特別全公開中★日刊IWJガイド・非会員版「『歴史的円安』が凄まじい勢いで進行中! 本日午後5時から、岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー第4弾を生配信!」2024.5.8号~No.4221


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰の一方、地方では空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はいかにして「生活防衛」すればいいのか!? 本日午後5時から、岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー第4弾を生配信します!

■IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月までの5ヶ月間連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります!「IWJしか報じていない情報」がますます増えている中、今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■スクープ! ロシア系住民48人がネオナチに虐殺された「オデッサの惨劇」から10年が経過! ウクライナの元野党政治家メドヴェドチュク氏が、当時のトゥルチノフ大統領代行、アヴァコフ内務大臣、ナリヴァイチェンコ保安庁長官、パルビー国家安全保障・国防会議長官らの関与を証言! 現場で作戦を指揮した手下のパリツィアは、その功績で直後にオデッサ州知事に任命された! 2014年のクーデター以降、この10年間、ウクライナ政府とネオナチが犯してきた、ロシア系住民への虐殺の一端が明るみに! 日本の新聞・テレビを含む西側メディアが徹底的に封印してきた ロシア系住民へのジェノサイドの真実が今、暴かれる!

■<速報!>ハマスが休戦を求めるも、イスラエルは強硬に受け入れる姿勢を見せず! イスラエルがラファ東部の避難民約10万人に移動命令を出し、爆撃を強化! 世界中がラファ侵攻に懸念を表明する中、イスラエル軍はラファ検問所パレスチナ側を制圧!

■<米国内の大学で親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対学生運動が拡大(その3)>【4月27日、ニューヨーク市立大学の抗議活動の学生主催者が大学当局に親イスラエル団体やユダヤ人団体などとの関係を明確にせよ、と求める!「学生達は、大学側が、イスラエルによる植民地化と(大学運営者の)関係について責任を取るように要求し始めている」! プリンストン大学では、大学当局と警察が学生達をキャンパスから排除! クリス・ヘッジズ氏「大量逮捕、停学、立ち退き、爆発に直面している全国の大学生は、ガザでの大量虐殺を止めるための最後の、そして最良の希望である」!】

■<米国内の大学で親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対学生運動が拡大(その4)>【4月27日、武蔵野美術大学有志が渋谷ハチ公前広場で「#NoTechForGenocide ジェノサイドに技術を売るな!デモとダイ・イン」による抗議活動! 日本でも親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対運動が拡大か!?】
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■はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰の一方、地方では空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はいかにして「生活防衛」すればいいのか!? 本日午後5時から、岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー第4弾を生配信します!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 岩上安身は本日午後5時から、エコノミストの田代秀敏氏に、連続緊急インタビューの第4弾インタビューを行います。今回は、前回第3弾の「後編」となります。

 急激な円安と株高、「日経平均株価」の経済指標としての害悪、都心での地価高騰と郊外の空洞化という2局化などについて、田代氏にうかがった、これまで3回のインタビューは、ぜひ以下のURLから御覧ください。

※日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇や、さらなる物価上昇を招く! 鍵となったのは、半導体株! その最先端の戦いが米中で火花を散らす!~岩上安身によるインタビュー第1149回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏 第1弾 2024.3.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522258

※「植田日銀総裁は『円安はずっと続く』というたいへん恐ろしいことを言われた」! インフレ=好況ではない! 日本はスタグフレーション(インフレ下の不況・景気後退)に落ち込みやすい!! 日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇やさらなる物価上昇を招く!~岩上安身によるインタビュー第1150回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏第 第2弾 2024.3.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522332

※「歴史的円安」が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰の一方、地方では空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はいかにして「生活防衛」すればいいのか!?~岩上安身によるインタビュー第1155回ゲスト エコノミスト田代秀敏氏 第3弾 2024.5.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522940

 本日のインタビューでは、「昭和バブル」と、今回の「令和バブル」の本質的な違いについて、お話をうかがってまいります。

 厚生労働省が4月8日に発表した、2月の毎月勤労統計調査によると、1人あたりの賃金は、物価を考慮した実質で、前年同月から1.3%減少しました。実質賃金のマイナスは、過去最長に並ぶ23ヶ月連続となりました。

※実質賃金2月1.3%減 23カ月マイナス、過去最長に並ぶ(日本経済新聞、2024年4月8日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA052RB0V00C24A4000000/

 物価の急激な高騰に対して、賃金の上昇が追いつかない、実質賃金のマイナスが続いている一方で、「令和バブル」で株価が高騰しているのは、主に海外の投資家が、日本株を買っているからです。

 「昭和バブル」での株価のピークは、1989年12月29日でした。日本株を保有する海外投資家の割合は、1990年には5%程度でしたが、現在では30%を超えています。

 しかも、現在の株高を支えているのは、半導体など一部のIT関連分野であり、これらの「値嵩株」が、「日経平均株価」を引き上げ、日本経済が好調であるかのように見せかけているのに過ぎないのです。

 田代氏は、これまで3回のインタビューで、繰り返し、「日経平均株価」が経済実態を表さないおかしな指標であり、「手回し計算機すらなかった19世紀の遺物」だと批判した上で、経済政策や投資の指標とすることの危険性を指摘しています。前回では「脱デフレ以前に、まずは脱『日経平均株価』を行うべきだ」と主張していました。

 また、本日のインタビューでは、中国でのリサーチ出張から帰国したばかりの田代氏に、5年ぶりの北京の印象や新情報、日本円の歴史的な減価の海外での実感、超円安下での日中関係などについても、詳しくお話をうかがう予定です。

 詳しくは、ぜひ本日のインタビューをご視聴ください。

 仮に、その日の都合で観られなくても、会員になっていただければ、一般会員なら2ヶ月以内、見逃し配信を自由な時間に観られますし、サポート会員ならば、いつでも好きな時にコンテンツを無期限で視聴できます! サポート会員への登録をおすすめします!

