【特番・第2弾】運命の分かれ道・2016年夏の参院選を徹底予想分析スペシャル!中部・関西編!「改憲勢力に3分の2を絶対取らせない! 野党共闘で85議席以上を取る!」 2016.6.10

記事公開日:2016.6.11取材地: テキスト 動画 独自
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(IWJテキストスタッフ・花山格章)

特集 2016年 参議院議員選挙 特集ページ | IWJ選挙報道プロジェクト

※7月2日テキストを追加しました!

 「3分の2を絶対取らせない」──。

 これは、改憲勢力以外、すべての人のスローガンでなくてはならないと岩上安身は強調し、「野党共闘が85議席以上取れば、改憲発議を阻止できる。もし、与党側に3分の2を取られてしまうと、日本は大変な苦しみを味わうことになる。改憲勢力に議席を与えてはいけない」と訴えた。

 2016年6月10日、IWJの「2016年参議院選挙特番」の第2回目が行われた。前回に引き続き、ゲストに元日経新聞政治部記者の宮崎信行(みやざき のぶゆき)氏を迎えて、司会を岩上安身、プレゼンターをIWJ記者の平山茂樹が務めた。

 岩上安身は、「この参院選、このままでは、改憲勢力に162議席を取られてしまう。取られてしまうと改憲発議ができて、やりたい放題されてしまう。ここを死守するために、はっきりした目標を立て、あらゆる形で国民が参加しないといけない」と力説。

 その上で、「自民党の改憲草案に、最終的にイエスという改憲派には投票しないこと。自民、公明、おおさか維新、こころ、元気。これらの改憲派を徹底的に叩き落とすこと」と述べて、投票してはいけない政党を明確にした。

 「楽な選挙区はない」と言う宮崎氏からは、何度も「五分五分」という言葉が発せられ、岩上安身は、「非改憲派で、当落ギリギリの喫水線上にいる候補者を何とか押し上げたい」と語った。

記事目次

■イントロ

  • タイトル 【特番・第2弾】運命の分かれ道・2016年夏の参院選を徹底予想分析スペシャル!~改憲勢力の3分の2議席獲得の野望を阻止できるか!?危うしニッポン!ゲスト:元日経新聞政治部記者・宮崎信行氏、司会:岩上安身、プレゼンター:IWJ記者
  • 日時 2016年6月10日(金)19:00〜
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

改憲勢力に162議席を取られてしまうと、改憲発議が可能になり、やりたい放題に!

岩上安身(以下、岩上)「この参院選、野党は数ヵ月前まで『過半数を取る』と言っていました。それ以前に、このままでは(参議院の議席の3分の2に相当する)162議席を取られてしまう。取られてしまうと改憲発議ができる。改憲勢力にやりたい放題されてしまいます。だから、ここを死守するはっきりした目標を立てて、あらゆる形で国民が選挙に参加しないといけません。
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 6月7日、野党4党は市民連合と政策協定を締結しました。野党統一候補を支援する市民団体『安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合』と国会内で会合を開き、市民連合の政策要望書に調印しました。これまでは、安保法制廃止や集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回が柱でしたが、これに、参議院での3分の2議席阻止、反TPP、辺野古の新基地建設反対が入りました」

宮崎信行氏(以下、宮崎・敬称略)「これらは、最近の安倍自民党の政治テーマでした。憲法改正で緊急事態条項、憲法9条と13条を変えよう、というのが、この6年間の流れ。ここから6年後は2022年の夏で、安倍さんは引退し、次の人がやっているかもしれないが、誰がやっているかではなく、憲法改正の発議をやってしまったら、その先は誰がやっても同じことなんです」

岩上「本来なら、憲法は1条ずつ変えるわけだから、『今回は憲法のここを変える』と示し、その是非を選挙で問うというならば、まだわかります。だが、一切説明がありません。自・公・おおさか維新に投票したら大変ですよ。『緊急事態条項については説明できない』と国会で安倍さんは言っていたのが、突然、『はい、白紙委任しましたね。じゃ、緊急事態条項やります!』と。そういうことができてしまう。

宮崎「自民党は、前回の参院選が終わったその秋、特定秘密保護法を成立させている。1年ごとに、特定秘密保護法、閣議決定、安保法。たったの3年で、ここまで来てしまった」

岩上「次は、改憲。この参院選は間違いなく改憲が争点だが、与党はそれを隠し続けています。皆さん、今から1ヵ月、あらゆることをやりましょう。落選運動は自由です。(選挙区を)越境してやってもかまわない。『政治資金規制法違反で告発されているのに、反省していない候補者はおかしいから落選させるべきだ』という運動を、ひとりで展開してもかまいません。ただし、名誉毀損にならないように、きちんとした言葉でやること。できるだけ、ご本人が実名でやってください。ネトウヨのような真似はやめてくださいね」

おおさか維新に騙されるな! 彼らは安倍総理と手を握り合っている

宮崎「自分で考えて投票しましょう、みたいなことを言う人は多い。そうすると、わからない人は投票所に行かなくなる。ここ3回くらいの国政選挙は、『誰に入れていいかわからないから、投票所に行かない』という人が増えて、投票率が下がった。結果、自民党と公明党の現職が勝っている」

岩上「今回は、はっきりしています。候補者の良し悪しはいろいろあるけれど、自民党の改憲草案に最終的にイエス、という改憲派には投票しないこと。

 おおさか維新は安倍総理との間で、『自民党の改憲草案に協力する』と確実に言っています。公明党は、自分たちは自民党のブレーキになるかのように言うが、最後は必ずついていく。今の公明党は、創価学会の皆さんがずっと信じてきた公明党ではないんです。
 
