2013/12/02 秘密保護法に落合洋司弁護士「公安捜査にも関与した身として、強い危惧感を覚える」

記事公開日:2013.12.2
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特集 秘密保護法

 特定秘密保護法案について、元検事で弁護士の落合洋司氏が12月2日、永田町で「国家機密と刑事訴訟 特定秘密保護法案の刑事手続き上の論点」と題した講演をした。

犯罪があるから捜査するではなく、捜査したいから捜査する?

 一般的な刑事事件と違い、秘密保護法が想定する犯罪行為は政治性が強いため、公安部が取り扱うことになる可能性が高い。公安事件となれば、『犯罪があるから捜査する』だけでなく、政治的、恣意的な捜査が行われることもある、と落合弁護士は指摘。

公安事件に関わった経験もある、と話す落合弁護士は、「犯罪があるから捜査するのであれば、チラシをポスティングしているピザ屋にも等しく適用されるはずだが、そんな話は聞いたことがない。そういう(恣意的な)面があるのは事実」と話す。

恣意的運用に歯止めはない

 そうした恣意的運用・拡大解釈は防げるか。法案22条には、「拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず」「報道の自由又は知る権利に十分に配慮しなければならない」などとの文言がある。

「しかし、こういう規定があるから安心してくれと言われれば、まったくそうではないと考えている」と落合弁護士はいう。このような「スローガン」的な規定は、他の法律でもしばしばある。例えば「破壊活動防止法」には、「この法律は、国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであって、いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあってはならない」とある。

 破防法の条文について、落合弁護士は、「『あってはならず』と言っても、それは当然のことで実効性はない。『戦争があってはならない』と言っても戦争が起こるのと同様。『十分な配慮』と言っても、何をもって『十分』とするのかも曖昧。捜査経験に照らしても、捜査の暴走への歯止めにはならない」と痛烈に語った。

 落合弁護士は他にも、どのような捜査が行われるか、報道機関へはどのような捜査か、刑事公判はどのようになるか、といった独自の検証を行った。そのうえで、「法定刑も重く、処罰範囲の広範さ、捜査権限の濫用も軽視できない。報道機関への影響も多大なものがあり、その歯止めもない」と話し、「公安捜査にも関与したことがある身としては特に、強い危惧感を覚える」と結論付け、慎重な議論、審理が不可欠であるとの見方を示した。(IWJ 原佑介)

■ダイジェスト動画

 ・講師 落合洋司氏 (弁護士・元検事/東海大学法科大学院特任教授)
 ・主催 特定非営利活動法人うぐいすリボン
 ・告知 http://kokucheese.com/event/index/125085/

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