┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~クルスク侵攻におけるウクライナ軍の損失は「5800人」! 1万5000人のウクライナ軍は、もう3分の1強が損耗! 自主投降したウクライナ兵は「食べ物も水もない」「撤退すれば仲間の軍隊に処刑される」とウクライナ軍の惨状を報告! 他方、東部ドンバス戦線では、ウクライナ軍の歩兵の平均年齢は40歳超、兵員数は5対1でロシア有利! ロシア側司令官「クルスク侵攻はウクライナ崩壊の決定的な戦いになる」! マクレガー大佐は、クルスク侵攻軍に多数のNATO将兵が加わっていると指摘、「これはNATOによる侵攻だ」と警告! この先、NATOとロシアの剥き出しの直接対決の火蓋が切って落とされるのか!?
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┠■8月1日から、IWJの第15期が始まりました! 新たなスタートですが、さっそくピンチです! 8月は1日から27日までの27日間で、53件、76万9860円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ19%どまり! 月末までのあと4日間で月間目標の81%、約323万円が必要となります! かなり厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じていない情報」が、激増しています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!
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┠■【中継番組表】
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┠■中部電力から、南海トラフ地震と富士山噴火時の浜岡原発の対応に関する、IWJの質問に対する回答が届きました! 日本最大級の東海・東南海・南海トラフ3連動の大地震である宝永大地震(西暦1707年10月28日)のときのように、富士山の噴火の49日前に、南海トラフ地震や相模トラフ地震が起きていたとしたら、どうなる!? 被災地は、いまだ地震の混乱も余震も収まっておらず、交通機関や道路は分断し、瓦礫の山で、避難できていない人々も大勢いる中へ、火砕流や火山灰、噴石の飛来が襲い掛かる! さらに、浜岡原発の使用済燃料貯蔵プールが損傷すれば、被災地一帯が放射能汚染されている可能性もある!
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■はじめに~クルスク侵攻におけるウクライナ軍の損失は「5800人」! 1万5000人のウクライナ軍は、もう3分の1強が損耗! 自主投降したウクライナ兵は「食べ物も水もない」「撤退すれば仲間の軍隊に処刑される」とウクライナ軍の惨状を報告! 他方、東部ドンバス戦線では、ウクライナ軍の歩兵の平均年齢は40歳超、兵員数は5対1でロシア有利! ロシア側司令官「クルスク侵攻はウクライナ崩壊の決定的な戦いになる」! マクレガー大佐は、クルスク侵攻軍に多数のNATO将兵が加わっていると指摘、「これはNATOによる侵攻だ」と警告! この先、NATOとロシアの剥き出しの直接対決の火蓋が切って落とされるのか!?
おはようございます。IWJ編集部です。
8月21日、ロシア国防省は、ウクライナ軍によるクルスク侵攻によって、8月6日以降の2週間余りで、「ウクライナ軍は合計4400人以上の軍人を失った(※死亡者と戦闘に参加できない負傷者の合計)」と、『テレグラム』で報告しました。
16日間で4400人ですから、平均して1日あたり275人のウクライナ兵が失われていることになります。
人的被害とあわせて、非常に多くの武器・兵器も失われています。その中には、「ハイマース」のような、米国や西側諸国から供給された最新鋭の武器・兵器が多く含まれています。
<ウクライナ軍のクルスク方面における損失、8月6日~21日の合計>
戦車65両
歩兵戦闘車27台
装甲兵員輸送車53台
装甲戦闘車両316台
自動車133台
大砲31基
対空ミサイル5基
ハイマースMLRS 3基とMLRS 1基を含む多連装ロケットシステム発射装置9基
電子戦ステーション6台
エンジニアリング機器4台
エンジニアリングクリアランス車両2台
UR-77地雷除去ユニット1台
※ @mod_russia(ロシア国防省テレグラム、2024年8月21日)
https://t.me/mod_russia/
量的損失だけでなく、質的損失においても、大きなものがあります。
8月24日付『RT』によると、「ウクライナは米国から供与された戦車の3分の2を失った」といいます。
「最新鋭のエイブラムスM1戦車が、ロシア軍によって同国のクルスク地域で破壊されたとミリタリー・ウォッチ誌が報じた」。
※Ukraine has lost two thirds of US-supplied tanks(ウクライナは米国から供与された戦車の3分の2を失った)(RT、2024年8月24日)