 自民、公明、おおさか維新、こころが改憲派。今回は、この改憲派を徹底的に叩き落とすこと。ここを過ぎてしまえば、ジ・エンドで戻れない。田中康夫さんがおおさか維新から出馬することは残念です。どんな理屈を言っても、おおさか維新にいる限り、申し訳ないが信用できない。今からでも、おおさか維新からの出馬を取り下げてほしい」

緊急事態条項は麻酔注射。一発で眠らされ、国の改造手術をされる

岩上「『3分の2を取らせない』と、あの岡田さん(民進党)が言ってくれた。去年、インタビューした時には、聞いてくれなかったんです。『本丸は9条だ』と言っていた。その民進党が、とうとう言ってくれました。

 与党に改憲議席の3分の2を取らせてはいけない。まず、何を改憲するのかではなく、そこをフリーにして、3分の2議席を取ってしまうから。憲法9条の2項は変えた方がいいと考えている人も、憲法前文にある平和の理念、基本的人権、国民主権、言論の自由に手をつけるとは思っていないでしょう。ところが、自民党の改憲草案は、全部を変えてしまう。特に、新設される緊急事態条項は、変えられないものを一発で変えてしまう。麻酔注射を打って、全身を麻痺させるようなものです」

宮崎「戒厳令、ということですね」

岩上「しかも、終わりがない。緊急事態条項によって、国民、国会の承認なしに政令を出す。メディアは機能しない。国民は、公権力の言うことを聞かなければいけない状態になる。その状況で、国を全部変えるんです。これは、ナチスの手口。自民党、あるいは保守の人たち、公明党、創価学会の方々は、本当にいいのでしょうか?」

小西洋之議員本人から番組に突っ込み! 「千葉(定数3)で民進が2人受かるという分析は甘い!」

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岩上「前回の分析を振り返ります。北海道、東北、関東地方の14選挙区の予想をやり、宮崎さんは、自民、公明、おおさか維新の改憲勢力が66議席獲得し、民進、共産、社民、生活の非改憲勢力が46議席、と見立てました」

宮崎「野党系無所属も4人ぐらいで、合計で改選が121。非改選と合わせて242。改選を迎える121人の選挙区と比例を足したら、現時点ではこれぐらいだと思う」

岩上「前回の番組が流れると『待った!』という声が掛かりました。千葉選挙区で民進が2人当選と見るのは分析が甘い、と言ってきた人がいる。それはなんと、千葉選挙区の民進党予定候補、小西洋之議員本人です。私に電話をかけてきて、『僕が大丈夫(当選)だと分析されているが、それは甘い。(千葉選挙区は定数3で)僕は猪口邦子さん(自民)や元榮太一郎さん(自民)、水野賢一さん(民進)に負けている』と言うんです。IWJでは、このように喫水線上にいる人を集めて、押し上げることをやってきたい。小西さんは、その第一号の人です」

宮崎「これで小西さんが落選し、『そこから日本が転落していった』と後から語られるのではダメですね」

自民党の補完勢力、おおさか維新から田中康夫氏が出馬。その意図とは?

岩上「東京選挙区の新しい話題です。自民党は元バレーボール選手の朝日健太郎さんを出してきました」

IWJ平山茂樹記者(以下、平山)「朝日さんは、オリンピックにバレーボール選手としては出ていません。日本代表でアジア予選に出た。その時はテレビ中継もされて人気者でした。その後、ビーチバレーに転向し、ロンドン五輪に出ています。主要政策として、『オリンピックの成功』を一番に掲げています」

岩上「それは、誰にでも言える。参議院であれば、最低限の知識、政策、理念がないと困る。今井絵理子さんと同じ話です。今井さんは、自分が何も知らないことを露呈している。朝日健太郎さんは何を知っているのか。その点をIWJの記者が質問しています」

平山「なぜ、自民党から出るのか、という問いに、朝日さんは『アベノミクスに賛成』と答えた。『アベノミクスは、すぐには浸透しないかもしれないが、これから徐々に浸透することを期待している』という趣旨のことを言っていました」

岩上「これから浸透するということは、トリクルダウンがあるということでしょうか。稲田政調会長や、安倍政権の顧問で産業競争力会議メンバーの竹中平蔵さんは、今年に入って『トリクルダウンはない』と言いきっている。今後、貧乏人への分配はないことを、朝日さんは知らないのか。(政治を)舐めすぎではないでしょうか。なぜ、何の準備もなく政治に出てこられるのでしょう。

 そして、田中康夫氏です。彼は十分に頭が回る人。なぜ、おおさか維新から出るのでしょうか」

宮崎「おおさか維新は、今、はっきり改憲とは言っていないが、国会ウォッチャーの立場からは、まったく信用できない。というのは、労働者派遣法の改正の時、急に賛成に回って、修正までして衆院を通した。おおさか維新の会は、今現在、国会議事堂内で幹部をやってる人が、自民党が出した法案にお墨付きを与えている。そういうやり方をしているので、田中康夫さんが『違う』と言っても、改憲勢力としか思えない」

岩上「おおさか維新が出している憲法改正案には教育無償化が入っているが、それは憲法で定めることではなく、法律レベルの話。ものすごく国民に媚びる内容が入っている。あらゆる公的なものを民営化しようとする、極端な新自由主義者の橋下さんのもとにいる人間が、教育無償化とか、何を今さらという感じです。

 おおさか維新および橋下さんは、『自分たちは自民党とは違う』と上手に立ち回って票を集め、最後は自民党に票を渡して可決させていく、という補完を見事にやってきたんです。そこに田中康夫さんが入ったことは、本当に残念です」

宮崎「情勢からすると、このうちの1人は当選の可能性が高いですね」

反TPPのマドンナが出る山形選挙区(定数1)。安倍総理の山形入りは危機感の表れ!?

