日刊IWJガイド・非会員版「イスラエルはガザで、パレスチナ人がこの地で4000年も生きてきた歴史的な痕跡を消し去り、76年前の民族浄化を完遂しようとしている!」2024.6.5号~No.4245


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<新記事紹介>「イスラエルはガザで、パレスチナ人がこの地で4000年も前から諸文明の歴史をつむいで生きてきた歴史的な痕跡を消し去り、76年前の民族浄化を完遂しようとしている!」~5.24 岡真理氏講演会「人間、それでもなお ~ガザのホロコーストと私たち」―登壇:岡真理 早稲田大学文学学術院教授

■6月です!「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。今期第14期の月間目標額の不足額は、合計976万6289円になってしまいました! 7月末の期末まであと2ヶ月です! 有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! 米バイデン大統領が示したイスラエルとハマスの和平提案を、ネタニヤフ政権は「受け入れる」と表明しながらも、閣内極右の抵抗に先行き不透明!】ガザの死者は3万6000人超! ハマスは和平提案を「前向きに検討する」と表明しながらイスラエルの出方を観察か!?(『ロイター』、2024年6月3日)

■<新記事紹介>「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第6回)~岩上安身によるインタビュー第1159回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏

■<IWJ取材報告 1>検事は「死刑」が正しいと思っていないから、大声で求刑できなかったのではないか!?「検事さんではなく、もっとその上の『指令を出す』検察庁と闘っている」とひで子さん~5.29「袴田事件再審!再審請求人として結審に思うこと」―登壇:袴田ひで子氏(袴田巌氏の姉)

■<IWJ取材報告 2>「『朝鮮人なら殺してええんか?』すべてはこの問いかけに集約される」!~6.1 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座「なかったことにはできない 関東大震災・知られざる悲劇・福田村虐殺事件」―登壇:辻野弥生氏(フリーライター)

■5月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、4月に引き続き、株価高騰と急落、円安について、2024年3月18日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! IWJのサポート会員になれば、バックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
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■はじめに~<新記事紹介>「イスラエルはガザで、パレスチナ人がこの地で4000年も前から諸文明の歴史をつむいで生きてきた歴史的な痕跡を消し去り、76年前の民族浄化を完遂しようとしている!」~5.24 岡真理氏講演会「人間、それでもなお ~ガザのホロコーストと私たち」―登壇:岡真理 早稲田大学文学学術院教授

 おはようございます。IWJ編集部です。

 5月24日、岡山市の岡山県青年館で、早稲田大学文学学術院の岡真理教授の講演会が行われました。

 「人間、それでもなお ~ガザのホロコーストと私たち」と題された約2時間に及ぶ講演で、岡教授は、最初に「今、ガザで何が起きているのか」について、以下のように詳しく解説しました。

 「昨日5月23日現在、10月7日に始まった(イスラエル軍による)攻撃から230日目でした。

 死者は、把握されているだけで、3万5709人。負傷者は、もう8万人に迫ろうとしています(7万9990人)。そして、行方不明者は、1万1000人。

 この行方不明者というのは、ガザ北部で、『避難しろ』という名の追放で、『この道を通れば安全だから』と(イスラエルが)いう人道回廊が、攻撃される。その途中に検問所が設けられていて、『女子供はこちら側、男性はこちら側』と分けられて、男性達はそのままどこかに連れ去られて、イスラエルの刑務所に入れられている。

 占領地の住民を、そうやって占領国に拉致するというのは、国際法違反です。

 そもそも、ガザを占領し、封鎖し続けるということ自体が、国際法違反なわけです。

 そういう形で連れ去られた者達も(行方不明者に)含まれていますが、1万人以上は、爆撃されて瓦礫となったその下に、いまだ、遺体が掘り起こされることなく、瓦礫の下敷きになっている人達ということになります。

 ですから、死者はもう悠に4万5000人を超えている。

 ご存知の通り、ガザ北部は、壊滅的飢餓に瀕しています。道端の雑草も食べて、ロバや馬の餌、飼料を食べて、それで体を悪くするけれども、病院もことごとく破壊されていて、ほとんどまともに機能している病院はありません。

 中部の、ひとつだけ機能している病院も、今、燃料がなくなって、稼働停止せざるを得ない状況に追い込まれています。病気になっても、もう治してくれる人もいない。

 そして、餌もなくなったら、痩せさらばえたロバや馬を食べ、道端を歩いている野良犬や野良猫まで食する。そうした犬や猫も、自分達は飢えていますから、道に転がっている遺体を食べて、飢えを凌いでいた、そういう野良犬や野良猫まで食べるという状況に置かれている。

 そして南部も、ラファの検問所をイスラエル軍が制圧して、そこから食料を入れさせない。

 ガザの人口230万人のうち、200万人近くが家を追放され、『ここに行けば安全だ』と(イスラエルに)言われた所も攻撃され、何度も、追放、避難しては追放を繰り返して、170万人がラファの街の郊外で、テント生活をしている。