※会員のご登録はこちらからお願いします。
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【IWJ_YouTube Live】17:00~
岩上安身による エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

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 4月のご寄付・カンパの結果が、確定しました! 4月1日から4月末の30日までで、122件、395万7500円でした。これは、月間目標達成率の99%です!

 惜しいことに、あと1%、4万2500円あれば、4月は月間目標額を達成できていました! でも、これまでの未達の月には、目標額の半分以下の月もありましたし、これはほぼ達成したといってもいい金額です。

 ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかし、今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月まで、5ヶ月連続で目標金額に到達しなかった、という重い事実は残ります。この5ヶ月間の不足額の合計は、972万3789円にもなってしまいました。4月の不足額4万2500円を加えた不足額の合計は、976万6289円です。1000万に達してはいないものの、非常に厳しい赤字額です!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって収支を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月まで、5月を含めてあと3ヶ月です! この間にロスした分を、ぜひとも、取り返し、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は2000万円を超える赤字でした。2年連続大幅な赤字となると、IWJ史上初の最大級のピンチとなります! 岩上安身個人が、私財を投じても支えきれません!

 5月は、1日までに、4件、102万5000円のご寄付・カンパをいただきました。誠にありがとうございます。

 5月も、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 また、ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 また、4月30日に発行した【IWJ号外】にも、ぜひご注目ください! 米国の既存ジャーナリズムの惨状が、クリス・ヘッジズ氏らによって、報告されています。ヘッジズ氏らも、市民に直接支えられる独立メディア形式へと移行しています。

※【IWJ号外】クリス・ヘッジズが、「米国内の新聞9000紙のうち3000紙近くが廃刊し、4万3000人の新聞記者が失職」と米国の既存ジャーナリズムの惨状を報告! 唯一の光明は独立メディア! 2024.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522859

 IWJもまた、市民に支えられる独立メディアとして、2010年12月にスタートして、13年5ヶ月となります。

 最初は、ライブ・ストリーミングのサービスがユーストリーム・アジアという会社によって、初めて日本で可能になったばかりのタイミングで、東電会見や大臣会見などの中継・実況を先駆的に行いました。

 他に同様のストリーミングを、多チャンネルで同時平行で行うネットメディア等は存在せず、IWJは「パイオニア」的な存在であったと自負しています。

 しかし、ご存知の通り、ライブ・ストリーミングはその後、ツイキャスその他で、スマホで手軽に行えるようになり、今日では、あらゆるSNSでライブや動画配信が可能となっています。メディアの技術進化のスピードは、凄まじいのひと言です。

 こうした技術進化の結果、現在では動画やライブ配信コンテンツがあふれかえるようになり、IWJだけがライブ・ストリーミングを行なっているわけではなくなりました。

 ですが、その間もテキストメディアとしてのIWJを時間をかけて充実させてきており、岩上安身によるインタビューも、1154回を数えるまで、回を重ねております。

 ジャーナリズムとしての「本道」を決して忘れず、重点となるテーマが変わり、情報伝達の手段や機器は変わっても、お伝えしている報道・論評のコンテンツは、むしろ充実していっているとすら、自負しています!!

※シリーズ: 岩上安身インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/series/iwakami-interview

 また、特に昨今は、日米欧の「先進国」グループ内の情報だけでなく、これも急激な変化を見せている国際情勢に迫り、特に、成長著しい、グローバル・マジョリティにまで視野を広げて、翻訳のスピードと量を上げ、激動する国際情勢を先取りしてお伝えし続けてきました。

 その理由のひとつには、ウクライナ紛争やコロナ問題など、権力からの圧力がかかってのことか、既存のテレビ・新聞など、記者クラブメディアの報道が、硬直した「官報」化し、西側諸国全体が「大本営発表」をたれ流すような「異常な事態」が「日常」化してしまったためでもあります。

 「IWJしか報じていない情報」が、いまだにあります。それどころか、「米国の利益のための『代理戦争』を待望する勢力」によって、自立した報道への権力からのコントロールが強まり、「IWJしか報じていない情報」は、技術的進化とは反対に、逆に増えつつあるのが現実なのです!

 IWJは、どれだけ孤立しようとも、その孤立は一時的なものであり、隠されたり、ごまかされたり、歪められたりしたプロパガンダは必ずほころぶ、と確信しています。

 本日、5月8日付け日刊IWJガイドに掲載した10年前の2014年の「オデッサの惨劇」については、事件発生当時、IWJでは事件自体の事実を報じていました。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337

 記者クラブメディアで、これほどの虐殺を報じたものは、ほとんどありません。その後も、ウクライナ軍による、東部のロシア系住民への武力攻撃に対して、8年経ってからロシア軍がしびれを切らして、ついに介入を決めた2022年2月以降も、ウクライナ政府やネオナチが、国内の少数民族であるロシア系住民への差別・迫害・殺戮といったジェノサイドについては、日本政府と日本のメディアはだんまりを決め込んで、もう2年以上経ちます。

 こうした「沈黙」自体が犯罪です。我々IWJは、プロパガンダに決して加担せず、乗せられもせず、安きに流れることなく、真実を報じ続ける、茨の道を、今後も歩き続けます。

 どうか、そうしたIWJの独立性、独自性をご評価いただき、今後も活動が続けられますよう、応援をお願いしたいと存じます。

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.5.8 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】17:00~「岩上安身による エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身による田代秀敏氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた田代秀敏氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%94%b0%e4%bb%a3%e7%a7%80%e6%95%8f

