生しました。報告書には、以下のように書かれています。

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 前述のように、富士山の宝永大噴火は、元禄関東大地震、宝永大地震と連動していました。

 現代において、富士山の大噴火が起きた場合、南海トラフ地震や相模湾を震源とした地震と連動する可能性が高いことは否定できません。

 そうなれば、IWJがこれまで指摘してきたように、地震と原発事故の「複合災害」が起きることは、容易に考えられます。

※はじめに~南海トラフ地震が想定されているエリアの南西の端、日向灘でM7.1の大地震! 宮崎県で震度6弱!気象庁は「巨大地震注意」を発表! この1週間以内に、M8から9の本震が来る可能性もあると警告! M8はM7と比べるとエネルギーが約30倍!M9はM7の約千倍! さらに神奈川西部を震源とする震度5弱の地震も! 東海・東南海・南海トラフ地震のエリアの原発はどうなるのか!? 危ないのは、静岡の浜岡原発と、四国の伊方原発! しかし政府やNHKなどマスメディアは、原発事故の可能性についてはまったく言及せず、注意喚起もしていない!(日刊IWJガイド、2024年8月10日)
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※【南海トラフよりも危ない! 日本列島における地震と原発の問題がいよいよ本番へ!】青森県東方沖・岩手県沖北部と宮城県沖では、M7.0~7.5の大地震が30年以内に起きる可能性が「90%か90%以上」! 青森にある大間原発などの核関連施設、特に、六ヶ所再処理工場はどうなるのか!? 2012年の岩上安身によるインタビューで、元駐スイス大使・村田光平氏は「再処理工場で事故が起これば、最悪の場合、通常の原発事故の1000倍の放射性物質が拡散し、1万平方キロメートル圏で4000万人の死者が出るとされている」と警鐘!(日刊IWJガイド、2024年8月15日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240815#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53790#idx-5

※はじめに~「巨大地震注意」の呼びかけは終了したが、気象庁は「南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくない」と表明! 南海トラフ震源域で唯一稼働する伊方原発周辺は、もろい地盤に加え、特異な地形で原発事故が起きても逃げられない! 危険な使用済みMOX燃料は行き場がなく、原発敷地内貯蔵プールで100年保管!? 5000ガル以上の耐震基準の一般住宅メーカーもある中、伊方原発の耐震基準はたった650ガル!(前編)(日刊IWJガイド、2024年8月16日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240816#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53792#idx-1

※はじめに~「いつ大規模地震が発生してもおかしくない」南海トラフ震源域で唯一稼働する伊方原発周辺は、もろい地盤に加え、特異な地形で原発事故が起きても逃げられない! 四電の津波想定は最大8.1mだが、中央構造線の断層が動けば10mの津波に襲われるとの指摘も! 伊方原発が福島第一のような事故を起こせば、瀬戸内海は死の海に! 中国地方の西側と四国、九州の主要都市は壊滅!?(後編)(日刊IWJガイド、2024年8月17日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53801#idx-1

 しかし、こうした政府や地方自治体、企業の大規模噴火対策では、噴火が地震や原発事故と同時に、あるいはわずかな時間差で起きることは、まったく想定されていないのです。

 東日本大震災を経験すると同時に福島第一原発事故に見舞われて、いまだにその事故で溶融した燃料のデブリの回収もできておらず、立ち入り禁止の地域もありながらも、まるで福島第一原発事故が「なかったこと」のようにされています。

 政治も、行政も、与野党も、マスメディアも、ネットやYouTubeすらも、この「同時に起こりうる原発事故」の可能性について、足並み揃えて「完全スルー」していること、そして肝心の国民自身すら、この「完全スルー」状況に感覚が麻痺して、何も疑問を感じなくなってしまっては、救いようがありません。

