2014年5月27日、茨城県水戸市のみまつホテルで、東海第2原発の再稼働に反対する茨城県自治体議員連盟(東海第2反対議連)の発足総会が行われた。茨城県議会と県内18市町村議会の、脱原発を訴える議員計37人が超党派で結成。発足総会には27人が参加した。
この日は、原発ゼロの会の河野太郎衆議院議員(自民党)が招かれ、「エネルギー政策と原発を巡る情勢」と題して記念講演を行った。河野氏は、現在の原子力政策には経済的合理性がないとし、「原発を再稼働する場合には、いくつかの要件をクリアする必要がある」と述べた。
東海第2原発については、廃炉の方針を打ち出していた東海村前村長、村上達也氏が引退。現在の山田修村長、橋本昌茨城県知事は、再稼働に関して態度を明らかにしていない。同議連は、東海第2原発の再稼動中止や廃炉を求める請願を提出するなど、各方面へ働きかけて活動していくという。
- 発足総会 会則・役員選任・活動方針について
- 記念講演 「エネルギー政策と原発を巡る情勢」 河野太郎議員
- 交流会
- 日時 2014年5月27日(火)16:30~
- 場所 みまつホテル(茨城県水戸市)
国民の生活が奪われてしまうことが「国富の流出」
はじめに、同議員連盟の発足までの経緯について、呼びかけ人の東海村会議員、相沢一正氏が語った。5月21日に福井地裁が下した、大飯原発3・4号機の運転差し止めを認める判決について触れた相沢氏は、「これが、福島第一原発事故の現実を見つめた上での判決であり、裁判官の意識も変わらざるをえないことを示した、非常に重要な判決であった」と評価した。
その上で「原発が運転停止をすると貿易赤字になり、『国富が流出してしまう』と推進派の人間は説明するが、福島第一原発事故のように、その土地の市民の生活を奪ってしまうことが、国富の流出と言えるだろう」と語った。続いて、玉造順一氏が、会則、役員選任、活動方針などについて説明した。
次に、河野太郎衆議院議員が「エネルギー政策と原発を巡る情勢」をテーマに記念講演を行った。はじめに、使用済み核燃料の問題点について話した河野氏は、高速増殖炉で再処理を行い、プルトニウムを取り出す核燃料サイクルが、いまだに実現できていない現状を指摘。また、代替案として登場した、ウランとプルトニウムの混合物であるMOX燃料によるプルサーマル方式には、経済的合理性がないこと、さらに、使用済み核燃料のプールの許容量にも限界があることを解説した。
再処理に経済的合理性は存在しない