水没してゆく街! 土砂に埋まる家屋! 西日本豪雨で大混乱の広島市内の様子を現地市民がレポート! 2018.7.25

記事公開日:2018.7.25 テキスト
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(記事構成・IWJ編集部)

 IWJが西日本豪雨被害の被災現地からの情報提供を呼びかけたところ、広島県在住の匿名希望Aさんから情報が寄せられた。

 大雨が降り続いて大きな被害が出始めた7月6日、7日の緊迫した様子が生々しく伝わってくる。

 以下にそのレポートを掲載する。(プライバシー保護のため多少原文を編集しています)

【広島市東区に住むAさんの友人Bさん(40歳代)のフェイスブックより】

▲7月6日の投稿 午前6時57分の交通情報、軒並み運転中止に

B「今日は交通機関がわや(広島弁でぐちゃぐちゃの意味)ですね」

友人C「西日本と北海道は本当に危険な雨量みたいですよね。歴史的な雨量だとか。気を付けてくださいね」

友人D「小学校は普通登校。この前は晴れてるのに休校。天気を読むのは難しいよね」

友人E「今平和公園前の土谷病院に来ています。通常は30分強でこれるところが、朝のラッシュと雨が重なって1時間半要しました」

▲7月6日の広島市南区大須賀町

Bさん「大須賀町(おおすがちょう)の様子。道路が川です」

友人C「うわぁ、道が水路ですやん!」

友人D「あちこちで大変なことになっていますね」

友人E「千田のほうもそんなかんじだった」

▲7月6日の広島市東区二葉の里饒津(にぎつ)ガード付近

Bさん「そして饒津(にぎつ)ガードの前で止まって、動かなくなった」

Bさん「近所で生き埋めの現場もあって、どうか早くみつかってほしいです」

友人F「無事帰れた?」

Bさん「長靴履いててよかった」

友人G「もう日本全国、あらゆる自然災害が…どうか十分に気を付けて下さい」

Bさん「バスの中でみんなのスマホから避難勧告の警報音が鳴りまくってて恐怖~!」

Bさん「広島バス、本部から業務連絡がまわってます。市内各地冠水しておりこのあと運行中止の可能性ありと。バスの中水入ってきだした。代々木ゼミナールの前あたり」

友人H「えー、大変。ただ事じゃないね。はやく雨おさまって」

Bさん「すごいよ!こんなになったのははじめてかも」

【Aさんより】

 7月6日朝の時点で山陽新幹線も豪雨のため運行中止となる。すでに歴史的豪雨の情報を入手していた人がFacebookやTwitterを介して見られる。

 広島市中区紙屋町(かみやちょう)地下街「シャレオ」は16時で営業を打ち切ると決断が早かった。

 この日の夕方から広島中のありとあらゆるところでスマホの警報音が鳴りやまなくなる。

▲7月6日スマートフォンに届いた緊急速報メール

 市街地に近い平地に避難指示がでることは稀。

 タクシー運転手の証言によると、中区白島(はくしま)町の水位は最高30センチ程度、無線で依頼をうけて広島市中区舟入町(ふないりまち)までお客さんを迎えに行くもお客さんのほうから「もう水圧でドアが開かないから無理だ」と断りの連絡が入り、引き返したとのこと。(時間帯は詳細不明)

 地方の夕方ローカル情報TV番組では広島市南区黄金山(おうごんざん)で家屋に土砂が流入したと家の中からスマホで助けを求める女性がいるという一報が入り緊迫した事態に。

 TV画面には水に浸かった広島平和記念公園や、広島市中区紙屋町エディオン横のマンホールからは噴水のように高く水が逆噴射してる光景が映しだされる。

 気象庁の会見等は伝えられるも、民放は特別番組に切り替わるわけではなく、スマホをもたない情報弱者にはこの緊急性・異常性が伝わりにくかった。

 牛田(うした)の猿猴川(えんこうがわ)より低い位置にある実家の母(60歳代)に16時頃から荷物をまとめろと再三避難を促すも、「大丈夫よ」と降りしきる雨の中の避難を頑なに断られる。