 でも、数日前に読んだ記事では、そこに着くなり、A型肝炎にかかってしまう。

 これは日本でも報道されましたが、トイレも850人にひとつしかない。地面に穴を掘って板で隣と仕切っただけの、そういうトイレです。

 女性達はそこを利用するのに、何時間も待ちます。だから、なるべくトイレに行かないように、水を飲むのを控えている。そもそも、安全な水なんていうものもないわけです。

 汚染された水を飲み、不衛生な環境のトイレを使うことで、A型肝炎が蔓延している状況。そうした中、十分な栄養もなく、治療を受けることができない。

 そして、冬の間(の問題)は寒さでした。今は夏になり、テントの中は、もう『オーブン状態』だそうです。そうした暑さで亡くなっていく。

 ですから、ここにあがっている、3万5709人プラス行方不明者1万人超の、この死者というのは、爆撃などで亡くなった人達で、飢えや、渇きや、病気、こんな状況でなければ、病院で治療し、亡くならなかったであろう人達、そうやって亡くなった人達は(死者のカウントの中に)入っていないんです」。

 岡教授は、「ガザの状況があまりにもひどいので、かすみがちですが、ヨルダン川西岸地区でも、10月7日以来、506人が亡くなっています」と述べ、このペースは、4年4ヶ月でガザとヨルダン川西岸地区をあわせて3000人が殺された第2次インティファーダを、はるかに上回っている、と指摘しました。

 さらに岡教授は、「ガザでは、14歳以下が、人口の4割を占めている」と指摘し、イスラエルによる攻撃開始からわずか1ヶ月で、死者は1万人に達したが、「そのうちの4000人は14歳以下の子供ということになる」と述べました。

 14歳以下の子供が、イスラエル国防軍が全力をあげて戦っていると称しているハマスの戦闘員のはずがありません。「ハマスとの戦争」という虚偽の大義名分を掲げて、ひとつの民族を、女・子供・老人もすべて含めて、あらゆる方法で抹殺しつつあるのが、イスラエルの「ハマスとの戦争」の「正体」なのです。

 そして、岡教授は、イスラエルによるガザへの攻撃を「まぎれもなく、典型的なジェノサイド」だとする専門家らの指摘や、「人類の危機」だとする、国連のグテーレス事務総長の言葉を紹介しました。

 また、岡教授は、米国の独立メディア『インターセプト』が今年4月15日に報じた、「『ニューヨーク・タイムズ』の内部から、ガザに関する記事に『ジェノサイド』『民族浄化』『占領地』という言葉を使ってはいけないという、記者への規制のメモがリークされた」というスクープ記事を紹介し、その意味を、次のように解説しました。

 「ガザは、占領地なんです。イスラエルは、占領国なんです。そして、占領国には、国際法上、自衛の権利なんて、ないんです。

 占領下の人々には、占領国に対して抵抗する権利が、国際法的にあるんです。武装闘争も、国際法的には、正当な抵抗権とみなされています。

 抵抗だから何をやってもいいというわけではなく、そこにはルールがあって、民間人を拉致してガザに連れ帰ったのは、戦争犯罪にあたります。

 しかし、戦闘服を着た戦闘員が、占領軍であるガザ地区周辺のイスラエル軍の基地を襲撃して交戦するのは、明らかに国際法・国際ルールに則った抵抗権の行使なんです。

 ですから、『ハマスのテロに対するイスラエルの自衛の戦争だ』という形で、問題の構図が設定されていますが、そもそもガザは占領地なので、イスラエルには自衛権はないことになります。

 つまり、『ガザを占領地と言ってはいけない』ということは、『イスラエルには自衛の権利はない』という論理自体を封じることになるわけです」。

 さらに岡教授は、「イスラエルは76年前、民族浄化によって建国された」と指摘し、「76年前の民族浄化でガザ地区に押し込められた難民達が、人口の7割を占める、そのガザ地区で、76年前の民族浄化を今、完遂しようとしている」と述べ、「歴史を踏まえてみるならば、明らかである」と断じました。

 岡教授は「『ジェノサイド』や『民族浄化』という言葉を使ってはいけない、ということは、『まぎれもない民族浄化だ』という専門家の指摘を否定すること」だと訴えました。

 その上で岡教授は、米国の大手メディアは「ことごとく、プロ・イスラエル、プロ・シオニストの傘下に入っている」と指摘する一方、「そうではない日本のメディアも、同じような報じ方だ。ガザの様相や本質が、出来事に見合った強度・密度で、歴史的な文脈で、報じられていない」と批判しました。

 岡教授はこのあと、歴史的パレスチナがイスラエルに占領された歴史的背景、「迫害され続けたユダヤ人」として語られる歴史の嘘について、詳しくひもときました。

 さらに岡教授は、イスラエル建国をめぐる国際社会の不正義と、イスラエル建国時の民族浄化(ナクバ)、現在のガザ地区でのジェノサイドにまで続くイスラエルの暴力の歴史と、世界でまったく問題にされてこなかった、重層的な「構造的暴力」について、詳しく解説しました。

