日刊IWJガイド・非会員版「ウクライナのクルスク侵攻はロシアに核を使わせるための挑発か!? 原発攻撃で、ロシアは自衛のため、戦術核兵器の使用を検討する可能性が!」2024.8.27号~No.4312


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ウクライナのクルスク侵攻は、ロシアに核を使わせるための挑発だったのか!?「通常型(侵攻)と非通常型(原発攻撃)を組み合わせた攻撃は、ロシアの意思決定者たちを、自衛のための最後の手段として、戦術核兵器の使用を真剣に検討する方向に向かわせる可能性がある」! ロシアの同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領が強くロシアに警告! ロシアがウクライナの挑発に乗って、核ミサイルを撃てば、ロシアを支持する同盟国はいなくなる! ウクライナのゼレンスキー氏の狂気の挑発! その裏にあるものは米国の核戦略からの極秘の転換!!

■8月1日から、IWJの第15期が始まりました! 新たなスタートですが、さっそくピンチです! 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ18%どまり! 月末までのあと5日間で月間目標の82%、約326万円が必要となります! かなり厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じていない情報」が、激増しています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■ウクライナはアフリカで「第3の戦線」まで開いた!? 西アフリカのマリで、ウクライナの支援を受けた反政府武装組織が、マリ政府軍47人と軍事支援のロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員84人を殺害! マリ、ニジェールはウクライナとの国交断絶を表明! ブルキナファソを加えた3国で、国連安保理に書簡を送って、ウクライナに対する措置を要請!

■<IWJ取材報告>原発が戦時には攻撃目標にされることが明確になったというのに、岸田政権は採算の合わない原発を新設する方策! 日本政府は誰に命じられて、こんなバカげた政策を実行しようとしているのか!? 経産省の「RABモデル」は、原価に電力会社の報酬上乗せの「総括原価方式」復活!? ~8.19 緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは?
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■はじめに~ウクライナのクルスク侵攻は、ロシアに核を使わせるための挑発だったのか!?「通常型(侵攻)と非通常型(原発攻撃)を組み合わせた攻撃は、ロシアの意思決定者たちを、自衛のための最後の手段として、戦術核兵器の使用を真剣に検討する方向に向かわせる可能性がある」! ロシアの同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領が強くロシアに警告! ロシアがウクライナの挑発に乗って、核ミサイルを撃てば、ロシアを支持する同盟国はいなくなる! ウクライナのゼレンスキー氏の狂気の挑発! その裏にあるものは米国の核戦略からの極秘の転換!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 8月18日付『RT』が、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領への注目すべきインタビューを掲載しました。

 ルカシェンコ大統領は、「キエフは、モスクワから思い切った対応を引き出すために、クルスク侵攻を開始したのかもしれない」というのです。この場合の「思い切った対応」とは、「核攻撃」のことです。

※Ukraine pushing Russia to use nuclear weapons ― Belarus(RT、2024年8月18日)
https://www.rt.com/russia/602749-ukraine-pushing-russia-nuclear-weapons/

 18日付『RT』は、18日に放映された『ロシア1』のインタビューの中で、ルカシェンコ大統領が、次のように述べたと報じています。

 「ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、『ウクライナが国際的に認められたロシア領に侵攻したことは、モスクワに核兵器の使用を強いる試みのように見える』と述べた。これは、世界的に同国のイメージを回復不能なほど傷つけることになるだろう」。

 さらに、ルカシェンコ氏は、核の使用によって、ロシアが同盟国からも世界からも孤立するとして、こう指摘しています。

 「『そうなれば(核を使用すれば)、おそらく同盟国はほとんど残らないでしょう。共感してくれる国はまったく残らないでしょう』と指摘し、これは、核兵器による放射性降下物に対する世界的な嫌悪感にもとづく反応であると説明した」。

 さらに、ルカシェンコ氏は、クルスク侵攻はロシアとの交渉に向けたキエフの外交的立場を有利にすることが目的であるというウクライナ政府高官の発言に反論して、この計画は「古典的だが、本格的な戦闘を開始していない大国との闘争においては機能しない」と主張し、「ウクライナ人は最終的にクルスク地方から追い出されるだろう」と付け加えました。

