4回連続で「次の質問どうぞ」と記者からの質問を無視する河野太郎外相! 野党議員だった頃には積極的に自民党批判をしていた河野外相とはもはや別人か!? 12月16日午後8時より、「正気」だった時代の河野太郎議員に岩上安身が単独インタビューした貴重な映像を再配信! 人はかくも変わるものなのか!? 2018.12.15

記事公開日:2018.12.15 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 河野太郎外相が12月11日、記者会見で北方領土問題について質問を受けた際、回答を一切しないで「次の質問」と言って、4回連続で質問を無視し続けた。

▲ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(Wikipediaより)

 日ロ間の平和条約締結についてロシアのラブロフ外相は12月7日、「第2次世界大戦の結果の承認」が「最初の一歩」だと発言。ロシアによる北方領土の実効支配は合法的だという主張を突きつけられた日本側および交渉の責任者である河野外相は、いきなり苦しい締結交渉が迫られることになった。

正気か!? 「何で質問に『次の質問どうぞ』と言うのですか?」との記者の質問に対し、4回目の「次の質問どうぞ」!?

 河野外相が記者会見で質問を4連続で無視したときの様子は次の通り。眼鏡に手をやり、スーツについたゴミを払い、水をすするなど、終始落ち着かない様子であった。

 時事通信記者「日ロ関係についてうかがいます。先日、ラブロフ外務大臣が日ロ平和条約締結について、『第二次世界大戦の結果を意味する』『日本が認めることが最初の一歩になる』という趣旨の発言をしました。この発言に対する大臣の受け止めをお願いします」

 河野外相「次の質問どうぞ」

 読売新聞記者「今の質問に関連してうかがいます。河野外相は、国会答弁などでも日ロ関係については、交渉に資することはないので発言は一切控えるとおっしゃいました。ロシア側では、ラブロフ外相、ペスコフ報道官らから、色々な原則的立場の表明があります。これに対して反論を公の場でするおつもりもないのでしょうか?」

 河野外相「次の質問どうぞ」

 共同通信記者「引き続き関連の質問です。河野外相は、良い環境を整備したいということで、発言をこれまで抑えてこられたと思います。一方でロシア側からはこれまで通りの発言が出てきています。はたから見ると、こうしたアンバランスな状況が実際の協議にも影響を与えるという懸念もあると思うのですが、どうお考えですか?」

 河野外相「次の質問どうぞ」

▲河野太郎外相(2018年4月17日 IWJ撮影)

 共同通信記者「何で質問に『次の質問どうぞ』と言うのですか?」

 河野外相「次の質問どうぞ」

 会見の最後では毎日新聞の記者が、「先ほど来、ロシアに関する質問に『次の質問どうぞ』と回答されています。河野外相の従前のお立場というのは我々もわかっていますが、公の場での質問に対して、そういう御答弁をされるのは適切ではないのではないでしょうか?」と質問すると、河野外相は「交渉に向けての環境をしっかり整えたい」と述べ、質問にはまったく答えなかった。

 この河野外相の態度は、まるで、トランプ米大統領が記者の質問に答えたくないときに、一言も答えず「Next!」と言って質問を無視するのとそっくりである。

 岩上安身は11日、次のようにツイートしている。

 「若い人は知らないはず。かつて河野太郎はこんなにまともなことを言っていた!という衝撃の過去を世にさらすインタビューの再配信、やります。僕が河野太郎さんに単独インタビューしたものです。あまりの代わりぶりに皆さん、衝撃を受けてください。なぜ、かくも人格と思想の変貌が可能なのか、と」

 一面では、安倍内閣の一員であるために、本来の自分を見失ったのではないかと、かつての河野太郎議員を偲び同情すべきなのか、という見方もあるだろう。

 上記の河野外相会見に関し、菅義偉内閣官房長官が官邸での12日午前の記者会見で、衝撃の発言をした。菅長官自身は何を記者から聞かれても「問題ない」「ご指摘はあたらない」と傲岸不遜な態度を貫いてきたにもかかわらず、「各大臣の責任のもとに記者会見はしっかり行うべきだ」と語ったというシュールなコントが繰り広げられた。そう偉そうなことを言いながら菅長官は、河野外相に具体的な改善を求めたりはしなかった。

 菅長官や河野外相の珍妙な姿に対し、立川談四楼氏は次のようにツイートしている。

▲落語家・立川談四楼氏(2018年7月18日 IWJ撮影)

 「菅官房長官はユーモアがある。河野外相の『次の質問どうぞ』4連発を受けてこう言ったんだ。『各閣僚の責任の下に、記者会見はしっかり行うべきだ』と。笑わせるだろ。自分は記者会見で『その指摘は当たらない』『ここは質問に答える場所ではない』の連発なんだぜ。記者クラブ、司会の広報とグルでさ」

 河野外相は、自身の公式サイトで次のように述べている。

 「交渉を前にして、政府の方針やゴールを公に説明していないというご批判がありましたが、これはできません。こちらの手をさらしてポーカーをやれというのと同じで、日本の国益を最大化する交渉ができなくなります」

 ここを読んだ時、河野外相は「(日本国民に)こちらの手をさらしてポーカー」をすれば、「日本の(外相である私の利益)を最大化する交渉ができなくなります」という本音を表現しているのではないか、との疑念を持った。実際、上記の文章は「こちらの手」をロシア側にさらすわけにはいかない、とは言ったわけではない。

 今や、2011年当時に岩上さんがインタビューしていたころの、原発利権を作ってきた自民党の負の側面に向き合う発言をしていた河野議員の姿は見る影もない。

福島第一原発メルトダウンの直後の2011年5月11日に、「情報公開や対応の仕方が間違っていた。このままでは、もうひとつ情報隠しみたいな話が出たら、日本の信頼は地に落ちる」と述べたのは誰なんだ!!

 岩上安身は、東日本大震災と福島第一原発メルトダウンの直後の2011年5月11日に、河野太郎衆議院議員(当時)にインタビューを行っている。インタビューの中で河野議員は、原子力政策批判や自民党批判を積極的に展開し、「情報公開や対応の仕方が間違っていた。このままでは、もうひとつ情報隠しみたいな話が出たら、日本の信頼は地に落ちる」と述べた。

 「情報隠しみたいな話が出たら、日本の信頼は地に落ちる」と話した河野議員は、現在外相として日ロ交渉で、日本国民に対して「情報隠し」をしている可能性があります。こうした、同一人物とは思えないくらいの「河野太郎」氏の変節ぶりについては、ぜひ、以下の岩上さんによるインタビューをご覧になり、ご確認をいただきたい。野党議員、あるいは外相という立場次第で言動が変わるという、ある種の一貫性を持つ「河野太郎」という人物像に接し、歎息を禁じ得ないものがある。

 また、岩上安身による河野太郎氏インタビューは、12月16日午後8時より再配信する。下記の配信ページよりぜひご覧いただきたい(※当日のみ有効です)。

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