 岡教授は、「報道から、シオニスト・イスラエルによる民族浄化、入植者植民地主義、占領、封鎖、アパルトヘイトといった歴史的文脈が消し去られることによって、今、イスラエルがガザで行使している暴力が、植民地主義の、アパルトヘイトの暴力である、ということ、今起きているジェノサイドが、今始まったものじゃなく、76年前に始まって完遂することができなかった、パレスチナの民族浄化の総仕上げである、ということが、見えなくなる」と指摘し、次のように語りました。

 「その結果、パレスチナの暴力が、占領や、植民地主義や、アパルトヘイトという暴力に対する、抵抗の暴力なんだということが、見えなくなる。

 それによって、テロ組織のハマス対イスラエルの自衛の戦争などという、国際法の法理を無視したイスラエルの言説が流通することになる」。

 「今、ガザで起きていることは、単なる大量虐殺にとどまるものではありません。文化のジェノサイドです」。

 こう述べた岡教授は、ガザでイスラエルの全大学が破壊され、世界のトップの研究者ら、学者や大学教授が90人以上殺された事実を指摘した上で、パレスチナ系米国人作家スーザン・アブラハワ氏が、『デモクラシー・ナウ』でガザをレポートした時の言葉を、次のように引用しました。

 「ガザは、私たちが通常使う語彙を超えています。強制収容所という言葉では足りません。

 ここは、無防備な捕虜に対して、絶え間ない恐怖の限界を試す、不気味な実験場です。(中略)

 イスラエルがガザで躍起になって推し進めていることのひとつは、パレスチナ人がこの地で生きてきた痕跡を消し去ることです」。

 岡教授は、引用したこのアブラハワ氏の言葉について、「単にパレスチナ人を大量に殺すだけじゃなく、この地でパレスチナ人が4000年も前から、諸文明の歴史をつむいで生きてきたという、その歴史的な痕跡を消し去るということ」だと述べ、次のように強調しました。

 「ガザでは70%の家屋が破壊されました。家は、単に壁と屋根がある、雨露を物理的にしのぐだけのものではなく、家には何代にもわたって暮らしてきた、一族の歴史や記憶がある。そこが破壊される。

 そして、社会的なレベルでは、古代のモスクや古代の教会など、博物館や文化センター、図書館といった、まさに知識、パレスチナ人がこの地で生きてきたという記憶を伝えるものが、狙い撃ちされて破壊されている。

 パレスチナ人がこの地で生きてきた記録や、パレスチナ人がこの土地に根差しているんだということを証拠立てる痕跡を持っている場所が、ことごとく意図的に、抹消されているのです」。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「イスラエルはガザで、パレスチナ人がこの地で4000年も前から諸文明の歴史をつむいで生きてきた歴史的な痕跡を消し去り、76年前の民族浄化を完遂しようとしている!」~5.24 岡真理氏講演会「人間、それでもなお ~ガザのホロコーストと私たち」―登壇:岡真理 早稲田大学文学学術院教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523324

 岩上安身は、今年2月2日に、岡教授にインタビューを行っています。ぜひあわせて御覧ください。

※「イスラエルがどんな戦争犯罪、人道に対する罪を行っても一度も裁かれなかった。こういう国際社会の『伝統』がジェノサイドを可能にしている」!!~岩上安身によるインタビュー第1144回 ゲスト 早稲田大学文学学術院教授・京都大学名誉教授・岡真理氏 2024.2.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521515

 また、岡教授がこの講演の中で取り上げた、イラン・パペ著『パレスチナの民族浄化 イスラエル建国の暴力』について、岩上安身は翻訳者の早尾貴紀教授に、4回連続インタビューを行っています。こちらもあわせて御覧ください。

※(再掲載)【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第1弾!】パレスチナ問題の原点であるイスラエルによる「民族浄化」の真実を暴く!~岩上安身によるインタビュー 第842回 ゲスト 東京経済大学准教授(※収録当時、現在は教授)早尾貴紀氏 2018.1.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/410412

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第2弾!】イスラエルの暴力的建国は公文書によって裏づけられた!ガザ弾圧の起源!~岩上安身によるインタビュー 第861回 ゲスト 東京経済大学准教授(※収録当時、現在は教授)早尾貴紀氏 2018.4.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/418096

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第3弾!】~『大災厄(ナクバ)』の日70年を目前に米大使館がエルサレムに移転!ガザでは今日もイスラエルが非武装の市民を殺戮している!~岩上安身によるインタビュー 第870回 ゲスト 東京経済大学准教授(※収録当時)早尾貴紀氏 2018.5.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421128

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第4弾!】民族浄化を開始したのは第一次中東戦争よりも前!1947年11月末の国連による「分割決議」直後から!~岩上安身によるインタビュー 第875回 ゲスト 東京経済大学 早尾貴紀准教授 2018.6.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/423580

■6月です!「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。今期第14期の月間目標額の不足額は、合計976万6289円になってしまいました! 7月末の期末まであと2ヶ月です! 有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月のご寄付・カンパ総額の暫定額は、5月1日から5月31日までで、114件、234万4400円でした。目標達成率は59%でした。6割に届かず、かなり厳しい数字です。

 6月も月間目標に届かない事態になると、IWJは独立メディアとしての活動が、本当にできなくなる可能性が高くなります!

