【3.11特集】岩上安身による「希望の牧場・ふくしま」吉澤正巳代表インタビュー

記事公開日:2013.3.10地域: テキスト 動画 独自
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

特集 3.11

 東日本大震災――。巨大地震と大津波があらゆるものを破壊し、さらに、原発が次々に爆発し、放射能の恐怖が人々を襲う。国家や原子力産業の身勝手な都合で情報が隠蔽され、住民が翻弄される。想像を絶する恐怖と大混乱の中で、「牧場の牛たちを見殺しにはできない」と、現地にとどまった男性がいる。

 大震災に襲われるまで、福島県内7ヶ所で1200頭の牛を飼育する「エム牧場」を仲間とともに運営し、浪江町で330頭を擁する浪江農場の責任者を務めていた吉澤正巳氏(59歳)である。

 牧場運営が軌道に乗り、食糧安定供給の一翼を担ってきた牧場は、原発事故の発生によって状況が一変する。現在、浪江農場を存続させ、「希望の牧場・ふくしま」として運営を続ける吉澤氏に、大震災からまもなく2年を迎えるにあたって、当時の状況を振り返っていただくとともに、被災地復興の今後の方向性や希望を見いだす、必見のインタビュー。

■イントロ

━━インタビュー 一問一答━━

――希望の牧場・ふくしまを発足させた目的は。

吉澤氏:原発事故の後、(被曝した牛たちを安楽死などで殺さずに)生かした牛たち。今後、どういう意味で生かし続けていくのか考えた末、こういう形を採ることにした。

――以前はエム牧場という名前だった。

吉澤氏:エム牧場は県内7ヶ所の牧場(牛1200頭)を知人らで共同運営していた。私は自分の土地である浪江農場で330頭預り、農場長という立場の責任者だった。

――吉澤さんはお幾つになられるのか。

吉澤氏:3月6日で59歳になる。60歳を間近にして、自分に残された時間がどれほどあるのかを考えた。だいたいあと20年だろう。どういう生き方をするのか色々考えていた。その最中に大震災が起きた。今後の残り時間を大事に使う。この事故の体験、牛たちが今でも生きているという、すごい経験をしている。

――2011年3月11日。地震発生当時の様子は。

吉澤氏:南相馬のホームセンターに買い物に行っていた。そこで地震に遭った。体験したことのない揺れ。波に乗っているような、こねくり回すような震動。時間も長い。繰り返し来る。そのうち防災広報が鳴り出した。「地震によって津波が来る」と。津波が3メートルと。「すぐ帰らないといけない」と思った。地震で国道の橋と道路の段差ができ、乗り越えられないトラックがあった。すぐ渋滞が始まった。国道6号線を僕が通ったあと30~40分後に津波が来た。間一髪だった。牧場に帰ってみたら、造りがいい加減な倉庫は潰れてしまっていた。停電で電気がない。すぐディーゼル発電機を回し、牛舎の飲み水の配管を細工し水を送り続けることを11日の日やり続けた。小さい画面だがカーナビのテレビが映った。名取の津波の状況を見て大変だと思った。


4件のコメント “【3.11特集】岩上安身による「希望の牧場・ふくしま」吉澤正巳代表インタビュー

  1. いざとなったら 国は国民を捨てる 。捨てられた人が語るから説得力のある言葉です。だから わたしたちは国民を捨てる国を作るのではなく、救う国を作らなければならない。それは政治かもしれないけれど、そんなに大きな事でなく、毎日の生活の中で 一人一人が 例えば(あくまで例ですが)大きくなったペット 年老いて働けなくなった人(どちらも生き物として当たり前の行く末)を最後まで面倒見る覚悟でいなければいけないのではないかと思います。 吉澤さんの言葉にあるような「自分たちの都合でやることやらずに逃げる」ことのないように。

  2. さいたま市に住む詩人の’ささき ひろし’と申します。古澤正巳氏の生き方に感動しました。
    応援したく思います。詩人ができることは詩をかくことしかありませんが、「白い乳川(ちちかわ)」という詩をかき酪農家、牛たちの苦しみ、哀しみを訴えました。つたないですが投稿させていただきます。

    「 白い乳(ちち)川 」

              ささき ひろし(詩人・さいたま市在住)
    川が白濁する
    福島の小川が
    大きな乳房から
    毎日絞られてきた牛の乳
    人間の生命を育てる
    その乳が捨てられる
    人間の身勝手で
    誰かに飲まれることもかなわず
    川の白濁する水となって
    ただ 静かに
    母なる海に向かっている

    人間よ 
    君たちにわかるか
    酪農家の苦しみを
    いや 牛たちのあの哀しみを
    あのほとばしる牛の乳腺から
    飛び散った乳の哀しみを
    田畑に捨てられ
    福島の大地を 河川を汚している
    白い乳川となって
    放射能で汚れた土壌を 河川を

    いや浄化している
    科学文明を過信をしている
    人間の汚れた心を
    純粋な白い乳で洗い流しているのだ
    天の川 別名ミルキーウェイが
    宇宙の塵を洗うように
    地上の乳の川が…

    =====================

  3. これが全国テレビで放映されれば、原発再稼動なんて愚論は出てこなくなるだろう。原発事故から3年目の今だからこそ聴いてほしい。

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