 「複合震災」では、一つのハザードマップを指針にするだけでは不完全です。

 全ての危機のハザードマップを重ね合わせて、安全な場所を見つけて避難しないとならないのです。

 IWJは、何者にも縛られない独立メディアとして、地震、火災、津波、火山の噴火、経済の崩壊、そしてタブー視されている原発事故、および同時期の破滅的戦争の可能性まで、連動している危機として一体のものととらえ、重ね合わせ、警鐘を鳴らし、サバイバルの道を探っていきたいと思います。

■8月1日から、IWJの第15期が始まりました! 新たなスタートですが、さっそくピンチです! 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ18%どまり! 月末までのあと6日間で月間目標の82%、約326万円が必要となります! かなり厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じていない情報」が、激増しています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。

 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ18%どまりであるとわかります。かなり厳しい状態にあると言わざるをえません。

 支出を期の初めより、大幅に削ってきましたので、全体の収支がどうなっているか、赤字転落か、ぎりぎり赤字を免れるか、すべての計算が出そろわないとわかりませんが、出そろい次第、皆さまにご報告いたします。

 この8月1日から始まった今期・第15期の見通しは、7月中に立案するはずでしたが、岩上安身の体調不良と入退院を繰り返したことで、経理とのミーティングが十分にできておらず、ご寄付の月間目標額を今すぐただちにお示しすることができません。ご理解とご容赦のほど、よろしくお願いいたします。

 第15期こそは、赤字にならないようにするために、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 7月末現在、IWJ会員の総数は2277人、このうちサポート会員の方は852人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

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 よろしくお願いします!

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2024.8.26 Mon.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.8.27 Tue.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

採算合わない原発を新設する方策! 経産省の「RABモデル」は、原価に電力会社の報酬上乗せの「総括原価方式」復活!? ~8.19 緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは?
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【IWJ号外】ノルドストリーム爆破事件の「真実」を『ウォール・ストリート・ジャーナル』が「笑劇」の暴露! 破壊工作の責任者は、ザルジニー将軍(当時)! しかも作戦に関与したウクライナ軍の指揮官たちは誰ひとり起訴できないと認定!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524235

◆「2024年8月31日」まで、フルオープン!◆

いつもと変わらず何も懲りない自民党。岸田派解散!? 安倍派・二階派ら4派閥が解散!? どれもこれも、目先の批判をかわすための偽装解散では!? 9月の総裁選を過ぎた時点で元の木阿弥なる可能性が高い!(日刊IWJガイド、2024年1月27日)
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核燃料再処理工場のある六ヶ所村で「想定される地震はマグニチュード8クラス」!? 浜岡原発も危険すぎる!! ~岩上安身によるインタビュー 第889回 ゲスト 変動地形学研究者・渡辺満久東洋大教授 2018.7.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427608

六ヶ所再処理工場で事故が起これば福島1000基分の放射能が拡散!? 1万キロ四方の住人が急性被曝で死亡!?~ 岩上安身によるインタビュー 第224回 ゲスト 村田光平(みつへい)氏(元駐スイス大使) 2012.7.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/21731

「脱炭素・ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」~岩上安身によるインタビュー第1106回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第1回 2022.12.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512825

米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾!「ロシアは『主権のない国』である日本を見てない!」~岩上安身によるインタビュー第1109回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第2回 2022.12.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513165

「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるインタビュー第1113回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第3回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514714

「ウクライナは、自分が持ってるアセットをうまく使えば、ロシアと渡り合えたはず」~岩上安身によるインタビュー第1114回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第4回 2023.3.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514875

「パイプラインはお互いの経済を潤すもの。それを破壊するのは第三者」~岩上安身によるインタビュー第1120回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第5回 2023.4.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515533

◆しばらくフルオープン!◆

自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発!~岩上安身によるインタビュー 第1153回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522485

「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670

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■バングラデシュで「南アジアの春」!? 大規模デモによって政権崩壊! インドに脱出したハシナ元首相は「米国にベンガル湾を支配させていたなら、私は権力にとどまることができた」と米国の強引な要求に応じなかったことがクーデターを引き起こされた原因であると明言!! またしても「カラー革命」による体制転覆か!? ハシナ元首相を受け入れたインドは、米国と一定の距離を取り続ける!?

