おはようございます。IWJで主にテキスト関連の業務を担当している平山と申します。
岩手県と北海道を中心に甚大な被害をもたらした台風10号が去ってから1週間も経たぬうちに、大型の台風12号が日本列島に迫っています。現在、台風12号は熊本県の南西の海上を北上しており、9月5日未明には九州北部に上陸するおそれがあります。
先日の台風10号は、東北地方、特に岩手県に大きな爪痕を残しました。岩手県岩泉町と久慈市の住民814人が孤立した他、豪雨による土砂崩れなどで計14人が死亡するという大惨事となりました。
このような大規模な自然災害が起きるたびに、「保守派」の論客を中心として提起されるのが、改憲による「緊急事態条項」の創設です。「緊急事態条項」を発令することで権力の所在を行政府たる内閣に一元化することで、災害への対処を円滑に行う、というのがその理由であるとされます。
しかし、「内閣への権力の一元化」とは、よくよく考えてみれば非常に恐ろしい事態です。国家権力は本来、立法府、行政府、司法府の三権に分立されることで均衡を保っています。にもかかわらず、「緊急事態条項」で行政府の権力だけが突出すれば、権力の暴走に対し歯止めがきかなくなってしまいます。
にもかかわらず、自民党憲法改正草案第98・99条には、危険きわまりない「緊急事態条項」の新規創設がはっきりと明記されています。災害が起きるたびに、自分たちが創設を狙っている「緊急事態条項」に結びつけるのは、惨事便乗した卑劣な「やり口」であると非難されても仕方ないのではないでしょうか。
7月10日に投開票が行われた参院選の結果、自民党・公明党・日本維新の会(おおさか維新の会から改称)・日本のこころを大切にする党の「改憲勢力」が、衆参でともに3分の2議席を占めるに至りました。改憲、そして「緊急事態条項」の創設は、いよいよ待ったなしの状態にあります。
そこでIWJでは、間近に迫った改憲の危機に警鐘を鳴らすべく、市民の皆さんから幅広く寄稿を募っています。題して「『国民投票』で自民党改憲草案が現実に!?みんなで語る『改憲への危機感』 Talk about Democracy and Constitution」。これまでにも、数多くの皆様から投稿が寄せられています。
本日はその中から、「Oda Kumi」さんの「改憲後の社会は暗黒社会です」と題した投稿をご紹介します。
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