日刊IWJガイド・特別公開版「日本は歴史的分水嶺を超えた!? 国民投票法改悪案が参院憲法審査会で可決! 与党政府は改憲による緊急事態条項導入へ! 抵抗の砦、IWJに緊急ご支援を!」2021.06.10号~No.3192号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~日本はついに歴史的な分水嶺を超えてしまったのか!? 国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決! 与党政府は改憲による緊急事態条項導入に向かってひた走る! 抵抗の砦、IWJにどうか緊急のご支援をお願いいたします!
■ついに、6月9日参院憲法審で国民投票法改悪案可決! メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」より、国民投票法「改悪」案がいかにひどい欠陥法案かをテーマにした「岩上安身による小西洋之参議院議員インタビュー」4本をすべて、IWJサイトで期間限定で特別公開! 改憲による緊急事態条項を止めるためにも、ぜひご一読を! お知り合いにも拡散してください! またこの機会にぜひ、まぐまぐでご購読の登録を! あるいはサポート会員に登録するとバックナンバーを含めてすべて読むことが可能です! サポート会員登録も、ぜひ、ご検討ください!
■5月は、月間目標額に到達いたしませんでしたが、多くの皆さまからのご寄付・カンパでIWJを支えていただきました! 本当にありがとうございます! 5月のご寄付者様に感謝のしるしとして、お名前を順次掲載させていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
■【中継番組表】
■国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決!
■<インタビュー報告>6月9日、国民投票「改悪」案が参議院憲法審査会を賛成多数で可決!日本はついに歴史的な分水嶺を乗り越えてしまったのか!? 与党政府は改憲による緊急事態条項導入に向かってひた走る! 岩上安身による共産党・山添拓議員への6月9日当日のインタビュー!
■<再配信告知>【シオニズムはキリスト教徒が生んだ!ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの理解なくして米国の異様なイスラエル偏愛は理解できない!世界の近現代史最大の謎を解く!緊急シリーズ特集 4】本日午後8時から2019年11月26日収録「トランプ政権によるイスラエルのパレスチナ入植「合法化」!? は大統領選へ向けたシオニストへのアピール!? ~岩上安身によるインタビュー 第971回 ゲスト 『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏<エッセンス版>」を再配信します!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■はじめに~日本はついに歴史的な分水嶺を超えてしまったのか!? 国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決! 与党政府は改憲による緊急事態条項導入に向かってひた走る! 抵抗の砦、日本の民主主義の最後の砦、IWJにどうか緊急のご支援をお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日2021年6月9日、国民投票法「改悪案」が、参議院憲法審査会で賛成多数により可決されました。

 この日は、日本国民にとって、運命の別れ道となる日、あるいは後戻りのできない「分水嶺」を超えてしまった日として、歴史に刻まれるかもしれません。

 なぜなら、国民投票法改悪案の成立によって、独裁条項である「緊急事態条項」を含む憲法改悪、そして戦争へと向かう道が開かれるからです。

 参議院憲法審査会での審議の詳細については、後段の記事「国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決!」でお伝えしています。

 また、憲法審査会の直後、岩上安身は、まさにその憲法審査会で、国民投票法の改悪阻止のために活発に発言した、共産党の山添拓議員にインタビューを行いました。インタビューの模様は、後段の<インタビュー報告>でご紹介しています。なお、可決された国民投票法改正案に反対したのは、共産党だけでした。

 このあと、国民投票法は、おそらく6月11日に参議院本会議での採決を経て成立すると見られています。

 そうなれば、与党などの改憲勢力が、憲法改正の発議、国民投票実施、そして万能の独裁条項たる緊急事態条項を含む、改憲への道をひた走ろうとするのは、火を見るより明らかです。

 それは、米中の覇権争いの中で、自衛隊を米軍の二軍としながら、米国のための対中国戦争に利用され、突入させられる事態へと導くものです。

 しかし、そうさせないための「ラストチャンス」は、国民に残されています。

 詳しくは、後段の記事でお伝えしていますが、菅政権の任期である9月末までに、必ずあるはずの衆議院選挙で、改憲派の議員を落選させ、その議席を3分の2未満にすることです。

 このことによって、緊急事態条項の導入を、ひとまず阻止できるのです。

 ぜひ本日の日刊IWJガイドの記事を、御覧になってください。

 IWJの期末となる7月末まで、あと2ヶ月弱。IWJはなんとか来期も存続し、よそでは読めない、IWJでしか観られない独自コンテンツを皆さまにお届けしたいと願っておりますので、どうかご寄付・カンパでのご支援や、まだ会員登録をされていない方は、会員登録をよろしくお願い申し上げます。

 なお、5月の最終的なご寄付・カンパの集計が確定しましたが、148件、250万9300円でした。この金額は、5月以降の新たな月間目標額である467万5000円に対して53.7%にとどまっています。不足金額は216万5700円にのぼります!!

 今期、目標額に対して5月末までに累積した不足額は、766万700円です。これはご寄付の目標額に対する不足額です。

 6月は1日から8日まで間に47件、74万9000円のご寄付・カンパを頂戴しました。誠にありがとうございます。しかしながら、この金額は月刊目標額826万7150円の16%であり、このままでは6月もさらに累積不足額を増やしてしまうことになります!

 さらに、会員の減少による会費の減少も加わり、IWJの財政は大きく悪化しています。

 会費収入については、コロナ禍による会員の減少に伴い、前期比20%減となっています。

 前期の会費収入は8322万円でしたが、今期の予想はマイナス1672万円の6650万円になるだろうと予測しています。これは、あくまで現状で会員数が下げ止まり、維持されると仮定した予測です。会員数がさらに減れば、もっと状況は厳しくなってしまいます。

 このままでは、7月末の期末は大幅な赤字に転落して迎えることになってしまいます。それは即ち、IWJが存続の危機に直面することを意味します。

 IWJの活動にご期待、ご賛同いただける方は、ぜひ緊急のご支援をお願いいたします! 1人でも多くの方々からご支援いただき、1歩でも2歩でも目標額に近づきたいと願っています! 少額でもけっこうですので、ご寄付・カンパをぜひよろしくお願いいたします。

 そして、まだ会員ではない方は、この機会にぜひご登録を! 会員登録はしたけれど会費未納で休眠状態という方は、ぜひ再開して、会費をお納めいただき、会員としてIWJをお支えください。

 赤字が重なれば、これまでのようにIWJを存続させ、何ものにも忖度しない、権力にもスポンサーにもこびない、独立したジャーナリズム活動を貫き続けていくことは困難になってしまいます。