https://www.rt.com/news/603032-abrams-tank-ukraine-us/
そこで、8月22日付の『ミリタリー・ウォッチ・マガジン』の記事を確認してみると、「今回の損失により、ウクライナにおけるM1A1エイブラムス戦車の総損失は、納車されたわずか31両のうち20両ちかくとなり、すべての損失は、過去6ヶ月以内に発生している」とされています。
エイブラムス攻略のコツをロシア軍がつかんだのか、逆にウクライナ兵が、強兵が死亡して、補充されたのが、熟練していない弱兵が多くなったからかもしれません。
※Footage Shows Up-Armoured Ukrainian Abrams Tank Destroyed by Russian Forces in Kursk(ウクライナのエイブラムス戦車がクルスクでロシア軍に撃破された)(ミリタリー・ウォッチ・マガジン、2024年8月22日)
https://militarywatchmagazine.com/article/footage-uparmoured-ukrainian-abrams
捕獲された最新鋭の武器・兵器は、すみずみまで研究されますので、ウクライナ軍は、米軍・NATO軍の最新鋭の兵器の研究素材を、ロシア軍に献上してしまった、ということになるでしょう。
ウクライナ側は損失を公表していませんので、ロシア国防省の発表を検証することはできませんが、ウクライナ側も、第3者の軍事ジャーナリズムも、否定はしていません。
これまで、クルスク侵攻に参加しているウクライナ兵は、最初は1000人程度の部隊だったものの、兵力を逐次投入(ちくじとうにゅう=兵力を小出しに投入していくこと)されていって、増援部隊を含めて1万人から1万5000人程度にまで膨れ上がったと推定されていました。ですから、「4400人以上」という損失が正確であるとすれば、3分の1から半数の兵士が失われたことになります。
このペースが続けば、9月終わりにはクルスクに侵攻したウクライナ兵は全滅となります。これでは到底、侵攻作戦を続け、「占領地域」を維持することはできません。1人残らず完全に全滅となる前に、兵士が1人でも生き残るために、退却すべきです。
※ウクライナ軍がロシア領内クルスク州に奇襲攻撃をかけて11日目! ウクライナ軍は、形勢不利な東部ドンバス戦線の部隊までも移動させ、総勢約1万5千人の兵士らをクルスク侵攻に投入! 米国のネオコン系の「戦争研究所(ISW)」は、ウクライナ軍はロシア領内の支配領域を1000平方メートルに拡大し、ロシア軍がウクライナ東南部で占拠した地域に匹敵する広さだと大戦果のように発表! 日本の主要メディアも追随! しかし、ウクライナ優勢は本当か!? ロシアの航空戦力の標的となるのを避け、ウクライナ軍は、森林地帯にひそみ、隠れんぼ!? 何のために!?
(日刊IWJガイド、2024年8月17日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240817#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53801#idx-4
さらに、8月25日、ロシア国防省は、「クルスク方面での戦闘で、敵は合計で5800人以上の軍人」を失った、と報告しています。4日間の平均は350人ですから、ウクライナ軍の1日あたりの損失は、この4日間で2割ほど増加しています。
※Вооруженные Силы продолжают отражать попытку вторжения ВСУ на территорию Российской Федерации.(ロシア軍は、ウクライナ軍によるロシア連邦侵攻の試みを撃退し続けている)(ロシア国防省テレグラム、2024年8月25日)
https://t.me/mod_russia/42566
ロシア国防省は8月21日、ウクライナ軍の以下の部隊へ攻撃をかけたと報告しています。その中で、「★」マークをつけた第92突撃旅団、第103陸上防衛旅団、第106陸上防衛旅団、第129陸上防衛旅団、第69歩兵大隊の5つの部隊は、8月16日までは、クルスク侵攻への参加が確認されていなかった部隊です。
<ロシア軍が攻撃したウクライナ軍部隊、8月21日>
第22機械化旅団
第41機械化旅団
第115機械化旅団
第82航空攻撃旅団
第92突撃旅団★
第103陸上防衛旅団★
第106陸上防衛旅団★
第129陸上防衛旅団★
第69歩兵大隊★
※ Вооруженные Силы продолжают отражать попытку вторжения ВСУ на территорию Российской Федерации.(ロシア軍は、ウクライナ軍によるロシア連邦侵攻の試みを撃退し続けている)(ロシア国防省テレグラム、2024年8月21日)
https://t.me/mod_russia/42414
8月25日には、第54機械化旅団、第61機械化旅団、国家警備隊の第1旅団、第1004治安旅団など、さらに新しい部隊の名前が出てきます。戦線が維持できないような大量の損失を出しながら、ウクライナ軍は次々と他の戦線から兵力を引きはがし、新たな部隊をクルスクに逐次投入してきたことがわかります。
