2022年5月15日日曜日、沖縄の本土復帰50年を向かえるにあたり、沖縄の在日米軍基地に抗議する「『沖縄復帰50年を問う』 5・15デモ」が東京の日比谷公園で行なわれた。日比谷公園を出発点として、銀座を通り、鍛冶橋駐車場前までのデモ行進だ。
沖縄には在日米軍基地の約7割が集中しており、過剰負担となっている。それゆえに、騒音問題や、米軍関係者による暴行事件などの治安悪化、ヘリコプターの墜落事故など、あいつぐ米軍関係のトラブルが問題となっている。
宜野湾市の米海兵隊普天間基地の移転をめぐっては、2019年に実施された県民投票によって、名護市辺野古への新基地建設に「反対」が過半数を占めたにもかかわらず、当時の安倍政権は建設を強行した。
さらに、埋め立て予定地の海底が軟弱地盤であることが指摘され、完成させること自体が危ぶまれてもなお、建設を強行している。
2019年12月には防衛省が建設費を当初の3500億円から9300億円になると発表。今後さらに建設費がかさむ可能性も指摘されている。
デモ行進の冒頭、元沖縄平和センター議長の山城博治氏は、日本や米国が過度に中国脅威論を煽っているとして、次のように述べた。
「中国が日本に侵攻すると言っているんですか? 中国という国はわかるように、世界の経済の大国になるため、汲々として、一帯一路という政策は経済発展の政策そのもの。
この資本主義社会を中心とする世界の経済システムの中で、一番得をしているのは中国です。その中国は、今の彼らの経路を自ら断つわけにはいかない。断つはずもないんです。
中国はそのことをわかって戦争を仕掛けてくるなんてことはあり得ない。台湾有事というのは、アメリカが仕掛けた謀略です。台湾有事で沖縄が戦場になるというのはアメリカの陰謀だし、謀略です」
山城氏は、「憲法を変えない、戦争に行かせない」とした上で、「地元からそのような声を上げられる政治家をつくるため努力をしていきたい」と演説を締めくくった。
デモ行進の参加者は主催者発表で650人だった。
多くのデモ参加者は、住民の民意を踏みにじり辺野古新基地建設を強行する日本政府に対し、怒りの声を上げながら行進していた。沖縄の本土復帰から50年、今もこのような状況が続く中で、果たして「本土復帰」と言えるのだろうか。