 要するに、確実に追い出されることが決まっているクルスクに侵攻しても、外交交渉のカードにはならないというのです。

 そうすると、ウクライナのクルスク侵攻の本当の目的は何だったのか? ルカシェンコ氏に言わせるとそれは、「ロシアに核を使用させるための挑発だった」ということになります。

 このルカシェンコ氏の仮説は、モスクワに拠点を置く、米国人の政治アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏が、19日付のサブスタックの「ニューズレター」で、こう述べて支持しています。

 「表面的にはばかげた話に聞こえるが、実はもっと深く考えれば、非常に理にかなっている。

 核兵器の使用がタブー視されているのは、それがもたらす物理的・環境的被害のためである。また、核兵器を保有する敵対国が、核兵器による応戦を行い、第三次世界大戦の瀬戸際までエスカレーションの階段を一気に駆け上がってしまうという懸念もある」。

※Why Might Ukraine Want Russia To Use Nuclear Weapons?(アンドリュー・コリブコ氏のサブスタック、2024年8月19日)
https://korybko.substack.com/p/why-might-ukraine-want-russia-t

 ただ、ロシアの核ドクトリンは、「国家の存立を脅かすような大規模な通常攻撃が発生した場合などに(核兵器を)使用することができる」とあり、コリブコ氏は、次のように述べて、現在のところ、ロシアによる核使用には否定的です。

 「クルスクでは、まだそのような事態(国家存立危機)は起きていないが、ウクライナに完全に占領された地域や、他の地域が想定されるシナリオは、前線がどの程度急速に崩壊するかによって、意思決定者によってはその基準を満たすと判断されるかもしれない。はっきり言って、そのようなことが起こるという信頼できる兆候はない」。

 しかし、ロシア領内に侵攻したウクライナ軍が、クルスクから40km西のセイム川の岸に存在するクルスク原子力発電所を攻撃すれば、ロシアによる核使用の可能性が高まると、次のように警告しているのです。

 「ウクライナは近隣の原子力発電所を攻撃することで、その攻撃を利用するかもしれない。ロシアのトップ軍事ジャーナリストは、以前、ウクライナは、クルスクかザポロジエで、『原子力発電所の使用済み核燃料の貯蔵場所を攻撃する計画だ』と警告していた。

 このためロシア国防省は、その場合には『厳しい軍事的・軍事技術的対抗措置を直ちに講じる』と公式に宣言した。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、これらの標的への攻撃は『欧州で大規模な技術的大惨事を引き起こす可能性がある』と述べた。このような通常型(侵攻)と非通常型(事実上のダーティーボム)を組み合わせた攻撃は、ロシアの意思決定者たちを、自衛のための最後の手段として、戦術核兵器の使用を真剣に検討する方向に向かわせる可能性がある。

 ロシア国内であれ、ウクライナ国内であれ、核兵器が投下されれば、先に述べたタブーを破ることになり、世界中に政治的な衝撃が走る。中国とインドは、西側諸国からだけでなく、ライバルの核兵器使用を正当化したくないという見栄のためにも、ロシアと距離を置くよう強い圧力を受けるだろう」。

※Why Might Ukraine Want Russia To Use Nuclear Weapons?(アンドリュー・コリブコ氏のサブスタック、2024年8月19日)
https://korybko.substack.com/p/why-might-ukraine-want-russia-t

 ウクライナ側の挑発は、原発攻撃の可能性にとどまりません。

 なんとゼレンスキー氏は、24日にモスクワとサンクトペテルブルクを攻撃する考え方もあると演説しているのです。

 8月24日付『ガーディアン』が報じた、24日のウクライナ独立記念日に、ゼレンスキー氏が行った「キエフでは、ロシアに国内深部(モスクワとサンクトペテルブルク)を攻撃できることを示すことで、クレムリンの再評価をうながすことができるという考え方もある」という演説を踏まえて、スコット・リッター氏は、25日のX(旧ツイッター)へのポストで、こう述べています。