岩上「6月9日、安倍総理が山形入りしました。自民党が、いかに山形を重視しているかということ。なぜなら、(対抗馬として)舟山康江さんがいるからです。舟山さんは元民主党の元参議院議員で、農水省の官僚出身だから農政を熟知しています。『TPPは農政を守れない』と徹底的に反対しています。非常によくわかっている理論家なのです。

 舟山さんは山形でがんばり続けて、前回の選挙でJAから推薦を受けたら、公正取引委員会からそこのJAに、制裁とも取れるような嫌がらせがありました。そういう中、彼女は粘り強く無所属としてやってきて、今回の野党共闘で共産党からも支援を受けます。JAは、自主投票にしました。彼女は全候補予定者の中でダントツにTPPに精通している。彼女が勝つことは、全国の農業県の勝利にもなる。反TPPのマドンナです。だから、安倍さんが山形に来た」

宮崎「舟山さんは農林水産省の官僚同士で結婚して、自分の地元ではない山形に行き、子育てをして、2007年に初当選。民主党政権時には農水大臣政務官も務めた人です。ここ3年は浪人していたが、比較的早い時期から野党統一候補として擁立されました。TPP反対、改憲全力阻止、安保法制にも反対の人。ですから、山形は非常に注目される選挙区です」

岩上「全農業県の中で、シンボリックな存在。舟山さんは今、当落きわどいところにいます。自民が推薦する人が通るか、舟山さんが通るかで、本当に変わります」

議席数削減の新潟選挙区(定数1)、検察とも真っ向から渡り合う森裕子氏の復活なるか?

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平山「中部地方では、まず、新潟選挙区から。今回、定数が2から1に減って1人区となり、注目の選挙区です。現職で自民党の中原八一さんは、上脇博之さんたちの落選運動で、落選対象議員の第7号となっています。自民党の新潟県連の収支報告書に、500万円の寄付を受けたと記載しているものの、その資金管理団体の収支報告書には記載がないということで、刑事告発されています」

岩上「新潟の有権者は『ちゃんと説明しなさい』と、中原さんに迫る権利がある。検察は、早く答えを出すべき。不起訴でも、怪しければ検察審査会行きだと言わざるを得ません」

平山「対する野党統一候補は、無所属で元職の森裕子さん。参議院議員を2期務め、生活の党の元代表代行でもあります」

岩上「今回、日本中を騒がせた甘利明さんについて、不起訴の判断を下した検察。『検察は何やってるんだ、与党にそんなにおもねるのか』と怒っている人も多い。これは、法務省の黒川官房長という方がキーマンになっていると言われています。この黒川官房長は、甘利さんの甘い不起訴とは対象的に、陸山会事件で小沢一郎さんに異常なほど厳しい態度をとった。

 陸山会事件について、森裕子さんは自分自身が体を張って検察と対峙し、検事や法務官僚を呼びつけて話を聞き、黒川官房長と直接面談をして、黒川官房長はおかしいのではないかということを、『検察の罠』という本に書いたのです」

宮崎「日米地位協定の問題や、TPPのISDS条項もある。法務省関連に強い人は必要です」

岩上「そういう意味で、森さんのようにファイティング・スピリットのある人を、国会に送り込んでほしい」

平山「2013年参院選の得票結果では、自民、民主が分け合って、森さんは3位でした」

宮崎「単純計算すれば、民進党系で55万票の計算になる。立候補した人数が多いから、単純に足しても仕方ありませんが」

岩上「バラけていた野党が集まることで、森さんは有利になるのではないかと思いきや……」

宮崎「森さんが野党統一候補に決まるのが、ちょっと遅かった。民進党の衆議院議員が、参議院に行くという話も一時は出ていたので」

平山「激戦が予想されると書いたが、宮崎さんの分析では、中原さんが有利なのですね」

岩上「野党共闘といっても、実態はバラバラだと聞きます。しかし、共産党の新潟県委員会は、森さんの選対事務所に幹部を常駐させ、積極的なバックアップ体制を敷いています」

宮崎「このやり方をしているところと、そうでないところがある。やっても、必ずしもうまくいくわけではないとの話も聞くが、森さんはどうなるか。選挙は、単純に政策や組織だけではない。候補者の人柄の面も大きいので」

平山「民進党内には、旧民主党を離党した森さんへの反発の声があり、また、原発ゼロを訴える森さんとの間に温度差もある。森さんはドイツに脱原発の視察に行ったほどで、原発ゼロは主要政策です」

岩上「森さんは、本気の人だということ。原発ゼロについても、かなり本気。そして、戦争への懸念を強く持っている。数年前、僕がツイッターで、『今はもう、戦後ではない。新しい戦前だ』と言ったことに敏感に反応したのは、森さんたった1人。その戦前をストップさせ、戦端を切らずに済むかどうかの瀬戸際に、今、来ています」

富山選挙区(定数1)では圧倒的に強い自民党。市民連合候補がどこまで食い下がれるか

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平山「富山選挙区も1人区。自民党の現職、野上浩太郎さんは第二次安倍政権の国土交通副大臣です。対する野党統一候補は無所属の新人、道用(どうよう)悦子さん。元富山県PTA連合会副会長で、一般の主婦の方です」

宮崎「本当に、市民連合から出てきている人です」

平山「元々、富山県は保守が強い土地柄で、野上氏は3選を目指して支持拡大を図っている。新人の道用さんは、野党統一候補として主に安保法の廃止を訴えています。

 ポイントは、富山県は社民党の又一幹事長の地元ということ。社民党の力が相対的に強い地域です。当初、民進党富山県連は、新人の今井基之さんを擁立する方向だったが、今井さんには自民党議員の秘書だった経歴があることから、社民党が推す道用さんが野党統一候補となりました」

岩上「社民党の顔も立てなければ。共産党も1人出しているし、社民党も1人出すということでしょう。2013年の参院選の得票率は、自民の堂故茂さんが77%、共産の高橋さんは12%でした」