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◆中継番組表◆

**2024.5.9 Thu.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

明治維新の正体パート4「ありえたかもしれない江戸の憲法ともう一つの近代史」―登壇:関良基氏(拓殖大学教授)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522988

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■スクープ! ロシア系住民48人がネオナチに虐殺された「オデッサの惨劇」から10年が経過! ウクライナの元野党政治家メドヴェドチュク氏が、当時のトゥルチノフ大統領代行、アヴァコフ内務大臣、ナリヴァイチェンコ保安庁長官、パルビー国家安全保障・国防会議長官らの関与を証言! 現場で作戦を指揮した手下のパリツィアは、その功績で直後にオデッサ州知事に任命された! 2014年のクーデター以降、この10年間、ウクライナ政府とネオナチが犯してきた、ロシア系住民への虐殺の一端が明るみに! 日本の新聞・テレビを含む西側メディアが徹底的に封印してきた ロシア系住民へのジェノサイドの真実が今、暴かれる!

 ウクライナの黒海に面した港町、オデッサで起きた、罪なきロシア系住民の虐殺事件から10年が経ちました。この事実自体、日本のメディアを含む西側メディアは、ほとんど報じていません。IWJは、10年前の2014年当時、この事件を報じています。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337

 2014年2月、首都キエフのユーロマイダン(欧州広場)に集まった群衆が暴徒化したクーデターによって、民主的な選挙によって合法的に大統領に選出されたヴィクトル・ヤヌコビッチ(ヤヌコーヴィチ)大統領の政権が、打倒されました。

 親欧米派が牛耳ったウクライナの最高議会ヴェルホーヴナ・ラーダは、2月22日にヤヌコビッチ大統領を解任すると、その翌日の23日、まず最初にロシア語を公用語と認める法律の廃止を決定。単一民族国家ではなく多民族、多言語国家であるウクライナの人口の約3分の1は、ロシア系住民が占めており、ロシア語を公用語から外すこの強硬措置は、ウクライナ国内のロシア語話者にとって、社会生活を営めなくなるほどの大打撃でした。

 ロシア語話者の多い東部や南部で、これに反発する住民達に対し、ウクライナの西部に多い「ウクライナ民族主義者」や「愛国主義者」を自称する暴力的なネオナチらが、手当たり次第に、ロシア系住民や、ロマ(ジプシー)などに無差別の暴力を加えて東南部に進んで行きました。彼らの暴力を、ウクライナの官憲はまったく取り締まらず、放置しました。

 これに対し、東部のドンバス地方(ドネツク州、ルガンスク州)は、こうしたロシア系住民に対する差別や暴力に抵抗して自衛を始め、ネオナチだけでなく、ウクライナ政府軍の武力攻撃に対しても抵抗しました。

 これが、ドンバス紛争の契機であり、現在のウクライナ紛争に続いています。

 ウクライナにおける戦争は、2年余り前の、2022年2月24日、ロシア軍の武力介入によって始まったのではなく、それを遡ること8年前、今から10年前の時点から、ウクライナ側の無差別暴力によって、「開戦」していたのです。

 政変から2ヶ月あまりが過ぎた2014年5月2日、南部のオデッサ市内で、ウクライナの連邦化とロシア語の再公用語化に関する国民投票の署名を集めていたロシア系住民に対して、ネオナチやウクライナの過激な民族主義者らが襲撃し、親ロシア派住民が逃げ込んだ労働組合の建物を放火し、48人が死亡し、240人以上が負傷(ウクライナ内務省の公式データ)しました。

 IWJは当時から、この虐殺事件が、ウクライナ民族主義のネオナチである右派セクターによるものであると指摘してきました。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337

 この記事のタイトルが示す通り、ウクライナは自国内を、ロシア系住民を殺戮する「戦場」とし、隣国のロシアを挑発し続けること8年、重い腰を上げたプーチン大統領の決断によって、2022年2月24日、ロシア軍はウクライナに介入に、いわゆる「ウクライナ紛争」が始まったとされています。実際には、先述した通り、罪もないロシア系住民を迫害して虐殺し、ロシア軍の介入を呼び込んでいたのです。

 上記記事で引用した、2014年5月7日付け『マスコミに載らない海外記事』(元記事は、2014年5月5日付け『Veterans Today』、すでに削除されている)では、右派セクターによるオデッサ虐殺のビデオや写真が掲載されています。

 何点かの写真とビデオは、現在では見ることができなくなってしまいましたが、キエフでの暴力クーデターで中心的な役割を果たした極右ネオナチ組織である右派セクターのメンバーによる襲撃から生き延びた女性の証言のビデオは、今でも見ることができ、この記事では、証言した女性の発言の概要を、テキストとして掲載しています。

 以下、その10年前の記事から引用します。

 「『親ロシア派』活動家達は武器は待たず、棒かこん棒だけだった。

 火炎瓶が建物の外から飛んできた。

 (親キエフ、あるいは反ロシア派)過激派(後に主に右派セクターと判明)が労働組合会館を襲撃し、間もなく、侵入に成功した。

 ビデオに映っている女性は、他の3人の女性と、約12人の男性と既に死亡した2人の男性(火炎瓶の火と煙で窒息)一緒に、別の部屋にいたと言った。男達が2人の亡くなった男性を、女性達が応急手当てをするように運んできたが手遅れだった…。彼等は、部屋の入り口をキャビネットや箱で塞ぐことに成功し、15分程、閉めておくことができた。

 この時、立てこもった16人の人々全員が、廊下での銃声を聞いた。

 すると誰かがドアをドンドン叩き、入れてほしいと請うた。彼等は自分達も自治推進派(つまり、反キエフ)活動家だと言った。

 わずかの時間、考えたり話し合ったりした後、室内の男性達がドアを塞いでいるキャビネットを動かし、ドアをわずかな隙間だけ開け、状況がどうなっているか見ようとした。すると若い暴漢達(連中はウソをついたのだ)は即座にドアの狭い隙間から、16人がいた室内に向かって射撃を始めた。