「兵力の逐次投入」は、軍略上の鉄則で、最もやってはならない拙劣な愚策とされています。
ウクライナ軍を指揮しているのが、生え抜きのウクライナ軍の司令官なのか、それともNATO軍の将官や将校がウクライナ兵の教官とともに司令部に詰めかけて、実質的に米軍の将官・将校を含んだNATO軍として、作戦立案して、命令を下していたのかもしれません。そうなると、NATO軍上層部とは、ただ単に最新鋭兵器を与えられているだけの、愚昧な集団だということになりかねません。
思い出していただきたいのですが、侵攻直後、しばらくは、ロシア軍は完全に虚をつかれて、このクルスク侵攻軍は、無人野を行くが如くの快進撃を続けました。
実際には、民家はあり、非武装の民間人はいましたが、そうした人々を不必要に殺したり、家に砲弾を浴びせるなどして、非武装のパレスチナ人を「退屈しのぎ」に殺すイスラエル国防軍のように、進撃していったのでした。
実際、ウクライナ軍の苦戦が伝えられるようになった、わずか1週間ほど前、8月14日付『BBC NEWS JAPAN』は、西側メディアゆえ、ウクライナが優勢と伝えようとするバイアスが加わるとはいえ、「ロシア領への侵入は『容易だった』越境攻撃したウクライナ兵たちが語る」という記事の中で、以下のように報じていました。
「ウクライナ北部スーミ州では、(ウクライナ軍の)補給トラックや戦車、人員輸送車がロシア国境へ向かう様子が目撃されている。(中略)
この攻撃(ロシア領内への地上部隊による侵攻)は、ロシアの領土を数百平方キロメートルにわたり占領し、ウクライナ側の戦争努力に勢いと士気を明らかに回復させた。
ウクライナ軍の(中略)仲間は「クールな」任務だったと淡々と語る。
彼らのドローン(無人機)部隊は2日間かけて、越境攻撃のための地固めをしていた。
具体的にどれだけのロシア領土が占領されたのかは不明だ。1000平方キロメートルの領土がウクライナの支配下にあるという、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官の主張をめぐっては懐疑的な見方がある。
ロシア国防省は13日、ロシア領内にさらに深く侵入しようとするウクライナの試みは阻止されたとしたが、同省の主張に間違いがあることは以前に証明されている」
今この説明を聞くと、事態はまったく真逆になっていることがわかります。
ウクライナ側のトップによる戦果の説明も、いささか誇大な気がしますが、ロシア側国防省の説明にも間違いがあります。ロシア軍がウクライナ軍の快進撃を阻止した、と発表しても、到底、信じられなかったに違いありません。
いずれにしても、たった1週間で、戦況というものは、こんなにも天国から地獄へと急変するのだろうか、と思います。
「(中略)ウクライナが最高の部隊を投入しているのは明らかだ。健康そうな兵士たちが、そのたくましい体に見合った車両の周りに集まっている。
今もロシア国内に残っているという(中略)兵士によると、ウクライナ国内の前線があるほかの地域からロシア部隊を移動させるための計画が何ヶ月も練られていたという。
『この意外性が、うまく機能した』と、兵士は述べた。
『我々はほとんど抵抗を受けることなく、(ロシア領内へ)容易に侵入した。8月6日に、夜の間に最初の部隊がいくつかの方向へと入っていった』
『この部隊はほぼその直後に、スジャ市の西郊に到達した』と、兵士は付け加えた。
私たちが話を聞いた兵士たちは、(中略)ウクライナ東部の前線からロシア部隊が再配置されたことを認めた」
この東部戦線からの、若くたくましい精鋭部隊を選抜して、こちらのクルスク侵攻部隊へと編入してきたことがよくわかります。裏を返せば、ただでさえ数的に劣勢で、苦戦している東部戦線から、こんなに若い兵力を引っこ抜いてきて、東部戦線は大丈夫なのか、と心配させられます。
「オレンジ色の車に乗った(ウクライナの民間人の)ミシャ氏と(中略)出会った。(中略)ミシャ氏は言う。
『(軍は)すべてを奪うべきだ、モスクワでさえも!』
ウクライナ人の中にはミシャ氏のように、自国軍がクルスク州からさらに深くロシア領内に侵入することを望む人もいる。
この地域は先週まで、ウクライナ北部におけるロシア軍の攻撃を恐れていた。ウクライナのロシア侵入が失敗に終われば、その不安はすぐに現実のものとなる可能性がある。
ウクライナ部隊は今も、兵士の数でロシアの侵略者に劣っている。(中略)
ウクライナ政府にとっての理論または望みは、ロシアがウクライナ領内での戦闘から自国での戦闘に切り替えざるを得なくなる、ということだ」
ウクライナ軍と、そしておそらくは米国とNATOにとっての賭けでもあるクルスク侵攻作戦は、現時点では、ほぼほぼ失敗に終わっています。
ここで退却をぐずっていると、彼ら自身が懸念していたように、北部に構えているロシア軍が侵攻してきて挟み撃ちにあい、退路すら塞がれてしまうかもしれません。
そうなったら、全員投降か、全員玉砕しかありません。後者の玉砕は、ナチスすら採用できなかった非人間的な戦法なので、玉砕はあり得ないでしょう。となれば、全員、可能な限り、戦って、弾が尽きたところで、降参となるのではないでしょうか。