 現在、IWJ代表の岩上安身は自身の報酬を100%カットし、今期末まで「ただ働き」のまま、「手弁当」どころか「持ち出し」で、日々の激務に取り組んでいます。しかし、岩上安身個人にしわ寄せをする「異常」な状況が続いては、この先、IWJが存続し、活動し続けることはできません。

 IWJは、岩上安身個人からこれまで993万5000円借り入れており、まったく返済できてはおりません。

 他方、岩上安身が、IWJの危機に直面しても、これ以上私財を投入できないのは、すでに1000万円近い金額をIWJに貸しているからです。

 しかもIWJから報酬を得ることなく「ただ働き」で働き続けているので、貯金は増えることなく、日々減り続けており、これ以上IWJに私財を投じれば、貯金が本当に底を尽いてしまうからです。

 つまり、岩上安身が「無報酬」を余儀なくされるような「異常」な状態が続くと、岩上安身がつなぎ資金を貸すこともできなくなり、IWJは行き詰ってしまうのです。

 多くの方々からご寄付・カンパをいただきましたが、今年に入ってから、現状、ご寄付すべてIWJの運営費にあてており、岩上安身への返済には1円も回しておりません。

 岩上安身も一人の人間であり、生活者であり、扶養しなければならない家族もいます。老後の貯えを削ることにも限界があります。

 今期、IWJが赤字転落した場合、岩上安身がこれ以上個人でIWJを支えるのは不可能です。

 前述の通り、IWJが特定のスポンサーや権力に対して、顔色をうかがうことなく、独立した自由な報道と言論をこれまで展開できてきたのは、市民の皆さまのご支援があってのことです。

 私たちは、ご寄付や会費という形で、市民の皆さまから託された期待に対し、権力にこびず、忖度しない、特定スポンサーに買収されない独立メディアとして使命を果たしたいと思っています。

 政府は国民に対してろくに説明せず、マスコミも正面切ってまともに伝えようとしませんが、日本は今、急激な勢いで、戦争への道をひた走りつつあります。

 日本を破滅へと導く、改憲による緊急事態条項の導入を与党が急ぐのも、防衛省が隣国に届く、「差し違え」ミサイルを配備しようとしているのも、「重要土地調査規制法案」の可決を急ぐのも、すべて戦争準備のためです。その後に起こるのは、米中が覇権をかけて戦う戦争において、日本が「捨て駒」としていいように使われ、戦場とされてしまう事態です。

 IWJは、他のメディアが沈黙を続けても、断固として沈黙せず、タブーを破り、近づく戦争の危機について警鐘を鳴らし続けます!

 改憲による緊急事態条項によって、自滅に至る戦争への突入を阻止すべく、徹底的に戦い抜くためには、IWJの姿勢に共感し、IWJを支えてくださる市民の皆さまのご支援、ご協力が、どうしても必要です!

 現状は財政的に大変厳しくなっています! どうぞ、今月6月と今期末の7月末まで、大幅な赤字に陥らないよう、ぜひ、ご支援、応援をよろしくお願いいたします!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※ご寄付・カンパは「note」のページからでも可能です。「note」内でお読みになりたい記事をクリックしますと、「記事を購入する」欄の下部に「気に入ったらサポート」という緑のアイコンがありますので、そちらをクリックしますと、ご寄付・カンパ欄が表示されますのでそちらからお願いいたします。

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。よろしくおねがいします。(クレジットカードの場合は、上記URLからお入りください)

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJが、権力の腐敗と、独裁と、亡国に至る無謀な戦争に対し、抵抗し続けてゆくためには、皆さまからのご寄付・カンパとともに、会員の方々の会費収入がとても重要になってきます。

 ぜひ、皆さま、会員になって支えてくださるよう、お願いいたします! また、お知り合いの方にぜひIWJの存在や活動について、口コミやSNSを通じて、広めていただき、会員となって支えてくださるようにお伝え願います! どうぞご協力をお願いいたします。

 一般会員にご登録いただくと、中継で見逃してしまったIWJの動画コンテンツを2ヶ月間、アーカイブでお好きな時に御覧いただけます! 入会金は無料。会費は月々1100円ですが、1年分まとめてお支払いいただければ1万1000円と2ヶ月分お得になっています!

 そして、現在一般会員でいらっしゃる方はぜひサポート会員へのお切り替えをご検討ください! サポート会員の方は、過去のインタビューも含めすべてのIWJのコンテンツをいつでも御覧いただけます。

 さらに、サポート会員にご登録いただくと、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をすべて無料で閲覧することができます。「岩上安身のIWJ特報!」は、岩上安身によるインタビューを文字起こしし、詳細な注釈をつけたメルマガです。インタビュー動画を見る時間をなかなか取れない、インタビュー動画の内容をもっと詳しく知りたいという方には特におすすめです。

 5月31日時点の会員数は3761人、このうちサポート会員の方は1304人です。

 サポート会員へ移行してくださる方が増えれば、IWJの活動は今よりもずっと安定したものになります。サポート会員の人数が4000名に達すれば、それだけでご寄付やカンパをいただかなくても、活動資金をまかなえることになります!

 どうか、ぜひサポート会員になってIWJの活動をお支えいただけますよう、ご検討ください!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※noteの記事からサポート(ご寄付)していただけるようになりました。

noteに会員登録し、IWJ記事の「気に入ったらサポート」からお手続きをお願いします。
https://note.com/iwjnote

 IWJでは、月払いをお選びいただいた会員の方の会費納入期限を、毎月15日に設定させていただいています。そのため、15日を過ぎた段階で、会費をお納めいただけなかった方に対し、やむをえず、会員の資格を一時停止する手続きを取らせていただいています。

 会員の皆さま、一部、会費を納め忘れている方がいらっしゃいます! ぜひ、急ぎお納めいただき、有効会員として「復活」してください!

 現在、会費未納等でいったん休眠会員となられている方も、 会員番号はすべて保存してありますので、会費をご納付いただければ、着金が確認され次第、いつでも再開できます! ぜひ、再開をお願いいたします!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

■ついに、6月9日参院憲法審で国民投票法改悪案可決! メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」より、国民投票法「改悪」案がいかにひどい欠陥法案かをテーマにした「岩上安身による小西洋之参議院議員インタビュー」4本をすべて、IWJサイトで期間限定で特別公開! 改憲による緊急事態条項を止めるためにも、ぜひご一読を! お知り合いにも拡散してください! またこの機会にぜひ、まぐまぐでご購読の登録を! あるいはサポート会員に登録するとバックナンバーを含めてすべて読むことが可能です! サポート会員登録も、ぜひ、ご検討ください!