 メールで知人からの意見を求め、「〇〇さんも『避難しなさい、高い所へ』って言ってらっしゃるよ!」と説得して、ようやく20時頃私の住む場所への避難を終える。

 スマホで雨雲の動き等を見て、福岡周辺にいる雨雲が次にまた同じルートを通るともう広島市中心部は終わりだと覚悟を決め、断水や停電に備える。この夜は徹夜。

 結果、次なる雨雲が熊野、坂、呉、を襲ったのでそちらの方の被害が甚大となった。

▲茶色に濁った7月7日朝の太田川

▲7月19日朝の太田川。色がぜんぜん違う。

【呉市在住 40歳代 匿名希望の知人とのLINEでの会話より】
・(7月7日朝6時19分、呉方面の断水の情報が入り、私から連絡したところかえってきた返答)
 「昨日(7月6日)、仕事終わりに(呉市から)広島市へ旦那を迎えに行ったところ、考えが甘かったです。

 渋滞で水尻(みずしり)駅までなんと3時間(通常は25分)。そこからが大変。冠水し始めて危機一髪。車を置いて逃げる一歩手前でした。

 結局、昨夜(7月6日)は坂駅前のユニクロ前の駐車場に逃げ、一夜を明かしました。まだ坂駅前にいます。

 どうやら小屋浦(こやうら)の方が崩れてたりして帰れないのと、坂駅前もすごいです。こんなになるとは」

▲7月7日JR坂駅

▲7月7日JR坂駅

・(7月9日17時32分、断水が続きそうな様子、奇跡的に無傷な我が家の風呂と洗濯機を使ってくださいと提案したときの返答)
 「スマホも家の固定電話も調子がおかしくて、なかなかです。

 なんせ本当に呉は陸の孤島で。今広島市へ行ける陸路は1つだけ。

 そこも今日、日中は事故があってまたまたまたの渋滞か?通れないんですよ。

 どんな具合になるかわかりません。」

・(7月14日17時20分)
 「断水がやっと解放されて水の悩みから解放。あとは交通渋滞だけです。

 ご心配おかけしました。」

【広島ドラゴンフライズ プロバスケットボールプレーヤー 仲摩 匠平(なかま しょうへい) 元選手Facebookより】
・7月7日8時33分 投稿

 先日お世話になった東広島にある「T家」周辺も多大な被害が出ています。家族は全員無事みたいなので安心はしましたが。

 広島から呉方面の道も全滅みたいですね。皆さん大丈夫ですか?

 ただ市内と違い、黒瀬周辺の情報が少なく困っているみたいです。何か分かることがありましたら、情報共有お願いします。

 「黒瀬情報! 黒瀬は自治体がテンパって情報が錯綜! 消防も避難場所を把握してない状態です! 身近に黒瀬の方がいたらシェアして下さい! 児童館付近も冠水です!」とのことです。

 よろしくお願いします!

 他に何か困ったことがあったら、この場を使って発信してもらって構いません。皆さん協力お願いします!

 

▲写真は全て東広島市黒瀬

【広島市東区在住 匿名希望】

▲JR広島駅から徒歩圏内

【広島市南部在住 匿名希望】

 「やっと小雨になった模様。豪雨といえば1〜2時間で終わるのが従来の感覚だったが、認識を覆された。いつも穏やかに流れる川は泥色に」

▲7月7日 7時11分投稿

 「梅雨明けとのこと。今日も被害状況は刻一刻と明らかになるものの、まだ全貌は見えず。できることからやるしかないのかと無力感に苛まれる」

▲広島市南区7月9日 12時39投稿

【Aさんより】
7月20日

 広島市海田市駅(かいたいちえき)周辺の写真を送ります。山の崩落は山頂から見てとれます。川には水流の猛威を物語る痕跡があります。

 JR山陽本線は広島駅から海田市駅どまり。ここから東へは公共交通機関では立ち入れません。

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