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特集 名護市長選挙特集 日米地位協定

 普天間飛行場の辺野古移転の命運を賭けた名護市長選挙が、今月19日に投開票日を迎える。

 市長選に出馬する現役名護市長・稲嶺進氏は8日、名護市で決起集会を開き、改めて辺野古移転を認めない立場を強調。3000人を超える支持者が集まり、会場は熱気に包まれた。

  • 記事目次
  • 辺野古移転を拒み、米軍再編交付金に頼らない街づくりを
  • 現代の琉球処分にわじわじ悲しくなった「がってぃんならん」
  • 後世の子どもたちに負の遺産を残さない。それができるのは今いる私たちだ

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辺野古移転を拒み、米軍再編交付金に頼らない街づくりを

 応援に駆けつけた国会議員は、生活の党・玉城デニー議員、日本共産党・赤嶺政賢議員、無所属で沖縄選出の糸数慶子議員、社民党の照屋寛徳議員。赤嶺議員はスピーチで、沖縄紙で報じられた候補者討論の内容を紹介。「自民党候補者が『米軍再編交付金を受け取ってないので、財政は圧迫している。受け取るべきではないか』と質問をした。稲嶺市長は、『自民の頃は積立金37億円だったが、現在は積立金70億円』と反論した」。

 さらに、「米軍再編交付金は基地建設を手伝った自治体のみに払われる交付金で、その額は17億円。これが10年間続くが、5年後に17億円は半分になる。そして、基地が完成すれば、1円も出なくなるのが再編交付金の法律のしくみ。なくても街づくりは立派にできる」と述べ、交付金に頼らない街づくりの重要性を訴えた。

 俳優の菅原文太氏は、花とともにメッセージを寄せた。メッセージでは、「選挙の行方は日本中、世界中が注視している。安全と誇りを守る知事が、中央政府の脅しに屈服し、捨て去った以上、誰が未来にわたり沖縄の誇りと安全を守れるというのか」と沖縄の現状を憂い、稲嶺進氏の再選を力強く訴えた。

現代の琉球処分にわじわじ悲しくなった「がってぃんならん」

 登壇した稲嶺市長は冒頭、強い沖縄の方言を使って支援者に挨拶。今年の初日の出の綺麗さを語り、「去年12月のあの嫌な思いが吹き飛んで行きそうな、希望をもって拝んだ。しかし、しばらくすると、現実に引き戻されてしまう。県選出の自民党国会議員、自民党県連が、脅かされて恫喝されて、屈服してしまった」。

 稲嶺氏は続ける。「石破幹事長の後ろに座らせられた5人の姿が新聞に出ていた、あんなに恥ずかしい思い、そしてカメラの前に晒されて。あの惨めな姿を見て、わじわじ悲しくなった。我々は68年間も、ずっと苦汁を飲まされるような形で虐げられてきた。

 68年後にまた、琉球処分を思い起こさせるような姿が映し出された。それが今の日本の姿。4月28日の記念式典や靖国神社参拝、集団的自衛権、特定秘密保護法、どこに向かっているんでしょうか、私たちの日本は。私たちはがってぃんならん」。

後世の子どもたちに負の遺産を残さない。それができるのは今いる私たちだ

 安倍総理と会談し、辺野古の埋立を承認した仲井真弘多知事について、稲嶺氏は、「本当に情けなくなる」と落胆した表情をみせ、「『驚くべき内容でよい正月を迎えられる。140万人の県民を代表して感謝している』と言っていたが、誰がお願いしたのか、そんなこと。毎年3000億円交付されるというが、そこまで卑屈になる必要があるのか」と批判。

 市長としての4年間の振り返る稲嶺氏は、「再編交付金に頼らない街づくりを実証した」と断言。子育て支援では保育園就園児数560名の定員を増やし、中学卒業までの通院入院の無料化を実現、子どもの夢基金、学校へのクーラーの設置など、前市長が交付金をもらっていた時でも手が差し伸べられなかった分野まで、きめ細かく対応してきたつもりだ、と自身を評価する。

 最後に、稲嶺氏は会場に向け、「名護市長選挙は、名護市だけの問題ではない。沖縄県の問題にもとどまらない。これからの日本の在り方をも問う。今度の選挙、今いる私たちにその大きな責任が問われていると思います。後世の子どもたちに、負の遺産を残すのか、NOの答えを出すことができるのは、今いる私たちだ。名護市民の誇りと気概を示そう」と力強く訴えた。(IWJ・原佑介)

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