 冒頭で記した通り、昨日6月9日、ついに、国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決されました。与党は6月16日の国会会期末までに参議院本会での可決・成立をめざしています。おそらくは6月11日が本会議での可決の日となると思われます。

 この法案は、単なる憲法改正の手続きを定めた法案ではありません。改憲と一体です。そもそも、この法案は、現行憲法に憎しみの感情さえ抱く安倍晋三前総理の政権から出てきたもので、国民の必要の声に押されて出てきた法案ではありません。

 米国に従属することで日本国内での支配的な地位を確保しようとする政官財の「売国奴」的な集団が、中国と覇権争奪の戦いに臨む米国の戦略に忠実に従い、憲法に「緊急事態条項」を忍ばせ、主権在民・基本的人権の尊重・平和主義という日本の民主主義体制の骨格を破壊し、中国との戦争の「捨て駒」として日本まるごとを差し出すために戦時独裁体制を築こうとするものです。

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をフルテキスト化し、詳細な注釈をつけて、「岩上安身のIWJ特報!」として毎月発行しています。

 「岩上安身のIWJ特報!」では、今年4月22日に行われた「岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー」から、国民投票法改悪についてうかがった部分を抜粋して、5月31日に第516号(その1)を、そして6月6日に第517号(その2)から第519号(その4)までを発行しました。

 この国民投票法改悪の動きがいかに危険なものであるかを指摘した、上記の「岩上安身のIWJ特報!」の4本の記事を、緊急性と公共性に鑑み、IWJのサイトで期間限定で特別公開しています。

 今国会が続いているうちに、なるべく多くの方々に読んでもらい、世間に周知する必要があるからです。ぜひこの機会に、この計4本の小西議員インタビューを御覧ください!

※【第516号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾(その1) 2021.6.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492700

※【第517号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾(その2)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492877

※【第518号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾(その3)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492891

※【第519号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾(その4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492910

 新聞・テレビが一体となったマスコミは、民放連が自主規制をせず、無制限に改憲CMを受け入れる方針のため、「改憲CMビジネス」で大儲けできる見込みがあり、テレビ局とそれぞれ一対となった大手新聞も含め、この国民投票法「改悪」案について、批判的に検証し、報じることは、まずありません!

 大新聞・地上波のテレビ局など、マスコミが頼りにならない今こそ、独立メディアであるIWJが、声を枯らして世にこの問題の先行きの危うさを伝えるべく、今回、有料メルマガを特別公開する次第です! ぜひ、多くの人に拡散してお知らせくださるよう、ご協力をお願いします!

 「目の前の危機(コロナ禍)から国民を守らない与党が、緊急事態のために改憲が必要だと言う。じゃあ、緊急事態条項で、内閣に特別な権限を与えて、何かできるんですか!?」

 岩上安身によるインタビューで、小西議員は上記のように、有効な対策が打てずに新型コロナウイルスの感染を抑えられないような無能な政権が、あろうことかコロナ禍を利用して、憲法改正に有利なように、今国会で国民投票法を改正しようとすることに強い危機感を示しました。

 5月3日、菅総理は改憲派の憲法集会に送ったビデオメッセージで「新型コロナ対応で緊急事態への備えに関心が高まっている」と述べ、緊急事態条項の新設を訴え、国民投票法改正案を「憲法改正議論を進める最初の一歩」と強調しました。

 これは、国民がコロナで苦しんでいる、その窮状を悪用し、「特措法の緊急事態宣言」と「改憲による緊急事態条項」はまったく別物なのに、その差異をろくに国民に説明することなく、あたかも改憲による緊急事態条項の導入が、コロナ禍克服の決め手になるかのような虚偽のプロパガンダを展開して、国民を騙し討ちにしようとするものです。こんな卑劣な話はありません!

 岩上安身によるインタビューで小西議員は「現状、国民投票法のCM規制は空っぽで、多額の資金を用意できる個人や団体が、メディアに改憲賛成CMを流すことを規制できない。外国の資金でCMを作ることも可能だ。国民の皆さんが冷静な判断ができなくなる。今のままで国民投票、憲法改正をやるとめちゃくちゃになる」と強い懸念を表明しました。

 さらに小西議員は衆参ともに改憲派議員が3分の2を超える現状を説明し「国民投票法を改正したら、いつでも憲法改正できるようになる」と、この法案が可決されてしまったあとの危険性の大きさを訴えました。

 小西議員は「衆議院選挙と改憲(国民投票)、ダブル選挙もできる。衆議院でもう1回、3分の2を取られたら、来年の参院選で国民投票と、ダブル選挙だってできる」と述べ、「これは本当、目の前の危機ですよ!」と強調しました。

 ぜひ、「まぐまぐ」にご登録の上、「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください!

※「岩上安身のIWJ特報!」ご購読はこちらから(月額税込880円、初月無料)
http://www.mag2.com/m/0001334810.html

 また、IWJのサイトでは、サポート会員の方に「岩上安身のIWJ特報!」のバックナンバーを公開しています。サポート会員に登録すると岩上安身インタビューなどすべての記事を無制限で御覧いただけます。

※シリーズ:IWJ特報
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/series/iwj-dispatch

 ぜひ、サポート会員登録してご利用ください!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビューは、以下のURLから全編動画を御覧いただけます。こちらもぜひ、あわせて御覧ください。

※日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策!「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! ~岩上安身によるインタビュー 第1038回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491229

※5月6日の連休明けにコロナ禍のドサクサに紛れて国民投票法改悪案が衆議院で可決!? 日本は「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 「不要不急」の改憲の目的はナチスばりの戦時独裁体制の樹立!~岩上安身によるインタビュー 第1039回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491497

※国民投票法「改悪」案、5月6日にも衆院採決か!?  国民投票法の次はナチスばりの緊急事態条項を含む自民党改憲へなだれ込むリスクが! 「不要不急」の改憲の目的はナチスばりの戦時独裁体制の樹立!~岩上安身によるインタビュー 第1040回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491635

■5月は、月間目標額に到達いたしませんでしたが、多くの皆さまからのご寄付・カンパでIWJを支えていただきました! 本当にありがとうございます! 5月のご寄付者様に感謝のしるしとして、お名前を順次掲載させていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 残念ながら、ご寄付・カンパの月間目標額には到達しませんでしたが、IWJは5月もたくさんの方々に支えていただきました! IWJは市民の皆さまに支えていただいていることが誇りであり、励みです。皆さまそれぞれの想いの託されたこのお金を大切に使わせていただきます。