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から5月まで、7ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この7ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を、今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月末まで、あと2ヶ月です! ぜひとも、期末までの間に、不足分の972万6289円の赤字分をなくし、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。

 「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らむ、その一歩手前で、倒産の前に、誰にも迷惑をかけないよう、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。

 もともとは健康に生まれ育ち、国立看護大学校を出て、看護師としてはつらつと働き、自活もしていた娘が、20代で発病し、働くこともできなくなり、年々病状が悪化して、ついには障害手帳をもつに至ってしまいました。そんな難病になってしまったことについて、彼女には、何の罪も落ち度もありません。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 世界と日本が未曾有の危機に直面しており、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 また、ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

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 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.6.5 Wed.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.6.6 Thu.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「『朝鮮人なら殺してええんか?』すべてはこの問いかけに集約される」!~6.1 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座「なかったことにはできない 関東大震災・知られざる悲劇・福田村虐殺事件」―登壇:辻野弥生氏(フリーライター)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523322

ジャーナリスト我那覇真子氏「大人の世界はお金で回っている。マスコミも企業だから、製薬会社からお金をもらってコマーシャルをして番組を配信する。製薬会社の不都合なことを言えば資金が途絶える。だから本当のことが言えない」~5.22「パンデミック条約反対」デモ
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523194

新型コロナワクチン被害者遺族・小金井孝行氏「この先、国はワクチンを強制にするかもしれない。明日は我が身なんです。だからこそ国の悪行は絶対に止めなきゃいけない」~5.31 WHOから命をまもる国民運動『大決起集会』日比谷デモパレード
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523316

「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第6回)~岩上安身によるインタビュー第1159回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523183

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

「イスラエルはガザで、パレスチナ人がこの地で4000年も前から諸文明の歴史をつむいで生きてきた歴史的な痕跡を消し去り、76年前の民族浄化を完遂しようとしている!」~5.24 岡真理氏講演会「人間、それでもなお ~ガザのホロコーストと私たち」―登壇:岡真理 早稲田大学文学学術院教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523324

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■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! 米バイデン大統領が示したイスラエルとハマスの和平提案を、ネタニヤフ政権は「受け入れる」と表明しながらも、閣内極右の抵抗に先行き不透明!】ガザの死者は3万6000人超! ハマスは和平提案を「前向きに検討する」と表明しながらイスラエルの出方を観察か!?(『ロイター』、2024年6月3日)

 6月3日付『ロイター』は、「イスラエルのネタニヤフ首相の外交政策顧問オフィル・フォーク氏は2日、バイデン米大統領が推進するパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止に向けた枠組みをイスラエルが受け入れたことを確認した。ただ、欠陥があることからさらなる作業が必要との認識も示した」と報じました。

 バイデン米大統領は5月31日に、「イスラエルが戦争を終わらせるための『包括的な新提案』」を発表し、「これは永続的な停戦へのロードマップだ」と表明しました。

 このバイデン大統領の和平提案に対し、ハマスは「前向きに検討する」と表明していました。

※イスラエル、ガザ巡るバイデン氏の計画受け入れ=首相側近(ロイター、2024年6月3日)
https://jp.reuters.com/world/us/PRQIIZ4XDRMSDJBAMR3XLKJ2YQ-2024-06-02/

★このバイデン大統領の和平提案は、もともとイスラエルが提案したものでした。その経緯について、6月2日付米『ポリティコ』は、以下のように報じています。

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■<新記事紹介>「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第6回)~岩上安身によるインタビュー第1159回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏

 岩上安身は2024年5月19日、『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』の著者で、新進気鋭の若手在野研究者である嶋崎史崇氏に、連続インタビューの6回目のインタビューを行いました。

 岩上安身は【第1部】として、「ウクライナ紛争をめぐる『半ポスト真実』を見極める」と題して、嶋崎氏への連続インタビューを行ってきました。

※「情報戦」の時代をどう生き抜くか? メディア報道危機を検証!【第1部】勃発から2年が経過! ウクライナ紛争をめぐる「半ポスト真実」を見極める!~岩上安身によるインタビュー 第1146回 ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏 2024.2.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521909

