旧日本軍による従軍慰安婦の「強制連行」を巡り、朝日新聞は8月5日付けの記事で、「済州島で慰安婦狩りをした」と証言した故・吉田清治氏を取り上げた記事について、「一部に事実関係の誤りがあった」と認める報道を行った。吉田氏の証言については、従来から「証拠がない」として疑問視する声があがっていた。
この朝日新聞の報道を受け、読売新聞や産経新聞、さらには一部の保守系メディア・言論人からは、「朝日新聞の誤報により国益が損なわれた」との声があがった。しかし、慰安婦問題の焦点は、吉田氏が述べたような、首に銃剣を突きつけて人狩りのように慰安婦を連行する「狭義の強制性」ではなく、残された多くの証言などにより明らかなように、甘言などで誘い出され、その後も自らの意志に反して慰安婦にとどめおかれたという「広義の強制性」なのではないか。
終戦記念日である8月15日、従軍慰安婦や南京大虐殺など、歴史認識の問題に詳しい哲学者の能川元一氏に岩上安身がインタビュー。朝日新聞の「誤報」を攻撃する「右派メディア」の問題性について語った。
慰安所の設置に軍が関与した証拠とは
産経新聞をはじめとする「右派メディア」は、従軍慰安婦は「狭義の強制性」の問題であると、一貫して主張してきた。吉田清治氏の証言に証拠が見いだせないため、朝日新聞が意図的に問題を「広義の強制性」にすり替えた、というのがその主張の中身である。そのことにより、「右派メディア」は、従軍慰安婦には旧日本軍が関与していないというロジックを展開する。
しかし、能川氏によると、旧日本軍が慰安婦制度の設置に、旧日本軍が関与していたことは明らかであるという。1937年9月、日清戦争が始まってすぐの段階で改正された「野戦酒保規定」には、「慰安施設」を設置する旨の記載がある。これが、「軍に付属する売春施設を設置した根拠法だと言える」と能川氏は説明した。
「軍がこの慰安所を作った動機としてあげられるのが、強姦の防止、それから梅毒など性病蔓延の防止です。コンドームを配布したという記録も残っています」
このように、慰安所の設置に軍が関与していたことは明白であるにも関わらず、戦後、政府はそのことについてだんまりを決め込んだ。その代表例が、中曽根康弘氏である。中曽根氏は、自らの手記の中で慰安所を作ったことを記しているにも関わらず、戦後、「あれは碁会所を作ったんだ」と説明している。
「1990年6月6日、参院予算委員会で、清水傳雄・労働省職業安定局長が、従軍慰安婦は民間業者によるものだという答弁をしています。これが日本政府の建前でした。
中曽根氏自身が慰安所を作っていて、政府の答弁が嘘であることを知っているわけですね。しかし、真実を知る人は、みんなだんまりを決め込んだのです」
従軍慰安婦問題は「現在の人権問題」
長きに渡り全てといってもいいメディアが取材してきたのが従軍慰安婦問題だ。証人による証言も映像や写真で散々紹介された。素人のブログのように確かめもせずにコピペしたようなレベルの問題ではない。朝日新聞を叩くと言うのは一部の変な人達の共通の目的のようで、何かにつけて朝日新聞を叩くというのが“お約束”になっているので注意が必要である。
慰安婦問題は昭和の時代から多くのマスメディアが取材した上で報道してきた問題だが、その事実すら無かったことにしようとするごく少数の人間が当時から居た。しかし当時は、事実すら無かったことにしようとする人達の数はごく少なく“極めて特殊な人達”ではあった。それがどうだろう、平成に入ってから時代が進むとともに“極めて特殊な人達”が増殖してゆくという異常な事態に成った。これは、“極めて特殊な人達”による“絶えることが無い地道な努力“が実ってしまったのである。何故、“極めて特殊な人達”は“絶えることが無い地道な努力“を長年永続的にやっているのか、そこが大いなる疑問である。
最近の従軍慰安婦問題を無かったことにしたい人達が朝日新聞批判をする時の論拠は、一言で言えば“嘘をコピペで広めた最初のソースが朝日新聞だ”というものである。何故こんな論法を取るか、それは歴史修正主義者たちが正にコピペでデマを拡げてきたからに他ならない。歴史修正主義者たちは、自分たちがやってきたことと同じことを朝日新聞や多くのマスコミがやってきたと言っているワケだ。但し、この彼らの論法を信じてしまうのはコピペ脳の人達だけだ。おそらくは組織的にやっているので、ネットの掲示板やブログやツイッターやLINEだけを見るといかにも世論が動いたように見えるかもしれない。しかし、無知な若者はともかく中年以降の人達を騙すのは難しい。
意図をもって組織的に作ったネット世論を正しい世論だと主張する政権があるとしたら、そのネット世論の元は政権だと判断して間違いない。世界中のマトモな国の政権はそう解釈するので、この世論を作った政権と与党は覚悟すべきである。日本は、確実に戦前のような孤立国家へと向かうのである。
この番組が流れているときに、別のチャンネルでは、イスラエルの人たちがパレスチナ人が経営する商店街をヘイトスピーチをして歩く様子を岡真理さんが紹介していました。
新大久保のヘイトスピーチデモと、どこまでも似通っています。
まさかともいますが、官製デモなんてことはないですよね。
能川先生が示された”文化依存症候群”というのを私は初めて聞きましたが、今の政権とヘイトスピーチをする者たちに共通しているのですから不思議です。文化依存症候群・レイシストタイプ、と限定した呼称にして症状が緩和できればいいのに。
私も連続コメント失礼します。
避妊具の件でひっかかったのですが、私が学生の頃、赤ちゃんのおむつに、布おむつをおすすめする活動がありました。紙おむつによる皮膚のかぶれやごみの問題も出ていましたし、妊娠期間中に布おむつを縫いながら母性を育むとも言われてました。 紙おむつや粉ミルクの普及、生理用品、避妊具、ワクチン、、。米国の医薬品やヘルスケア産業が巨大なのにも驚きますが、避妊具の普及は性感染症を防ぐ効果もあるでしょうが何よりも妊娠を防ぐのが目的でしょう。
話題が飛びますが、参勤交代制度は遊郭を繁盛させたのでしょうか。参勤交代制度の負の遺産を従軍慰安婦制度が引き継ぎ、武器も避妊具も売れる。なんて巧妙。。
哲学がご専門の熊川先生の緻密な慰安婦論を拝聴しました。
いまどきの安倍総理はじめ政府首脳から「ネトウヨ」と称する「軍国ボーイス」、それから「軍国ガールズ」と言われだしている高市早苗自民党政調会長からその仲間たちまで、窮屈な思考と視野には入りきらないと思います。
その理由は、日中戦争を美辞麗句の悲劇に仕立て上げ、そうでない部分を排除したいから、だと思います。彼ら、軍国ボーイズにとっては、旧日本軍は「軍神たち」にあたり日中戦争は儀礼のように荘重な空想的戦争行為です。それは許されない。慰安婦問題を悪い現象として排しても、「軍国ボーイス」には国際社会が、「軍国ガールズ」には多くの女性世論が不安なので、ひとえに朝日新聞攻撃に矮小化していると思います。
慰安所の問題については、橋本大阪市長のスタンスを私は支持します。
議論すべき大切な問題だとは思いますが、金目当ての政治利用が成されているように見えてなりません。