【沖縄県知事選スペシャル】翁長雄志氏、米軍基地負担と「リンク」した沖縄振興策に強く反対 辺野古移設は「ご破算」にする意欲を岩上安身に語る 2014.10.16

記事公開日:2014.10.16取材地: テキスト動画独自
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(取材:岩上安身、記事構成:藤澤要)

 4人の有力候補者が並び、混戦が伝えられる沖縄県知事選。立候補表明をしている翁長雄志氏に、岩上安身が10月16日、インタビューを行った。

 那覇市長を4期連続でつとめた翁長氏は、当初から辺野古基地の建設に対し「反対」の立場を明確に打ち出した。14日には、公約に「あらゆる手法を駆使して辺野古新基地は造らせない」と明記する方針を決めている。

 インタビューで翁長氏は、沖縄にのしかかる米軍基地の加重な負担に言及。米軍基地の存在をめぐり、「いろいろな人権が失われ、日本からも切り離されてきた」と語り、「日本の安全保障は日本国民全体で負担してもらいたい」と訴えた。

 10月15日、同じく沖縄県知事選に立候補表明をしている喜納昌吉氏は、岩上安身のインタビューに答え、「翁長さんの頭には、辺野古の基地建設が既定路線としてある」という趣旨の発言をした。

 これに対し翁長氏は、これまでの自身の政治家としての発言は記録として残されており、それを見れば答えは明らかだと反論。沖縄基地負担の削減に、なによりも重きを置いてきた自身の政治姿勢を語った。

 インタビューで翁長氏は、辺野古へ基地建設され国有化された敷地からは「沖縄県の自己決定権」が奪われると話し、これを金と引き換えるつもりはないと断言。「ご破算」にするとの意欲を語った。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2014年10月16日(木) 16:30~
  • 場所 翁長雄志事務所(沖縄県那覇市)

県内の保守、革新の対立を越えて

岩上「翁長雄志・前那覇市長の事務所におじゃましています。辺野古の基地建設に反対を表明されています。また仲井真さんとの決裂もありました。どういう経緯で立候補を決意されたのでしょうか」

翁長氏「基地をめぐって、小さいころから、保守系の父と兄の選挙を手伝う中、保守と革新がののしり合う構図を感じてきました。県民同士が分かれて喧嘩をしているのを悲しく見てきました。

 いつか保守と革新とが乗り越えていけないか、と考えてきました。冷戦が終わり、市長になってから世の中も変わってきた。日本は、0.6%しか面積がない沖縄に、70%以上の基地を押しつけています。

 その中で、安倍総理が『戦後レジームからの脱却』と言っている。沖縄県内の自治体首長が普天間県内移設反対とオスプレイ配備反対の建白書を出したが、一顧だにしなかった」

選対本部長として支えた仲井真氏の心変わり

翁長氏「仲井真さんの『これでいい正月を迎えられる』という発言。この後から、保守、革新双方から、『あなたが選挙に出るべきだ』という声が出るようになりました。ならば県民の今の気持ちに答えるだろうと、出馬を決意しました」

岩上「仲井真さんのしたことを『裏切り』と表現する人もいますね。仲井真さんの心変わりは予期できるものでしたか?」

翁長氏「仲井真さんの4年前の選対本部長を引き受けたのも、普天間県外移設が条件でした。仲井真さんもそれを受け入れた。

 知事になってからは県外移設を決意したようでした。しかし、自民党政権になってからそれが変わってきた。沖縄県民が一番傷つくのは『基地をもらって振興策をもらっているんでしょ』という言葉。そのひだに仲井真さんは気づいていない。

 基地と振興策をリンクさせたということで、私は仲井真さんと一緒にいられないと思いました」

岩上「翁長さんのほうが県外移設を仲井真さんに迫っていたということですね」

翁長氏「彼の考えが変わってきたのが分かっていた。もしかしたら、という胸騒ぎがありました」

岩上「沖縄県民の意志は県外移設です。しかし、自民党県連や仲井真さんが自民党本部により切り崩された。その『手口』、あるいは説得のしかたをご存知でしょうか」

翁長氏「本土と沖縄の分断というものがあります。また、ウチナーンチュはヤマントチュになりきれないという思いもある。

 鳩山さんが『県外』といった一年後、『県内』となった。沖縄でぶれないで『県内』を主張をすれば、民主党から除名ですね。自民党の場合も同じですね。

 私は那覇市長に4期当選しましたが、バックボーンは市民です。自由民主党における私の思いはありましたが、オスプレイ配備のころから、この国はおかしいと思うようになりました」

日本の「盾」とされる沖縄は「2発のミサイル」で滅ぶ

岩上「冷戦体制の中では保守か革新かという時代が終わり、保革の対立が解消されるかもしれないと感じたというお話でした。しかし、右傾化の疑問があるということですね」

翁長氏「私は第一次安倍政権で『美しい日本』と言ったときからおかしいと思っていた。第二次安倍政権では『日本を取り戻す』。その『日本』に沖縄は入っているのでしょうか。

 万が一戦争になったとき、2発のミサイルを沖縄に落とせば、県民はみな亡くなります。沖縄問題を解決しない日本は、世界に通用しないと思います。基地問題や歴史問題をふまえての『日本を取り戻す』ならいいのですが」

岩上「沖縄基地問題。米兵を適性に処罰できないなどさまざまな問題に苦しめられてきました。そこに加えて安倍政権になってから不必要な緊張が高まっていますね。沖縄にとっては戦争の最前線に立たされるという危機感ですね」

翁長氏「ありますね。エスカレートした時に日本はどうなるのか。9.11で観光客が4割減りました。数は戻りましたが、利益率は回復していません。観光は平和産業。この平和がなくなれば、経済という意味でも根底から崩れていきます」

岩上「第一次安倍政権のときに、サッチャー政権時のフォークランド紛争という遠隔地の戦争について研究しにいったという報道があります。ナショナリズムに興奮するが、本国は安泰という構図です。沖縄と重なるように思うのですが」

翁長氏「サンフランシスコ講和のお祝いをするときに、沖縄が切り離され、『独立』を祝った。これから以降も、本土を防衛する時に沖縄を切り離す、という歴史の教訓があると思います。

 20、30年前から『沖縄は甘やかすな』という言葉があるのです。日本が沖縄に甘えているのか、沖縄が日本に甘えているのか、その検証をしないと、問題の本質が分からないままです。沖縄側の政治もしっかりしないと、県民に申し訳ないなという思いです」

岩上「集団的自衛権の行使について、政府は憲法で認められていないことを閣議決定しました。米国に追従する一方、ウクライナ・中東情勢をめぐり、日本も巻き込まれることが予想される。日本でもテロが起きるかもしれないという危機感があります」

翁長氏「集団的自衛権について、閣議決定の危険性には触れてきました。今回の安倍政権のやり方は理解ができないとコメントしております。特に沖縄には、74%の基地が集中します。

 米国は海兵隊を分散させようとしているのに、日本政府は『いることが抑止力』としています」

岩上「一種の人間の盾ですね」

翁長氏「『沖縄は日本を守ることに誇りを持てないのか』という主張もあります。また、『沖縄はいいねえ3000億も貰って』と喧伝されますが、これは内閣府の一括計上による額です。3000億のおおよそは、ほかの県の場合と同じしくみの中で受けているものです」

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