 女性(ビデオに映っている)は暴漢を直視した。男は黒いマスクを被っており、笑いながら、彼女をピストルで撃ったが、幸いに、狙いが外れ、仲間達に叫んだ。『コロラディを殺したぞ!』(自治州連邦を要求する人々を意味する俗語=訳注:コロラドハムシの羽は赤黒の縞で、親ロシア派のリボンと似ていることから)。

 すると暴漢は、4つほど何かのガスが入った風船を部屋に投げ込み、2-3分後に、ガスで中にいた男性達が倒れ、連中はドアを壊して開けるのに成功し、部屋に入った。

 そして、すぐさま男性全員を撃った。それでも生きていた人々を、彼等はバットで殴打して殺害した。この時に言っていた言葉が、『銃弾を節約して、やつらを殺そう…』。このけだもの連中は、女性達が彼等はもう死んでいると叫んだにもかかわらず、亡くなっている2人の男性も殴打した…。

 すると暴漢達は、死者を地下室に運びたいと言い出した。

 4人の女性は、連中に助命を請い…、この女性(ビデオ中の)は、幼い子供がいるので…、

 4人の女性は廊下に引き出されたが、そこは本当の地獄だった。多数の遺体が至るところにあり、階段にまであった。テロリスト暴漢達の多くが、わいせつなジョークを言いながら、遺骸を引きずりだして、地下室になげこんだ。

 すると暴漢は、4人の女性のひとりをとらえ、どこかへ連れ出した。証人(ビデオ中の)は、彼女の叫び声だけ聞こえた…。その女性の声は聞こえなくなってしまった。

 (ビデオ中の)女性は、約15分間尋問された。テロリスト暴漢は、彼女に自分はロシア人だと本当のことを言えと要求した。ところが、彼女はウクライナのパスポートを所有しており、住所はオデッサと記述されていた。

 こうした混乱の中、彼女は会館から脱出することに成功したが、その時には消防士と警官達が立っていた(※消防士は消火せず、警官は虐殺を制止しなかった)。消防署は労働組合会館と道路をはさんだ向かいにあるのに、消防士が来たのは1時間20分後だ。テロリスト暴漢に活動するのを阻止されたと彼等は主張した。

 キエフのウクライナ政治家全員、無辜の市民の虐殺を称賛した。テロリスト暴漢は報奨金を得た。

※ここから先は【会員版】となります。

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 後に、会館の地下で、多くの遺体が見つかった。他にも多くの人々が行方不明だ。

 ウクライナSBU治安警察が、後でさらに報復できるよう、彼等からすべての個人データを差し押さえた為、病院に送られた人々は間もなく病床から逃亡した」。

※キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)(マスコミに載らない海外記事、2014年5月7日)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4bc4.html

※Как убивали людей в доме профсоюзов(Анатолий Шарий、2024年5月5日)
https://youtu.be/ovX9tVTq6KI

 このオデッサの惨劇から10年目の今年5月2日、ロシアの『タス』が、ウクライナの元野党政治家、ヴィクトル・メドヴェドチュク氏へのインタビューを掲載しました。

※Ukrainian politician names those behind Odessa tragedy in interview with TASS(TASS、2024年5月2日)
https://tass.com/world/1782611

 メドヴェドチュク氏は、「野党プラットフォーム生活党」の有力議員でしたが、ゼレンスキー政権から「プーチンの協力者」とみなされて、2022年4月にウクライナ保安庁に逮捕され、2022年9月の捕虜交換でロシアに身柄が引き渡されて、現在もロシア在住です。

 この『タス』の記事は、2014年のオデッサでの惨劇に、当時議会に大統領を解任されたヤヌコビッチ氏に代わり、2014年6月まで大統領代行を務めていた親欧米派のオレクサンドル・トゥルチノフ氏らが関与していたと、メドヴェドチュク氏が証言したとして、以下のように報じています。

 「メドヴェドチュク氏は、当時のウクライナ大統領オレクサンドル・トゥルチノフ率いるキエフ政権が、計画的な脅迫行為として、オデッサの労働組合会館で人々を生きたまま焼き殺したと指摘した。

 『悲劇の10日前、トゥルチノフはオデッサでのクーデター反対派(親ロシア派)の大量虐殺の準備に関する会議を主宰した。アルセン・アヴァコフ内務大臣、ウクライナ保安庁のヴァレンティン・ナリヴァイチェンコ長官、国家安全保障・国防会議のアンドレイ・パルビー長官(いずれも当時)が、会議に参加した。協議には、ドネプロペトロフスク州行政長官だったイゴール・コロモイスキー氏も参加した』とメドヴェドチュク氏は述べた」。

 イゴール・コロモイスキー氏は、ゼレンスキーを大統領の座へと押し上げたオリガルヒ(新興財閥)のトップの人物であると、このコロモイスキーの「正体」とゼレンスキーとの関係について、IWJは明らかにしてきました。

※【号外第1弾】ウクライナ潜む極右ネオナチ組織「アゾフ連隊」! ゼレンスキー氏を大統領に押し上げたドラマ「国民のしもべ」を放映したテレビ局の大株主であるコロモイスキー氏が支援していた! 2022.3.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503569

※ゼレンスキーの「正体」!? 彼が人気を得たドラマのテレビ局オーナーは富豪のコロモイスキー氏。同氏はユダヤ人でオレンジ革命から「親欧米派」活動、今米国滞在。各国は軍事支援で戦闘長引かせず、停戦交渉の場を! 2022.3.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503761