宮崎「3年前、民主党が候補者を擁立できなかった地域は、自民党が圧倒的に強い。富山選挙区は野上浩太郎さん。この人は二世議員で、お父さんは元衆議院議員です。当選2回だが、連続当選ではなく、2007年に落選している。その時は、無所属の森田さんが当選しました。

 なぜ、この富山で無所属候補が野上さんに勝ったか。国民新党の綿貫民輔さん、民主党、社民党が力を合わせたからです。保守が割れたこともあるが、やはり、1人区の戦い方がある。今回は共産党と社民党が、どれぐらい必死で道用さんを支えるかにかかっています」

岩上「(野党が)勝てないところだと普通に思われている。でも、県民が支えて運動してほしい。その時のプレゼンスが、比例の票にも影響してきます。何度も言いますが、目的は3分の2を阻止することです」

ガチガチの保守系地盤の石川選挙区(定数1)で、野党側についたベテラン保守系県議、金原氏に注目!

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平山「石川選挙区も1人区。現職は自民党の岡田直樹さん。この人も神道政治連盟です。当選回数は2回で、財務副大臣、党副幹事長を務めた。東大法学部を卒業後、北国新聞に入社。お父さんは北国新聞の会長で、奥さんが森喜朗元総理の姪です」

岩上「森喜朗さんと北国新聞がバックにいて、東大卒。これは石川県最強ですね」

宮崎「岡田さんは、特定秘密保護法の時、参議院で議院運営委員会の筆頭理事。また、財政金融委員長など非常に重要なこともやっている。議会運営の要で、今度当選3回となると大臣の椅子も見えてくる」

岩上「ここ3年間だと、特定秘密保護法、安保法制をごり押しし、今、騙し討ちのように改憲を出してくる、その中核にいる人ですね」

平山「野党統一候補は、新人の柴田未来さん。出身は北海道の紋別で、神戸大学卒業後、26歳で司法試験に合格して弁護士に。今回は石川から出ます」

岩上「この人は、宗教について取り沙汰されたことがあります」

平山「新興宗教の親鸞会ですね。浄土真宗とはまったく関係ない宗教団体ですが、大学などで学生に対して強引な勧誘を行うことが問題視されました。この柴田さんは、親鸞会の幹部ではないかという指摘がある。柴田さんをバックアップしている弁護士事務所は、まるごと親鸞会の信者だといいます」

岩上「カルトが膨れ上がって、国政を牛耳るところまでいった創価学会。あるいは、オウム真理教、統一教会のような反社会的行為を行った団体。親鸞会は、それらとはどう違うのでしょうか」

平山「霊感商法、マインドコントロールといった問題は、今のところない。違法性のある事件もないが、退会しにくくされるなどで、被害者の会のようなものはあります」

岩上「重要なことは、ベテラン保守系県議の金原(かなはら)博さん、県議会会派の未来石川の顧問ですが、この人が柴田氏を全面支援していること。沖縄のように、保守が割れたんです。金原さんが保守票をどれだけ動かすか。北陸には、真面目な保守派がたくさんいる。そんな人たちが『これはやばい』と考え始めたら、こういうことが起きてくる」

宮崎「北陸の保守は、比較的明るい保守だと思う。話はできるから、議論していく中で政治のあり方を考える風土がある。基本的に、県議の造反などがないと1人区では厳しいから、この金原さんの動きには注目です」

戦場になるかもしれない「原発銀座」を抱える福井選挙区(定数1)。野党統一候補はドブ板選挙を徹底できるか?

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平山「福井選挙区も1人区。現職は当選4回で、5選を目指す自民党の山崎正昭さん。現在は参議院議長です。安保法制審議の時に議長を務めていたので、皆さん、印象に残っているのではないでしょうか」

宮崎「大臣をやらずに参議院議長をやって、国会閉会中でも午後5時までは必ず議長室にいる、非常に真面目な方です。特定秘密保護法の時、自民党はかなり強硬な国会戦術を使ったが、山崎さんは参議院議長として矜持を持った運営をしていた」

平山「対する野党統一候補は、新人の横山龍寛さん。連合福井の事務局長です」

岩上「僕は、福井にお邪魔して取材しています。山崎さんのような経歴の人と比べると、新人だし、知名度も低い。連合がバックにいる野党統一候補といっても、どこまで掘り起こしができて、どこまで全力でやれるか。

 福井県は原発が多い。中国の脅威を言う日本政府が、戦場に想定しているのは『原発銀座』と呼ばれる若狭湾です。そのための日米合同演習も実際に行っている。それを横山さんに言ったら仰天して、『この話を県内に訴えて回る』とおっしゃっていました。初めての野党統一候補が、連合の中に収まるだけでなく、共産党やJAを回れるかどうか」

宮崎「連合福井に春まで出向していた人を知っているが、安保法廃案運動や沖縄県民集会に組織を代表して行き、平和に関する刺激を受けたということだった。連合福井の皆さんは、そういった思いを具体的な形でどう表現するか、考えてほしい」

岩上「日頃、自民党の言うことを聞けばいいと思ってる人たちが、そうじゃない人たちの話を耳にする場でもある。だから、本当に訴えてほしい。本当に、ドブ板選挙をやってほしい。不利だと言われている候補ほど、徹底的なドブ板をやって伝えてもらいたい。3分の2議席を取られたら、次はないかもしれないが、次につなげるためにも」

山梨選挙区(定数1)は連勝の輿石氏が引退、後継候補はそのバトンを維持できるか?