 「若者」らのデモにより、バングラデシュで政権が転覆する事態が起こりました。またしても「カラー革命」の再現を見るかのようです。

 「世界で最も貧しい国の一つ」と呼ばれるバングラデシュで、2024年8月5日、15年にわたり政権を率いてきた女性首相、シェイク・ハシナ氏が辞任し、インドへ亡命しました。

 バングラデシュでは、7月から学生などによるデモ隊と警察が衝突を繰り返しており、デモ隊に野党支持者が加わり、一部が暴徒化。激しい衝突により、300人以上が死亡したと報じられています。その後の混乱も含めると、約650人が死亡したともいわれています。

 こうした事態に国民の不満が高まり、ハシナ首相は退陣に追い込まれ、国外に脱出。現在は、友好的な関係を築いてきた隣国インドに逃れています。

※バングラデシュ なぜ首相が国外逃亡?いったい何が?(NHK、2024年8月9日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240809/k10014540481000.html

※バングラのデモ死者650人に 国連報告書、政権崩壊巡り(東京新聞、2024年8月18日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/348158

 反政府デモの発端は、1971年の西パキスタンからの独立戦争を戦った退役軍人の家族のために、公務員採用の優先枠があったことです。

 2018年にいったんは廃止されたものの、今年6月、高等裁判所が優先枠を復活させる判断を下したことに、学生達が猛反発しました。

 バングラデシュでは、15~24歳の若者の失業率が約11%と高く、そんな中で「40万人の新卒者が3000人の公務員枠を争う」といわれる公務員採用に「不公平な」優遇措置が設けられるとなったことで、若者達の不満が爆発したといわれています。

※バングラ若年層、強権支配に不満(日本経済新聞、2024年7月23日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82245620S4A720C2FFJ000/

 この出来事は、日本にとって「遠い国の出来事」として、無関心でいられるものではありません。

 一つは経済的な理由から、そしてもう一つは日本を取り巻く国際情勢の面からです。

 経済的な面からいうと、300社を超える日本企業がバングラデシュに進出しています。安価で勤勉な労働者(主に女性)を求め、日本だけでなく世界中の繊維企業が進出し、今やバングラデシュは「世界の繊維工場」などといわれているのです。

 こうした経済政策を主導したのが、ハシナ政権です。

 日本の4割ほどの国土に、1億7000万人がひしめく最貧国だったバングラデシュは、世界銀行の2019年の報告書によると、それまでの15年で2500万人が貧困から抜け出したとされ、2022年のGDPの成長率は7%を超えています。

 一方で、ハシナ首相の政治手法をめぐっては、野党や人権団体などから「強権的」との批判が上がっていました。

 アムネスティ・インターナショナルは、拘束された人の行方がわからなくなるケースや、死亡するケースが増えているとして懸念を示しています。

※【解説】バングラデシュ 辞任したハシナ首相の功罪は(NHK、2024年8月6日)
https://www.nhk.jp/p/catchsekai/ts/KQ2GPZPJWM/blog/bl/pK4Agvr4d1/bp/pz9nYoO8mb/

 ハシナ首相のこうした姿勢の背景には、「グラミン帝国」との暗闘があったといわれています。

 「グラミン帝国」とは、バングラデシュを代表するグラミン銀行などの関連企業を批判的に総称したものです。

 グラミン銀行は、金融機関が相手にしないような信用の低い貧困層(主に女性)を5人一組にし、無担保・低金利(とはいえ年利20%)でお金を貸し出し、アドバイスをしながら小売りや農業などの小さなビジネスを起業させ、その収益から返済させるという、まったく新しいビジネスモデルを導入しました。