※【号外第33弾】シリーズ<オリガルヒとは何者か>その3(前編)ゼレンスキーが戦争を長引かせているワケ!! ネオナチのアゾフ隊を創設したコロモイスキーとユダヤ系オリガルヒ、ボゴリュボフの金融犯罪を暴く! 2022.6.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506677

 彼らは当初から、オデッサでサッカーの試合が行われる5月2日に作戦を決行することを決めていた。

 そのため、多数のファングループのメンバーと、右派セクターの過激派約500人が、オデッサに到着していた。メドヴェドチュク氏は、アヴァコフ、パルビー、コロモイスキー、そして彼の手下であるイホル・パリツィアによって、犯人らに交通手段が提供されたと指摘した。パリツィアは現場で作戦を指揮し、その功績によって、2014年5月6日にオデッサ州知事に任命された」。

 この『タス』の記事は、「(ウクライナ)当局は、(ロシア系住民を殺害したというのに)騒乱の原因を全面的に『反マイダン』活動家(親ロシア派)らのせいにしたが、数年にわたる捜査でも有罪を立証できず、当時拘束されていた全員が無罪になった」と報じています。

 これは、実際に虐殺を行った右派セクターも、加担した当時の政権幹部らも、事件当初から今まで、一度も罪に問われていない、ということです。

 IWJは、2013年12月から始まったキエフでの反政府デモの裏側に、米国政府とネオナチの存在があったことを当初から報じ続けてきました。

 以下の記事も、ぜひあわせて御覧ください。

※【IWJブログ】ウクライナで何が起こっているのか 2013.12.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/126764

※【IWJブログ】分裂するウクライナ ――親ロシア派、親欧米派、そして第三の勢力 2014.2.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/126778

※【IWJブログ】ウクライナ政変~揺らぐ権力の正当性――西部の首都キエフを支配した反政権派には米国政府とネオナチの影、プーチンに支援を求める東部の親露派住民 2014.3.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/128095

※【IWJブログ】「クーデター」か「高潔な革命」なのか~ウクライナ政変にロシアの軍事介入が及ぼす影響 2014.3.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/128137

■<速報!>ハマスが休戦を求めるも、イスラエルは強硬に受け入れる姿勢を見せず! イスラエルがラファ東部の避難民約10万人に移動命令を出し、爆撃を強化! 世界中がラファ侵攻に懸念を表明する中、イスラエル軍はラファ検問所パレスチナ側を制圧!

 6日、ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏は、交渉を仲介するエジプトとカタールの停戦提案に同意した、と発表しました。しかし、イスラエル側は、ハマスの言う停戦提案は「同意した内容ではない」「ハマスの提案は我々の要求に遠く及ばない」と受け入れる姿勢を示していません。イスラエル政府は、ガザでの壊滅的な戦争を継続する、という姿勢を明らかにしたも同然です。

 7日付『アルジャジーラ』によると、イスラエル政府がこの提案はイスラエルが同意するものではないと表明したことを裏付けるかのように、イスラエル軍は、エジプトとガザとの国境にあるラファ検問所のパレスチナ側を制圧し、南部都市での攻撃を進めています。イスラエルはラファ検問所が「テロ目的に使用されている」と主張しています。

※‘The goal is to destroy Gaza’: Why Israel rejects a ceasefire with Hamas(ALJAZEERA、2024年5月7日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/5/7/the-goal-is-to-destroy-gaza-why-israel-rejects-a-ceasefire-with-hamas

 7日朝、イスラエルの第401旅団がラファ検問所に入りました。

 7日付『アルジャジーラ』は、イスラエル軍が公開した映像には、イスラエル軍の戦車がラファ国境のパレスチナ側に進入する様子が映っていた、と報じています。ラファ検問所周辺地域を占拠した戦車には、イスラエルの国旗が映っていたということです。

 イスラエル軍は、7日早朝の記者会見で、イスラエル軍特殊部隊が地域を捜索しており、6日夜からラファ東部で活動していると発表しました。

※Israel takes control of Rafah crossing, Gaza’s lifeline: What’s going on?(ALJAZEERA、2024年5月7日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/5/7/israel-takes-control-of-rafah-crossing-gazas-lifeline-whats-going-on

 6日、ハマスが停戦提案の受け入れを発表する直前に、140万人が避難するガザ市への地上攻撃への懸念が高まる中、イスラエル軍は数万人のパレスチナ人にラファ東部(イスラエル側)からの退去を命じました。ラファ東部のパレスチナ人は、地中海沿岸のアルマワシに向かうよう指示されました。

 イスラエル軍はアルマワシに、野戦病院、テント、医療品を備えた人道支援区域を設定したと主張しています。

 6日付『アルジャジーラ』によると、イスラエル軍報道官は記者団に対し、ラファ東部の約10万人は、海岸の「拡大人道地域」に避難すべきだと語りました。イスラエル戦時内閣は、ラファへの作戦を継続することを決定した、と述べました。

 戦時内閣のイスラエル・カッツ外相は、「ガザでの我々の正義の戦争は、人質全員の解放とハマスの打倒という、まったく同じ目標を掲げて継続している」と述べました。

 6日付『アルジャジーラ』は、「6日の夜遅く、イスラエル軍が都市への砲撃を強化した」、「ラファ東部で空襲と砲撃が激化している」と報じました。ラファ東部の住民の大多数は、イスラエル軍がさらなる軍隊を動員しようとしているため、避難を始めた、ということです。

 関係諸国も一斉に、事態のエスカレーションに警戒を強めています。

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 同6日付『アルジャジーラ』によると、ハマス当局者のサミ・アブ・ズーリ氏は6日、イスラエルの避難命令と強化された攻撃は「結果を伴う危険なエスカレーション」だと述べています。ハマス側も「我々の勇敢な抵抗勢力、カッサム旅団(ハマスの軍事部門)は国民を守り、この敵を倒す準備が整っている」と声明を出しています。