※「情報戦」の時代をどう生き抜くか? メディア報道危機を検証!【第1部】勃発から2年が経過! ウクライナ紛争をめぐる「半ポスト真実」を見極める!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1147回 ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏 2024.3.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522005

※ 「情報戦」の時代をどう生き抜くか? メディア報道危機を検証!【第1部】勃発から2年が経過! ウクライナ紛争をめぐる「半ポスト真実」を見極める!(第4回)~岩上安身によるインタビュー 第1148回 ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏 2024.3.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522207

 また、5月10日には、【第2部】の1回目として、新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機について、第5回のインタビューを行いました。

※「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第5回)~岩上安身によるインタビュー第1158回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏 2024.5.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523055

 嶋崎氏は、著書の中で提唱した「半ポスト真実」という自身の造語について、次のように説明しました。

 「多様な見方、往々にして正反対の見方が、専門家や当事者の間にあるのに、片方のみの、しかもほとんどの場合、権力にとって都合の良い見方ばかりが強調されて、拡散される。

 それによって、事実上の世論誘導が行われ、多くの人が、極めて問題のある方向に連れて行かれてしまう。

 そういう視点を打ち出しています」。

 嶋崎氏は、企業、政府、研究機関等によって構成された「検閲産業複合体」が、SNSなどで、政府に都合の悪い情報を削除した実例として、2021年6月24日に、参議院議員会館で、医師210人、歯科医師180人、地方議員60人が「新型コロナウイルスワクチン接種中止の意見書」を提出したことの解説動画を、YouTubeが削除したことをあげました。

 嶋崎氏は、この削除された動画は現在、意見書提出の発起人となった高橋徳医師が、動画サイト「ランブル」に投稿し直した動画で視聴することが可能だとした上で、この動画の注目すべき点を、以下のように解説しました。

 「2021年の時点で、新型コロナの死亡者の平均年齢と、平均寿命がそれほど変わらない。つまり、高齢者や有病者を守ることは、もちろん重要ですけど、重症化率が極めて低い健康な若者も含め、ほぼ全員に接種を勧めるのは、正しかったのでしょうか? そこを問い直す余地はあるでしょう。

 また、しきりに無症状感染者からもコロナが感染するから、みんなワクチン接種をしなきゃいけないんだという議論がありましたけど、無症状感染者からの感染伝播はほとんどないという、正規の論文の解説もしています。

 衝撃的なのは、コロナワクチンの接種後死亡の報告率が、この時点で、従来のインフルエンザワクチンの、約246倍にも及ぶということです」。

 このコロナワクチンの接種後死亡の報告率について、嶋崎氏は、「新しいワクチンだから、(医師が厚労省に)報告するという傾向はあるんですが、ここまで行くと、(死亡率の高さは)誤差ではない」と断言しました。

 一方、岩上安身は、米国でFDA(アメリカ食品医薬品局)が、イベルメクチンを新型コロナの代替治療薬として使うことを否定し、ジャーナリストらが代替療法を提唱する処方医を「右翼の陰謀」「詐欺師」などと嘲笑して、多くの医師や薬剤師が職を失ったという、ブラウンストーン研究所のデイヴィッド・ゴートラー博士(元FDAコミッショナー)の論説を紹介しました。

 これについて嶋崎氏は、以下のように意見を述べました。

 「アフリカやインドでは、(抗寄生虫薬として北里大学の大村智特別栄誉教授が米メルク社と共同開発し、2015年にノーベル賞を受賞し)イベルメクチンは、寄生虫対策ですでに一般的に、非常に幅広く使われているんです。

 相対的に安全な薬として、確認されています。

 相対的に安全が確認されている、何十年も使われている伝統ある薬を、これだけ徹底的に敵視しておいて、その一方で、新しい原理にもとづく、遺伝子技術も含むワクチンは、徹底的に推進して、安全なんだと推薦しまくる。

 これが、『半ポスト真実』の顕著な実例であろうと思われます」。

 続いて、インタビューでは、「検閲産業複合体に関する最新の話題」として、今年4月に政府が発表した「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案を取り上げました。

 この改定案には、「ワクチン接種や治療薬・治療法に関する科学的根拠が不確かな情報等、偽・誤情報の拡散状況等のモニタリングを行い、その状況等を踏まえつつ、科学的知見等にもとづいた情報を繰り返し提供・共有する等、国民等が正しい情報を円滑に入手できるよう、適切に対処する」「偏見・差別等や偽・誤情報への対策として、国はSNS等のプラッフォーム事業者が行う取組に対して必要な要請や協力等を行う」と書かれています。

 嶋崎氏は、これは「国が何が誤情報・偽情報であるかを判定し、しかもSNS企業と連携して情報操作を行うということではないか。日本版検閲産業複合体になるのではないか」と、懸念を表明しました。

 インタビュー後半では、「厚労省、WHOは『絶対の権威』なのか?」と題し、WHOと、ビル&メリンダ・ゲイツ財団など、ワクチン推進組織との資金的なつながりについて指摘しました。