 この手法は「マイクロクレジット」と呼ばれ、1983年にグラミン銀行を創設した経済学者、ムハマド・ユヌス氏はその功績を称えられて、2006年にはノーベル平和賞を受賞しています。

 ユヌス氏は、米ヴァンダービルト大学で経済学博士号を取得しており、米国とのつながりが強い人物としても知られています。

 ノーベル平和賞受賞の際にも、米国のビル・クリントン元大統領の支援があったと、一部ではいわれているようです。

 このユヌス氏が案出した、「マイクロクレジット」自体は、貧困解決のための優れたアイデアであるかもしれません。

 しかし、ユヌス氏自身は、ノーベル賞まで受賞した経済学者、という地位と名誉だけでは満足しない、政治的野心も抱いていたようです。

 850万人のグラミン会員という票田を背景に、政界に進出をもくろんでいたことで、ユヌス氏は、ハシナ首相の警戒心を刺激し、ハシナ首相はユヌス氏を排除しようとした、言われています。

※Bangladesh in Turmoil: Hasina feared Yunus would push her out with U.S. help(Counter currents、2024年8月11日)
https://countercurrents.org/2024/08/bangladesh-in-turmoil-hasina-feared-yunus-would-push-her-out-with-u-s-help/

 そうした中、2024年6月に、ユヌス氏がバングラデシュの司法当局によって、横領の罪で起訴されると、「これはハシナ政権による政治的な策謀だ」とする批判が広がっていきました。

 そのあげく、ハシナ政権が倒れた今、暫定政権のトップ――最高顧問に誰が就任したかというと、このユヌス氏だったのです。

 この発表を聞いて、ユヌス氏には、やはり政治的野心があったのだなと、確信したバングラデシュ人は少なくなかったことでしょう。一連の両者の対立は、「政治的闘争」だったのだと。

 こうした状況をつなぎあわせると、「カラー革命」を思わせる、今回の反政府デモと政変の裏には、米国がいるのではないか? という疑念が湧いてきます。

 現に、ハシナ政権は、米バイデン政権と対立していました。

 2024年1月に行われたバングラデシュの総選挙。ハシナ政権は、野党に対する弾圧を強めたといわれています。

 この時、繰り返し懸念を表明したのが、米国のバイデン政権です。本当に、バイデンという人物は、どこの国であろうと首を突っ込み、内政干渉を行う人物であることがわかります。

 その一方で、ハシナ政権に接近し、寄り添う姿勢を示していたのがロシアでした。

 ロシア外務省のザハロワ報道官は、2023年12月に、次のような声明を発表しました。

 「アメリカがバングラデシュの選挙結果に満足しない場合、アラブの春のようなバングラデシュの状況を不安定にさせる試みが起きそうだ。アメリカが主権国家の内政に対する無礼な干渉を控える可能性は、残念ながらほとんどない」。

※バングラデシュで与野党の対立が激化 治安の悪化が懸念(NHK、2023年12月21日)
https://www.nhk.jp/p/kokusaihoudou/ts/8M689W8RVX/blog/bl/pNjPgEOXyv/bp/p9e4WvBP2w/

 「アラブの春」は、当初は誰もが好ましく思っていた、民主化を求める、民衆からの、非暴力による異議申し立てでした。

 富の分配の不平等や、腐敗した独裁政権への批判など、不満がたまっていたとはいえ、非暴力の抗議活動にとどまらず、それを暴力の吹き荒れる「大火事」にしてしまったのは、スマホとSNS、そしてCIAやおなじみのジョージ・ソロス氏が後押しをしたためであると、疑われています。

 中東の「民主的な革命」は、しかし、暴動や軍隊による鎮圧、クーデター、内戦など、様々な過程を経て、「アラブの冬」と言われる状態に至ってしまっています。

 結局のところ、リビアやシリアへの空爆のような、米国の武力介入の口実にされたり、アルカイダやISのテロの餌食にされたり、中東各国の不安定化によって、中東の国々の政治力が弱体化され、かえってイスラエルに有利に働いたことは、結果を見る限り、否めません。