 5月にご寄付をいただいた方の中で、掲載許可をいただいた61件のご寄付者様のお名前を、感謝のしるしとして順次掲載させていただきます。

——–

藤林弘資 様
T.O. 様
岡崎佳子 様
K.Y. 様
深尾葉子 様
HUMIYA MORITA 様
宮崎照実 様
炭谷克己 様
平野ゆう子 様
菊地 様
M.K. 様
小田嶋義美 様
松浦 克 様
下山田作實 様
T.M. 様
松本 進一 様
塩川 晃平 様
T.I. 様
細井直子 様
T.I. 様

——–

 皆さま、誠にありがとうございました! お名前は、IWJのホームページにも掲載させていただき、感謝のしるしとさせていただきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2021.6.10 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch4】14:00~「第18回『ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム』ヒアリング ―内容:ワクチン接種体制などについて、千葉県船橋市 松戸徹市長より(Zoom参加)、ワクチン接種の進捗状況などについて、厚生労働省、総務省、内閣官房(コロナ対策室、オリパラ事務局)より」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 第18回「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」ヒアリングを中継します。これまでIWJが報じてきたワクチン関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3
————————

【IWJ・Ch5】16:00~「6.10『重要土地調査規制法案』の廃案を!院内集会 ―登壇:海渡雄一弁護士、飯島滋明氏(名古屋学院大学教授)、各野党国会議員ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の院内集会を中継します。これまでIWJが報じてきた重要土地調査規制法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%87%8d%e8%a6%81%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e8%a6%8f%e5%88%b6%e6%b3%95
————————

【シオニズムはキリスト教徒が生んだ!ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの理解なくして米国の異様なイスラエル偏愛は理解できない!世界の近現代史最大の謎を解く!緊急シリーズ特集 4・IWJ_YouTube Live】20:00~「トランプ政権によるイスラエルのパレスチナ入植『合法化』!? は大統領選へ向けたシオニストへのアピール!? ~岩上安身によるインタビュー 第971回 ゲスト 『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏 <エッセンス版>」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2019年11月に収録した、岩上安身による役重善洋氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきたシオニズム関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/zionism

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/462056

========

◆中継番組表◆

**2021.6.11 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】11:00~「日本外国特派委員協会主催 枝野幸男氏(立憲民主党代表)記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本外国特派委員協会(FCCJ)」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた枝野幸男氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9e%9d%e9%87%8e%e5%b9%b8%e7%94%b7
————————

【IWJ・エリアCh5・東京】18:10~「原発反対八王子行動(スタンディング)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
————————

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 31・IWJ_YouTube Live】20:00~「4人の参考人がいずれも、さらなる議論が必要だと認めた! 共産党山添拓議員は『このまま国民投票法を発議する、それ自体が憲法違反だ』と訴え!~6・2改憲手続法の参議院憲法審査会 参考人質疑 報告集会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 6月2日に収録した、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、「9条改憲NO!全国市民アクション」主催の集会を再配信します。これまでIWJが報じてきた国民投票法改正関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%9b%bd%e6%b0%91%e6%8a%95%e7%a5%a8%e6%b3%95%e6%94%b9%e6%ad%a3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492732

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日アップした記事はこちらです◆

「重要土地調査規制法案」は地域版の「治安維持法」あるいは戦中・戦前の「要塞地帯法」の再来か! 立法理由がない上に、対象範囲も無制限!~6.7 重要土地調査法案反対!「6日行動」/国会前行動
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492866

イスラエル建国時の隠された暴力=ナクバ(大災厄)から73年!ガザ攻撃から見えてきたイスラエル政治の混迷と中東諸国をめぐる国際情勢の大変動!~岩上安身によるインタビュー 第1042回 ゲスト 放送大学 高橋和夫名誉教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492760

この厳しい状況で、みなさまには、IWJをご支援いただき、まことにありがとうございます。取材・報道活動にお力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げるとともに、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告(2021年5月)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/48909

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

丸川珠代五輪相がIWJの質問に狼狽!? わざわざ質問を遮り、「現時点で明確に参加や不参加を表明している国・地域がない」という指摘に対して「母数は?」とトンチンカンな反応!~6.8丸川珠代 東京オリンピック・パラリンピック大臣定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492954

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■国民投票法改悪案が参議院憲法審査会で可決!

 ついに、国民投票法改悪案が、原案のまま、参議院憲法審査会で賛成多数で可決されました。昨日、2021年6月9日は、日本にとって、運命の別れ道となる、分水嶺を越えた日として歴史に刻まれることになるかもしれません。

 憲法12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」が、まさに掛け値なしで国民、一人一人に問われる時代になりました。その意味で、昨日の参議院憲法審査会での国民投票法改悪案の可決は時代を画するものでした。

 昨日の参議院憲法審査会で、理が通った議論を行ったのは、立憲民主党の小西洋之議員と共産党の山添拓議員でした。

 最初に、小西議員が問題にしたのは、国民投票法における公平公正性の問題です。具体的には、国民投票法改正案付則4条2項のCM規制等の問題です。言い換えれば、民放連のCM自主規制の態度変更とその対応についてです。

 民放連(日本民間放送連盟)は、「表現の自由」と「公平公正な国民投票」との間で、2007年の国民投票法制定時には、CMの自主規制を行うと言っておきながら、2019年の5月9日の衆議院憲法審査会で、参考人招致された民放連の永原伸専務理事、田嶋炎番組・著作権部長らは、国民投票CMの量的規制について法的規制に反対する考えを示したうえで自主規制しない意向を示したのです。

 この態度変更に関して、小西議員は、民放連がCM自主規制をしないのなら、主権在民の原理から導かれる公平公正な国民投票を確保するために、ネットCMや外国資金規制も含めて、法改正で対応すべきだと主張します。

 小西議員「発議者の中谷議員にお尋ねしますが、CM規制を法改正で対応しなければ、国民投票法は発議できないとお考えですか」

 中谷元議員「以前の議論では、国民投票運動期間中のCM規制については民放連が量的自主規制を行うことが前提でありました。しかし、最近になって民放連は量的な自主規制はやらないとして、制定当時の見解を覆した結果、国民投票運動の自由と公正のバランスが崩れたと思います。このバランスを回復させるために個人的には法改正が必要ではないかと考えています」

 国民投票法制定時の10年前とはインターネットの登場など、投票環境が変わり、法改正によって、公平公正な国民投票を確保すべきという点では、自民党議員であり、元防衛大臣でもある、発議者の中谷元議員も、意見の一致を見ています。ところが改憲発議の問題になると、まったく態度が変わるのです。