 また、これまで欧米による医薬品の「実験台」にされていたと批判されてきた、インドやアフリカに代わり、今後は米国の従属国であり、円安によって国力が低下し続ける日本が、治験対象になる危険性を指摘しました。

 それを裏付けるように、2023年9月には、厚労省医薬局の中井清人・医薬品審査管理課長が、「日本を『魅力ある治験の場に』という政策に変えていかなければいけない時代だ」と語ったことが報じられています。

 インタビューでは、かつてはこうしたWHOと製薬会社の癒着を報じていた日本の主要メディアが、コロナ禍とワクチン禍では、厳しい追及をしなくなってしまったことも指摘しました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第6回)~岩上安身によるインタビュー第1159回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523183

※このインタビューは、通常のYouTubeによる配信を行いません。YouTube自体が検閲体制の一部を担っていると考えられるからです。特にワクチン問題は、WHOの見解を絶対視し、そこに疑義をさしはさむだけで、バンされてしまいます。

 嶋崎氏のインタビューは、IWJサイトで約4分の1ほどオープンにし、残り4分の3は、会員向けアーカイブにて、公開します。ぜひ、IWJの会員に登録して、全編御覧になってください。また、SNS等での情報拡散も、ぜひよろしくお願いします。

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■<IWJ取材報告 1>検事は「死刑」が正しいと思っていないから、大声で求刑できなかったのではないか!?「検事さんではなく、もっとその上の『指令を出す』検察庁と闘っている」とひで子さん~5.29「袴田事件再審!再審請求人として結審に思うこと」―登壇:袴田ひで子氏(袴田巌氏の姉)

 5月29日午後6時30分より、東京都練馬区のココネリ(練馬区立区民・産業プラザ)で、「袴田事件」の袴田巌氏の姉・袴田ひで子さんが、講演を行いました。

 「袴田事件再審! 再審請求人として結審に思うこと」と題されたこの講演は、NPO法人練馬人権センターの2024年度第19回総会の記念講演として行われました。

 袴田巌さんの裁判は、5月22日に行われた再審第15回公判をもって結審しました。検察側は死刑を求刑し、弁護側は改めて無罪を主張しました。判決は9月26日の予定です。

 講演でひで子さんは、巌氏が逮捕された1966年から、58年にも及ぶ、検察との闘いについて、次のように語りました。

 「58年闘って、やっと再審開始になりまして、裁判も15回やりましたが、5月22日に最終の裁判の意見陳述をさせていただきまして、やっと裁判終わったところなんです。

 まだ、決着はしておりませんが、9月26日に判決が下されます。

 だけど、巌は無実ですから、私は絶対無罪になると思っております。

 これは最初からですが、58年前からそう思って闘ってまいりました。長かったですね。

 やっぱり58年と言うと、考えてみれば、生まれた子が58歳になって、今に60にならんとしていますよ。私、そんなことを全然考えないで、58年とか(第2次再審請求審で、静岡地裁が拘置の執行停止を決定した、2014年までの)48年間は、ずっと目に見えない権力と闘っておりました。

 この1年は、裁判が始まったものですから、やっと『目標』ができたというか、そういう感じでございました。

 巌はさぞかしつらかったろうなと思うのは、私たちが知らないこと、知らなかったこと、ただ、警察でひどい目にあったということだけはわかっておりましたが、どんなふうにひどい目にあったか、ということは、わからなかったんです。

 それを、書類がいろいろ出てきまして、弁護士さんが読み上げたりして、証拠も出たりしたんです。

 それで、『何だ、こんなひどい目にあっているのか』と思ってね。(後略)」

 また、ひで子さんは、裁判中の検察側の対応について、次のように厳しく批判しました。

 「検事さんは3人いたんです。女の検事さんと、男の検事さん2人。お若い方です。皆さん、30代から40代の検事さん。

 その検事さんと闘ってるつもりはないと、思っておりました。

 私は、もっとその上の、『指令を出す方』と闘っているつもりです。検察庁と闘っている。だから、その検事さん達に文句は一つもない。検事さんなんか恨んだって始まらん。

 あの人たち、私は『ロボット』だと思ってます。まあ、東大出の秀才をロボットなんて言っては申し訳ないが、ロボットとしか見えませんでした」。

 また、ひで子さんは、最終意見陳述時の検察の態度についても、次のように、自身の感想を述べました。

 「最終意見陳述の時にも、『ああだこうだ。ああだこうだ』言うんですね、検察庁は。

 あれ、仕事だから言うのか、何だかちょっとわからないけど、ともかく、よくそんなこと言えるなと思うようなことを平気で言うんですよ。

 で、こっちも腹を決めましてね。度胸を決めましてね。しっかり聞いておりました。だけど、最後に、『死刑に』というのをね、あれが聞こえなかったんです。

 私、ちょっと耳が遠いものですから。たまたま聞こえなかったのか。検事さんが素早く言っちゃったんです。

 で、弁護士さんに『死刑って言葉が出なんだね(出なかったね)?』って言ったら、『言ったよ』っていうの。

 『ああ、そうですか。じゃあ私、聞きもらしたね』っていうぐらいで、そのぐらい素早く、もぞもぞって言っちゃったんだ。

 そういう裁判で、だから、裁判っていうものは、こうして裁判をするものだ、ということは、よくわかりましたの。(中略)

