2013年6月13日(木)9時30分より、東京都港区にある原子力規制委員会にて「高速増殖原型炉もんじゅ敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 事前会合」が開催された。
日本原子力研究開発機構は、a破砕帯を調査対象として選択し調査した。もんじゅの西側約500mの地点には、「白木-丹生断層」とよばれる断層があり、L2ーリニアメントと破砕帯が連動して動く可能性があるか否かが、ひとつの争点となった。
(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)
2013年6月13日(木)9時30分より、東京都港区にある原子力規制委員会にて「高速増殖原型炉もんじゅ敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 事前会合」が開催された。
日本原子力研究開発機構は、a破砕帯を調査対象として選択し調査した。もんじゅの西側約500mの地点には、「白木-丹生断層」とよばれる断層があり、L2ーリニアメントと破砕帯が連動して動く可能性があるか否かが、ひとつの争点となった。
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冒頭、規制庁安全規制管理官の小林勝氏から、有識者紹介、資料の確認を行った。続いて、もんじゅ敷地内破砕帯の過去の調査の経緯について、簡単に説明した。「昭和58年、原子炉設置許可を得て(建設開始)、平成18年、耐震指針改定での耐震バックチェックを、日本原子力研究開発機構(JAEA)より、当時の原子力安全・保安院に提出した。その際、『白木ー丹生断層は、新しい時代には活動はない』と確認した。しかし、東日本大震災を経て、専門家の意見聴取を実施。平成24年8月29日、原子力安全・保安院からJAEAに追加調査の指示があった。その中には、L2ーリニアメント(直線条)の再調査も含まれていた」などと経緯を説明した。
まず、もんじゅ所長(JAEA理事)の広井氏が、もんじゅ周辺の地形・地質の事前調査についての結果説明を、JAEA島田耕史氏に指示した。報告内容は、白木ー丹生断層の概説、調査方針の決定手順、a破砕帯の性状調査と周辺の上層地層に関する調査、L2ーリニアメント調査である。「さらに、指定された(1)破砕帯を直接確認するための適切な場所の選定、破砕帯内物質の年代特定、上層地層の変位・変形の有無など。(2)調べたL2ーリニアメントと白木ー丹生断層との、地質的構造的な関連性を明らかにすること」と述べ、配付資料とともに、順を追って説明した。
また、原子炉建物基礎岩盤には、複数の破砕帯が分布することを示した。島田氏は「これらの破砕帯のうち、主な破砕帯(粘土脈の幅3cm以上のもの)の長さは、概して20~30メートルであり、不連続な分布を示す。最長のa破砕帯は長さ約70メートルで、北端が確認されていない。走向は北北東-南南西系と南北系があり、多くは東へ高角度傾斜する」と説明した。
JAEA島田氏の説明終了ののち、質疑応答に移った。まず、島﨑委員から、f破砕帯の位置や、白木ー丹生断層の音波探査記録などについて質問が出た。千葉大学大学院教授の宮内崇裕氏は、L2ーリニアメントについて質問した。
同様に、産業技術総合研究所の水野清秀氏は、「西側の山地のへりが直線的に見える。リニアメントの可能性はないのか」。また、白木ー丹生断層について、海底地形などについて訊いた。さらに、水野氏は、もんじゅの東側辺りの花崗岩帯の中の、破砕帯も含めた地質図の有無を尋ねたが、島田氏は「実地調査までに用意する」と答えるにとどまった。
その後、各有識者から、それぞれの専門分野に関して質疑が繰り返された。途中、JAEAの安江氏、梅田氏が加わり、地質学的見識、岩石サンプルなどの検査方法などについて、答えていった。
最後に、地震津波担当の御田調査官から、もんじゅの現地調査地点に関する提案が資料と共に示された。しかし、調査日程などのスケジュールに関しては、「後日、調整の上連絡する」として閉会した。