2022年5月7日、午後6時30分より、東京都文京区の文京シビックセンターにて、「クアッド(日米豪印戦略対話)日本開催・岸田―バイデン会談反対!実行委員会」の主催により、「クアッド(日米豪印戦略対話)日本開催・岸田―バイデン会談反対!5・7集会」が開催された。
ここで、龍谷大学経済学部教授の松島泰勝氏による講演「太平洋島嶼国・地域から見たクアッド」が行われた。
集会冒頭、主催者を代表して、池田五律(いつのり)氏から挨拶があった。
池田氏はあいさつの中で「日米安保は、日米安保にとどまらず、『多国間安保』化している」とした上で、「単に今回のクアッド反対、バイデン来日、岸田会談反対だけにとどまらず、これからのウクライナでの戦争状況が、ロシアとウクライナを矢面に立てたアメリカとNATOの戦争。
これが続く状況の中で、これからの反戦運動を持続的に闘っていきたいと思います。
その上で、参加者の中にはこれまで沖縄のために闘ってきた方も多いと思いますが、本日の講演『太平洋島嶼国・地域から見たクアッド』とありますが、沖縄は太平洋島嶼地域のひとつでもあります。
沖縄と連帯する中身をもった反戦運動を作っていく、そういう観点からも、今日のお話を糧にしていきたいと思っています」と決意を表明した。
続いて、松島氏の講演が行われた。
クアッド(QUAD)とは、「自由や民主主義、法の支配という共通の価値観を持つ日本、米国、豪州、インドによる安全保障や経済を協議する枠組み」であり、4カ国の軍事・防衛費の合計は中国の4倍弱、名目国内総生産は2倍ほどで、簡単に言うと、中国を封じ込める、中国と戦う体制を作るための軍事同盟を目指していると言われている。
そもそもこのクアッドの構想は、2006年に、当時の安倍晋三首相が、この4か国での戦略対話の必要性を訴えたことに端を発する。
2022年2月11日には、4カ国の外相会合が開催され、「中国の海洋進出に対応し、自由で開かれたインド太平洋を推進する」ことで一致している。
これに対し、松島氏は講演の中で次のように問いかけた。
「クアッドが前提としているこの中国脅威論は本当なのか?」
「むしろ、欧米諸国そして日本によって、すでに敷かれている太平洋島嶼地域における帝国主義が問題であり、クアッド諸国はその現状の変更を脅威と感じており、中国脅威論を理由に軍拡を行い、既成の帝国主義を強化することが目的なのではないか?」
「太平洋島嶼地域にとっては『現状』こそが脅威ではないのか?」
松島氏による講演の詳細については、ぜひ全編動画でご確認下さい。