 言わにゃいかんで(言わないといけないので)言ったっていう感じで。

 『死刑に処す!』って、大きな声で、自信があったら言えばいいのよ。そう思ってるなら。

 そう思ってないから、言えなかったと思う。私はそう思っております」。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※検事は「死刑」が正しいと思っていないから、大声で求刑できなかったのではないか!?「検事さんではなく、もっとその上の『指令を出す』検察庁と闘っている」とひで子さん~5.29「袴田事件再審!再審請求人として結審に思うこと」―登壇:袴田ひで子氏(袴田巌氏の姉)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523298

■<IWJ取材報告 2>「『朝鮮人なら殺してええんか?』すべてはこの問いかけに集約される」!~6.1 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座「なかったことにはできない 関東大震災・知られざる悲劇・福田村虐殺事件」―登壇:辻野弥生氏(フリーライター)

 関東大震災直後、官憲や民衆による朝鮮人虐殺が横行した中で、千葉県の福田村(現野田市)で、地元民と、隣村の田中村(現柏市)の村人から、朝鮮人と間違われた香川の行商人達9人が殺害されました。

 この事件を描いた劇映画『福田村事件』(森達也監督)は、2023年に公開され、日本アカデミー賞他を受賞。キネマ旬報読者選出ベスト・テン日本映画2位など、大きな話題となりました。

 2024年6月1日、この映画が依拠した書籍『福田村事件─関東大震災・知られざる悲劇』(崙書房刊、五月書房新社復刊)の著者で、映画の企画協力者である辻野弥生氏の講演会が、東京都千代田区のスペースたんぽぽで行われました。

※映画『福田村事件』公式サイト
https://www.fukudamura1923.jp/

※『福田村事件─関東大震災・知られざる悲劇』(版元ドットコム)
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909542557

 同書で、辻野氏は、以下のように書いています。

 「震災発生から五日後の九月六日、利根川と鬼怒川が合流する千葉県東葛飾郡福田村大字三ツ堀(現在の野田市三ツ堀)で、四国の香川から薬の行商に来ていた一行十五名が地元民に襲われ、九人が命を落とした。(中略)

 殺された者のなかには、六歳と四歳と二歳の子ども、それに妊婦も含まれており、胎児を含めると、被害者は十人ということになる。

 加害者の地元民たちは、讃岐弁を話す行商人一行に対し『お前らの言葉はどうも変だ、朝鮮人ではないか』と、いいがかりをつけ、行商用の鑑札を持っていたにもかかわらず、暴行、殺害に及んだ」。

 加害者達は、逮捕、実刑となりましたが、大正天皇死去の恩赦で、無罪放免されました。

 事件の痛ましさ、残虐さはもとより、辻野氏が一層驚いたのは、加害者達が「何の罪悪感もなく、むしろ国家にとって善いことをしたと胸を張り、なぜ罪に問われねばならないのか、と法廷で滔々と演説をぶった」ことだといいます。

 「加害者たちを地元民は支援し、なかには刑期を終えた後に地方議会の公職に就いた者さえいた」(『福田村事件─関東大震災・知られざる悲劇』より)。

 辻野氏は、映画の中の「朝鮮人なら殺してええんか?」というセリフをあげて、「すべてはこの問いかけに集約される」と述べました。この「朝鮮人」という言葉は、例えばイスラエルのガザで起きていることを指して、「パレスチナ人」と置き換えても通じる言葉であると思います。

 辻野氏は、被害者達が被差別部落出身者だったことも踏まえ、「マイノリティに対する日本人の差別感情・差別構造」を指摘し、「同様の事件が令和の現在、日本のどこで起きてもおかしくない」と、警鐘を鳴らしました。

 これも、地球上のどこで起きてもおかしくない、と受け取ることも可能です。差別感情・差別構造にもとづく暴力とその正当化は、時代を超え、場所を超え、民族や集団を超えて、何度でも起こりうるからです。

 今回の講演会は、岩上安身によるインタビューでもお馴染みのジャーナリスト・浅野健一氏が選んだ講師による、「人権とメディア」連続講座の一環として、開催されました。浅野氏は、下咽頭癌手術で声帯を失いましたが、人工喉頭機器やAI音声等を利用して、発言を続けています。

※「咽頭がん手術で声帯を失う前にIWJで日本の記者クラブ問題を話したい!」岩上安身によるインタビュー 第989回 ゲストジャーナリスト浅野健一氏 2020.3.27(IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/470970