 「ウクライナは、ロシアを交渉のテーブルに着かせる手段として、モスクワとサンクトペテルブルクを攻撃すると脅している。

 ロシアは、核弾頭または通常弾頭を搭載できる極超音速滑空体『アバンガルド』を保有している。

 アバンガルドは、さまざまなミサイル・プラットフォームから発射できる。

 迎撃は不可能。

 通常弾頭は音速の27倍以上の速度で標的に命中し、実際の弾頭が爆発する前に、21トン以上の高性能爆薬に相当する衝撃を生み出す。

 もしウクライナがロシアの二大都市を攻撃することを決断すれば、その結果ウクライナが消滅しても驚かないでください。

 そして、もしNATOがそのような攻撃を手助けするなら、アバンガルドが欧州の地に到着しても驚かないでください。

 それが通常弾頭だけであることを、祈るだけだ。

 米国と欧州にとって、狂人の非常識な行動を助長することほど集団自殺を早める方法はない。

 ゼレンスキー氏は、全世界にとって脅威だ」。

※スコット・リッター氏のXへのポスト(2024年8月25日)
https://x.com/RealScottRitter/status/1827673526276407789

 8月24日付『ガーディアン』は、「政府高官によれば、ロシアが交渉を検討するのは、ウクライナが『モスクワとサンクトペテルブルクを脅かす』能力を有していると考えた場合だけだ。しかし、これはリスクの高い戦略であり、今のところ米国の支持を得ていない」と報じ、ゼレンスキー大統領が演説で述べた「ロシア国内最深部への攻撃」とは「モスクワとサンクトペテルブルク」への攻撃を指していることを明らかにしています。

※Let us show Putin we have ability to hit targets deep inside Russia, Ukraine urges west(ガーディアン、2024年8月24日)https://www.theguardian.com/world/article/2024/aug/24/let-us-show-putin-we-have-ability-to-hit-targets-deep-inside-russia-ukraine-urges-west

 スコット・リッター氏の25日のXへのポストを踏まえれば、ロシアが核使用を考えるのは、ウクライナによる、クルスク原発攻撃と並んで、モスクワとサンクトペテルブルクへの長距離ミサイル、ストームシャドウによる攻撃も可能性としてはあります。

 ゼレンスキー氏の24日の演説は、明らかに、ロシアへの挑発でしょう。

 これらのゼレンスキー氏の狂気じみた挑発の背後に、何があるのでしょうか!?

 実は、その4日前に、ウクライナの最大の後ろ盾である米国が、極秘で戦略核兵器の抑止戦略を劇的に転換していたことが明らかになったのです!!

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 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。

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 この8月1日から始まった今期・第15期の見通しは、7月中に立案するはずでしたが、岩上安身の体調不良と入退院を繰り返したことで、経理とのミーティングが十分にできておらず、ご寄付の月間目標額を今すぐただちにお示しすることができません。ご理解とご容赦のほど、よろしくお願いいたします。

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 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.8.27 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】10:20メド~「武見敬三 厚生労働大臣 定例会見」
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 武見敬三厚生労働大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた厚生労働大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
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◆中継番組表◆

**2024.8.28 Wed.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ号外】ノルドストリーム爆破事件の「真実」を『ウォール・ストリート・ジャーナル』が「笑劇」の暴露! 破壊工作の責任者は、ザルジニー将軍(当時)! しかも作戦に関与したウクライナ軍の指揮官たちは誰ひとり起訴できないと認定! 2024.8.16
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いつもと変わらず何も懲りない自民党。岸田派解散!? 安倍派・二階派ら4派閥が解散!? どれもこれも、目先の批判をかわすための偽装解散では!? 9月の総裁選を過ぎた時点で元の木阿弥なる可能性が高い!(日刊IWJガイド、2024年1月27日)
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「脱炭素・ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」~岩上安身によるインタビュー第1106回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第1回 2022.12.9
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米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾!「ロシアは『主権のない国』である日本を見てない!」~岩上安身によるインタビュー第1109回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第2回 2022.12.27
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「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるインタビュー第1113回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第3回 2023.3.13
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「パイプラインはお互いの経済を潤すもの。それを破壊するのは第三者」~岩上安身によるインタビュー第1120回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第5回 2023.4.17
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自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発!~岩上安身によるインタビュー 第1153回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522485