ロシア側へ、国境を越える時に、ロシア軍からの砲火の歓迎もなしに、大した抵抗もなく、深くスジャまで入っていけたことを、気味が悪いと誰も思わなかったのでしょうか。
これは、ロシア軍側の罠だったのではないか? そう考え、疑う人間は、ウクライナとNATOサイドにはいないのでしょうか?
たかだか1000人程度の部隊を国境沿いで殲滅しても、あまり意味はありません。
むしろ、抵抗をあえてせず、領内深くまでおびき入れる。ウクライナ側は安易に考えて、後続部隊として、接戦にいる選りすぐりの精鋭部隊を引き抜き、バラバラに逐次投入する。
それを奥まで引き込んでおいて、調子に乗って公道を機甲部隊が我が物顔で走る時だけ、空から車両を空爆してつぶし、あとは、兵士の数がまとまってきたところで一斉攻撃をかけて、殲滅してしまおう、そういう作戦だったのではないでしょうか。
現時点で、確実な根拠は、ありません。ただ、部隊の動きと、ロシア側で占領した土地とウクライナ側の土地を同じ面積だから、交換交渉をしようなどという子供じみた話が出回ってきたときに、これは、一時的にウクライナ側を気分良くさせて、接戦の戦力を分割させ、殲滅させようという意図がロシア側にあったのではないかと、勘繰らざるを得なくなります。
そうでもないと説明がつかないくらい、鮮やかな巻き返しぶりです。
※ロシア領への侵入は「容易だった」 越境攻撃したウクライナ兵たちが語る(BBC NEWS JAPAN、2024年8月14日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c990nxnp4n2o
ここで、このクルスク攻防戦の行方と、その結果および戦争全体への影響を的確に見通していた人物として、『日刊IWJガイド』8月19日号でご紹介した、シカゴ大学のジョン・J・ミアシャイマー教授を思い出さざるをえません。
ミアシャイマー教授は、「(クルスク攻防戦において)重要なのは、(占領した土地の広さなどではなく)死傷者交換率であり、その点はロシアに決定的に有利」だと指摘していました。
ミアシャイマー教授は、具体的な数字をあげてはいませんが、「ウクライナ軍が無防備な領土を効果的に制圧したため、ロシアの死傷者は比較的少なかった」とだけ、述べています。
先述したように、あえて国境を越えて侵攻してくるウクライナ軍に対して抵抗せず、領内の奥まで誘い込んだのではないか、という仮説が浮かび上がります。
「死傷者交換比率」とは、「戦闘力=兵力の質×量」という「ランチェスターの法則の第2法則」の応用であろうと思われます。同じ能力の武器・兵器で戦闘した場合、勝敗は兵力数が上回る方が勝つ、という法則です。
米国人数学者のバーナード・クープマンは、このランチェスターの法則を応用し、「もし人数の少ない方の軍が、人数の多い方の軍を2つに分割することに成功すれば、人数が少ない軍が勝つことができる場合もある」と述べています。
クルスク侵攻では、このクープマンの戦略とは、逆のことが起こってしまいました。もともと総人口が少なく、兵数も不足しているウクライナ軍の方が、東部の接線で対峙している自軍を2つに割いて、ロシア領内に切り込んでゆくという、別の戦線に投じてしまったわけです。
ロシア軍はウクライナ軍に、クルスク侵攻の戦線で、ある程度広い土地を「占領」させ、その侵攻軍の中でまた、兵力を分散させておいて、ウクライナ軍が、この「占領・支配」したと思い込んでいる広大な土地を、手薄な軍勢で維持したり、そのために、兵力を逐次投入していけば、もともとの主要な戦線である東部ドンバスから南部にかけての接戦では、自らの兵力の分割によって拮抗しきれなくなり、次々と破られていきます。
航空兵力は、ロシア領内では、ロシア軍がもともと優勢ですので、広い道路に出てきた機甲部隊だけを空から叩いて、あとは歩兵を森の中で隠れんぼさせて消耗を待ち、のち、一挙に兵力を集中して、全滅させてしまうというシナリオであり、怖いほどに、この筋読みはあたりました。もともと勝ち目のないウクライナ軍は敗色を急速に強めていくことになると思われます。
※シカゴ大学のジョン・J・ミアシャイマー教授が「ウクライナ軍によるクルスク侵攻は(ウクライナとそれを支援する米国とNATOにとって)大きな戦略的失策」と断言!「クルスク攻防戦における占領支配面積の大きさは意味がない。重要なのは、死傷者交換率であり、その点はロシアに決定的に有利」だと一刀両断! クルスク侵攻のため、精鋭部隊をウクライナ東南部の防御線からはぎ取ったので、ウクライナ軍の防御は手薄に!「逆に、ウクライナの敗北は早まった」とミアシャイマー教授は分析!(日刊IWJガイド、2024年8月19日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240819#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53804#idx-4
8月19日付『フォーブスジャパン』もまた、クルスク侵攻に参加しているウクライナ軍の車両損失は、「異例の損失ペース」だと報じました。
「6個前後の旅団と数個の独立大隊、そして複数の支援部隊から成る侵攻部隊は急速な進撃の代償として、貴重な装甲車両をかなりの数失っている。人員の損耗も数十~百数十人にのぼる可能性がある」。