 パレスチナ自治政府マフムード・アッバス大統領のナビル・アブ・ルデイネ報道官は、「(イスラエル)占領軍は、ラファへの侵攻という大量虐殺という最大の犯罪を犯す準備を始めている」と警鐘を鳴らしました。

 「米国政府は、占領軍に財政的および軍事的支援を提供し、正当な国際決議の履行と侵略の停止を阻止するために国際社会に対抗している。米国政府は、ネタニヤフとその政府に、パレスチナ人民に対する虐殺の継続を奨励している」。

 エジプト外務省は声明で、イスラエルに対し「最高レベルの自制」を要請し、これ以上のエスカレーションを避けるよう求めました。エジプト政府は、イスラエルによるラファ攻撃は「その地域にいる100万人以上のパレスチナ人を脅かす極度の人道的危険」を生み出すだろうと言う声明を出しました。

 ヨルダンのアイマン・サファディ外相は、「新たなパレスチナ人の虐殺が進行中である」「虐殺を阻止できなければ、国際社会に、消えない汚点が残るだろう。あまりにも多くの虐殺が許されてしまった」と声明を出しました。

 サウジアラビア外務省は、イスラエルの占領軍による「露骨な国際決議に対する違反」に強く抗議しました。

 「(サウジアラビア)外務省は、これらの虐殺の停止を求める国際決議に対する(イスラエル)占領軍の継続的で露骨な違反と、国際法および国際人道法への違反を、サウジが断固拒否することを確認する。これは人道危機を悪化させ、国際平和努力を制限するものである」。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、「ラファでのイスラエル軍の攻撃は、より多くの民間人の苦しみと死を意味するだろう」と述べ、ラファでの支援の継続を表明しています。

 「その結果は140万人にとって壊滅的なものとなるだろう。UNRWAは避難しない。UNRWAは可能な限り、ラファに残り、人々に救命援助を提供し続ける」。

 いわゆる「西側諸国」も、イスラエルが、ラファ東部からの避難命令を出したことについて、懸念を表明しています。

 EUのジョセップ・ボレル外交政策責任者は、「ラファの民間人に対するイスラエルの避難命令は、さらなる戦争と飢餓という最悪の事態の前兆だ」「それは容認できない」と述べました。

 「イスラエルは地上攻撃を放棄し、国連安保理決議第2728号を履行しなければならない。EUは国際社会とともに、そのようなシナリオを阻止するために行動することができるし、そうしなければならない」。

 在イスラエル・フランス大使館は、エマニュエル・マクロン大統領が5日にネタニヤフ首相と電話で会談したと、発表しました。フランス大使館によると、マクロン大統領は、イスラエルによるラファ攻撃への断固とした反対と、人道援助の大規模な流入を確保する緊急の必要性を繰り返し訴えた、ということです。

 フランス外務省は、「(イスラエルによる)民間人の強制退去が、国際法にもとづく戦争犯罪に当たることも想起している」と述べました。

 ホワイトハウス国家安全保障会議報道官は6日、バイデン大統領は、ネタニヤフ首相と会談する予定だと述べました。バイデン米大統領は5月に入って、ネタニヤフ首相にラファへの侵攻の動きは「レッドライン」になると警告しています。

 「我々はラファへの大規模な地上侵攻に関する見解をイスラエル政府に明確にしており、大統領(ジョー・バイデン)は今日、首相(ベンヤミン・ネタニヤフ)と会談する予定だ。我々は、人質取引が、人質の命を守り、100万人以上が避難しているラファへの侵攻を回避する最善の方法であると信じている。それらの交渉は現在進行中である」。

 英国のリシ・スナク首相は、英国はラファでの攻撃の可能性について「深く懸念している」「ラファに避難している民間人の数と、援助のためのラファ横断の重要性を考慮すると、ラファへの軍事侵攻の可能性を深く懸念している」と述べました。

※World reacts to Israel’s Rafah evacuation order(ALJAZEERA、2024年5月6日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/5/6/world-reacts-to-israels-rafah-evacuation-order

 中国外務省の林建報道官はイスラエルに対し、「国際社会の圧倒的な要求に耳を傾け、ラファへの攻撃をやめ、ガザ地区におけるより深刻な人道災害を回避するためにできる限りのことを行う」よう求めました。

※Israel takes control of Rafah crossing, Gaza’s lifeline: What’s going on?(ALJAZEERA、2024年5月7日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/5/7/israel-takes-control-of-rafah-crossing-gazas-lifeline-whats-going-on

 ハマスは少なくとも妥協的姿勢を見せ、休戦を求めましたが、しかし、イスラエルは非妥協的な姿勢をとり続け、受け入れる姿勢を見せていません。この対照的な姿勢が、どう、国際社会や米国の中で反映されていくか、注目です。

■<米国内の大学で親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対学生運動が拡大(その3)>【4月27日、ニューヨーク市立大学の抗議活動の学生主催者が大学当局に親イスラエル団体やユダヤ人団体などとの関係を明確にせよ、と求める!「学生達は、大学側が、イスラエルによる植民地化と(大学運営者の)関係について責任を取るように要求し始めている」! プリンストン大学では、大学当局と警察が学生達をキャンパスから排除! クリス・ヘッジズ氏「大量逮捕、停学、立ち退き、爆発に直面している全国の大学生は、ガザでの大量虐殺を止めるための最後の、そして最良の希望である」!】

 4月27日付『アルジャジーラ』によると、ニューヨーク市立大学では「アパルトヘイトへの投資はもうやめよう」などのスローガンが書かれた横断幕を掲げて、キャンパス内に野営地が設置されています。