 小西議員「CM規制の法改正がなければ公正公平は確保できないのですから、法改正がなければ、改憲発議するべきではないとお考えでしょうか」

 中谷議員「必要であるという考え方と必要でないという考え方が両方あります。この時点では、確定的には申し上げられません。附則の4条2項にもとづいて今後政党間で真摯な議論が必要だと思います」

 このように、論理が破綻した議論が平然と行われているのです。

 こうした論理破綻に対して小西議員は「私も11年間国会議員をしていますが、発議者によって解釈が異なる条文を審議するのは初めてです。正直、採決していいんですかね、この法案」と述べています。

 小西議員は、立憲主義の定義についても、発議者の中谷元議員を問いただしています。

 立憲主義の定義について聞かれた中谷議員は、「近代立憲主義とは権力を分立して基本的人権を尊重する考え方」と答えています。これに対して、小西議員は、「それは憲法の教科書とは違う」と述べて、「国家権力を制限することで基本的人権を尊重する考え方」と述べています。
  
 小西議員は、「三権分立による基本的人権の尊重」と「国家権力の制限による基本的人権の尊重」は、「権力間の関係の問題」と「権力と国民の関係の問題」という大きな違いがあるとします。国民に対する国家権力の行使制限の側面に光が当たらないからです。

 小西議員は「立憲主義の考え方が異なるのに、憲法の議論をする資格はない」と述べています。

 他方、共産党の山添拓議員は、現行憲法について、次のように述べました。

 「国民は現行憲法を75年に渡って受け入れてきた。これは動かしがたい事実だと思います。(中略)世論が改憲を求めていないということは皆さん(安倍前総理、菅総理も含めて)認めています。それは今の憲法がそれだけ国民に根づいている証しだと思います」

 山添議員は、国民投票法改悪案に反対する理由として次のように述べました。

 「第一に、本法案は安倍前首相が2020年改憲を主張して、国会に改憲論議を煽り、憲法審査会を開く呼び水として提出したものだからです。(中略)しかし、安保法制、戦争法の強行を始め、憲法破壊を繰り返す安倍政権の下で、安倍改憲に反対する世論が大きく広がり、安倍氏の思惑どおりには進みませんでした。

 にもかかわらず、菅首相が本法案について、改憲論議を進める最初の一歩と述べ、安倍改憲を引き続き進めようとしていることは重大です。改憲は政治の優先課題として求められていません。それは安倍首相が退陣に当たって『改憲の国民的世論が盛り上がらなかった』と述べたことに端的に現れています」

 このような理性的な批判が、ふたりの野党議員から出ているにもかかわらず、自民・公明両党と立憲民主党などの賛成多数で可決されてしまったのです。

 とりわけ、立憲民主党の党としての責任は重い、と言わざるを得ません。

 今後、国民投票法は6月11日、参議院本会議で可決されてしまう可能性が大です。そうなれば、改憲発議、そして「緊急事態条項」の導入へは一直線となる恐れはきわめて高いと言わざるを得ません。

 では、我々一般市民は、今後予想される改憲発議、そして「緊急事態条項」の導入を、どうやって阻止すればいいのでしょうか!?

 菅政権の任期は9月末、それまでに必ず選挙があります。

 ですから、衆議院選挙で、改憲派議員を落選させ、改憲派(自民・公明・維新・国民民主の一部)の議席を3分の2未満にすることが、国民に求められる、最後の「ラストチャンス」になります。

 改憲の最低条件「3分の2」は310議席です。改憲を進める与党は自民党278議席と公明党29議席で307議席。野党の改憲派・日本維新の会11議席を加え、現在、合計318議席で3分の2を超えています。さらに無所属(10議席)でも改憲の必要性を主張する議員がいます。

 彼らを何としても当選させず、「3分の2」以下に抑えなければなりません。それが「ラストチャンス」です!

 岩上安身は、6月9日の山添拓議員へのインタビューの最後で、「現実に目の前に迫っている構図は、米中の覇権の争いで、地理的にど真ん中にいる日本が、その『捨て駒』にされるという本当に現実的な脅威が迫っている」「戦後、はじめて本当に日本が現実的な戦争、自国にミサイルが降ってくる、あるいは爆弾が降ってくるという事態が、初めて現実化しそうな状態にある」と、改めて警鐘を鳴らしました。

 その事態を何としても避けるために、衆議院選挙で改憲派議員を落選させ、勝つしかないということなのです。

■<インタビュー報告>6月9日、国民投票「改悪」案が参議院憲法審査会を賛成多数で可決!日本はついに歴史的な分水嶺を乗り越えてしまったのか!? 与党政府は改憲による緊急事態条項導入に向かってひた走る! 岩上安身による共産党・山添拓議員への6月9日当日のインタビュー!

 6月9日、国民投票法「改悪」案が、参議院憲法審査会が賛成多数で可決しました。このあと、おそらくは6月11日に参議院本会議での採決を経て成立する見通しとなりました。この国民投票法「改悪」案は、安倍・菅政権が進めてきた憲法改正への「呼び水」に他なりません。これまで解釈改憲を積み重ねてきた安倍・菅政権がいよいよ明文改憲に踏み込んでいきます。

 問題は、そこに内閣が全権を握る万能の独裁条項たる緊急事態条項が含まれていることです。この条項が憲法に書き込まれ、実際に発令されたら最後、日本の民主主義、国民主権は失われ、戦時独裁体制に突入していくことになります。

 岩上安身は、参議院憲法審査会の幹事であり、インタビュー2時間前の午後3時半まで審査会に望んでいた山添拓議員に、国民投票法改正案の論点、そしてこれからやってくる改憲への日程、安倍・菅政権が目論む、米国に隷従して、自衛隊を米軍の二軍として垂直統括し、米国の国益のための対中国戦争へ「捨て駒」として利用される事態を、どうやって阻止したらいいのか、お話をうかがいました。

 インタビュー冒頭、岩上安身は「今日が歴史の分水嶺になるかもしれない」と切り出しました。

岩上安身「皆さん、こんにちは。ジャーナリスト岩上安身です。本日6月9日は後で振り返って日本の歴史の分水嶺と記憶されるかもしれません。参議院の憲法審査会で国民投票法『改悪』案、可決されてしまいました。大変な問題です。

 この憲法審査会に幹事として出席されて現場に出られていた日本共産党・山添参議院議員に緊急インタビューということで、ゲストにお迎えいたしました。お話をうかがって参りたいと思います」

 採決は、国民投票法改正案(衆議院で修正されたもの)原案と、日本維新の会が提出した修正案の2件について行われ、原案は、与党である自民党・公明党と、立憲民主党、国民民主党などの賛成多数で可決されました。反対は共産党だけでした。

