稲田朋美氏、松原仁氏、山田宏氏らが南京事件を完全否定!? 「全部捏造の歴史じゃないですか!」 慰安婦問題も「嘘八百」!? ~南京攻略80年記念大講演会 外務省目覚めよ! 南京事件はなかった 2017.12.13

記事公開日:2018.1.1取材地: テキスト
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(取材・文:谷口直哉)

 1937年12月13日――。当時、中華民国の首都であった南京を日本軍は陥落させた。軍紀の緩んだ日本兵によって、南京事件という悪夢の幕が開かれた日とも言える。

 南京陥落から80年目の2017年12月13日、東京都文京区にて、「南京攻略80年記念大講演会 外務省 目覚めよ!南京事件はなかった」と題した講演会が「南京戦の真実を追求する会」(会長 阿羅健一氏)の主催で行われた。会場の文京シビック小ホールには210名(主催者発表)の聴衆が集まった。

▲「南京攻略80年記念大講演会 外務省 目覚めよ! 南京事件はなかった」のパンフレット

 この日、自民党からは稲田朋美・衆院議員と山田宏・参院議員が、希望の党からは松原仁・衆院議員が登壇した。また、公務の都合で欠席した原田義昭・衆院議員(自民党)と渡辺周・衆院議員(希望の党)からは、メッセージが寄せられた。

 なお、稲田氏、松原氏、渡辺氏は揃って、憲法改正などを唱える極右団体「日本会議」を支援する超党派議連「日本会議国会議員懇談会」に所属している。

▲登壇する稲田朋美・衆院議員

 IWJは主催者にこの講演会の取材と撮影を申し込んだが、登壇者から許可が得られなかったという理由で、撮影と録音が禁止され、ペン取材のみが許された。

 言うまでもなく、南京事件は、犠牲者数などに諸説あるものの、南京を占領した日本軍によって中国軍の捕虜や敗残兵、一般市民に対しての虐殺、暴行、強姦、略奪などが広く行われた事件として、外務省も認める「史実」である。陸軍の資料や前線兵士の証言など、膨大な数の資料が存在し、日中両国の歴史共同研究も進むなど、事件自体は否定のしようがない。

 しかし、この講演会のパンフレットには「南京事件はまったくの作り事です」や「南京事件の冤罪を払いのけ、12月13日を祝おうではありませんか」などと書かれており、南京事件そのものを否定する「歴史修正主義」的思考で貫かれた講演会である。

▲「南京事件はまったくの作り事です」と書かれたパンフレット

 登壇した3人の国会議員も揃って、日本軍による南京での虐殺を否定する講演を行った。3人とも、南京事件自体を否定する論拠としてあげたのは、「まぼろし派」などと呼ばれる論客の著作であり、その論拠は乏しいと言わざるを得ない。この先、記事を読み進めるにあたっては、こうしたことを念頭に置いてお読みいただきたい。

記事目次

  • 日時 2017年12月13日(水)18:50~21:00 ※開場18:30~
  • 場所 文京シビック小ホール(東京都文京区)
  • 主催 南京戦の真実を追求する会(会長 阿羅健一)詳細(Twitter)

最高裁で敗訴したにも関わらず、いまだに百人斬り競争を「全くの虚偽」と断言!?「百人斬り訴訟への思い」~稲田朋美氏

 最初に壇上に現れたのは、2017年7月、南スーダンPKOの「日報隠蔽問題」で引責辞任した稲田朋美・衆院議員だった。稲田氏は「百人斬り訴訟への思い」と題し、2003年に自身が主任弁護人を務めた「百人斬り訴訟」と、その訴訟の元になった「百人斬り競争」について語った。

 「百人斬り競争」とは、1937年の南京攻略戦時に、日本陸軍の野田毅少尉と向井敏明少尉が、南京入りまでに日本刀でどちらが早く100人斬れるかを競ったとされる事件である。当時は、前線勇士の武勇伝として報道されたが、戦後は南京事件を象徴する虐殺行為として非難され、野田・向井両少尉は南京軍事法廷において死刑判決を受け、1948年南京郊外で処刑された。

 2003年、野田・向井両氏の遺族が名誉毀損にあたるとして、毎日新聞やジャーナリストの本多勝一氏らを提訴したのが「百人斬り訴訟」であり、原告側の主任弁護人を努めたのが稲田氏だった。訴訟は最高裁まで争われ、「百人斬り競争を新聞記者の創作記事であり、全くの虚偽であると認めることはできない」という理由で、原告の敗訴が確定している。

 稲田氏は講演の冒頭、この「百人斬り訴訟」のことを書いた自身の著書『百人斬り裁判から南京へ』を数年ぶりに読み返し、「読みながら泣いてしまいました。(裁判で)戦っている時の熱い思いが蘇ってきた」と、自分の著書を読んで感涙したことを話しながら、壇上でも声を詰まらせた。そして、自分が政治家になった原点がこの「百人斬り訴訟」にあると語った。

(…会員ページにつづく)

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  1. 牛丸 修 より:

    百人でなくても1人でも殺せば殺人者だ。理由なき殺人は虐殺だ。これ常識。

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