2023年8月11日(金・祝)午後6時より、 東京都八王子市の船森公園において、第432回目の原発反対八王子行動が開催された。
今回は、7月30日に八王子平和・原爆資料館で開催された映画「ひろしま」上映会の様子を中心に語られた。
「7月31日に私たち八王子平和原爆資料館の方では、『ひろしま』という映画の上映会を北野市民ホールで行った。
予想以上に人が多くてびっくりした。というのは、前々日ぐらいに毎日新聞の方で、この映画をやることを宣伝した記事を書いていただいたようで、当日までに30~40件の電話が入ってきて、代表者がちょっと困ったよとおっしゃっていた。
180人ぐらいでいっぱいくらいのところ、150人ぐらい集まったのではないか。大正解だった。あのコロナ2020年のコロナの始まる時にやろうと計画して、3年越しの企画だったもので。
運営・制作した小林大平さんの孫で、上映活動を続ける八王子市内在住の開さんが、今回デジタルリマスターとなった映画の上映にあたり、いらしてお話をしてくださった。
元々この映画は、教職員組合が作ったということもあるが、当時あった五社協定(東映・日活・松竹といった映画会社のカルテルのようなもの)が、この映画の上映には合わないと主張し、一般映画館の上映は拒否された。
従って、自主上映とか学校での上映しかなかったということで、幻のフィルムだという風に言われていた。
ただこれは子供たちが書いた『広島原爆の子』という文集を原作にして、その話からシーンを全部作っていって、8万人から9万人に渡るエキストラ参加があって、日本教職員組合がその企画として作ったという映画。
有名な映画スターが出ているが、その五社協定があったために、一般映画館で放映できなかった分、本当にあの原爆の実相を伝えているということで、私も三回ほど見たが、見るたびにそのシーンはこうだったんだ、こういう意味があったんだという新たな発見をした。
原爆が落ちて、そして皆さんが被害を受けるまでには、すごく長い時間があったと思っていたが、測ってみたら10分ぐらいの中に、104分の中の10分間にあの悲惨な原爆の様子や、原爆で亡くなっていくシーンなどがあったので、やっぱり強烈な印象があった。
僕はもっと長いと思っていたが、改めてこれだけの時間しかなかったのに、でも本当に重いなと思いながら見ていた。
たまたまこの映画会をするにあたって、私たち準備に当たった者とか映画を見た人の感想を、テレビ朝日が取材に来ていて、ちょうど原爆の日に近いところで放送されて、私が8月6日に資料館で当番だった時に、電話がかかってきて『あのテレビ朝日でやってたのをいつまた再放送しますかね』と聞かれて初めて知った。
原爆資料館周辺の人たちが、かえってそういう反響をよくとらえてくださっていたと思う。
本当にやって良かったなと思いながら、7月30日の映画会を終えることができた。
この8月6日、そしてこれから来る15日、色んな意味で日本が今どういう状況にあり、78年などちょっと前としか思えないが、そういう前のことをきっと私たちが反省し、
自分たちのこれからの生きることに、ちゃんと見つめながら生きていけるのかどうか、若い人たちにそれを伝えていけるのかどうか、本当にそこへの正念場かなと思い、今、気張りながら話をしている」
- エキストラは約9万人 “幻”の映画「ひろしま」上映 東京(2023.7.28、毎日新聞)
- アイキャッチ:幻の映画『ひろしま』上映への想い(2017.2、戦争と平和の資料館 ピースあいち)より