「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670

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■ウクライナはアフリカで「第3の戦線」まで開いた!? 西アフリカのマリで、ウクライナの支援を受けた反政府武装組織が、マリ政府軍47人と軍事支援のロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員84人を殺害! マリ、ニジェールはウクライナとの国交断絶を表明! ブルキナファソを加えた3国で、国連安保理に書簡を送って、ウクライナに対する措置を要請!

 西アフリカのマリ共和国が、8月4日、反政府勢力を支援したウクライナとの外交関係を、直ちに断絶すると発表しました。

 8月6日付『AFPBB』は、「マリの遊牧民トゥアレグ主導の武装組織は先月、北部での3日間にわたる激しい戦闘の末、政府軍兵士47人とロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員84人を殺害したと明かした」とした上で、「ウクライナ国営メディアは、同国国防省情報総局(GUR)のアンドリー・ユソフ報道官が、『(マリの)反政府勢力は必要な情報をすべて受け取った』と述べたと報じた」と伝えています。

 つまり、ウクライナの諜報機関が、マリの反政府勢力に情報を提供して支援したことを、自ら公言したということです。

※ウクライナ、断交発表のマリを「短絡的」と非難 反政府勢力支援めぐり(AFPBB、2024年8月6日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3532659

 さらに、8月7日付『スプートニク日本』は、マリの隣国のニジェールも、「ウクライナとの国交の即時断絶を決定した」として、ニジェールの発表を以下のように報じました。

 「状況の深刻さと、マリ侵略へのウクライナの関与が認められ、その疑いがあることをふまえ、ニジェール共和国政府は、マリ政府および国民と全面的に連帯し、以下の措置を講じる。

 第一に、ニジェール共和国とウクライナの外交関係を即時断絶する。

 第二に、ウクライナの侵略とその支援者に関する決定を下すよう、国連安全保障理事会に請願する」。

※ニジェールがウクライナと国交断絶 マリ国内のテロ組織支援受け(SPUTNIK日本、2024年8月7日)
https://sputniknews.jp/20240807/18931285.html

 『AFPBB』は、8日付で、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が、「戦場でロシアを負かすことのできないウォロディミル・ゼレンスキーの犯罪政権は、アフリカで第二戦線を展開している」「(ウクライナは)ロシアに友好的なアフリカ大陸の国々で、テロ組織を支援している」と非難したと報じています。

 実際には、ウクライナは、ロシアと対峙している攻防戦から貴重な部隊を割いて、ロシア領へ侵攻し、「第2戦線」を開いています。アフリカでの戦線は「第3戦線」と呼ぶべきでしょう。ウクライナは、兵力を分散させて、テロリズムに走っているように思われます。何のために、自国の防衛を手薄にするような遠いアフリカでの戦闘にまで兵力を割いているのか、やっていることがもはや意味がわかりません。

 これはウクライナの単独の意思でしょうか!? ウクライナ軍の使用した武器や弾丸などは、西側からウクライナ本国に提供されたものを、流用したのではないでしょうか!?

※ウクライナがアフリカで「第二戦線」展開 ロシア(AFPBB、2024年8月8日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3533040

 また、8日付『スプートニク日本』は、「マリとニジェールは、国連の安全保障理事会に対し、ウクライナがマリ北部で、武装グループを支援していることについて調査するよう要請した」と報じています。

※マリとニジェール、国連安保理に、アフリカにおけるウクライナの活動を調査するよう要請(SPUTNIK日本、2024年8月8日)
https://sputniknews.jp/20240808/18935536.html

 さらに、8月21日付ロシア『RT』は、「ブルキナファソ、マリ、ニジェールは、マリ軍兵士とロシア軍請負業者数十名を殺害した反政府勢力の攻撃に、ウクライナが関与したとして、国連安全保障理事会(UNSC)に書簡を送り、ウクライナに対する措置を要求した」と報じました。