 ここでザハロワ報道官が、「アラブの春」を「(一国の内政を)不安定化させる試み」とし、「アメリカが主権国家の内政に対する無礼な干渉を控える可能性は、残念ながらほとんどない」と言いきっているのは、決して「言い過ぎ」とは言えません。

 そしてそのザハロワ発言から8ヶ月後の今、ロシアの予測どおり、「アラブの春」に似た反政府デモによる政変が起こり、ハシナ政権は崩壊しました。

 さらに、インドに逃れたハシナ氏は、インドの主要ビジネス日刊紙である『ザ・エコノミック・タイムズ』のインタビューで「もしサン・マルタン島(※IWJ注)の主権をアメリカに譲り、ベンガル湾を支配させていたなら、私は権力にとどまることができたでしょう」と語ったのです。

 つまり、彼女は、自分は米国とのダーティーな政治的取り引きには応じなかったと、証言したわけです。

(※IWJ注)サン・マルタン島は、バングラデシュ領土の最南端。ベンガル湾の北東部にある小島。ハシナ氏の証言通り、この島を要求したのだとしたら、インド洋に、東アジアにおける在日米軍のような、主要な「足がかり」をほとんど持たない(ディエゴ・ガルシア島ぐらい)米国にとり、インド洋における戦略的拠点となると、見込んだものと思われる。

 『ザ・エコノミック・タイムズ』の報じたところによると、ハシナ氏は、親しい仲間を通じて伝えられたメッセージで、次のように語っています(以下はIWJ仮訳・粗訳)。

 「私は、死体の行列を見ることがないように辞任しました。

 彼らは、学生達の死体の上に立って、権力を握ろうとしていましたが、私はそれを許さず、首相職を辞任しました。もしサン・マルタン島の主権をアメリカに譲り、ベンガル湾を支配させていたなら、私は権力にとどまることができたでしょう。

 私の祖国の人々にお願いします。『どうか過激派に操られないでください』と」。

 「もし、私が国にとどまっていたら、もっと多くの命が失われ、より多くの資源が破壊されていたでしょう。

 私は、非常に困難な決断を下しました。私は、あなた達が私を選んでくれたからこそ、リーダーになり、あなた達が私の力でした」。

 「私は、バングラデシュの若い学生達に、繰り返し言いたい。私は、決してあなた達をラザカール(裏切り者)と呼んだことはありません。むしろ、私の言葉は意図的に歪められ、あなた達を扇動するために使われました。

 その日のビデオ全編を見てください。陰謀者達は、あなた達の純粋さを利用して、国家を不安定化させようとしたのです」。

 『ザ・エコノミック・タイムズ』によると、ハシナ氏は2024年4月の議会で、米国がバングラデシュで政権交代を追求していると述べ、「彼らは民主主義を排除し、民主的な存在を持たない政府を導入しようとしています」と語ったといいます。

 さらに情報筋の主張として、「(反政府デモの暴徒達は)実際にはバングラデシュで『政権交代』を演出していた外国勢力の手に乗っていた」という話を伝えています。まるで、凍てつく北国・ウクライナにおける「ユーロマイダン・クーデター」に至る過程の、南アジア・バージョンのようです。

 ハシナ氏が率いていたアワミ連盟(当時の政権与党)の指導者達は、「(米国の外交官が)ハシナ氏に対して中国に対抗する取り組みを行うよう圧力をかけていた」と非難していることも『ザ・エコノミック・タイムズ』は報じています。

※Sheikh Hasina alleges US role in ouster, says could’ve remained in power if she surrendered sovereignty of Saint Martin Island(The Economic Times、2024年8月11日)
https://economictimes.indiatimes.com/news/international/world-news/team-hasina-hints-at-us-role-in-ouster/articleshow/112432625.cms?from=mdr