 ニューヨーク市立大学の抗議活動の学生主催者、ギャビー・アオシー氏は『アルジャジーラ』に対し、米国内の大学と、親イスラエル団体やユダヤ人団体などとの関係を明確にせよ、と求めました。

アオシー氏「若者達は本格的に自らの意見を表明するようになっており、大学側が、イスラエルによる植民地化と(大学運営者の)関係について責任を取るように要求し始めている」

 上記『アルジャジーラ』によると、ワシントンを拠点とする政治戦略家で元議会上級補佐官のリナ・シャー氏は、米国の大学での抗議行動は民主主義の実践の表れであり、「極めて健全なこと」だと述べています。

リナ・シャー氏「これらの学生達は、(イスラエル首相)ベンヤミン・ネタニヤフを支援する米国の役割について懸念しているのです。

 一方では、私達(米国)は、彼がガザでやりたいことを行うために武器と資金を提供しており、他方ではガザに人道援助を送っています。これが学生たちが懸念している偽善です」

※Pro-Palestine student protests spread in second week of demonstrations(ALJAZEERA、2024年4月27日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/4/27/pro-palestinian-student-protests-spread-in-second-week-of-demonstrations

 ピューリッツァー賞を受賞した経験もある、独立系ジャーナリストのクリス・ヘッジズ氏は、4月25日、「大学における反乱――大量逮捕、停学、立ち退き、爆発に直面している全国の大学生は、ガザでの大量虐殺を止めるための最後の、そして最良の希望である」という記事を『サブスタック』で公開しました。

※Revolt in the Universities(CHRIS HEDGES、2024年4月25日)
https://chrishedges.substack.com/p/revolt-in-the-universities

 ヘッジズ氏は、親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対運動に加わり、逮捕されたプリンストン大学の学生に取材しています。この学生は、数週間後に卒業を控えていました。

 ヘッジズ氏は、抗議活動に参加する学生達が「道徳的かつ肉体的な勇気を示しており、その多くは停学や退学に直面している」と警鐘を鳴らし、我が身に降りかかるリスクを顧みない、学生達の「声と抗議は、彼らを取り巻く道徳的破綻に対する強力な反面教師である」と評価しています。

 「イスラエルによるガザの全大学破壊を糾弾した大学長は一人もいない。即時かつ無条件の停戦を求めた大学長は一人もいない。『アパルトヘイト』や『ジェノサイド』という言葉を使った学長は一人もいない。イスラエルへの制裁やダイベストメント(※投資対象から金融資産を引き上げること)を求めた学長は一人もいない。

 その代わりに、これらの学術機関のトップは、裕福な寄付者、兵器メーカーを含む企業、そして熱狂的な右翼政治家の前で、ひたすらひれ伏しているのだ。

 彼らは、何千人もの子供たちを含むパレスチナ人が日々殺戮されていることよりも、ユダヤ人への被害を中心に議論を組み替えている。加害者であるシオニスト国家とその支持者たちが、自分たちを被害者として描くことを許しているのである。

 反ユダヤ主義に焦点を当てた、この偽りの物語は、メディアを含む権力の中枢が、ジェノサイドという真の問題を遮断することを可能にしている。それは議論を汚染するものだ。

 これは『反作用的な虐待(reactive abuse)』の典型的なケースである。不正義を非難するために声を上げ、長引く虐待に反応し、抵抗しようとすると、虐待者は突然、被害者に変身するのである」。

 ヘッジズ氏は、プリンストン大学は、全米の他の大学と協調して、ジェノサイドの終結を求める野営デモを阻止しようとしている、と指摘しています。

※ここから先は【会員版】となります。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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 ヘッジズ氏は、プリンストン大学は学生達の野営計画を事前に知っており、「今朝、学生たちが5つの野営地に到着すると、大学の公安局とプリンストン警察が大勢で出迎えた。ファイアストン図書館前の野営予定地は警察で埋め尽くされていた」、「もし学生たちが再びテントを建てようとすれば(今朝2人の逮捕者が出た時点で14のテントを撤去した)、全員が逮捕されることは間違いなさそうだ」と推測しています。

 「(学生達は、『川から海まで、パレスチナは自由である』という横断幕を木にかけ、プリンストン大学に対して)ガザにおける『イスラエル国家の進行中の軍事作戦から利益を得ている、あるいはそれに関与している』企業から手を引き、国防総省から資金提供を受けている『戦争兵器に関する』大学の研究を中止し、イスラエルの教育機関に対する学術的・文化的ボイコットを実施し、パレスチナの学術・文化機関を支援し、即時かつ無条件の停戦を提唱するまで、抗議を続けると、述べている」。

 ヘッジズ氏によると、警察は「不法侵入」や「大学の規則や規定に違反し、大学の通常業務を妨害する行為」を理由に、学生達を逮捕しています。

 「警察は、テントを張っている学生達に『プリンストン大学への警告と不法侵入禁止の通告』という見出しのビラを配布した。

 そのビラには、学生達が『プリンストン大学の敷地内で、大学の規則や規定に違反し、他人の安全や財産を脅かし、大学の通常業務を妨害する行為に及んでいる』と書かれていた。

 『そのような行為には、野営への参加や大学行事の妨害が含まれる』。

 そのリーフレットには、『禁止行為』に従事した者は『ニュージャージー州刑法(N.J.S.A. 2C:18-3)にもとづく反抗的不法侵入者(Defiant Trespasser)とみなされ、直ちに逮捕される』と書かれていた」。

 ヘッジズ氏は、「米国の歴史には恥ずべき時代がたくさんある。先住民に対して行ったジェノサイド。奴隷制度。何百人もの労働者が殺された労働運動への暴力的な弾圧、リンチ。ジム・クロウとジェーン・クロウ。ベトナム。イラク。アフガニスタン。リビア。