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平山「山梨も1人区。自民党の新人、高野剛さんは元山梨県議会議員を6期された方。民進党からは、野党統一候補として宮沢由佳さん。社会福祉法人子どもの明日福祉会理事長で、引退を表明した輿石(こしいし)東さんの後継候補です。また、元参議院議員(みんなの党)の米長晴信さんも立候補を表明しました」

宮崎「山梨は全国の定数1選挙区でもかなり珍しく、6年前は民主党が当選した。その現職が引退するので、後継の新人が立っている。6年前は輿石さんが3000票差で勝った。前回の衆院選は、1区で輿石さんの息がかかった候補者が1000票差で当選。輿石さんは組織があるので、票読みをして勝ってくる。 3000票差で勝てるのは、本当に強い候補です。輿石東は連勝してきたが、(引退後にも)それが続くか。自民党の山梨県連は一時壊滅的な状態になっていたが、どこまで盛り返すのか。まさに五分五分です」

岩上「宮沢さんは、子育て支援などの経験を武器に、生活立て直しで攻める。それから、戦争は嫌だということはアピールできる。あとは、この人がどのくらい話せるか。そういうことが重要になってきます。先ほど、北陸を見ていて暗澹たる気持ちだったが、接戦が出てきた。少し希望が見えてきました。

 自民党は大変な危機感を持っているようで、6月8日、自民党の選挙対策委員長の茂木さんが山梨県入りした。公示後の6月22日にも県内に入って、徹底的に高野さんのバックアップをする。ということは、ここは接戦だから野党側に勝ち目もある。3分の2を阻止したい人は、宮沢さんを徹底的に応援していくことが重要です」

定数減で1人区となった長野は大激戦に! 元TBSキャスター・杉尾氏の浸透力に期待

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平山「長野選挙区の定数は、2から1になりました。現職は、自民党の若林健太さん。外務大臣政務官も務めました。この人も神道政治連盟です。対するのが民進党の野党統一候補、新人の杉尾秀哉さん。元TBSキャスターで、引退した北澤俊美元防衛大臣の地盤を引き継ぎます」

岩上「杉尾さんは『ニュースの森』でお馴染みですね。ただのアナウンサーではなく、報道記者をずっとやってきた方。そして、TBSの幹部として仕事をしてきて、お辞めになった。私はインタビューしてきました。

 杉尾さんは記者として、元総理の羽田孜さんの担当だった。羽田さんは平和主義の人です。杉尾さんは『もう傍観者ではいられない』と。声を上げなければいけない、という思いが相当強い。ただ、杉尾さんは長野県出身ではなく、兵庫県の人。そういう意味では落下傘候補です。どれだけ、長野に浸透できるか」

平山「若林さんは組織力で勝っていて、業界団体を軸に支持を固めている。民進党新人の杉尾さんは、共産、社民と歩調を合わせ、反安保法制を中心に市民団体とも連携し、対抗勢力の幅広い結集を呼びかけてきました」

岩上「杉尾さんが、落下傘候補というマイナスイメージを払拭できるか。ドブ板をどこまでできるかです」

宮崎「長野選挙区は、戦後ずっと定数2。自民党と、今の民進党につながる政党が1議席ずつ取り続けてきた選挙区です。今回初めて1人区になるので、大激戦になる。最後の最後までわかりません」

野田聖子氏が自民の引き締めを図る岐阜選挙区(定数1)。定数減で自民と民進の現職が激突!

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平山「岐阜選挙区も定数が2から1へ。現職が自民党の渡辺猛之さん。当選回数1回で、国土交通部会会長代理です。岐阜で自民党と言えば、野田聖子さんの印象が強いが、野田さんが自民党岐阜県連代表に就任し、バックアップ体制を十分に敷いた状態にあると言われている。

 対する民進党の野党統一候補は、小見山幸治さん。この方も現職で、参議院国対委員長代理。小見山さんにはちょっと問題があって、2014年3月、ご自身の資金管理団体が、(トレーニングジムの)ライザップの費用として75万円を支出していたことがネット上で批判されました」

宮崎「岐阜選挙区は、これまでの定数2議席を自民党と野党第一党が分け合うことが多かった。これが定数1になるので、大激戦になるでしょう。小見山さんは議院運営委員会の次席理事で、深夜の国会で最後まで戦った中の副部隊長。一方、渡辺さんも、経済産業関係、中小企業関係でがんばって活動しているのが目立った。今年になって、民進党側は危機感から小見山さんを経済産業委員長にしている」

岩上「自民党は野田聖子さんが引き締めを図っていて、『厳しい選挙になる』という発言を常にしている。地元の岐阜新聞も、『そろそろ、自民党にお灸を据えたほうがいい』と言う人もいる、と報じている。自民党は危機感を募らせているのでしょうか」

宮崎「こういう報道も、自民党の引き締めを図るものだと思います。ですから、渡辺さんが有利ではないか」

「無風区」の静岡選挙区(定数2)では、自民、民進が議席を分け合う

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平山「静岡選挙区は定数2。こちらは、現職が自民党の岩井茂樹さん」

宮崎「この人も世襲議員。世襲はみんな、神道政治連盟に入っている」

岩上「神道政治と言ってる段階で、政教分離ではない。自民党は、自由や民主主義を謳っているが、神道と自由民主主義は絶対に相容れない。だったら、国家神道党とか名前を変えてはどうか」

平山「民進党は、新人の平山佐知子さん。フリーアナウンサーで、地元での知名度はとても高い人です。共産党も、新人の鈴木千佳さんを立てている。鈴木さんは党の県女性・子育て部長です。

 この選挙区は5回連続、自民党と旧民主党が1議席ずつを分け合ってきた。今回、自民と民主はともに40代の若手を立てて、手堅く現状維持を狙い、共産党が割り込みを図る」

岩上「過去の得票率を見ると、自民が強くて41.5%。民主も30%。共産は、そんなに多くない」

宮崎「静岡選挙区は引き続き定数2ですから、自民党の岩井さんと民進党の平山さん。この2人で、ほぼ決まりでしょう。無風区と言われています」

愛知県武豊町議選で元公明・町議の反乱あり! 愛知選挙区(定数4)で、これが影響するか!?