 この報道に対し、米国は関与を否定しています。

 2024年8月12日、米ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、『ザ・エコノミック・タイムズ』の報道に対し、「我々は一切関与していない。米政府がこれらの事件に関与したとの報道や噂は、まったくの誤りだ」と述べました。

 表向き「自由と民主主義」という偽善的看板を掲げながら、裏では、他国の政府の転覆や裏工作に手を染めている人間達が、「はい、我々がやりました」と言うわけがありません。

※バングラ政権崩壊、ホワイトハウスが米の関与巡る報道否定(ロイター、2024年8月13日)
https://jp.reuters.com/world/security/46HHCMMR7BLNDHN2MEVIPPC2KQ-2024-08-13/

 同日には、米国在住の実業家で政府顧問でもあるハシナ氏の息子、サジーブ・ワゼド氏がX(旧ツイッター)で、先述したハシナ氏のインタビュー内容は「完全に虚偽で捏造されたもの」とする投稿をしています。どちらが真実を語っているかは、断定はできません。

 しかし、米国に対する姿勢ひとつで、親と子がこれほど引き裂かれてしまうのですから、政治とそこへの分断工作というものは、いかに冷酷なものであるか、思い知らされます。

※サジーブ・ワゼド氏のXへの投稿(2024年8月12日)
https://x.com/sajeebwazed/status/1822678348239167818

 ただし、東京外国語大学総合国際学研究院教授の篠田英朗氏が『アゴラ』に投稿した記事によると、「事実の問題として、アメリカが、ベンガル湾をにらむセント・マーチン島(原文ママ。サン・マルタン島を指す)に強い関心を持ち、自国の海軍基地の建設をハシナ政権に打診して、断られたことは、事実である」とのことです。息子のワセド氏の「完全に虚偽で捏造されたもの」であるという発言は、真実とは言えなそうです。

※バングラデシュ政変にアメリカは関与しているのか(アゴラ、2024年8月14日)
https://agora-web.jp/archives/240812064920.html

 仮に、米国によるハシナ氏への圧力が事実だった場合、力ずくで理不尽な要求を押し通そうとする米国のインド太平洋戦略が、実際のところ行き詰まりをみせていることになります。強引な手段を取るということは、それだけ、余裕がないという証拠です。

 これが、日本も無関係ではいられない二つ目の理由です。

 インドと日本、米国、オーストラリアは、「自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する」4ヶ国の枠組み「クアッド」を形成しています。

 対中国・ロシア包囲網とも呼べる枠組みで、その一端をインドにやらせようとしていると見ることもできます。

 しかし、米国がベンガル湾へ直接的な基地を設置するとなると、話は変わってきます。中国を大きく刺激してインド洋における緊張状態が悪化することは必至であり、それどころか同海域において影響力を持つインドに対する牽制にもなり得ます。

 インドはグローバル・サウスの国々で唯一、イスラエル支持を表明するなど、親米的な姿勢を示してきました。

※【IWJ号外】BRICSの主要国、インドがイスラエルに対して連帯表明! 長年対立してきたパキスタンはパレスチナを支持! 両核保有国の関係はパレスチナ問題へどのような影響を及ぼすのか!? 2023.10.31
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519491

 その一方で、ウクライナ侵攻後も、対露制裁に参加せず、ロシアとの関係を維持して、ロシア産の格安の石油を輸入するなど、したたかな外交戦略を取っています。

 そんな両天秤をかけるインドに対し、米国が、「友好」的なポーズだけでなく、警戒と圧力を示すのも合点がいきます。

 現在バングラデシュでは、反政府デモを主導した学生達を中心に、ハシナ政権を支援してきたインドに対する反発感情が高まっているといわれます。

 イスラム教徒が90%を占めるバングラデシュにおいて、ヒンドゥー教が80%を占めるインドへの宗教的な事情もあるでしょう。反政府デモでも、ヒンドゥー教徒を狙った襲撃が各地で起きたと報じられています。