 日本維新の会が提出した修正案は、日本維新の会のみの賛成少数で否決されました。この修正案は、附則4条について議論をしながら同時進行で改憲論議を進め、改憲発議もできるようにするというものでした。

 附則4条の扱いには、改憲CMの規制(附則4条2項)などについて審議が尽くされない現状では、改憲の論議や発議はできないとするか、現状でも発議はできるとするかで議論が分かれています。与党自公、日本維新の会などの改憲勢力は「改憲発議はできる」とする立場で、立憲民主党、共産党は「発議はできない」とする立場です。国民民主党は立場を明言していません。

 岩上は山添議員に「これは(共産党を除く他の野党は)反対しきれなかったということでしょうか」と問いました。山添議員は大勢は5月の連休中に決まっていたと答えました。

山添議員「衆議院で5月6日に可決したと。その際に連休中に与野党間の修正協議が行われて修正が整ったということで、一気に採決になだれ込んだわけですね。その時点で、与野党の国対委員長の間で、この国会での成立ということが合意されていたと。

 そういう意味ではこの国会の中でやってくるだろうということが懸念されてきたけど、他の野党の皆さんも含めて、法案の問題点を浮き彫りにしながらも、しかし政治上の日程としては、今日のような事態になったと思うんです」

 山添議員は憲法審査会の幹事メンバーです。山添議員は、実は「今日の審査会がはじまる前の幹事会では、採決は提案されてなかった」、「しかし、審議が終わった後に採決することが決まった」と明かしました。結局原案に反対したのは、共産党だけです。

岩上「立民は(原案)賛成ですが、しかし、附則4条2項についてはこちら側にいるというか、共産党と足を並べているといます。ここが重要なところだと思うんですが、この点ご説明いただけますでしょうか」

山添議員「(衆議院の修正で盛り込まれた附則の4条2項は)、とりわけ広告規制、CM規制やインターネットの規制、あるいは資金の規制。つまり、財力によって表現が左右される、どこまで広告ができるかが左右されるという事態は、そのままにしておいてはいけないのではないかと。今後3年間かけて検討するというものです。

 それをもって立憲民主党の皆さんなどが議論をする中で、そういう条項を設けたからには、まずそのCM規制などの議論が先行するべきなのであって、その間は改憲の発議はできないわけですから、やったらまずいとわかっていて、そういう附則をいれるわけですから、そっちが先行するべきだという認識で議論されてきたものだと思います。

 附則4条2項を踏まえて議論をしてきたんですけれども、共産党としては附則の4条2項があってもなくても、今、改憲の論議をする、発議をするという状況にはないということを太い線では打ち出してきました。

 何より国民の多くが改憲を求めていない。今、やらなければならないのはコロナ対策ですよね。政治が行うべきはコロナ対策に集中することであって、改憲を進める必要はないと。

 この欠陥だらけの、重大な欠陥を抱えている国民投票法のもとで改憲の発議をするなどということはあってはならないと主張してきました」

 山添議員は憲法審査会の場で、「現行憲法が国民に広く根付いていることは動かしがたい事実だ」とし、「安倍・菅総理が、国会に改憲議論を煽ってきたことは憲法違反だ」と指摘しています。

山添議員「安倍首相も、それを引き継いだ菅首相も、総理という行政府の長の立場にありながら、国会の議論を求めてきたわけですが、これは、ひとつは首相に課される憲法尊重擁護義務、憲法99条との関係で問題がある、と。

 ※第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 もうひとつは三権分立との関係で、行政府が立法府に対して色々とこういう議論をしろと煽ること自体が越権行為だということで、憲法違反だという主張をしてきました」

岩上「(安倍前総理は)NHKに出て「みっともない憲法」だと言った。そういうことを言うことも、それを放送することも全部含めて憲法違反ではないかと思います。でもそうやって世論を煽ってきたということがありますね」

 6月2日に行われた参考人の意見聴取で、福田護参考人が憲法96条違反だと指摘した論点についてもお話をうかがいました。

山添議員「もし国民投票が行われることになれば、賛成派であれ反対派であれ、その意見を表明する自由は当然あるわけです。

 ところが、お金のある人は有名人を使ってCMでバンバン広告を打つと。そうでない人は影響力が少ない広告手段しか持たないとなると、これは意見表明の手段としてフェアではない、と。一定の規制を設けて、お金がなくても意見表明ができるよう、公費で表現活動を支える制度が必要だという主張でした。

 もうひとつの最低投票率は、これはイメージしやすいものですが、投票率がすごく低い中で、僅差で改憲するということになれば、多くの国民が選んで改憲するということにならないだろう、と。(中略)

 そういう欠陥を残したままで発議をすることになれば、改憲の正当性が失われる」

 山添議員は、公正公平な投票にならない根本的な欠陥をもった国民投票法であり、今通すべき法案ではないと批判しました。

岩上「(与党の参考人が6月2日の憲法審査会の場で『熟議されていない』と発言したことは)非常に重要なところです。与党の参考人も含めて4人の参考人は誰も、これでOKだとは言わなかった。それを受けて、今日は考え直す日だったのではないかと思うんですが、採決してしまった。安保法制の時のようですね」

山添議員「(発議者の一人である自民党の)中谷(元)議員などは、CM規制について、『法改正が必要だと個人的には思っている』という答弁をされていました。つまり、このままの法案ではダメだと発議者自身が思っておられるわけです。(中略)

 こういう欠陥を抱えた法律の下で改憲の論議や発議をするなどということは許されるものではないと思います」

岩上「安倍・菅政権がやってきた乱暴な憲法破壊の他の事象と、国民投票法は、一つ一つ独立しているように人々は感じてしまいがちなんですけれども、一緒のカテゴリーなんだよと言えば、事の重大性がわかってくるかなと思うんです。

 集団的自衛権の行使容認の閣議決定の末に安保法制、戦争法を強行し、秘密保護法、共謀罪などなどの違憲立法を推し進め、日本学術会議への人事介入も、同時並行でやると。

 あと、今、まさに参院で議論されている重要土地利用規制法案、山添さんもいろいろ発言されていますが(中略)、これは戦前の要塞地帯法の拡大再現版だと海渡弁護士は指摘されていますよね。

 みんなこれ、一緒ということです。向かっているベクトルが『アメリカとともに戦争する』、しかも『隣国と戦争する』と言う話、そっちの方向に向かっているということを示唆されていると思うんですけど、一言お願いします」