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平山「愛知選挙区は、定数が3から4に増えている。現職が、自民党の藤川政人さん。党の副幹事長です。民進党も現職で、参議院の文教科学委員会理事を務めている、斎藤嘉隆さん。民進党はもう1人、新人で公募に応募された伊藤孝恵さんがいます。

 公明党は、新人の里見隆治さん。この人は元労働省の官僚です。公明党としては、愛知で15年ぶりの候補擁立となった。共産党は、新人の須山初美さん。党の県常任委員を務めている。おおさか維新からは、減税日本との共同公認で新人の奥田香代さん。社民党は、新人で党の県副代表の平山良平さん。日本のこころを大切にする党からは、新人で元愛知県議会議員の井桁亮さん」

宮崎「愛知選挙区は、ここ1年で反乱があった。愛知県武豊町の町議会議員選挙で、公明党の本村強さんが3回目の当選を目指したが、『平和安全法制には反対だ』とはっきり言って、公明党から公認を取り消されたのです。本村さんは無所属で出て、62歳で当選した。

 公明党の場合、党の意見に逆らったということで立候補できなくなった人は大勢いる。この武豊町での反乱について、『愛知選挙区は広いから、他には波及しない』と言う人もいるが、そうでもないでしょう。ひとりの投げた石は大きいかもしれませんよ」

平山「元々、愛知は旧民社系の勢力が強く、『民主王国』と呼ばれていた。2013年の参院選では、民主党を離党した谷岡郁子さんの後継を選任せず、大塚耕平さんのみ擁立。それでも自民党の候補に負けて、『民主党、どうなっている?』という状況です。愛知の市民連合は、民進党の斎藤さん、共産党の須山さん、社民党の平山さんの三氏を推薦している」

岩上「斎藤さんと須山さん、平山さんが争い、2位を取れるかな」
 
宮崎「定数4で、自民党1人なら決まりだと誰でも思う。だから、どういう戦い方をするのかですね。組織が盤石なところもあるので、正直わからない。自民党と公明党が、1位、2位に入る形になるかもしれない」

岩上「でも、共産党が勝つかもしれない」

宮崎「かもしれません。4人区になったので」

岡田克也代表の地元、三重選挙区(定数1)で民進党は面目を保てるか?

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岩上「三重県です。自民党の新人の女性で、元会社員の山本佐知子さん。自民党にしては、こざっぱりした経歴ですね」

宮崎「三重県は定数1で、初めて民進党の現職が立つ。官房副長官もやった芝さんです。自民の新人、山本佐知子さんは元銀行員で、三重の人ではなく、山本幸雄元衆議院議員の養子です。

 25年前、山本幸雄氏には後継者がいなかった。地盤を引き継いだのが、岡田克也さんです。ところが今回、突然、山本佐知子さんが『山本幸雄の娘』を名乗り出てきた。ちょっと、お家騒動的な形です。岡田さん側は彼女の存在すら知らなかった」

岩上「迎え撃つのが現職の芝さん。野党統一候補で、元内閣官房副長官、元内閣総理大臣補佐官も務めている。2回当選しているので参議院は長く、中堅ベテランと言ってもいい。そこに、いわくのある山本佐知子さんがぶつかってきた」

平山「三重選挙区は、民進党・岡田代表の地元ですから、民進党にとっては負けられない。3選を目指す民進現職の芝氏が、議席維持に懸命です。岡田代表と一緒に農村部にも足を運び、アベノミクスによる格差拡大などを訴えて、票の掘り起こしを図っています。

 共産党は候補者擁立を取りやめて、社民とともに芝氏を支援。自民は3年前の選挙で議席を奪取し、新人の山本氏は女性国会議員らの応援を受けて、知名度アップを図っています」

岩上「 2013年の得票を見ると、自民・吉川有美さんが勝っている。得票率44.2%。2位は民主・高橋千秋さんの37.6%で、いい線いっていた。これは勝つか負けるか、大きいですね」

宮崎「前回は1人区で、民主党の現職が出た唯一の選挙区だったが、維新の新人の存在に思いが至らなかった。三重県には、維新の衆議院議員が1人いるので、その人がどれぐらい協力できるか。今は、民進党に入っている」

岩上「共産、社民の力が、どの程度プラスになるのか。ここは、そんなに大きくないかもしれない。とは言え、接戦となると最後の1000票、2000票がものを言うから重要です。民進党・岡田代表の地元だから、何としても勝ってもらわないと、民進党も面子が立たない」

滋賀選挙区(定数1)も激戦区。共産パワーがどこまで通用するか

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岩上「滋賀選挙区。自民は新人の小鑓(こやり)隆史さん。元内閣参事官です。民進党は現職、林久美子さん。元文部科学大臣政務官で当選回数は2回」

宮崎「林さんは、2004年に野党が勝った時の新人だった方。世耕弘成官房副長官の奥さんということで有名です」

平山「滋賀は1人区で、大変な激戦だと言われている。林さんが、野党統一候補として社民、共産からも推薦を得て、労組など支持層の票固めを図っている。民進党の自治体議員ばかりでなく、自民党の議員にも知り合いが多い。京都放送のキャスターということで、地元で知名度もあります。

 一方、自民党・新人の小鑓さんは、滋賀県知事選で敗戦した人。小鑓さんを応援する女性市議に対して、男性県議が公衆の面前でパワハラを行った事件があり、敗れました。おおさか維新も候補擁立を模索しているが、難航中です」

宮崎「12年前に林さんが初当選した時と比べると、衆議院情勢では自民党が盛り返してきている。組織では、滋賀は民主党が強かったが、今は自民党がやや優勢。自公対民共という形だが、組織の戦いでも新人の小鑓さんがやや優勢になっていると思う。この選挙区は、現職だから大丈夫、ということは通用しない」

