「FREE KENJI!」の願い届かず――イスラム国に拘束されたジャーナリスト・後藤健二氏の解放を訴える緊急アクション 2015.1.30

記事公開日:2015.2.1取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・ぎぎまき)

特集 中東
※2月1日テキスト追加しました!

 日本時間2月1日午前5時頃、イスラム国は、後藤健二氏と見られる男性を殺害したとする映像を投稿した。イスラム国がヨルダン政府に求めた死刑囚釈放の期限が過ぎ、後藤氏解放の行方が懸念された中での突然のニュース。政府は、映像の信憑性は高いと見ており、安倍首相は1日朝の声明の中で、「非道、卑劣きわまりないテロに強い怒りを覚える。テロリストたちを決して許さない。罪を償わせるために国際社会と連携する。日本がテロに屈することは決してない」 とする見解を示した。

 これまで、拘束された邦人の無事を願い市民によるアピール行動が連日行われてきたが、1月30日にも首相官邸前で、後藤健二さんと、ヨルダン人パイロットのムアーズ・カサースベ氏の解放を求める緊急アクションが行われた。

 吐く息が白くなるほどの寒さの中、約100人の参加者が集まった。後藤氏解放の願いが届かなかったのは極めて残念な結果だが、この日、参加者が寄せたそれぞれの想いをここに、記したい。

 「『テロ』が現実に起こるとは思ってなかった。安倍政権が取ってきた『戦争ができる国』にするという政策が、こういう形で現れたのではないか」

 70代の女性は、後藤さんの解放を願うとともに、安倍政権がこれを機に、対テロ戦争に向けた武力路線を加速させるのではないかと、今後の先行きを案じた。

 友だち同士で参加したという20代の男女も、それぞれの思いを口にした。

20代女性「集団的自衛権や自衛隊派兵、憲法改正などいろいろ動きがある。これから、戦争に向かって前進してくのではないかという怖さがある」

20代女性「今まで、外国人が対象だったが、今回は、日本人がオレンジの服を着ている。これまで身近ではなかった『テロ』が近くに迫ってきていることにショックです」

20代男性「(今後、自衛隊が派兵される可能性について)自衛隊の人たちはどういう思いで行くのか。今、起こっていることを前に、もう一度考え直す機会になるのではないかと思っている」

▲参加者は思い思いのプラカードを持ち寄り、後藤さんらの解放を訴えた

■ハイライト

  • 日時 2015年1月30日(金)18:30~
  • 場所 首相官邸前

安倍政権の誤った外交を後押しする危険性

 「FREE KENJI!」の緊急アクションは28日に続いて2回目。IWJは、主催者であるピースボート共同代表の吉岡達也氏や、数ヶ月前にヨルダンを訪れたというメンバーに話を聞いた。

 吉岡氏は、日本社会が今後「誤った外交をサポートする可能性」を懸念する。

 「中東の状況が酷くなっていったのは、イラク戦争が一つの大きなきっかけ。あの戦争は何だったのか。その後、何が起こっていたのか。それを理解しなければ、私たち国民や有権者が誤った外交をサポートしてしまうかもしれない。

 イラク戦争後の流れの中で、今回の状況がある。湯川さんと後藤さん、ヨルダン人パイロット、たくさんの子供たちを含めて犠牲になっている中東と、私たちは繋がっている。今、私たちが何をするのかということが重要」

 吉岡氏は続けて、情報の受け取り手として、「勧善懲悪型」の構図に陥らないよう、警鐘を鳴らす。

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です