山添議員「5月3日の憲法記念日に、菅首相は、『国民投票法改正法案は改憲論議を進める最初の一歩だ』と言った。安倍首相ばりに改憲を煽る姿勢を崩していない。実際の改憲は政治的な地力のバランスもありますが、菅首相が考えているということが重大ですね。セットのものだと考えていると。

 安倍菅政権は解釈で憲法を破壊し、違憲立法を重ねてきたわけですよね。集団的自衛権の行使を解釈改憲で容認し、それで安保法制を作ったわけですが、いろんなことが起こってくると、いよいよ憲法9条との乖離が激しくなってくると。

 解釈改憲でなんとか憲法を壊して、『戦争する国づくり』を進めようとしてきたわけですけれども、それではもうどうしてもごまかしがきかなくなってきているんだと思うんです。

 ですからまっさきに自衛隊の明記という形ですけれども、9条を変えて正面から『戦争する国づくり』を進めていこうと、そういうことでの今の一連の動きだと見るべきだと思うんです」

 話は重要土地利用規制法案にもおよびました。山添議員は、監視社会の入り口にもなり得る法案だと指摘しました。

岩上「(注視区域や特別注視区域を)指定するのは内閣総理大臣の権限だと。国会でこれは指定するべきか否かといった議論を飛ばすという話じゃないですか。これは政令一つで国会をスルーしていくという、緊急事態条項という究極のファシズムの先取りじゃないですか?」

山添議員「土地利用規制法案は平時の法案だと説明されています。平時であるにもかかわらず、内外の諸情勢がどうなるかわからないから、あらゆることを政令や省令、あるいは内閣総理大臣の判断に委ねて、法律にはほとんど中身を書かない。

 注視区域や特別注視区域がどこかになる予定かという話も国会でしないし、最終的に罪になる可能性のある機能阻害行為について(具体的な)説明をしない」

岩上「安全保障の情勢次第という、これは軍事と関連するということを認めていらっしゃるわけですよね」

 一見別々に見える、国民投票法改正案も、重要土地利用規制法案も、実は『戦争する国づくり』の一環だというわけです。

岩上「きわめて有能な独裁、きわめて有能な人間による独裁、独裁である限りそれはいいことではないんですけれども、でも物凄く優秀な人がやる独裁もありうると思うんです。

 しかし、ものすごく無能な人間がやる、無能な集団がやる独裁というのもあって。このコロナ禍に関してですが、緊急事態宣言を出しながら、何一つ成果を上げられないという状態を見ていると、安倍・菅政権に権限を集中させて何かいいことができるのかと。

 彼らが望んでいる五輪の開催、一番望んでいることですよね。国民の命よりも望んでいることですけど、それすら危ういという。まったくもって無能なのに、彼らに戦争を遂行するために権限を集中しようとして。で、この無能さだったならば、戦争負けますよ。はっきり言って。

 (戦争を)やるやらないで言ったら、やってはならないというのは共産党のお立場だと思いますけれども、その前に、我々一国民としてはですね、まったく無能な指導者に全権限を与えて、その挙句、戦略も政略も何もなく失敗を続けて負け戦になるっていうのは絶対あってはならない。そんな勝てない戦争をしてはいけない。

 こんな体制のもとに戦時体制を作るっていうのはありえないなっていうふうに思うんです」

山添議員「いざという時のためにって言って、憲法改正して緊急事態条項をという話をされてきたわけですけれども、それで独裁になったら大変だっていうことを警鐘を鳴らしてきたんですが、いざコロナのような本当の緊急事態になった場合、想定外の緊急事態が起きると、いかに無能か、対応しきれない政権かということがはからずも、この1年余りの間に露呈したと思います。

 独裁的に、独断でなんでもやれるという危険とともに、危機に対応できない政権であった場合に、『何もされない』ということによる危険性も露わになったと思います」

 安倍・菅政権のコロナ対策を見ていると、この政権に戦争をさせたら、第2次大戦以上の惨状になるのではないかという恐怖を感じます。無能な政権に緊急事態条項によって独裁的権力を与えてしまうと、無能ゆえに危機的事態に対処できず、国家の存亡にかかわるほどの失敗や敗北を喫してしまう恐れがあるのです。

 この後、インタビューは、有事に日本がコミットすることに言及した日米共同声明の意味、6年以内に台湾有事が起こる可能性が高いと表明した米軍のインド太平洋軍の軍司令官の発言、有事には米軍に指揮権を握られて傘下に垂直統合されるしかない自衛隊、緊急事態条項の危険性、国民投票法改正案が11日参議院本会議で採決された後の日程についても話が及びました。

 東京都議選、五輪、自民党総裁選、衆議院選挙というタイトな日程の中で、五輪直後に臨時国会を召集し、改憲発議が行われる可能性はあるのでしょうか。山添議員は、改憲発議までもって行くには日程は少しタイトではないか、今の菅政権にそこまでの体力はないのではないかと指摘しました。

 つまり、我々国民には、まだチャンスが残されているということです。戦争は私たちの身近に迫っているのですが、それを止めることができるのは主権者である私たち国民の手にかかっています。菅総理は、安倍前総理の代打ですから、9月末の自民党総裁としての任期切れまでに、解散総選挙を行い、国民に信を問わなければなりません。改憲勢力は現在、衆議院で改憲発議が可能な3分の2以上を占めていますが、9月末前に臨時国会が開かれ、改憲発議が行われないならば、この秋の総選挙で、国民は改憲勢力を落選させ、3分の2を割り込ませることで、万能の独裁条項である緊急事態条項の導入をひとまず阻止することができます。国民には「ワンチャン」残されているのです。

 岩上安身による山添拓議員へのインタビューの第1弾は以下です。ぜひあわせて御覧ください。

※暴力・虐待・死亡例が相次ぐ日本の入管は、現代のアウシュビッツか!? 世論の広がりで入管難民法改悪案を廃案に追いこんだ! 次は国民投票法を廃案に! ~5.22岩上安身によるインタビュー 第1041回 ゲスト 日本共産党・山添拓参議院議員 2021.5.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492288

 また、国民投票法改正案の問題点と危険性については、岩上安身による立憲民主党・小西洋之議員へのインタビューを御覧ください。
 
※日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策!「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! ~岩上安身によるインタビュー 第1038回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491229

※5月6日の連休明けにコロナ禍のドサクサに紛れて国民投票法改悪案が衆議院で可決!? 日本は「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 「不要不急」の改憲の目的はナチスばりの戦時独裁体制の樹立!~岩上安身によるインタビュー 第1039回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491497

