http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi
都知事選の田母神候補の応援演説で「南京大虐殺はなかった」と発言した百田尚樹氏。この百田氏が経営委員を務めるNHKの籾井勝人会長は、従軍慰安婦は「どこの国にもあった」などと発言するなど、止まらない安倍総理の「お友達」たちの「極右」的と形容するしかない暴言・失言が相次ぎ、国内外で深刻な懸念を呼んでいる。
(岩上安身)
※「歴史修正主義者」の発言の「嘘」を告発し続ける哲学者・能川元一氏インタビューを本日(3月4日)、明日(3月5日)の二夜にわたり、20時よりメインCh1で録画配信!
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都知事選の田母神候補の応援演説で「南京大虐殺はなかった」と発言した百田尚樹氏。この百田氏が経営委員を務めるNHKの籾井勝人会長は、従軍慰安婦は「どこの国にもあった」などと発言するなど、止まらない安倍総理の「お友達」たちの「極右」的と形容するしかない暴言・失言が相次ぎ、国内外で深刻な懸念を呼んでいる。
2013年秋、安倍総理は、NHK会長の任命権を持つ経営委員会に、百田氏など自分に近い人物を次々に送り込んだ。公共放送のトップを掌握することは、間接的ながら放送内容に影響を与え、世論を操作する力を持つことになる。籾井会長や百田氏の発言に人々が神経を光らせるのは、それが「個人」としての思想の表明にとどまらず、安倍総理の政治的意向を反映した「公人」による「政治的影響力をもつ発言」だからである。籾井会長や百田氏の発言が、安倍総理の考えとまったく無関係に発せられたものだと考えるのは現実的ではない。
その安倍総理は、自身の任命責任も問われているなか、昨年12月26日には、靖国神社を電撃参拝した。中国や韓国だけでなく、米国からも痛烈な批判が浴びせられたが、安倍総理は悪びれた様子もなく、それどころか、本格的に歴史認識の書き替えを目論む姿勢をあらわにし、ついに河野談話の見直しにまで着手した。
河野談話とは、第二次世界大戦中の朝鮮半島などでの慰安所設置に関し、「旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」ことや、慰安婦の募集についても「軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧など、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」ことを認め、さらに「生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」として、「広義」の強制性を認めたものである。
菅義偉官房長官は2月28日の衆議院予算委員会で、先の国会で当時談話に関わる事務方の責任者だった石原信雄元官房副長官が「まとめる段階において韓国側とのすり合わせがあった可能性がある」と証言したことをあげ、「実態を解明する必要がある。政府の中に極秘の検討チームを作って、当時の状況を掌握しておきたい」と発言した。
自民党の石破幹事長も、「政府は河野談話の内容ではなく、作成過程を検証すると言っている。さらに真実を探究するものだ」と政府による河野談話検証を後押しした。
菅官房長官は3月3日の会見で、「政府の基本的立場は河野談話を継承するということだ」と弁明したが、海外からはこの検証作業について、これまでに見たことがないほど険しい批判があがっている。
米ニューヨーク・タイムズ誌は、この安倍政権による河野談話検証について3月2日、「Mr. Abe’s Dangerous Revisionism(安倍氏の危険な修正主義)」と題する社説を掲載した。安倍総理とその周辺の「国粋主義者たち」の一連の歴史修正主義的な行動、発言について、「日本の米国との関係への、かつてないほど深刻な脅威」であり、「(緊迫する東アジア地域における)危険な挑発行為」と痛烈に批判している。
さらに、南京大虐殺や従軍慰安婦問題をなかったかのように論じること、さらには歴史的事実を認めた河野談話を検証という名目で書き替えようとしていることについても言及。こう述べている。
「安倍氏は、日本の戦後を語る以前に、戦争の歴史もねじ曲げている。彼と他の国粋主義者たちは、1937年の日本軍による南京大虐殺が『なかった』などと、いまだに主張している。さらに彼の政府は、日本軍によって性の奴隷状態を強制された朝鮮半島の女性たちへの謝罪を再調査し、無効にする計画を語った。さらに安倍氏は、有罪判決を受けた戦争犯罪人たちを含む日本の戦死者に名誉を与える靖国神社を訪問することは、単に国のために命を犠牲にした人々に敬意を払うことだと主張している」。
痛烈な、激烈な批判である。ニューヨーク・タイムズがここまで厳しい表現で安倍政権の歴史修正主義を批判するのは、初めてではないだろうか。国際的孤立を深める日本が唯一、頼みにするのが同盟国である米国である。しかしこうした「警告」をよそに、安倍政権の周囲から自身の言動を正すような姿勢はみられない。
彼らが繰り返すのは、「中国が主張するような南京大虐殺はなかった」、「慰安婦において軍による組織的な強制連行はなかった」という主張である。それが史料に裏づけられた歴史的事実であるならば、ひるまずに主張し、その証拠を積み上げて見せればいい。だが、実際には、一次史料を積み上げてゆくと、南京大虐殺についても従軍慰安婦についても、「歴史修正主義者」には不利な証拠が山ほど積み上がる。
膨大な歴史史料を研究し、彼ら「歴史修正主義者」の発言の「嘘」を告発し続ける哲学者・能川元一氏に、2月28日、岩上安身が単独インタビューを行った。証拠となる史料をうず高く積み上げて能川氏は、百田氏や石原慎太郎氏、田母神氏らの言い分を論破した。その模様を、本日(3月4日)、および明日(3月5日)の二夜にわたり、それぞれ20時より、メインCh1で録画配信する。