 7月25日から27日にかけて、マリ北部で反政府武装勢力が、マリ政府軍とワグネルの戦闘員を殺害したことについて、この『RT』の記事は、次のように報じています。

 これを読むと、ウクライナ本国からはぐれていった流れ者が、本国の意志とは無関係かつ無目的に戦闘を行っているのではないことは明らかです。

 テロ攻撃を行う部隊は、キエフの軍事情報局(HUR)からもたらされた情報に攻撃をかけているからです。

 「ウクライナは、8月初めから西アフリカの外交上の嵐の中心となっている。

 マリ北部のティンザワテン村で、トゥアレグ族の反乱軍がワグネル・グループの民間軍事会社とバマコ(マリの首都=マリ政府)の防衛軍の隊員を乗せた軍の車列を待ち伏せしたためだ。

 ウクライナ当局は、武装勢力がキエフの軍事情報局(HUR)からの情報を利用して作戦を遂行し、『成功した』と主張し、『今後も攻撃が続くだろう』と警告した。

 この発言は、バマコや西アフリカの近隣諸国の怒りを買った。彼らは、10年以上もジハード主義(イスラム原理主義)によるマリへの反乱を、ウクライナが支援していると非難している。

 地域連合のECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)も、この発言を非難し、地域の平和と安全を脅かす『外国の干渉』に警告を発した。

 マリの軍事政権と同盟国のニジェールは、ウクライナとの外交関係を断絶することで対応した。キエフは非難を否定し、アフリカ諸国はウクライナの攻撃への関与の証拠がないまま『性急な』決定を下したと主張している。

 キエフに対する最新の動きとして、バマコ、ニアメ(ニジェールの首都=ニジェール政府)、ワガドゥグー(ブルキナファソの首都=ブルキナファソ政府)の軍当局(いずれも軍事政権)は、ウクライナ当局者の発言を『極めて重大』であり『外国の干渉の範囲を超えている』と非難した。

 『これらの行為は、我が国の主権と領土保全の侵害であり、国連憲章と関連する国際条約の甚だしい違反である』と書簡には記されている」。

※African states call for UN action against Ukraine(RT、2024年8月21日)
https://www.rt.com/africa/602891-ukraine-mali-terror-attack-sahel-alliance-demand-un-action/

 マリ、ニジェール、ブルキナファソは、いずれもフランスの旧植民地から、1960年に独立した、西アフリカの内陸国です。いずれも多民族国家で、サハラ砂漠南部に広がる、サヘル地域と呼ばれる半乾燥地帯にあり、深刻な砂漠化、食糧不足、水不足に瀕しています。

 そして、マリでは2020年、ブルキナファソでは2022年、ニジェールでは2023年に、軍事クーデターにより、現在の軍事政権が権力を掌握すると、旧宗主国であるフランスや、ニジェールの場合は、駐留していた米国との防衛関係を断ち、ロシアに安全保障協力を求めています。

 一方、サハラ砂漠一帯の遊牧民だった、ベルベル人(北アフリカ先住民)系のトゥアレグ人は、かつてはサハラ交易を行っていた砂漠の民です。本来、国境など存在しないサハラ砂漠を自由に往来していたトゥアレグ人は、フランスによるこの地域の植民地化と、第2次世界大戦後の独立に伴い、現在は、マリ、ニジェール、アルジェリア、モロッコ、ブルキナファソ、リビアなどに、推定約150万人が暮らしています。

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■<IWJ取材報告>原発が戦時には攻撃目標にされることが明確になったというのに、岸田政権は採算の合わない原発を新設する方策! 日本政府は誰に命じられて、こんなバカげた政策を実行しようとしているのか!? 経産省の「RABモデル」は、原価に電力会社の報酬上乗せの「総括原価方式」復活!? ~8.19 緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは?