岩上「これで、大阪維新が入ってくるとどうなりますか」

宮崎「何とも言えない。五分五分か、わからない。林さんが食われる可能性もあります」

岩上「2013年の得票を見ると、民進、共産が力を合わせると結構いけるんじゃないかという気もする。共産のパワーがどこまで通用するか、という感じですね」

京都選挙区(定数2)は、自民、民進の現職に共産・新人が割って入る構図

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平山「京都選挙区は定数2です。現職が、自民党の二之湯智(にのゆ さとし)さん」

岩上「特筆すべきは、落選対象議員第9号だということ」

平山「この人も、出所不明金などの虚偽記載があるとして、上脇氏が刑事告発しています。経歴としては、総務副大臣、総務大臣政務官を歴任しています

 もう1人の現職は、民進党の福山哲郎さん。当選回数3回、幹事長代理をされています。共産党は、新人の大河原壽貴(としたか)さん。弁護士をしています。

 京都選挙区は、2001年から2010年まで4回連続で自民と民主が2議席を分けあったが、2013年は自民と共産が当選した。不倫スキャンダルが発覚した宮崎謙介衆議院議員の議員辞職によって行われた、今年4月の衆院京都3区補選では、自民党は候補擁立を自粛、民進の泉健太さんが当選しました」

宮崎「福山さんは、2人区では唯一、民主党でトップ当選しました。定数2なので、自民党の二之湯さんと民進党の福山さんの当選は堅いだろうと思っています。ただ、前回は共産党が当選しているので、福山さんや前原誠司さんが共産党をけん制する発言をしています。選挙情勢は自民、民進だが、共産党も入ってくるかもしれません」

岩上「二之湯さんは、政治資金問題を全然説明していない。落選運動が盛り上がってきたら、どうなるのでしょうか。そして、福山さんは以前のような人気を保てるのか。共産党の特徴は、候補者に関係なく、支持者が多い地域では票が上がる傾向がある。注目の選挙区になります」

平山「市民連合の政策協定を、前原さんは党の見解ではないと発言しています。市民側からは、福山さんに対する逆風があるのではないか」

宮崎「全国紙の記事にも見出しが出ています。ただ、2人区ということでの事情もある中での発言。全国的な市民連合に関しては、前原さんの発言は割り引いて考えていきたい」

岩上「前原さんの発言は、政治家としてお粗末です。今なら、『民進党と共産党で、3分の2を確保させないためにがんばろう』というのが大義でしょう」

自民、公明、維新の改憲勢力が強い大阪選挙区(定数4)。野党は一矢報えるか?

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平山「大阪は定数4。自民党は新人の松川るいさん。この人は元外務官僚で、公募の方です。民進党は、現職で当選2回の尾立源幸(おだち もとゆき)さん。元財務大臣政務官です。公明党も現職で当選1回、防衛大臣政務官の石川博崇さん。共産党の新人、渡部結さんは党大阪府委員会青年学生委員会責任者という立場。おおさか維新の会は、党政調会長の浅田均さん。もう1人は新人で、高木かおりさん。この方は、堺市議会議員を務めています。市議会議員に出馬した際は自民党から出馬し、離党して維新に行きました」

 民進は、尾立氏の裏だった梅村聡前参院議員が、おおさか維新の会に行ってしまい、民進党大阪府連の幹事長だった樽床伸二さんも離党。大阪の府議も市議もゼロになり、厳しい情勢です。公明は石川氏の議席死守に向け、全力を尽くす構えです。おおさか維新は、地域政党・大阪維新の主要メンバー、浅田氏の擁立を早々に決定。高木氏は、堺市議選で自民党から出馬し、初当選した経緯がある。2013年に当選を果たした共産の新人、渡部氏は議席獲得を狙います」

宮崎「大阪は定数4で、非常に難しいが、組織がある自民党と公明党が1人に絞っています。この2人は確実でしょう。民進党は、旧民主党が政権を失って以来、大阪府では第5党で圧倒的に弱い」

岩上「大阪と沖縄は、民主党はまるっきりダメ。そういう意味では、地域政党と自民党が強い」

宮崎「大阪とは関係ないが、衆議院も参議院も、投票用紙1枚目の選挙区の票と、2枚目の比例の票とで、違う政党の名前を書いていいことを知らない人がすごく多い。選挙区で個人に入れたら、その人の政党の名前を2枚目に書かなければいけないと思っている。それは間違いです。

 尾立さんは、民進党府議会議員も含めて組織が弱いので、かなり厳しい。3番目は、おおさか維新の会の浅田均さん。この人は、橋下市長と松井知事との維新結成メンバーです。今回初めて国政に立候補します。

 おおさか維新の会は、2人も立てたくなかったんでしょうが、自民党を離党した堺市議会議員の高木さんを擁立してきています。おおさか維新が一時の勢いなら、ワン・ツー・フィニッシュだが、今回はどうでしょう。彼らにとっては大事な戦いです」

岩上「共産党は、全国的に健闘する可能性があります。前回の得票を見ると、維新の東徹さんが1位。自民、公明、共産と続いている。これを頭に入れておくと、自民、公明が来て、維新、共産。おおさか維新が2人を立てたことで、もしかすると票が割れるかもしれない。共産の芽も出てくる。民進党は、がんばって4位で入れるのか、どうか」