『フォーブスジャパン』は、「ウクライナ軍参謀本部にとって、これほどの損失が見合うものなのかは、侵攻作戦の目的による」と付け加えていますが、侵攻の目的がそもそもよくわからない作戦であり、あまりに軍略上の常識を無視した、幼稚な作戦ではなかったか、と思われます。
仮にクルスクで生き延びた兵士達が敗走しつつも、元の戦線へたどり着けたとしても、兵力が分割されていた間に、接点・接線はあちこちで破られ、せっかく掘った塹壕も、もう乗り越えられてしまっているので、防御線のラインを再構築することは、容易ではありません。
敗走しつつあるウクライナ兵らの胸中は、例えはふさわしくないかもしれませんが、「ベンチがアホやから野球がでけへん」との名言(失言・暴言)を残して、ピッチャーでありながら監督陣を批判し、現役を引退した江本孟紀氏の思いと似たようなものがあるのではないか、と思わされます。「司令官や参謀がアホやから、戦争がでけへん」というような思いです。
最高司令官が、ゼレンスキー氏をおびやかすほどの人気をもつザルジニー氏が更迭されて、シルスキー氏にかわり、NATOの関与も大きくなったといわれ、何よりも、大統領選も経ていない、タイトルなしの「独裁者」となったゼレンスキー氏の軍略への関与がどれだけ大きくなったことか。
今回のロシアの土地をとにかく少しでも広く支配すること、という考えは、軍の司令部ではなく、ゼレンスキー氏やその取り巻きのアイデアではなかったのか。
よくいえば、「軍略なき政略」です。
彼らの構想する、ロシア抜きの和平会議で、同じ広さの土地をもっているのだから、とか、ロシア領内の原発を我々も狙いうるのだから、とか、条件をつけて領土を交換する、という和平案を持ち出そうと考えていたのではないでしょうか。
※ ウクライナ軍の侵攻部隊、10日で装甲車両45両失う 異例の損失ペース(フォーブスジャパン、2024年8月19日)
https://forbesjapan.com/articles/detail/73149
これでは、戦争など「でけへん!」やってられるか、と、戦争をやめる、という決断を下す兵士がいてもおかしくありません。
人一倍の愛国心を抱いて、ロシアと戦いたい、と思っていた「純粋」な軍人や兵士ほど、上層部が、軍略上、バカな作戦をとれば、もうやっていられない、という気持ちになるはずです。そのためでしょうか。
徴兵から逃れる人間だけでなく、投降する兵も増えています。
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8月は1日から27日までの27日間で、53件、76万9860円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。
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支出を期の初めより、大幅に削ってきましたので、全体の収支がどうなっているか、赤字転落か、ぎりぎり赤字を免れるか、すべての計算が出そろわないとわかりませんが、出そろい次第、皆さまにご報告いたします。
この8月1日から始まった今期・第15期の見通しは、7月中に立案するはずでしたが、岩上安身の体調不良と入退院を繰り返したことで、経理とのミーティングが十分にできておらず、ご寄付の月間目標額を今すぐただちにお示しすることができません。ご理解とご容赦のほど、よろしくお願いいたします。
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ワクチン接種者から輸血を受ければ、必ず抗体が導入される! 厚労省は研究班を作ってリスクを調べるべきなのに、厚労大臣が門前払いして国民の命を無視している!~8.23 mRNAワクチン中止を求める国民連合主催 レプリコン差し止め訴訟緊急記者会見
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いつもと変わらず何も懲りない自民党。岸田派解散!? 安倍派・二階派ら4派閥が解散!? どれもこれも、目先の批判をかわすための偽装解散では!? 9月の総裁選を過ぎた時点で元の木阿弥なる可能性が高い!(日刊IWJガイド、2024年1月27日)
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核燃料再処理工場のある六ヶ所村で「想定される地震はマグニチュード8クラス」!? 浜岡原発も危険すぎる!! ~岩上安身によるインタビュー 第889回 ゲスト 変動地形学研究者・渡辺満久東洋大教授 2018.7.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427608
六ヶ所再処理工場で事故が起これば福島1000基分の放射能が拡散!? 1万キロ四方の住人が急性被曝で死亡!?~ 岩上安身によるインタビュー 第224回 ゲスト 村田光平(みつへい)氏(元駐スイス大使) 2012.7.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/21731