 ウクライナ戦争では、戦時に原発が攻撃目標となることが明らかになったというのに、岸田文雄政権は、2023年に閣議決定した「「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」で、原発の再稼働に加え、新規建設に取り組むことまで表明しました。

 経済産業省が、原発の新増設を進めるため、新たな原発建設が始まった時点から、建設費を電気料金に上乗せできる制度を検討していることが報じられました。

 稼働前からの消費者負担をはじめ、様々な懸念が指摘されるこの制度は、英国の原発支援策「RABモデル」をもとにし、経産省が年度内にまとめる新たな「エネルギー基本計画」に反映されるとみられています。

※原発の建設費を電気料金に上乗せ、経産省が新制度検討 自由化に逆行(朝日新聞、2024年7月24日)
https://digital.asahi.com/articles/ASS7R3PZVS7RULFA01NM.html

 同制度の背景、問題点について、原発のコストに詳しい龍谷大学政策学部教授の大島堅一氏によるオンラインセミナーが、国際環境NGO FoE Japanの主催で、2024年8月19日に行われました。

※緊急オンラインセミナー:原発建設費用を国民から徴収? RABモデルとは?(8/19)(FoE Japan)
https://foejapan.org/issue/20240813/19899/

 セミナー冒頭で主催者が、電力事業の環境に関し、「世界の発電費用はこの10年で、原発が上昇し続ける(2022年180ドル/MWh)一方、陸上風力(同60ドル/MWh)や太陽光(同50ドル/MWh)は劇的に低下」していると指摘し、「原発のコスト上昇の原因は、建設費の爆上りと、建設期間が延びているから。安全対策にもとてつもない費用」がかかっていると説明しました。

 大島教授は最初に、「原子力発電事業は、世界的にもじり貧」だが、特に日本では「福島原発事故後に大きく衰退し(現在、電力全体の5%程度)、原子力産業は存亡の危機」にあり、「今、支援策を実施しないと維持できない」と指摘しました。

 大島教授によれば、そのため原発支援策が講じられ、電源投資の入札制度「長期脱炭素電源オークション」(2024年1月第1回応札)では、「島根原発に20年間で約1兆円支援」されることになったのです。

 ところが、こうした支援策でも、「原発の新設はできない」と、今年2月の経産省・原子力小委員会で、コンサル(デロイトトーマツ)が指摘したといいます。

 なぜなら原発は「必要資金額が高く、不確実」なため、「与信枠(電力会社に貸す限度額)があてられない」、つまり金融機関が「原発に資金を貸せない」というのです。

 したがって、さらに「新たな支援策がないと原発は新設できず、将来的に原子力産業は終わる」というのです。

 そこで、電力会社は「脱炭素と電気の安定供給に、原発こそ切り札」と主張。一方、電力自由化により、「総括原価方式」(原価に一定率の事業報酬を上乗せして料金決定する公共料金の方式)が徐々になくなっていることから、「新規建設と安全対策のコスト増加が経営を圧迫する」と訴え、国に対して、「次世代革新炉」の開発・建設支援のための「投資・コスト回収の予見性確保」「資金調達環境の改善」等を求めていると、大島教授は指摘しました。

 そこで着目されたのが、英国で2022年の原子力融資法(Nuclear Financing Act)で導入された、「新規原発のための資金調達モデル」(Regulated Asset Base=RAB)です。「RABモデル」は、もともと英国の公共投資の資金調達方法で、1980年代から水道・ガス、空港等の事業で使われてきた、インフラ事業の収益保証モデルです。

 大島教授によれば、これは「一言で言えば、総括原価方式の復活」だといいます。

 その特徴は、原発の「建設期間中から収入保証」し、「建設費用の変動(上昇)リスク、建設期間の遅延リスクを消費者に負担させる」ことです。この建設時から投資家(電力会社)に保証される報酬(収入)を、大島教授は、総括原価方式における「事業報酬のようなものだ」といいます。報酬は、電気料金に上乗せされ、原発稼働前から、消費者は徴収されることになります。

 なお、運転期間中は、投資の回収分、そして維持費・運転費、廃炉費、放射性廃棄物処分費などの経費は別途計上されます。これにより、投資側は非常に安定した収益が得られることになるのです。