※バングラデシュ政変、高まる反インド感情 ヒンドゥー教徒襲撃も頻発(朝日新聞、2024年8月7日)
https://www.asahi.com/articles/ASS873RSQS87UHBI01JM.html

 今後もし、バングラデシュでの反インド感情の高まりとともに、親米的な政権が発足した場合、インドと米国の関係が悪化する可能性もあります。

 その際、米国とも、インドとも、石油をもつ中東のイスラム教諸国とも、パートナーシップを結ぶ日本は、複雑な立ち位置を迫られることになると思われます。

■<IWJ取材報告>岸田総理の指示で自民党が進める憲法への「緊急事態条項」創設について、枝野氏「『緊急事態条項』ではなくて『独裁条項』と言うべきだ。これはもう論外だ」と批判!~8.21 立憲民主党代表選 枝野幸男 衆院議員 立候補についての記者会見

 立憲民主党の枝野幸男衆議院議員(前代表)は、8月21日、衆議院第一議員会館で記者会見を行い、党の代表選(9月7日告示、23日投開票)への立候補を表明しました。

 会見で枝野氏は、自身の政策骨子「枝野VISION 2024」を発表しました。

 「枝野VISION 2024」の中心テーマは、「ヒューマンエコノミクス(人間中心の経済)の実現」です。枝野氏によると、「ヒューマンエコノミクス」とは、「徹底的に『人』に着目して『人』を支え、すべての『人』の能力を最大限に引き出す経済」とのことです。

 「枝野VISION 2024」の実現のために、枝野氏は、以下の8つの具体策を掲げました。

1.人の可能性を拓く投資
2.地域経済を活かす投資
3.国民所得の底上げ
4.支えあう社会制度の拡充
5.個人の選択肢の拡大
6.現実的な外交・安全保障
7.災害・危機に機能する政府
8.民主主義のアップデート

※決意表明 なぜ私は立候補するのか(枝野幸男オフィシャルサイト)
https://youtu.be/c291R_qr468

 枝野氏の政策発表に続き、各社記者との質疑応答が行われ、 記者からは、「消費税(減税)」、「野党連携(野党共闘)」、「原子力政策」、そして「憲法改正」などについての質問がありました。

 枝野氏は、自民党が岸田文雄総理の指示を受け、前のめりの姿勢で検討を進めている「緊急事態条項の創設」や「憲法への自衛隊の明記」についての考えを聞かれ、次のように答えました。

 「『緊急事態条項』ではなくて『独裁条項』と言うべきだと思います。ですので、これはもう論外だと思っておりますし、『自衛隊の明記』というのも、今、国民的な合意が得られる問題だとは思っていません。

 私は、より良く変わる憲法改正であるならば、それは我が党も含めて、積極的に対応すべきだと思っています。

 しかしながら、今、国民的な合意ができ、なおかつ、みんなが『より良くなる』と合意ができるようなテーマを、あえて、自民党の皆さんが避けていることを、大変残念に思っています(後略)」

 記者会見・質疑応答の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「『緊急事態条項』ではなくて『独裁条項』と言うべきだと思います。これはもう論外だと思っておりますし、『自衛隊の明記』というのも、今、国民的な合意が得られる問題だとは思っていません」~8.21立憲民主党代表選 枝野幸男 衆院議員 立候補についての記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524249

※【特集】これこそ「ナチスの手口」!9条を含めすべての現行憲法秩序を眠らせ、日本改造を行う「緊急事態条項」 この上ない危険性!!
https://iwj.co.jp/wj/open/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85%E7%89%B9%E9%9B%86

※【永井幸寿さんサイン入り】緊急事態条項の何が問題か(IWJ書店)
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=446

※【梓澤和幸さんサイン入り】改憲 どう考える緊急事態条項・九条自衛隊明記(IWJ書店)
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※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く(IWJ書店)
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

 ご支援のほども、よろしくお願いします。

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