「脱炭素・ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」~岩上安身によるインタビュー第1106回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第1回 2022.12.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512825
米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾!「ロシアは『主権のない国』である日本を見てない!」~岩上安身によるインタビュー第1109回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第2回 2022.12.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513165
「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるインタビュー第1113回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第3回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514714
「ウクライナは、自分が持ってるアセットをうまく使えば、ロシアと渡り合えたはず」~岩上安身によるインタビュー第1114回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第4回 2023.3.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514875
「パイプラインはお互いの経済を潤すもの。それを破壊するのは第三者」~岩上安身によるインタビュー第1120回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第5回 2023.4.17
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自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発!~岩上安身によるインタビュー 第1153回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.5
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「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670
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■中部電力から、南海トラフ地震と富士山噴火時の浜岡原発の対応に関する、IWJの質問に対する回答が届きました! 日本最大級の東海・東南海・南海トラフ3連動の大地震である宝永大地震(西暦1707年10月28日)のときのように、富士山の噴火の49日前に、南海トラフ地震や相模トラフ地震が起きていたとしたら、どうなる!? 被災地は、いまだ地震の混乱も余震も収まっておらず、交通機関や道路は分断し、瓦礫の山で、避難できていない人々も大勢いる中へ、火砕流や火山灰、噴石の飛来が襲い掛かる! さらに、浜岡原発の使用済燃料貯蔵プールが損傷すれば、被災地一帯が放射能汚染されている可能性もある!
連日お伝えしている、南海トラフ地震と富士山の噴火ですが、8月26日(月)に、中部電力から、南海トラフ地震と富士山噴火時の浜岡原発の対応に関する回答が届きました。
以下、IWJの質問と中部電力の回答を合わせてお伝えします。
IWJの質問 1.「南海トラフ地震など、地震・津波などの自然災害と合わせて原子力災害が発生する、いわゆる複合災害が発生した際における発電所周辺地域における被害想定は、中部電力で行っているのでしょうか?」
中部電力の回答「当社では、地震・津波などの自然災害と合わせて原子力災害が発生する、いわゆる複合災害が発生した際における発電所周辺地域における被害想定の検討は行っておりません。
浜岡原子力発電所においては、南海トラフの巨大地震を考慮するとともに、原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえて、さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。
また、当社は原子力事業者として国および自治体等との連携を深め、原子力災害に対する緊急時対策・対応の充実・強化に向けた継続的な取り組みを実施してまいります」
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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴)
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