 質疑応答で、IWJ記者は、以下のように質問しました。

IWJ記者「投資に見合わない原発を、無理に延命させるために、GX戦略(※)の内実として、RABモデルを導入しようとしているということでしょうか?」

大島教授「GX戦略の中で、原子力基本法の中に、『事業環境整備』という名前(規定)が付いたんです(第二条の三)。『事業が成立するようにしろ』『なんでもします』みたいなことが書かれてる。その実現ですよね。

 その具体化が、一つは『脱炭素電源オークション』でした。(しかし)それだと(原発が)新設できない。じゃあ、どうするのかという回答として、『総括原価方式の復活』ということになるんだと思います」

(※)GX戦略:GXはGreen Transformationの略で、化石エネルギー中心の産業・社会構造を、クリーンエネルギー中心に転換する取り組み。岸田政権は、GX推進法とGX脱炭素電源法(原子力基本法等5つの法律の改正案を束ねたもの)を、2023年5月の国会で成立させた。そこには、原発をクリーンエネルギーと位置づけ、延命・新増設する方策が盛り込まれ、強い批判を浴びた。

 今年8月の日向灘地震で、南海トラフをはじめ地震への懸念が改めて高まりましたが、元来、日本は世界的に珍しい、4つものプレートが集まる地点にあり、全世界のマグニチュード6以上の地震の2割近くが日本周辺で起きています。

 また、日本には約2000の活断層があるとされますが、活断層の評価は極めて困難です。今年7月、敦賀原発2号機で、日本原子力発電が否定してきた、原子炉直下の活断層の可能性を原子力規制委が認め、再稼働を「不合格」としました。

 未知の活断層の可能性は、既存原発の所在地を含めて、日本国中にあります。国土条件が原発建設にそぐわないにも関わらず、国と電力会社は、RABモデルで再び新規増設を進めようとしているのです。

※GX法案は虚構の上に築かれている! 終わりつつある原子力産業をお金つぎ込み救済!~5.9_原発GX法を廃案に! 参議院議員会館前行動に結集を! (―登壇:村田弘氏、宇野朗子氏、菅野正寿氏、アイリーン・スミス氏、武本和幸氏、森山拓也氏ほか) 2023.5.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515932

※<シリーズ特集! 福島第一原発事故から12年、進む事故への危機感と恐怖の記憶の風化! 他方、急激に高まる原発への武力攻撃リスク!>「低効果、遅すぎ、原発回帰、不透明」と「四拍子揃った」問題法案!~3.24 オンライン緊急記者会見:問題だらけの「GX推進法案」は廃案にすべき 2023.3.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514939

※はじめに~静岡を襲う巨大地震と噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! 南海トラフ地震の犠牲者の約3分の1が静岡県に集中! 津波だけで、約9万6000人が亡くなる! 南海トラフに加えて駿河トラフ、相模トラフの3重トラフが重なる大災害エリア! 想定される地震は南海トラフ巨大地震(M9)、東海地震、東海・東南海地震 、東海・東南海・南海地震の3連動(M8.0~8.7)、神奈川西部を震源とする大正型関東地震(関東大震災、M8.0)、元禄型関東地震(M8.2)、加えて浜岡原発を抱え、活火山である富士山の噴火リスクもある!(前編)(日刊IWJガイド、2024年8月22日)
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※はじめに~南海トラフ地震によって最大の被害を出すと予想される静岡県! 静岡で懸念されているリスクは、巨大地震・津波だけではない! 富士山・箱根山噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! IWJは静岡県に昨日に続いて直撃取材! 静岡県は、富士山が噴火した場合、浜岡原発のことは何も考えていない!!(後編)(日刊IWJガイド、2024年8月23日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240823#idx-1
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※敦賀原発2号機 再稼働を事実上認めず 原子力規制庁の審査会合(NHK、2024年7月26日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240726/k10014524611000.html

※地震の多い国、日本(国土技術研究センター)
https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary12

※主要活断層帯(地震調査研究推進本部)
https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_major_active_fault_zone/

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、木原匡康)

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