 私達が資金を提供し支援しているガザでの大虐殺は、この犯罪のパンテオンの中で重要な位置を占めるだろう。歴史は私たちのほとんどに優しくはないだろう。しかし、歴史はこの学生たちを祝福し、尊敬するだろう」と記事を締めくくっています。

■<米国内の大学で親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対学生運動が拡大(その4)>【4月27日、武蔵野美術大学有志が渋谷ハチ公前広場で「#NoTechForGenocide ジェノサイドに技術を売るな!デモとダイ・イン」による抗議活動! 日本でも親パレスチナ、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対運動が拡大か!?】

 4月27日、渋谷ハチ公前広場で「#NoTechForGenocide ジェノサイドに技術を売るな! デモとダイ・イン」抗議活動が、武蔵野美術大学有志によって行われました。

 『X』への投稿には「第1回目のダイ・イン」とあります。

 「FROM THE RIVER TO THE SEA!! PALESTINE WiLL BE FREE」

 「Genocide」

 「イスラエル国際法違反しってる!?」

 「NO TECH for GENOCIDE」

 「DEMAND GOOGLE CUT TIES WITH ISRAEL」「Googleはイスラエルと手を切れ」

 「虐殺に加担するな」

 「停戦」

 などの文字が読み取れます。

 参加者は、Google東京オフィス前で抗議のコールの声をあげました。

※安保関連法廃止・自由と良心 武蔵野美術大学有志@musabianpo(午後3:31・2024年4月27日)
https://twitter.com/musabianpo/status/1784108033163039009

 日本では、まだ大きく広がってはいませんが、パレスチナ支持、シオニスト・イスラエルによるジェノサイド反対運動は行われてきました。

 岩上安身がインタビューをした、板垣雄三教授、岡真理教授、早尾貴紀教授らも、精力的に講演会を行っておられます。

※対等な者同士の「ハマス・イスラエル戦争」ではない!「植民地主義とそれへの抵抗であるという基本的な視点が必要」~岩上安身によるインタビュー第1136回 ゲスト 東京大学名誉教授 板垣雄三氏 2023.11.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519527

※「イスラエルがどんな戦争犯罪、人道に対する罪を行っても一度も裁かれなかった。こういう国際社会の『伝統』がジェノサイドを可能にしている」!!~岩上安身によるインタビュー第1144回 ゲスト 早稲田大学文学学術院教授・京都大学名誉教授・岡真理氏 2024.2.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521515

※イスラエルがパレスチナ・ガザ地区に対して行なっているのは「民族浄化」! イスラエルによる「報復」でもなければ、ハマスとの戦争でもない!~岩上安身によるインタビュー第1138回 ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 2023.11.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519713

※ハミッド・ダバシ氏が指摘「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」!「ガザ攻撃における植民地主義の視点」~岩上安身によるインタビュー第1145回 ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 2024.2.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521575

 また、イスラエルと武器契約を交わしている企業への抗議活動などの街頭抗議活動も展開されています。

※伊藤忠アビエーションや日本エアークラフトサプライはエルビット・システムズ社との協力覚書の重みを自覚しているのか? ~1.15〈パレスチナ〉を生きる人々を想う学生若者有志の会「伊藤忠にパレスチナ虐殺への加担をやめるよう求めるオンライン署名2万筆の署名簿の提出と記者会見」 2024.1.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521020

※作家・松下新土氏「メインストリームの報道が本当にひどい。『サンクション(経済制裁)』のことに言及しないってことは、単に勇気がない。何も考えてないのと同じです」~12.7〈パレスチナ〉を生きる人々を想う学生若者有志の会「日本政府・市民・報道機関に働きかける記者会見」 2023.12.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520208

※「イスラエルの目的は民族浄化! パレスチナの人たちは避難を望んでいない! 今すぐ停戦して虐殺を止めなければ!」~11.17 Stop!Genocide Youth Action ― イスラエル大使館前 2023.11.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519780

 早稲田大学本部キャンパスには、英語の立て看板「DOES GENOCIDE HAPPEN SO YOU CAN DISCUSS IT IN CLASS? #CEASFIRENOW(ジェノサイドは起こるのか?教室で議論できますか?#CEASFIRENOW)」が置かれていました。

 ガザ地区への雇用提供に取り組んでいる、国際文化研究所所属の藤永香織氏は、『ハヤーティ・パレスチナ~夢をつなぐカフェ《復刻版》』の売り上げをガザに送金する運動を続けています。

 藤永氏は、2000年にパレスチナ人の男性と結婚し、ガザでカフェを開業しました。イスラエルへの出稼ぎに頼って生活している、多くのガザのパレスチナ人には、ガザで安定した「仕事」が必要だと考えたからでした。

 現在、藤永氏は日本で闘病中です。「復刻版」の序文で、藤永氏は以下のように述べています。

 「あれから20年。本書に登場した彼らのほとんどはもう、この世にいない。病死や自死で亡くなった娘達。行方不明や生死不明の息子達。兄も姉も弟も妹も、従兄弟たちも、親友も。『天井のない監獄』が着々と完成していったこの20年は、私たちにとって世界がぼろぼろと欠けていく日々だった。そしてとうとう、ガザで共に夢を繋いでくれた夫の心が壊れた」。

 藤永氏は「今はとにかく、彼らが爆撃下で生き延びるための支援が必要な状況だと思っている。『今』できることを。『今』必要なことを」と訴えています。

※藤永香織(2024)『ハヤーティ・パレスチナ~夢をつなぐカフェ《復刻版》』ヤスミン・ライブラリー(初版は2004年)
問い合わせ先:ヤスミン・ライブラリー
〒860-0002 福岡県福岡市早良区西新2-5-15 グランドシティ西新101

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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