宮崎「民進党は現在4位~5位。最後の1議席を、民進党と共産党で争う可能性が高いですね」

岩上「大阪は微妙です。たとえば、自民、公明、維新、維新となったら、改憲勢力が4つになってしまう。せめて、民進か共産が一矢報いないと」

宮崎「おおさか維新の事情はわからないが、北と南で分けているので比較的やりやすいかもしれない。自民と公明が負けることはないでしょう」

岩上「大阪選挙区は混戦模様です。大阪は人口が多いので、アクティブな運動や市民の参加が、結果を左右するかもしれない」

政治資金問題で告発された自民現職は票を減らす!? 兵庫選挙区(定数3)は自民、民進に続き、共産が入る可能性も

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平山「兵庫選挙区は定数が2から3に増えました。現職は、自民党の末松信介さん。当選回数は2回で、党幹事長代理、元財務大臣政務官という経歴です。1157万円の選挙資金を出所不明の金で捻出したということで、政治資金規制法違反で刑事告発されている、落選対象議員の第3号です。

 民進党の水岡俊一さんも現職で、当選回数は2回、元内閣総理大臣補佐官です。定数が増えたことで、24年ぶりに公明党が兵庫で擁立した新人が、弁護士の伊藤孝江さん。そして、共産党の新人、金田峰生さんは元兵庫県議会議員です。おおさか維新は新人で、元NHK記者の片山大介さん。片山虎之助共同代表の二男です。

 おおさか維新が初の候補を擁立。自民の末松さんは、前回まで協力関係にあった公明の独自候補擁立で危機感を抱き、組織固めを急ピッチで進めています。

 民進党の現職国会議員は、今回出馬する水岡さんと、維新から合流した井坂信彦衆議院議員の2名のみで、これ以上減らすわけにはいかない。兵庫での支持母体の勢力が強い公明の伊藤氏は、自民の推薦を受ける。4度目の国政選挙挑戦となる共産の金田氏は、安倍政権批判層の幅広い取り込みを図っています」

岩上「 2013年の得票結果は、鴻池さんが強い。その次は維新だが、維新は勢いが当時とは違っていると思う。民主党は15%、共産は9%持っていた。これを足したら勝負になったかもしれないが、今回もバラバラです」

宮崎「公明党は24年ぶりなので、3人目に共産党が入ってくる可能性もあります。兵庫に関しては、公明党は落とすかもしれない。ここは、いろいろと今までの経緯があるので、非常に複雑なんです。

 前回、2人区の時には、おおさか維新が入っている。今回、勢いが落ちたとはいえ、3人区の3番目に入らないとは限らない。激戦になります」

岩上「普通なら自民党は大丈夫そうだが、公明党が離れている。落選対象議員なので、評判も落ちるかもしれません」

維新の票が自民を食うか、民進を食うか? 動きの読めない奈良選挙区(定数1)

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平山「奈良は定数1。自民党は新人で、元総務省官僚の佐藤啓さん。現職は、民進党の前川清成さん。元復興副大臣の方です。おおさか維新も新人の吉野忠男さんを立てている。この人は大阪経済大学の教授です」

宮崎「奈良は、古き良き参議院の伝統を引き継いでいて、かつて吉田幸久参議院議員が、奈良の補欠選挙で連合候補で当選して、海部内閣の政治改革につながっていった。その系譜を受け継いでいるのが前川清成さん。弁護士から転身して12年前に当選、サラ金撲滅などに本気で取り組んだ、正義感あふれる政治家です。

 おおさか維新の会からも出るが、ここについては民進党とおおさか維新の会の統一はどうにもならなくて、話をつなぐ人もいない状況。ここは、残念な選挙区です。維新の当選は、まず、ないけれども、維新の票が自民と民進のどちらを奪うのか、読めないところがある」

岩上「おおさか維新の票が、自民を食うか、民進を食うか。何度も言うが、おおさか維新は改憲勢力です。前回の得票で民進と共産を合わせると38%、それでも自民には足りない。ここは共産と社民が手を組んで、あとは無党派層が、今回の参院選の重大な意味に気がついてくれるか、ということ」

圧倒的に自民が強い和歌山(定数1)。市民団体擁立の無所属候補が、野党共闘でどこまで迫るか

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平山「和歌山選挙区は1人区。現職は、自民党の鶴保庸介さん。国土交通副大臣や国土交通政務官を歴任した。対する野党は無所属の新人で、弁護士の由良登信さん」

岩上「民進党の支持者が、由良さんに票を投じるかということですが、前回の得票を見ると、自民の世耕さんは70%取っています」

宮崎「定数1で、民主党が擁立を見送った。不戦敗になったので、自公の世耕さんと共産の原さんで4倍くらいの差になりました」

岩上「野党が集まって、どれだけいけるか。市民団体でつくる『安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま』が、由良さんを擁立しました。民進は自主投票。自民党が圧倒的に強い選挙区だが、真っ向から挑んでほしい」

1議席でも多く! 野党共闘で85議席以上取れば、改憲発議を阻止できる

岩上「『3分の2を絶対取らせない』は、民進党だけのスローガンではありません。改憲勢力以外、すべての人のスローガンでなくてはならない。改憲勢力は自民、公明、おおさか維新。この改憲勢力が78議席を獲得すれば、参議院全体で3分の2に到達する。野党共闘が85議席以上取れば、改憲発議を阻止できる。1議席でも多く、ということ。

 民進党の中には、日本会議の集会に堂々と出席していたり、この期に及んで『市民連合との協定は民進党のものではない』と言い張る前原誠司さんのような人がいて、油断なりません。そういう人が、3分の2の側に行ってしまえば、日本は大変な苦しみを味わうことになるかもしれません。目先の利益を考える人は必ずいます。だから、できるだけ議席は多めに取りたいところです」

宮崎「このように見てきて、1人区は大事だと思う。本当に楽な選挙区はありません。やるしかない」

岩上「皆さん、選挙に行きましょう。当落ギリギリのところにいる候補者は、福島瑞穂さんが実践している『ずんずん街宣ツアー』というハードなドブ板を、がんばってやってもらいたい。応援している市民はたくさんいます」

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