 辻野氏は講演で、自らが住む千葉県流山市の郷土史研究の集まりの中で、福田村事件に関わることになった経緯から、語り始めました。

 辻野氏が事件執筆を決意した理由は、朝鮮人差別を歌う在日3世のミュージシャンとの出会いや、郷土史研究で出会った、朝鮮人虐殺の資料に衝撃を受けたことだったといいます。

 取材を始めた辻野氏は、野田市の方から、「地元の人間にはとても書けない。あなたが書いてほしい」と勧められました。しかし、野田の図書館でどんなに探しても、事件に関する資料は皆無であり、住民の証言も得られませんでした。

 そうした中で、どのように取材を進めていったのかや、判明した事件の詳細、歴史的背景、さらには著書や映画への反響について、辻野氏は講演で明らかにしました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「『朝鮮人なら殺してええんか?』すべてはこの問いかけに集約される」!~6.1 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座「なかったことにはできない 関東大震災・知られざる悲劇・福田村虐殺事件」―登壇:辻野弥生氏(フリーライター)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523322

■5月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、4月に引き続き、株価高騰と急落、円安について、2024年3月18日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! IWJのサポート会員になれば、バックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJでは、メルマガサイト『まぐまぐ』で、『岩上安身によるインタビュー』をテキスト化し、詳細な注釈をつけて『岩上安身のIWJ特報!』として、毎月発行しています。

 5月は4月に引き続き、2024年3月18日収録の「岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました。

 以下、5月発行の『岩上安身のIWJ特報!』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第644号の目次)
◆AI革命で注目のエヌビディア株、高騰から急落へ!「人工知能は消費電力がものすごい。それ、どうやって供給するんですか?」。誰も言わないAIを支える電力問題!
◆マイナス金利解除で円安・株高の第2ラウンドへ! 日米の金利差は縮まる? 長期金利が2パーセントに上昇したら、それだけで多くの日本企業は存立不可能になる!
◆絶望的な人手不足の日本! バブル期やパンデミックでの人員整理のツケが今!?「日本経済が復活したわけではなく、労働市場が逼迫しているだけ」!

(第645号の目次)
◆そもそも「日経平均株価、史上最高値を更新」は、良いニュースなのか!?「『日経平均株価』というものを株式市場の指標に使うのは、日本と米国だけ!」と田代氏が厳しく断じる!!
◆日本株を売る日本の銀行。外国の機関投資家が売りに回ったら、残るのは自社株買いだけ! タコが自分の足ならぬ胴体まで食う世界に!
◆日経平均株価4万円超えで「もはや『バブル後』ではない」「解けた『昭和の呪縛』」と煽る日経新聞!
◆深い分析もなしに「1989年以来の大転換期、だから改革を」と説く日経。「事実を科学的に見て状況判断しないといけない」と書くべきではないのか!?

(第646号の目次)
◆1896年のニューヨーク。金融情報を売るダウ氏とジョーンズ氏が作った株価の指標が日経平均株価のルーツ!「だから19世紀の亡霊みたいなものなんです」
◆株式をたくさん発行すると株価は低くなる。企業の売上高や時価総額(株価×株数)と、株価自体は相関関係にない!
◆企業規模を無視して株価の平均だけを取る日経平均株価。「だから高値銘柄が変動した時、全体が影響を受けてしまう。平均というのは危険なんです」

 岩上安身は、この田代秀敏氏へのインタビューに続き、3月24日に2回目のインタビューを、5月3日に3回目のインタビューを、5月8日に4回目のインタビューを行いました。4回の連続インタビューの動画は、ぜひ以下のURLから御覧ください。

※日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇や、さらなる物価上昇を招く! 鍵となったのは、半導体株! その最先端の戦いが米中で火花を散らす!~岩上安身によるインタビュー第1149回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏(その1) 2024.3.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522258

※「植田日銀総裁は『円安はずっと続く』というたいへん恐ろしいことを言われた」! インフレ=好況ではない! 日本はスタグフレーション(インフレ下の不況・景気後退)に落ち込みやすい!! 日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇やさらなる物価上昇を招く!~岩上安身によるインタビュー第1150回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏(その2) 2024.3.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522332

※「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰の一方、地方では空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はいかにして「生活防衛」すればいいのか!?~岩上安身によるインタビュー第1155回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏 第3弾 2024.5.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522940

※「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰の一方、地方では空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はいかにして「生活防衛」すればいいのか!?~岩上安身によるインタビュー第1156回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏 第4弾 2024.5.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523046

 また、岩上安身は6月3日に、田代氏へ5回目のインタビューを行いました。こちらは、IWJのYouTubeチャンネルで、ライブ配信のアーカイブを御覧いただけます。

※【フルオープン6/3】17時頃~岩上安身による エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー 第5回
https://youtube.com/live/VQCnXXUrifk

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、浜本信貴、木原匡康)

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