※国民投票法「改悪」案、5月6日にも衆院採決か!?  国民投票法の次はナチスばりの緊急事態条項を含む自民党改憲へなだれ込むリスクが! 「不要不急」の改憲の目的はナチスばりの戦時独裁体制の樹立!~岩上安身によるインタビュー 第1040回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491635

 岩上安身による小西議員へのインタビューはテキスト化されています。

※【第516号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾 (その1) 2021.6.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492700

※【第517号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾 (その2) 2021.6.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492877

※【第518号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾 (その3) 2021.6.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492891

※【第519号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策! 「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー第1弾 (その4) 2021.6.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492910

■<再配信告知>【シオニズムはキリスト教徒が生んだ!ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの理解なくして米国の異様なイスラエル偏愛は理解できない!世界の近現代史最大の謎を解く!緊急シリーズ特集 4】本日午後8時から2019年11月26日収録「トランプ政権によるイスラエルのパレスチナ入植「合法化」!? は大統領選へ向けたシオニストへのアピール!? ~岩上安身によるインタビュー 第971回 ゲスト 『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏<エッセンス版>」を再配信します!

 6月7日の再配信【シオニズムはキリスト教徒が生んだ!ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの理解なくして米国の異様なイスラエル偏愛は理解できない!世界の近現代史最大の謎を解く!緊急シリーズ特集 3】に続く、本日は「緊急シリーズ特集4」をお送りします。

 5月にパレスチナのハマスとイスラエルとの間で激しい戦闘が展開されました。IWJ記者は、この戦闘の直後の5月21日、にピースボート主催で行われたNGOパレスチナビジョン代表のラミ・ナセルディンさんのZoom記者会見に出席しました。

 このととき、出席したメディアは、IWJを除くと、毎日新聞記者とフリージャーナリストのたったの3人だけでした。いかに、日本社会がパレスチナ人の状況に無関心か、唖然とさせられます。

 IWJ記者が、今回の戦闘におけるEUの責任について尋ねると、ラミさんはこう答えたのです。

 「この戦闘に対してEU諸国には責任と罪があります。欧州で行われてきたユダヤ人への差別・抑圧へのシンパシーを見せることがパレスチナ人の苦しみにつながっています。イスラエルの自衛の権利をまっさきに認めたのはドイツでした。これは過去のホロコーストに対する罪悪感やシンパシーがこうした行為の背景にあります。

 この3か月で、EU加盟国からイスラエルを批判する声明はひとつも出されていません。ただ、エルサレムにあるEU代表部からは、『これは国際法違反だ』と言うコメントはありました。これはEUに限りません。日本を含めた国際社会がみな黙っているのです。唯一、今回の戦闘で、イスラエルに対する批判声明を出したのはボリビアでした」

 ラミさんは、このEUの親イスラエルの態度についてこう述べています。

 「パレスチナのユダヤ人は、もともと欧州に住んでいた人たちです。欧州で行われたこと(ユダヤ人に対する宗教的な理由によるキリスト教徒からの迫害)によって、パレスチナへやってきました。ですから、EUはパレスチナのユダヤ人を保護するという立場を取っているのです。これがウクライナやボスニア、サラエボなどの地域のユダヤ人問題になると、EUは介入しています」と述べています。

 欧州という地域のユダヤ人問題の歴史的特殊性にラミさんは言及しています。この歴史的特殊性は非常に複雑です。

 ラミさんが、簡潔に述べた「パレスチナのユダヤ人はもともと欧州に住んでいた人たちです。欧州で行われたことによって、パレスチナへやってきました」という言葉の背景には、大勢のキリスト教徒を巻き込んだ欧州を中心としたジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの存在があります。

 なぜ、ユダヤ人でもユダヤ教徒でもない日本を含む欧米のキリスト教徒たちが、シオニズム運動に傾斜していったのか。そして、なぜ、今も、米国を始めとするキリスト教徒たちが熱烈なシオニストとして行動しているのか。この謎を解くことが、欧州だけにとどまらない、現在のキリスト教文明圏での親イスラエル意識を理解する鍵となります。

 本日は、6月7日の再配信に続き、ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズム研究の第一人者で 『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏への岩上安身インタビューの再配信を午後8時から行います。

 本日の再配信の中で、役重氏はキリスト教シオニズムついて次のように述べています。

 「よりベースにあるのはイスラムフォビア(恐怖症)で、その上にキリスト教シオニズムがあると観るのがわかりやすいと思います。(中略)イスラムフォビアは反ユダヤ主義と一体のものとしてあります。十字軍でエルサレムに攻め上りますが、その途中の街々でユダヤ人虐殺を行いました。キリストの敵のイメージとしてはユダヤ人は非常に大きな位置を占めざるを得ません。

 ですからキリスト教シオニズムの教義というのは、オリジナルで見ると非常に反ユダヤ主義的です。なぜ、ハルマゲドンのときにユダヤ人が虐殺されなければいけないのかは、キリストを殺した罰だとか信じなかった罰だといった教義になってきます」

 この発言を聞いたインタビュアーの岩上安身は、ナチスとの関わりの可能性を指摘しています。

 「キリスト教シオニズムは、もともとユダヤ教徒をキリスト教徒に改宗させる目的で始まったと理解していましたが、オリジナルの教義は、(ユダヤ人を)虐殺してしまうのですね。時代的に言えば、これはナチスの登場よりも前でしょ。間接的にも直接的にもナチスに(オリジナルのキリスト教シオニズムの教義が)影響を与えたんじゃないかという気がします」

 このように、ふたりの対話は進んでいきます。役重氏の発言から、ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムを理解するには、キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒といった3者の関係の中で、この問題を考えることが必要になると示唆されています。

 一筋縄ではいかない問題ですが、歴史の複雑さが解決の複雑さを意味するとは限りません。NGOパレスチナビジョン代表のラミ・ナセルディンさんは、「国家には期待できない。世界の民衆に期待している」と述べています。

 この続きはぜひ、本日の再配信をご視聴ください。

———–

【シオニズムはキリスト教徒が生んだ!ジェンタイル(非ユダヤ教徒)・シオニズムの理解なくして米国の異様なイスラエル偏愛は理解できない!世界の近現代史最大の謎を解く!緊急シリーズ特集 4・YouTube Live】20:00~
トランプ政権によるイスラエルのパレスチナ入植「合法化」!? は大統領選へ向けたシオニストへのアピール!? ~岩上安身によるインタビュー 第971回 ゲスト 『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏<エッセンス版>
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

———–

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、仲川正紀、六反田千恵、尾内達也、木原匡康)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/
公式ツイッターアカウント 【 https://twitter.com/iwakami_staff